SUPフィッシングとは?SUP釣りに必要な装備や道具、タックルを完全解説!

コロナ禍の煽りを受けて、釣りブームとも言われている昨今、休日はどこの釣り場も人だらけ。

以前はガラガラだった場所も人で溢れかえっており、やっと竿を出す場所を見つけてもポイントはつり荒れているし、お祭りも多発。

そんな状況に嫌になってきているあなたに、SUPフィッシングをおすすめします。

SUPフィッシングを全く知らない方から、やってみたいけどどうやって始めるのか分からない、道具は?装備は?という方まで、SUPフィッシングに必要なタックルを解説いたします。

あると便利な小物たちも登場します。

高山泰行
執筆者
  • 釣り歴30年

愛知県出身在住。物心ついた時から竿を握り、小学生のころ近所の野池に釣りに行くようになり、完全にハマる。二十歳前後までバス釣りをメインに様々な釣りを経験し、現在はソルトをメインに日夜竿を振り回す。流行り、メディアに捕らわれない釣り方を日々模索中。マイボートを購入し、のんびりおにぎりを食べるのが目標。

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SUPフィッシング(サップフィッシング)とは?

SUPフィッシングとはその名の通り、「SUP」で「フィッシング」です。

SUP(スタンドアップパドルボード)とは、ハワイ発祥のマリンスポーツで、簡単に言えばでかいサーフボードに立ってパドルを使って漕いでいくスポーツです。

ツーリングやレース、サーフィンなど様々な用途で楽しまれています。

そのカテゴリーのひとつとして、日本のみでなく海外でも多く楽しまれているのが「SUPフィッシング」です。

SUPフィッシングの魅力は、なんといっても手軽に沖に出られること。

基本はパドルによる人力の推進力のため、機動力は限られますが、少しでも沖に出れば、快適な釣りが楽しめます。

人がひしめき合う漁港を尻目に、のんびり回りを気にせずに釣りができるのが一番のメリットと言えるでしょう。

もちろん沖に出れば、魚に出会える確率もぐんとアップします。

SUP釣りは危ない?事故に注意!

手軽に沖に出て楽しめるSUPフィッシングですが。危険とは常に隣り合わせのスポーツです。

「手軽」ではあるが「気軽」ではないわけです。

SUPでの海難事故は年々増える傾向にあり、死亡事故も起きています。

事故の種類としては、風や潮流に流されて帰ってこれなくなる漂流が特に多く、SUPの他の船舶から見えにくいという特性から、船舶との衝突事故も起きています。

特に風はSUPフィッシングをする上で大事な要素だと言えます。

その人のSUPの習熟度や体力により、基準は異なるとは思いますが、私は風速3m/sを超える日は、SUPを出さないようにしています。

天候の急変もよく起こることなので、常に雲の様子や、風の吹き方に気を配っておく必要があります。

風はないのにうねりが強くなってきたり、急に風が冷たく感じられた場合は天候変化のサインです。

海の生き物にも注意して下さい。

致命傷を与えてくる種類も多いクラゲや、エントリー時の浅瀬に多いエイ。

不意に現れるサメ、ボードをかじられる場合もあるみたいです。

ボラもいろんな意味で恐ろしい存在です。ミサイル飛んできます。

普段はかわいいイルカやスナメリも注意が必要です。

以前スナメリに囲まれた時は恐怖でした。彼らに悪気はないのですが、じゃれてきて何をしでかすかわかりません。

事前に知識をつけ、釣行の計画を立て、しっかりと安全装備を身につけ、安全に気を配りながら楽しむことが必要です。

過信せず、無理をしないでSUPフィッシングを楽しみましょう。

少しでも流された、帰れない状態に陥った、と思ったらすぐに海上保安庁に電話をして下さい。

早ければ早いほど見つけやすくなります。

電話番号は「118」です。

SUPフィッシングで狙える魚種

SUPフィッシングは基本どんな魚でも狙えます。

普段陸っぱりから狙っている魚から、乗合船のジギングで狙うような大物まで、なんでも狙えます。

普段釣りをしている場所でも、少し沖に出ると、意外な魚が釣れたりして面白いです。

先入観に囚われずにいろんな釣りを試してみてください。

恵まれた海域でSUPを出せる方は、特にSUPフィッシングの温意を受けることになるでしょう。

中深海ジギングやシイラキャスティング、本当に羨ましい限りです。

SUPフィッシングのコツ

SUPフィッシングはまずSUPに慣れることが大事です。

初めはタックルを持ち込まずに純粋にSUPを楽しんでみて下さい。

SUPの漕ぎ方、落水してからの上り方などを練習して下さい。

足のつかない場所でSUPに這い上がるのは意外と体力がいり、苦労します。

基本的な動作に慣れてきたら、タックルを積み込んで釣りに繰り出しましょう。

SUPフィッシングだからと言って、特別な釣りをするわけではありません。

普段行っている釣りをそのまま行うだけです。

沖に出ても水深が普段の陸っぱりと変わらない、プラス1,2mの変化しか無いのであれば、普段行ってりる釣り方で十分です。

少しシンカーやジグを重くすると手返しが良くなったり、沖の早い潮流にも対応できます。

少し沖に行けば水深が深くなるエリアならオフショアの釣り方になるでしょう。

ジギングや、タイラバ、ヘビーウェイトのキャスティングになってくるかと思います。

オフショアの釣りをしたことがない方は、その海域の乗合船の釣果情報などを見て、事前に何がどんな釣り方で狙えるのか確認しておくと良いでしょう。

SUPフィッシングの装備・道具・タックル

SUPフィッシングに必要な装備・道具・タックルを上げていきます。

釣行前のチェックリストとしてご活用ください。

なくても問題ないものも多数ありますが、安全装備は必須です。

ボード

これがないと始まりません。

空気を入れて膨らませてから使用するインフレータブルボードか、硬質な素材で出来ていて、膨らませる必要のないハードボードから選ぶことになります。

長さは11フィート前後で幅は80cm程度のものがSUPフィッシングには使いやすいサイズです。

もっともお金がかかる部分なので、妥協せずに選びましょう。

ロッド

普段使っているロッドでも十分対応可能ですが、陸っぱりのロッドは長いものが多いため、取り回しや安全面を考えると避けた方が無難です。

高価なものも落として海中に沈んでいってしまうSUPフィッシングでは避けた方が良いでしょう。

自分が行いたい釣りで、ベストなものを選んでください。

中古で安いものを購入して使ってみるのもおすすめです。

リール

釣りによってリールはある程度種類が限られてくるため、選択肢は少ない方です。

行う釣りにあわせたリールをチョイスして下さい。

こちらも高価なリールは避けた方が無難です。

しかし、ジギング、特に中深海ジギングに使用するリールは高価なものになるため、ロッドをリーシュコードで繋いでおき、ロストの可能性を減らした方が良いでしょう。

【シマノ】ストラディック4000MHG

シマノのコストパフォーマンスに優れたリールです。

釣り方によって使用するリールは全く異なるものになるとは思いますが、ストラディックはSUPフィッシングにおいて幅広い釣りに対応してくれます。

HAGANEギア、HAGANEボディ搭載で、スーパーライトジギングなどの負荷の強い釣りにも対応できるほか、シーバスやフラットフィッシュを狙うキャスティングにも対応できます。

Xプロテクト搭載で、防水性能も高く、SUPフィッシングに最適なリールと言えます。

ルアー

ルアーの選択は釣果に直結する項目です。

その海域でのローカルルアーも多数あるため、事前に釣果情報を調べておくことをおすすめします。

身近にSUPフィッシングをやって居る方や、ブログなどで情報を公開している方がいれば、より参考になるかと思います。

初めは何が向いているのか分からず、多めのルアーを持ち込むことになると思います。

回を重ねるごとに徐々にしぼれていくので、少数精鋭の部隊を作り上げていって下さい。

【DUO】DragMetal Cast

ドラッグメタルキャストに限らず、ドラッグメタルシリーズは求めやすい価格と、使いやすさとその釣果で、信頼のあるメタルジグの一つです。

これがないと不安になってしまうくらいです。

スーパーライトジギングをされる方は必須と言っていいルアーです。

大抵の釣具屋さんにおいてあるので、入手性の良さも良いところです。

【ECOGEAR】スイミングテンヤ

ルアーではないのですが、ディープエリアのフラットフィッシュやロックフィッシュをターゲットに設計されたジグヘッドです。

サイズは20gから50gまで幅広く、他のジグヘッドにあまりないヘビーウェイトが魅力です。

合わせるルアーは同メーカーのBALTがおすすめです。

【ダイワ】ソルティガ FKジグ

ダイワのフォールキラージグことFKジグです。

ラインナップが幅広く、SLJの30gからディープエリアの250gまであります。

フォールでのフラッシングにこだわって設計されており、ベイトの多いエリアで、ルアーを魚に見つけてもらうのに活躍します。

カゴ

スーパーのマイバスケットから、メーカーのおしゃれなカゴまで、お気に入りのものを選んでください。

ロッドホルダーや簡易なテーブルなどを取り付け、カスタムしてオリジナルのカゴを作っていくのも楽しいかと思います。

カゴは必須の装備ではないため、そこまで多くのタックルを持ち込まないのであれば、バックなどにルアーなどを収納して、カゴは省き軽量化することもできます。

軽量化はSUPにおいて推進力に直結する大事な項目です。

魚探

なくても釣りはできるけど、あると安心感と釣果につながる装備です。

ポータブルタイプのものはそこまで価格もしないため、SUPフィッシングに慣れてきたら導入することをおすすめします。

水深が深くなるほど必要性は高くなっていき、使い込んでいくと、メンタルを保つためにも必須の装備になってくるでしょう。

シャローメインの場合はそこまで必要性は感じないかと思います。

アンカー

錨のことで、あると便利な装備です。

海底に掛けて、重さで完全にボードを止めてしまう、フォールディングアンカーや、海中で使用し、SUPボードが風で流さるスピードを調整したり、回転してしまうことを防いでくれるシーアンカーがあります。

こちらは一度SUPフィッシングをやってみて、必要と感じてからの購入でも問題ないかと思います。

クーラーボックス

夏の暑い日差しから、魚の腐敗と人間の熱中症を守ってくれる頼もしい装備です。

カゴかクーラーボックスの片方しか持ち込めないのなら、こちらを選ぶことをおすすめします。

ロッドホルダーを取り付けることもできるし、クーラーボックス自体が防水でできているため、濡れて欲しくないものを入れておくこともできます。ただし、電子部品は結露に注意してくだいさい。

サイズも様々あるため、ボードにあったものを購入して下さい。

ただし、大きすぎると重量が増すため注意して下さい。

ロッドホルダー

2本以上のロッドを持ち込む場合には必須の装備と言えます。

ロッドだけでなく、ランディングネットやボートフラッグを立てるときにも使用できます。

カゴや、クーラーボックスに取り付けるだけでなく、ライフジャケットのベルトにも取り付け可能です。

ライフジャケット

命を守るために必ず着用して下さい。

ライフジャケットを着用すると、もしもの時の生存率が格段に上がります。

体にしっかり密着するサイズで、パドルやロッドの動きを妨げないものがおすすめです。

ポケットがいっぱい着いた釣り用の製品よりも、SUPや水上バイク用の製品の方が使用に向いているかと思います。

ランディングネット

安全上必須の装備と言えます。

SUPフィッシングで大型の魚をボードの上にあげることは危険です。

フックが口に着いた状態で魚がのたうち回ったり、ヒレの鋭い魚が暴れ狂うと、フックやヒレがボードに刺さり、エアが漏れ出します。

魚はランディングネットの中で処理するようにして下さい。

それなりに大きな魚がつれることが多いため、大きめのランディングネットを用意すると良いでしょう。

パドル

SUPに付属しているパドルで十分です。

フルカーボンで軽量のパドルもありますが、レースをするわけではないので不要です。

カヤックタイプのパドルは、シッティング状態での機動性と身体への負担を減らしてくれるので、常に座って釣りをする場合は選択肢に入れてみてもいいかもしれません。

ウェットスーツ

夏場は来ていると死んでしましそうになるので必要ありませんが、それ以外の季節にSUPフィッシングをするのであれば必須と言えます。

ウエットスーツは体温を保つために使用し、春、秋であれば厚さ3mm、冬であれば5mmのものが適しています。

サーフィンのように常に水に入って、激しい動きをするわけではないので、格安な製品でもサイズさえあっていれば問題ないでしょう。

ストリンガー

大型の魚をキープする際に使用します。

ボード上でナイフを使って魚を絞めることは、安全上避けた方が良いため、ストリンガーを使用します。

個人的にはその行為の見た目と、魚へのストレスで身質が落ちることから好きではありませんが、安全上仕方ないと思いやっています。

注意する点は、流すロープが短すぎると魚が暴れた際に、ボードにヒレやエラが突き刺さる可能性があることと、サメが食べに来ることがある点です。

サメの多い海域の場合は、ストリンガーの先にネオジム磁石を取り付けて、サメのロレンチーニ器官(鼻先にある、微弱な電流を感知する器官)に訴えかけて追い払う方法をとっている方もいるようです。

効果のほどはどうなんでしょうか?文献によるとサメの撃退にはキロ単位のネオジム磁石などの希土類磁石が必要で、効果は25cm程度のようです。

フラッグ

安全上必ず掲げて下さい。

オレンジなどの遠くからの視認性の良い色で作られている旗です。

水面に近いSUPボードは、船舶からとても見えにくい存在です。

少しうねりがあるだけで、波間に埋もれてしまい全く見えなくなります。

船舶との衝突事故を避けるために、必ずボートフラッグを掲げましょう。

なるべく高い位置に掲げることで、より安全性を保てます。

リーシュコード

安全上必須です。

一本は大抵のSUPには付属しているかと思います。

その一本は、ボードと人間の足を繋ぐためのものです。

それ以外にも、パドルとボードを繋いでおくパドルリーシュも必要です。

SUPフィッシングはパドルから手を離すことも多いため、パドル漂流の可能性も高くなります。

この2本は必須だと思って下さい。

それ以外にもロッドとボードや体を繋いだり、用途は様々です。

ブラシ

必ず必要ではないですが、あると便利なのが小さいブラシです。

魚を釣り上げた際に、ボード上に落ちた血をそのまま放置しておくと、洗っても取れなくなってしまします。

血が垂れたらすぐに海水とブラシで落としておくことをおすすめします。

撤収の際の、掃除にも使えます。

100円ショップで売っている小さいお風呂用のブラシで十分ですので、一つ持っておくと便利です。

ダクトテープ

こちらも必ず必要というわけではないですが、持っておくと安心です。

ダクトテープとは簡単に言えば、防水の強力なガムテープのようなもの。

ボードにフックやヒレが刺さったり、岩などが当たって穴が空いた場合の応急処置に使えます。

酔い止め

船酔いに弱い人は必須だと思います。

船でないからと油断は禁物です。SUPは結構揺れます。

揺れる中に下を向いていろいろやっていると、弱い人は一発でよってしまいます。

酔うとパドリングもままならなくなってしまうので、必ず飲んでおきましょう。

日焼け止め

ボードの上は、遮るものがなく、水面からの照り返しもかなり強いです。

日焼け止めは、必ず塗りましょう。

最初のみでなく、定期的に塗り直すことをおすすめします。

塗り忘れた箇所があると、ほぼ火傷と同じ状態になり、後日激痛が走ります。

サングラス

目の保護のために、必須です。

目が焼けることを防いでくれるのと、誤ってルアーが飛んできた際に、目を守ってくれます。

水に落とさないようにストラップをつけておくと良いかもしれません。

帽子

熱射病、熱中症対策、髪焼け防止に役立ちます。

この辺りは普段の釣りでも使っていると思うので、問題ないとは思いますが、チェックリストとしてご活用ください。

まとめ

SUPフィッシングの魅力は、なんといっても自由なところです。

陸っぱりでも、乗合でも味わえない解放感がなんとも気持ちいいです。

何度も言いますが、安全には気をつけて下さい。安全さえ気を配っておけば、どんな釣りをしてもいいわけです。

安全装備を身につけ、漁師の網や、周りの船舶に迷惑にならないように心がけ、自由な釣りを楽しんでください。

まだまだ人口の少ないSUPフィッシング。これを機に初めてみてはいかかでしょうか?