へらぶな釣りは、強烈な引きとは裏腹に、アタリを待つまでは静の釣りと言われるほど繊細です。
特に冬場のアタリは非常に繊細で、そのアタリをじっくり待ちながら的確に反応するためには、スコープが有効です。
専用のへらスコープはもちろん、代用品でも十分使用できますが、具体的にどのようなものが適しているのでしょうか。
そこで今回は、へらぶな釣り用のへらスコープについて、選び方やおすすめ商品をご紹介します。
- 釣り歴15年
- 釣り具の販売経験あり
- 全国10都道府県へ遠征
北国生まれのアマチュア釣り師。前職では量販店で釣り具の販売、企画も担当。釣った魚を調理して食べるのも大好きで、美味しい魚のためならフィールド問わずアクティブに挑戦します。
へらスコープで得られるメリット
ヘラブナ釣りは仕掛けを落としてアタリを待つ釣りで、そのアタリを取るには浮きに出る反応を目視で取ります。
このため、浮きの微妙な浮き沈みをしっかり確認できるよう、視野を確保することが必要です。
しかし長い竿を使うと、細い浮きの微妙な変化を肉眼で見て取るのは困難でしょう。
特に冬場など、深場狙いで長い竿を使い、大きなアタリが出にくい状況ではより確認しにくくなります。
そこで有効になるのがスコープで、浮きに焦点を当てて拡大することで、細かいアタリが鮮明に見えるようになります。
もちろん温かい時期でも視認性を確保できるので、ヘラブナ釣りではぜひ用意しておきたいアイテムの一つです。
へらスコープの選び方
へらスコープは専用品もありますが、入手しやすい代用品でも十分その役割を果たすことができます。
では購入する際はどのような点を確認して購入するべきか、ポイントを解説します。
双眼鏡と単眼鏡
へらスコープとして使えるものには、双眼鏡と単眼鏡があり、それぞれメリットとデメリットがあります。
双眼鏡は目との焦点距離が取りやすく、両目で確認できるので片目をつぶるストレスがありません。
一方単眼鏡はコンパクトで、片目で風景を捉えられるので状況を把握しやすいですが、目との距離がシビアです。
この点に関しては好みによってどちらがいいか変わりますが、よく使われているのは双眼鏡でしょう。
倍率は4~6倍
スコープには、肉眼で見たと比べて対象物を何倍に拡大するか、倍率が決まっています。
大きければ当然見やすくはなりますが、あまりに倍率が大きいと、距離によってはピントが合わないので注意が必要です。
また、スコープに関しては大は小を兼ねず、近いものを大きい倍率で見ると、視野が狭くなってしまう点も留意しましょう。
へらスコープとして使われるものの場合は、おおよそ4~6倍のものがよく使われています。
もちろん3倍や8倍で見えやすいならそれらでも問題ないので、実際の見やすさなどを踏まえて、適切な倍率を選びましょう。
ズームタイプもありますが、価格が高価であることや、低倍率が少ないので、安い固定倍率をいくつか購入して試すのもおすすめです。
有効径はなるべく大き目
スコープには倍率のほかに、レンズのサイズも表記されています。
例えば6×30という表記であれば、対象物を6倍に拡大し、対物レンズ有効径は30mmという意味です。
レンズ有効径による違いは、主に明るさと解像度で、簡単に言えば有効径の大きいレンズは見やすくなると考えていいでしょう。
へらぶな釣り用としても、明るければ浮き先の色の違いや、沈みこみが分かりやすいよう解像度が高いことはメリットになります。
厳密にはレンズの構造による見え方の違いもありますが、へらぶな釣りに使う倍率であれば、そこまでこだわらなくてもいいでしょう。
シンプルなボディ形状がおすすめ
へらスコープは手に持って使うよりも、スタンドに固定して常に浮きをとらえた状態にしておくことが多いです。
へらぶな専用に作られたものは、専用スタンドとセットになっていることもありますが、そうでないものは万力で固定します。
このため、スタンドへの取り付けがしやすい、シンプルなボディ形状の双眼鏡がおすすめです。
取り付け出来ればどんな形状でも問題ありませんが、ダハプリズムタイプの双眼鏡は形状がシンプルで取り付けしやすいでしょう。
なお、単眼鏡なら自作スタンドも作りやすいですし、ねじ込み式でスタンドに取り付け出来るものも多いです。
水気・湿気に強いもの
へらスコープとして使う場合は水辺で使用するので、水分や湿気に強いものである必要があります。
双眼鏡などは実は湿気に非常に弱く、長期間高湿度の状況で補完すると、レンズ内にカビなどが発生してしまいます。
また、釣れたへらぶなの取り込みなどで水分が付着することもありますし、それが内部に浸透してしまうと除去するのは困難です。
かならずしも完全防水である必要はありませんが、簡易防水程度は付いていた方が安心でしょう。
もしスペック表に表記があれば、防水防塵等級を表すIPXの数字を確認しておくのがおすすめです。
へらスコープおすすめ8選
上記したポイントも踏まえて、へらスコープにおすすめの双眼鏡や短眼鏡をご紹介します。
幅広い価格帯からピックアップしていますが、倍率や有効径なども確認して、適したものを選んでくださいね。
【Kenko】
双眼鏡 ultraVIEW 6x30WP
お手頃価格で軽量!明るくはっきり見えやすい30口径レンズ採用
ポロプリズムタイプのベーシックな双眼鏡で、本体重量約450gと軽量さも魅力のモデルです。
倍率は6倍なので、18尺以上の長めの竿を使用する際もしっかり浮きを確認できるでしょう。
手ごろな価格ながら対物レンズは30mm径なので、明るくはっきり浮きを捉えることができます。
やや本体サイズは大き目なのでしっかりしたスタンドが必要ですが、へらスコープとしても信頼できる性能です。
【Kenko】
ウルトラビューH 6×21DH FMC
コンパクトなのに広い視界!マルチコーティングで視認性向上
コンパクトなダハプリズム双眼鏡ですが、こだわりの設計で扱いやすさも抜群のモデルです。
6倍の低倍率でコンサート等の屋内使用向けですが、マルチコートや三脚スタンド取り付け可能設計など、へらスコープにも適しています。
また、アイレリーフと視界を広く取った設計なので、目を離して覗き直してもすぐに対象物を捉えることができます。
ピントリングの位置もスタンドに付けた際に調整しやすく、全体的にへらスコープ向きの設計と言えるでしょう。
【サイトロン】
SI 525 SWA II(SIB40-1143)
屋外使用対応のタフネス設計!明るさと視界の広さも魅力
ハンティング用スコープなども手掛けるサイトロンの双眼鏡で、釣りのような屋外レジャーにもぴったりのアイテムです。
ボディに剛性感があり、レンズにもコーティングが施されているので、傷にも強い設計になっています。
また、明るく見えるので低光環境にも強く、日光が届きにくいポイントでもしっかり浮きを確認できるでしょう。
デザイン的にもへら釣り装備に馴染みやすいのもおすすめポイントの一つです。
【サイトロン】
SAFARI 5X21(SAB024)
コンパクト設計にこだわりの性能!扱いやすさ重視の5倍スコープ
丸みを帯びたコンパクトなボディデザインの中に、アウトドア使用にも対応できる機能性を備えた双眼鏡です。
フルマルチコーティングにより、天候にかかわらず明るい視界を確保します。
また、焦点距離が短いので、そこまで長くない竿を使用した際にも、浮きに焦点を合わせて設置することが可能です。
なお、このタイプを取り付けるスタンドは、上から挟み込んで固定できるものがおすすめです。
【Nikon】
遊 4X10D CF
超コンパクトな本格派双眼鏡!簡易スタンドでの設置にもおすすめ
厚み厚さ19mm、カードサイズのコンパクト設計で約65gと驚異的な軽量設計ながら、実用に不足のない性能を有した双眼鏡です。
4倍なので広い視野を確保しやすく、比較的近い距離にある浮きを拡大したい場合にも適しています。
使い方も簡単で、角度調整とピント合わせだけで対象物をしっかりとらえることができます。
有効径は10mmと小さめですが暗すぎることもなく、スマートフォンスタンドを使用した簡易設置などにも適したモデルです。
【Topson】
単眼鏡 6×16 マルチモノキュラー
手ごろな価格でポケットサイズ!コンパクトな5倍単眼鏡
ポケットに入るほどコンパクトで、重量約70gと軽量な、5倍固定の単眼鏡です。
軽量でコンパクトなのでスタンドに設置もしやすくて邪魔にならず、防水設計なので気軽に使用できるでしょう。
また、ピント調整すれば手元作業の拡大鏡としても使えるので、自宅での仕掛けづくりなどにも使用できます。
非常に安価なので安いなりな部分ももちろんありますが、この価格であれば気軽に試せるのもメリットの一つです。
【Kenko】
単眼鏡 7×18 7倍 18口径 対物フォーカスタイプ
コンパクトで高性能!極細トップもはっきり見える7倍単眼鏡
余裕のある7倍でしっかり浮きの動きを把握でき、機能も本格的な単眼鏡です。
倍率は大き目ですが、片目は肉眼で確認できるので、視野を広く確保しつつ浮きの動きを確認することが可能です。
大型リングで焦点合わせがしやすく、アイカップ付きなので、単眼鏡でネックになりがちな目との距離も気にせず使用することができます。
対物仕様で焦点距離3m以上なので、最低でも10尺以上の竿での釣りに適しています。
【T-EAGLE】
ショートライフルスコープ 1.5-5×20可変ズーム
高い防水防塵性!可変倍率付きのショートタイプライフルスコープ
筆者が釣り場で見かけて感心したアイデアが、ライフルスコープをへらスコープとして使っていた方です。
防水防塵性も高いですし、照準が付いているので、浮きが横に動いたり流されていることも確認できるメリットがあります。
この商品は屋外使用前提の防水防塵性に加え、1.5~5倍の可変倍率なので、竿の長さなどに合わせて調整もできます。
ライフルスコープは少々重いのが玉に瑕ですが、使いこなせば通常のスコープよりも釣果アップに繋がるでしょう。
へらスコープの購入で失敗しないために、各ショッピングサイトのレビューもしっかり確認して自分にピッタリなモノを見つけましょう。
さらに探したい方