ロッド修理やガイド交換!エポキシおすすめ8選!釣竿補修のコーティング剤!

ロッドには寿命があり、なかでもガイドはさまざまな理由で交換が必要になるパーツです。

メーカーやショップに修理を依頼することもできますが、基本的な知識と道具を用意すれば、自分で交換することもできます。

ガイドの補修には接着剤が必須で、主にエポキシ系接着剤が使用されますが、種類も多くどれがいいのかわからない場合もあるでしょう。

そこで今回は、釣竿の補修に使うエポキシ接着剤について、選び方からおすすめ商品まで徹底解説します。

塩谷純一郎
執筆者
  • 釣り歴15年
  • 釣り具の販売経験あり
  • 全国10都道府県へ遠征

北国生まれのアマチュア釣り師。前職では量販店で釣り具の販売、企画も担当。釣った魚を調理して食べるのも大好きで、美味しい魚のためならフィールド問わずアクティブに挑戦します。

エポキシ樹脂とは

エポキシ樹脂とは、分子にエポキシ基を有する化合物で、簡単に言えば化学反応によって硬化する樹脂です。

保存性や加工性に優れており、主に造形用素材や接着剤などに使用されています。

主剤に硬化剤を混ぜて使うのが主なので、接着剤では2液エポキシと呼ばれることもあります。

溶剤や水分の揮発等によって硬化するものと違い、体積の変化が起こりにくいので、隙間を埋める用途に長けています。

また、基本的に硬化後は耐水性なので、水回りとの相性も良く、釣り具との相性も良好です。

ただし用途はさまざまで、硬化後の硬度や硬化時間などに違いがあるため、接着するものに合わせた商品選びが必要です。

折れたロッドの修理やガイド交換を自分でやるメリット・デメリット

ガイドの交換は、メーカー等でも主に手作業で行う作業で、手順を覚え道具を揃えれば個人でも可能な作業です。

ただし、場合によってはメーカー等に依頼したほうがいい場合もあるので、メリットとデメリットを確認してから挑戦しましょう。

メリット

複数個所修理・交換する場合のコストが安い

交換を依頼する場合、保証対象外であれば有償修理になり、その代金には技術料も上乗せされます。

ガイドの交換には、材料以外に道具も必要で、ある程度予算が必要ですが、複数個所修理する場合、それでもDIYの方が安く上がることもあります。

まずはメーカーやショップに見積もりを依頼し、DIYのコストと比較するといいでしょう。

好みのガイドセッティングにできる

メーカーやショップにガイドの交換を依頼すると、基本的には指定されたガイド、もしくは適切なガイドしか取り付けてくれない場合が多いです。

もしライン等との相性で、それ以外のガイドを試したい場合は、ガイドを個人で購入し、DIYで取り付けることが可能です。

あくまで自己責任になりますが、セミオリジナルのロッドを作ることも可能になりますね。

ロッドビルディングも可能に

ロッドを自分で自作する場合、ガイドの取り付けは必須の技術です。

逆に言えば、ガイドの取り付けができれば、作業で難しい部分はほとんどないので、個人でもロッドビルディングが可能になるというわけです。

不要なロッドのガイド交換などであれば、練習も兼ねて挑戦してみるのもいいかもしれませんね。

デメリット

一か所だけだとメーカー修理より高上り

ガイドの交換には、ガイドと接着剤だけでなく、スレッド、フィニッシングモーターなどが必要です。

とくにフィニッシングモーターはやや値が張るので、場合によってはショップ修理の数倍のコストがかかってしまうこともあります。

コスト重視で挑戦する場合は、やはりショップ等で見積もりを依頼してから挑戦するといいでしょう。

強度や見た目を整えるのが難しい

ガイドの交換には、しっかり固定するために「スレッド巻き」という作業が必要です。

ガイドフットを固定するために糸を巻く作業ですが、絶妙な力加減で揃えて巻かなければいけないので、きれいに巻くには技術が必要です。

強度にも影響する作業なので、強度が必要なロッドはショップに依頼したほうが安心でしょう。

自分で手を加えた後はメーカー保証が受けられない

メーカーで修理を受け付けているロッドの場合、ユーザーが手を加えると、その後のサポートを受けられなくなる可能性があります。

保証期間内でほかの部分の破損があっても、基本的には対象外になると考えておきましょう。

ブランクやリールシートの破損のリスクを考えると、保証期間内だけでもメーカーでの修理をおすすめします。

ロッド修理やガイド交換に適したエポキシ系接着剤の選び方

エポキシ系接着剤は、釣り具に限らずさまざまな用途に使用されています。

用途別に適したものが変わるので、ロッドの修理やガイドの交換にはどういったものが適しているか、選び方のポイントを解説します。

硬化後の硬度が十分なもの

エポキシ系接着剤は、硬化後カチカチに固まるものから、やや柔軟性を残して硬化するものまでさまざまです。

ロッドのブランクは曲がる前提のものなので、あまりに硬いものだとブランクの曲がりに付いていけず、割れや剥がれの原因になります。

また、スレッドをコーティングする用途もあるので、硬度が低いと被膜をしっかり作れず、剥がれの原因になります。

わずかな差ですが、ガイドの固定が柔らかく、ショックを吸収してしまうと感度にも影響するでしょう。

パリパリに固まってしまうコンクリート用や、シリコーン含有率が高く弾性の残るタイプは避けたほうがいいでしょう。

適切な硬化時間のもの

エポキシ系接着剤は、主剤と硬化剤を混ぜてから、硬化までどれぐらい時間がかかるか製品ごとに違います。

短いもので数分、長いものだと完全硬化まで数時間まで大きく違いがあり、作業時間等に応じて選ばなければいけません。

ロッドのガイドを補修する場合、作業可能時間が短すぎても長すぎてもNGです。

ガイドを接着する場合、ガイドとブランクを接着するよりも、巻いたスレッドを接着し、コーティングする役割が主です。

このためすぐに固まってしまうと、しっかりスレッドに染み込ませ、コーディングする前に硬化してしまうからです。

慣れるまでは10分以上余裕があるといいですが、トップガイドを差し込んで接着するだけなら、硬化時間が数分のタイプでも問題ないでしょう。

硬化前は適度に粘度があるもの

ガイドを接着する場合、まずはガイドをホットグルーなどで仮止めし、スレッドを巻いて、そのスレッドの上からエポキシ系接着剤を塗ります。

このときただ塗るだけでなく、スレッドに染み込ませつつ気泡を抜き、スレッド全体を盛るようにコーティングしなければいけません。

液状ではこのコーティングができず、フィニッシングモーターにかける前に垂れてしまうことがあります。

このため、スレッドの上から塗る場合、ある程度の粘度があるものが必須になります。

イメージとしては、はちみつ程度の粘度があれば十分でしょう。

その程度の粘度でも、ライターなどで軽く熱すれば液状に近くなり、気泡を抜いてスレッドに染み込ませることができます。

透明タイプがおすすめ

一部のエポキシ系接着剤には、接着対象に合わせて着色されたものもあります。

ガイドの接着に使用する場合、スレッドの上から塗ってコーティングするため、着色されているものだとスレッドを覆い隠してしまいます。

色付きタイプは目立つ色が多いですし、スレッドには化粧巻きの意味もあるので、基本的には透明タイプを使用するのがおすすめです。

色付きでなくても、一部にはやや茶色みがかったものもあるので、明るい色のブランクやスレッドに使う場合はより注意が必要です。

ロッド修理やガイド交換に適したエポキシ接着剤おすすめ8選

上記したポイントを踏まえ、ロッドの補修におすすめのエポキシ系接着剤をご紹介します。

ややマニアックな商品もありますが、性能重視でそれぞれベストな商品を厳選したので、ぜひ参考にしてくださいね。

【デブコン】
2ton Epoxy 強力接着剤 2液混合 透明 30分

ガイドの接着用として、最もおすすめのエポキシ系接着剤です。

適度な粘度があるので作業しやすく、プラスチックのようにしっかり硬化し、硬化後の透明度も高いのでスレッドの色がきれいに出ます。

入手性の悪さと高価なのがデメリットですが、通販では比較的よく見かけるので、本格的にロッドビルディングに挑戦したい方におすすめです。

【デブコン】
5minutes Epoxy 強力接着剤 2液混合 透明 5分硬化タイプ

強度重視も重視しつつ、速く作業を終えたい場合におすすめのエポキシ系接着剤です。

やや黄色味ががっていますが比較的透明度は高く、粘度も強めなのでしっかりスレッドをコーティングすることができます。

日本向け商品もあるので、2ton Epoxyに比べて入手性がいいですが、やや低温での作業性が劣るので、温めながら使うといいでしょう。

デブコン
5minutes Epoxy 強力接着剤 2液混合 透明 5分硬化タイプ

【セメダイン】
60分硬化型2液性接着剤 スーパー 15g(CA-146)

釣具のパッケージからわかる通り、釣り用に使うエポキシ系接着剤としては定番の商品です。

粘度もあり、60分硬化タイプでゆっくり作業できるので、被膜を厚く作りたい場合などにおすすめです。

やや気長な作業になりますが、とくに複数のガイドを交換する場合など、不慣れなうちはこれぐらい余裕があってもいいでしょう。

セメダイン
60分硬化型2液性接着剤 スーパー 15g CA-146

【セメダイン】
30分硬化型エポキシ系接着剤 ハイスーパー30  15g(CA-194)

手軽に入手できるエポキシ系接着剤のなかでは、比較的硬度重視でしっかり固まるタイプの商品です。

硬化が始まるまで30分余裕があるので作業時間も確保でき、作業性も一般的なエポキシ系接着剤と同等です。

ただし、無着色ではありますが黄色味が強いので、明るい色のブランクやスレッドに使用する場合はやや注意が必要でしょう。

セメダイン
30分硬化型エポキシ系接着剤 ハイスーパー30 15g CA-194

【セメダイン】
エクセルエポ 15g(CA-121)

非常に透明度が高く、美しい仕上がりを求めたい場合におすすめのエポキシ系接着剤です。

適度に粘度もあるので比較的作業性もよく、硬化後もある程度の硬さになるので、スレッドのコーティングにも十分使用できます。

若干素材との食いが悪いので、接着対象の下処理や脱脂はしっかり行ってから作業するといいでしょう。

【コニシ】
ボンド Eセット 15g(#16023)

幅広い用途に使用でき、コスパもいいので、筆者も常備しているエポキシ系接着剤のひとつです。

粘度もある程度あり、熱で軟化させやすいので作業性が良く、塗膜もしっかり作ることができます。

他の製品に比べ硬化時間が長いので、ガイドの固定にはやや時間がかかりますが、グリップの交換やジグのコーティング等、釣り具に幅広く使えます。

【ウェーブ】
瞬間エポキシ接着剤 超急速2分硬化タイプ(OM-021-450)

エポキシ系接着剤としては硬化時間が短く、簡単な補修を手早く行いたいときにおすすめの商品です。

透明度も高く、接着面積をしっかり確保すれば接着力も十分確保できます。

すぐに固まるので、塗膜を作りたいスレッドのコーティングには向きませんが、トップガイドを固定する場合などに使いやすい商品です。

ウェーブ
瞬間エポキシ接着剤 超急速2分硬化タイプ OM-021-450

【GORILLA】
ゴリラ エポキシ 25g

最近DIY界隈から注目を集める「ゴリラ」シリーズのエポキシ系接着剤です。

やや暑い時期に粘度が低めにはなりますが、硬化後の硬度も十分で、硬化前の透明度も高いので、気泡抜きなどの作業もしやすいでしょう。

ゴリラシリーズは扱いやすさにもこだわり、面倒な分量計測が必要ないダブルチューブ型で、気軽に使用することができます。

まとめ

釣具も道具である以上破損は付きものですが、最近はDIY用品も充実し、エポキシ系接着剤だけでもこれだけの商品が並びます。

自分でやることでより釣具への理解や愛着も沸くので、ぜひ釣具のDIYにも挑戦してみてくださいね。

紹介アイテム一覧

ロッド修理やガイド交換の購入で失敗しないために、各ショッピングサイトのレビューもしっかり確認して自分にピッタリなモノを見つけましょう。

デブコン
2ton Epoxy 強力接着剤 2液混合 透明 30分
デブコン
5minutes Epoxy 強力接着剤 2液混合 透明 5分硬化タイプ
セメダイン
60分硬化型2液性接着剤 スーパー 15g(CA-146)
セメダイン
30分硬化型エポキシ系接着剤 ハイスーパー30  15g(CA-194)
セメダイン
エクセルエポ 15g(CA-121)
コニシ
ボンド Eセット 15g(#16023)
ウェーブ
瞬間エポキシ接着剤 超急速2分硬化タイプ(OM-021-450)
GORILLA
ゴリラ エポキシ 25g