釣りに必需品となったライフジャケットですが、昨今主流になっているのが、膨張式の腰巻タイプです。
コンパクトでウエアの自由度も高いなどメリットもありますが、まことしやかに危険性もささやかれています。
もちろん、なにも着用しないよりは事故の際の安全性は断然高いのですが、実は使用に際して注意点もあります。
そこで今回は、他のタイプと比較した腰巻タイプのライフジャケットの危険性やデメリットについて解説します。
- 釣り歴15年
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北国生まれのアマチュア釣り師。前職では量販店で釣り具の販売、企画も担当。釣った魚を調理して食べるのも大好きで、美味しい魚のためならフィールド問わずアクティブに挑戦します。
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腰巻ライフジャケットは危険なのか?
まず誤解しないでほしいところですが、腰巻タイプのライフジャケットを付けたから特別危険ということはありません。
高圧のボンベを使う関係で、使い方を間違えたり、品質に問題があるものなら当然危険はあります。
ただ、桜マークやCSマークなどの認証を受けたものを正しい使い方をすれば、腰巻タイプだからと言って危険はないでしょう。
しかしものには特性があって、腰巻タイプが肩掛けタイプや固型式のライフジャケットに劣る部分はあります。
万が一の時にそのデメリットが目立つ状況になると、他のタイプの方が安全だったということはあるでしょう。
つまり、着用時の利便性だけで選ぶと、いざ事故のときに勝手が悪く、結果的に危険な状況になるということは、腰巻タイプに限らずあり得ます。
腰巻ライフジャケットを使うデメリット
では具体的に、腰巻タイプのライフジャケットには、どのようなデメリットがあるのでしょうか。
せっかくの機会なので、腰巻タイプの膨張式ライフジャケットの細かいデメリットまで解説しておこうと思います。
膨張後に位置調整が必要
腰巻タイプは、落水を感知、または手動で膨張させると、C型のエアバッグが飛び出てきます。
安定性を考えれば脇の下からエアバッグで体を支えるのが理想ですが、ウエアの滑りが悪いとその位置までずらすのも大変でしょう。
落水後パニックになっているとその暇なくおぼれてしまうリスクもあるので、お子さんやカナヅチの方は、固型式がいいでしょう。
自動膨張でも確実に膨らむとは限らない
膨張式ライフジャケットの主流は、カートリッジ部への浸水を感知することで膨張する自動膨張式です。
ただしこれは100%動作するわけではなく、着用方法やライフジャケットの状態によっては、自動で膨らまない場合もあります。
その場合は手動でひもを引っ張って膨らませる必要があるので、落水したときは落ち着いて操作しなければいけません。
ウエアの内側に入ると作動不良に繋がる
腰巻タイプはベルトと同じような位置に取り付けるので、シャツやジャケットなどの裾とかぶさる位置になります。
もし衣服の内側に入り込んだ状態で落水すると、ウエアに溜まった空気によって膨張が遅れたり、服の中で膨張して適切に動作しないこともあります。
このため腰巻タイプを着用する場合は、しっかり露出される位置に着用しなければいけません。
自動膨張式は雨や水が掛かる場所では使えない
自動膨張式のライフジャケットの場合、水を感知して膨張するため、落水時以外にもエアバッグが膨らむリスクがあります。
例えば内部にしみ込むほど強い雨の場合はもちろん、ウェーディングの釣りにも適しません。
これは腰巻タイプだけでなく、肩掛け式の自動膨張式ライフジャケットに共通するデメリットです。
エアバッグが破裂する危険がある
膨張のライフジャケットのエアバッグは、強い生地ではあるものの、岩などに擦ると破裂してしまうため、磯釣りでは好まれません。
特に腰巻だと周りにプライヤーなどを付けたいですが、それに引っ掛かって割れるリスクもあるので、外付けはしない方が無難でしょう。
ノンブランドのものだと、膨張の圧力でエアバッグが割れた事例もあるので、やはり桜マークやCSマーク認証があるものがおすすめです。
カートリッジに故障のリスクがある
膨張式のエアバッグは、手動で操作、または水を感知したときに、カートリッジからCo2をエアバッグに送り込む構造です。
この機構に問題があると、エアバッグが膨らまない、または突然膨らんでしまう可能性があります。
これは腰巻タイプに限らず膨張式であれば起こりえるので、信頼性のおけるものを、定期的にメンテナンスしながら使用しましょう。
ボンベの破裂の危険がある
稀な事例ではありますが、膨張させるためのCo2をためておくボンベが、破裂する可能性もゼロではありません。
同様のCo2ボンベは、ビールサーバーや炭酸メーカー、エアソフトガンにも使用されていますが、いずれも破裂した事例があります。
筆者は聞いたことはありませんが、ライフジャケットでも起こらないとは限らないので、メーカー指定のものを適切に管理して使うようにしましょう。
腰巻ライフジャケットを使うメリット
上記した通り、注意点も多い腰巻ライフジャケットですが、現在主流になっているのはメリットも多いからです。
特に釣りを楽しむ場合には、腰巻タイプにも以下のようなメリットがあります。
動きの邪魔にならない
腰巻タイプは腕回りの動きを邪魔しないため、キャスティング回数の多いルアーフィッシングなどとの相性がいいです。
肩掛けタイプや固型式の場合、肩回りにライフジャケットが振れる形になるため、どうしても腕を動かしたときに邪魔な感じは否めません。
このため、アクティブなアングラーや、ショートキャストを繰り返すライトゲームとも相性がいいです。
暑さに強い
腰巻タイプのライフジャケットは、体を覆う面積が少ないため、夏場の暑い時とも相性がいいです。
体を広範囲覆う固型式はもちろん、肩掛けタイプも首周りを覆ってしまうため、どうしても体温がこもってしまいます。
夏も釣りが楽しい時期ですし、熱中症対策と言う観点でも、腰巻タイプのライフジャケットは選択肢に入るでしょう。
ウエアの自由度が高い
肩掛けタイプや固型式の場合、上半身を広く覆ってしまうため、上半身のウエアはその邪魔にならないものを選ぶ必要があります。
腰巻タイプであれば、コンパクトですし位置的にも邪魔になりにくいので、様々なウエアを装備することができます。
暑さに対応しやすいことを踏まえても、腰巻タイプはオールシーズン使いやすいライフジャケットと言えます。
持ち運びが楽
釣りがに行くまでの間はライフジャケットは不要なので、移動中は収納して持ち歩くことになりますよね。
固型式などは畳んでもそれなりの荷物になりますが、腰巻タイプなら収納時もコンパクトなので、移動中も邪魔になりにくいです。
車移動ならそこまで気にならないかもしれませんが、電車や自転車釣行の場合は、このメリットは大きいでしょう。
桜マーク付きが多い
船釣りの際に着用する場合や、信頼性の高いライフジャケットが欲しい時には、桜マーク認証付きのライフジャケットがおすすめです。
腰巻タイプのライフジャケットはこの桜マークが付与されているものが多く、上記したような状況に対応しやすいメリットがあります。
もちろん認証マーク無しの商品もあるので、購入時にチェックしておくといいでしょう。
ライフジャケットおすすめ6選
腰巻式にはメリット、デメリットがあることを踏まえたうえで、おすすめのライフジャケットをピックアップしてご紹介します。
固型式や、膨張式でも肩掛けタイプやほかのタイプも含めて紹介するので、ぜひチェックしてくださいね。
製品 | シマノ ゲームベストライト VF-068T | ダイワ チャイルドフローティングベスト DF-3921 | ブルーストーム カリフ BSJ-2300RSII | ダイワ ショートライフジャケット DF-2520 | ブルーストーム モーゲットウエスト BSJ-9320RSII | JES-BASARO ライフジャケット 手動膨張式 B-Life-Jac-Re-MN/AT |
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価格 | 12,909円 | 5,241円 | 16,588円 | 17,325円 | 15,000円 | 3,980円 |
特徴 | 固型式のメリットを最大限に!ライトで汎用性の高いライフジャケット | お子さんに確実な安全性を!シンプルな子供用ライフジャケット | 雨の日も安心の手動膨張式!着用感のいいコンパクトさも魅力 | フィッシングベスト併用可能!コンパクトなネック式ライフジャケット | コンパクトで高浮力!女性にもおすすめの最新型ライフジャケット | ハイコスパな腰巻タイプ!おかっぱりにおすすめのアイテム |
タイプ | 固定式 | 固定式 | 膨張式(手動) | 膨張式(手動) | 膨張式(自動+手動) | 膨張式(手動) |
サイズ | フリー:裾囲最大145cm | M/L | フリー:胴囲70~100cm | フリー:ウエスト最大120cm | ウエスト:70~100cm | ウエスト:70~140cm |
浮力 | 5.85Kg以上 | M(約6.4kg/24時間以上)/L(約6.7kg/24 時間以上) | 初期浮力 約10.5kg | 5.8kg/24時間以上 | 初期浮力 約9kg | 11.0kg |
桜マーク | なし | あり | あり | あり | あり | なし |
着用形式 | 肩掛け | 肩掛け | 肩掛け | 肩掛け | 腰巻き | 腰巻き |
D管 | あり | ー | あり | なし | なし | なし |
インジェクター確認窓 | ー | ー | なし | なし | なし | なし |
カラバリ | 4 | 2 | 3 | 1 | 4 | 12 |
詳細 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
シマノ ゲームベストライト VF-068T
サイズ | フリー:裾囲最大145cm |
---|---|
桜マーク | なし |
重さ約1kgと軽量、かつ様々な状況にマッチするショートタイプの固型式ライフジャケットです。
おかっぱりはもちろん、裾が短めなのでウェーディングの釣りにも対応しやすく、様々な釣りを楽しむアングラーにおすすめできます。
品質の高いCSマーク認証が付いたモデルながら価格も手ごろで、初心者の方の入門モデルとしても手に取りやすいでしょう。
タイプ | 固定式 |
---|---|
浮力 | 5.85Kg以上 |
着用形式 | 肩掛け |
D管 | あり |
インジェクター確認窓 | ー |
カラバリ | 4 |
着丈 | 42.5cm |
身幅 | 76.5cm |
裾幅 | 47cm |
肩幅 | 36.5cm |
- メリット
-
- 軽くて丈夫
- 体格がいい自分にもちょうどよかった
- シンプルで使い勝手がいい
- ロッドホルダーが便利
- デメリット
-
- もう少し収納スペースが欲しい
- プライヤーホルダーの位置が使いにくい
ダイワ チャイルドフローティングベスト DF-3921
サイズ | M/L |
---|---|
桜マーク | あり |
シンプルで手ごろな価格の、固型式の子供用ライフジャケットです。
視認性を高めるためのリフレクターや、お子さんにも着させやすいベルト構造など、シンプルな見た目以上につがいがっても良好です。
桜マークType A認証付きなので信頼性も高く、親子で船釣りを楽しみたいときにもおすすめです。
タイプ | 固定式 |
---|---|
浮力 | M(約6.4kg/24時間以上)/L(約6.7kg/24 時間以上) |
着用形式 | 肩掛け |
D管 | ー |
インジェクター確認窓 | ー |
カラバリ | 2 |
体重 | M(15kg~25kg未満)/L(25kg~40kg未満) |
素材 | 表地:ナイロン/裏地:ポリエステル |
ブルーストーム カリフ BSJ-2300RSII
サイズ | フリー:胴囲70~100cm |
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桜マーク | あり |
雨などによる誤作動の心配がない、手動膨張式の肩掛け式ライフジャケットです。
バッグ部分が細身で体への負担も少なく、桜マークType A認証付きなので、船での釣りにも対応しています。
落水時に自分で操作する必要はありますが、昨今スコールのような雨も多いですし、誤作動の心配がないのはうれしいですね。
タイプ | 膨張式(手動) |
---|---|
浮力 | 初期浮力 約10.5kg |
着用形式 | 肩掛け |
D管 | あり |
インジェクター確認窓 | なし |
カラバリ | 3 |
重量 | 約457g |
生地 | ポリエステル420D |
充気装置 | UML MKS/Micro Manual |
ダイワ ショートライフジャケット DF-2520
サイズ | フリー:ウエスト最大120cm |
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桜マーク | あり |
肩掛けタイプのように見えますが、よりバッグ部分をコンパクトに収めた、ネックタイプの手動膨張式ライフジャケットです。
バッグ部分は体を覆わないサイズに収まっているので、フィッシングベストなどを組み合わせて着用することもできます。
桜マークはTypeG認証なので、乗船できる船舶には制限がありますが、おかっぱりを含め使用できるシチュエーションも幅広いです。
タイプ | 膨張式(手動) |
---|---|
浮力 | 5.8kg/24時間以上 |
着用形式 | 肩掛け |
D管 | なし |
インジェクター確認窓 | なし |
カラバリ | 1 |
素材 | ナイロン |
ブルーストーム モーゲットウエスト BSJ-9320RSII
サイズ | ウエスト:70~100cm |
---|---|
桜マーク | あり |
他の製品よりもバッグ部分をコンパクトにまとめ、機動性と着用感を向上させた、腰巻タイプの自動膨張式ライフジャケットです。
サイズは小さくしながら浮力は9㎏と基準値を上回り、体の大きな人でも浮かせる能力があります。
このモデルは大手メーカーにも提供されていますが、ブルーストーム製はコスパにも優れています。
タイプ | 膨張式(自動+手動) |
---|---|
浮力 | 初期浮力 約9kg |
着用形式 | 腰巻き |
D管 | なし |
インジェクター確認窓 | なし |
カラバリ | 4 |
充気装置 | ハルキーロバーツ V90000(HR 6F) |
生地 | ナイロン コーデュラ500D/PVCターポリン |
JES-BASARO ライフジャケット 手動膨張式 B-Life-Jac-Re-MN/AT
サイズ | ウエスト:70~140cm |
---|---|
桜マーク | なし |
非常に手頃な価格ながら、安全性も重視して作られた、腰巻タイプの手動膨張式ライフジャケットです。
浮力や膨張速度まで考えた設計で、桜マーク認証はないものの、おかっぱりでの釣りなどには十分な性能になっています。
もちろん桜マークやCSマーク認証があるほうが安全ではありますが、どうしてもコストを抑えたいときなどにおすすめです。
タイプ | 膨張式(手動) |
---|---|
浮力 | 11.0kg |
着用形式 | 腰巻き |
D管 | なし |
インジェクター確認窓 | なし |
カラバリ | 12 |
- メリット
-
- 安くてもしっかり機能した
- おかっぱり用や雨用に用意するのにちょうどいい
- デメリット
-
- 生地に安っぽさがある
- 腰ベルトが少し余り過ぎる
- 説明書が分かりにくい
まとめ
腰巻タイプは主流ともいえるほどに普及しましたが、解説したようにデメリットも多いです。
状況を考えながら、他のタイプのライフジャケットと使い分けて、安全に釣りや水辺でのレジャーを楽しんでくださいね。
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