ぶっこみサビキ仕掛け入門!釣れる魚や釣り方のコツも!

塩谷純一郎
執筆者
  • 釣り歴15年
  • 釣り具の販売経験あり
  • 全国10都道府県へ遠征

北国生まれのアマチュア釣り師。前職では量販店で釣り具の販売、企画も担当。釣った魚を調理して食べるのも大好きで、美味しい魚のためならフィールド問わずアクティブに挑戦します。

ぶっこみサビキとは

ぶっこみサビキは、サビキ仕掛けを投げることで魚を狙う釣り方の一つです。

同じくサビキ仕掛けを投げる釣り方に「投げサビキ」がありますが、基本的には違う釣り方です。

投げサビキはウキを使ってタナを調整しますが、ぶっこみサビキでは中通しウキ(フローター)を使い、海底から立たせる形になります。

オモリをアンカーにして、中通しウキで仕掛けを上に引っ張るイメージです。

また、比較的重たいオモリを使うのも投げサビキとの違いで、大きなウキを使わないので遠投もしやすいです。

これらの違いで、落とし込みのサビキ釣りや投げサビキとは、狙える魚や有効なポイント、時期、タックルなどが変わります。

ぶっこみサビキで釣れる魚

通常、サビキ釣りでは主に小魚が釣れますが、ぶっこみサビキではより幅広い魚種を狙えます。

落とし込みのサビキ釣りでは、足元に寄ってくる魚しか狙えませんが、ぶっこみサビキでは沖目の深い場所を狙えるからです。

具体的な魚種は、ぶっこみサビキは別名「ぶっこみアジ」とも呼ばれるほどで、大アジを狙う釣法としておなじみです。

また、落とし込みのサビキや投げサビキには劣るものの、サバやイワシも釣れることがあります。

針のサイズを落とせばカワハギも狙えるので、よく釣れる場所で落とし込んで釣れない場合はぶっこみも試してみましょう。

ボトム付近を狙えるので、隠れられる根がある場所に落とせば、根魚が釣れることも珍しくありません。

磯付近で釣る場合には、セイゴやメジナ、タイもターゲットになり、この場合は刺し餌を付けるとより効果的です。

イナダやコノシロもターゲットに入りますが、遠投して寄せるのは困難なので、タックルバランスも考えて狙うといいでしょう。

筆者は北海道でよく釣りをしますが、春先のホッケ釣りでもぶっこみサビキはおすすめの釣り方だと言えます。

ぶっこみサビキに適した釣り場(場所)

ぶっこみサビキは、堤防や漁港、サーフ、磯、沖堤防まで、基本的に海釣りが楽しめる場所であればどこでも対応できます。

ただし、浅すぎる場所とは相性が悪く、特に遠浅のサーフなどでは釣りにくいことがあるので注意しましょう。

また、ある程度遠投して仕掛けをしばらく置く釣りなので、船のよく出入りする場所では迷惑になるので避けるのが無難です。

向いている場所は、足元付近に魚が溜まりにくい場所や、沖にストラクチャー(岩礁、海藻など)や駆け上がりのある場所です。

足元にテトラ帯があり、サビキを落とし込んで釣れないポイントでも、ぶっこみサビキなら回遊魚を狙うことができます。

ハイシーズンなのに回遊してこない場合、沖に魚が溜まっていることもあるので、ぶっこみサビキで遠投するのも有効になります。

人気ポイントで一等地が取れなかった場合に、投げて狙うのも有効になるでしょう。

ぶっこみサビキで釣りやすい時期

ぶっこみサビキで最も釣果が得やすいのは、秋から冬にかけての時期でしょう。

ぶっこみアジという別名からも分かる通り、ぶっこみサビキのメインターゲットはアジで、特に大きいアジを狙います。

大アジは秋から冬にかけて狙えるので、ぶっこみサビキなら、その時期にやや沖目のボトムで効率よく釣ることができます。

ただしターゲットを広く考えれば、オールシーズン様々な魚を釣るために有効な釣り方です。

例えば春はメバル、夏は青物やセイゴ、冬はカサゴなどの根魚など、四季折々ぶっこみサビキで狙える魚が居ます。

また、ハイシーズンであっても、足元で釣れないときの選択肢としてぶっこみサビキを使うのも有効になるでしょう。

このように、時期に依存せず、年中楽しめるのがぶっこみサビキのメリットとも言えます。

ぶっこみサビキの釣れる時間帯

ぶっこみサビキにおいても、他の釣りと同じく時合は重要で、セオリー通りで朝マヅメと夕マヅメは釣果を得やすい時間です。

特にアジの活性が高いのは夕マズメなので、大アジ狙いでは夕マズメ直前から夜にかけて釣るといいでしょう。

ポイントによってマズメに魚が入る場所、逆に魚が溜まりにくい場所があるので、状況に応じて飛距離やポイントを移動します。

特にアジは時間帯によって大きく活動場所を変えるので、場所を読んで投げ込むことが重要です。

また魚種によっても違いがあり、例えば根魚やセイゴを狙う場合は夜の時間帯、青物なら朝マヅメからの明るい時間がいいでしょう。

加えて、落とし込みのサビキ釣りで釣れない時間帯に、沖目に出た魚を狙う釣り方としても有効になります。

このため決まった時間があるというよりは、魚種や潮の周りに応じていつでも使える仕掛けと言えます。

ぶっこみサビキの仕掛けとタックル

竿

ぶっこみサビキと、落とし込みサビキや投げサビキとで最も違うのは、使用する竿です。

ぶっこみサビキでは重いオモリを投げるため、落とし込みサビキや投げサビキと比べて竿にパワーが必要だからです。

また、長いサビキ仕掛けを投げることになるため、竿もある程度の長さがあるほうが扱いやすいでしょう。

具体的には、オモリ負荷15号程度に対応でき、長さは3~5m程度のものがおすすめです。

もし遠投を狙う場合、オモリ負荷30号程度まで強いものの方が、コマセなどの重さも踏まえて背負いやすくなります。

竿の種類は、投げ竿、遠投対応の磯竿、シーバスロッドやエギングロッドなどのルアーロッドなどが使用できます。

高級な竿は必要ありませんが、しっかりオモリを背負えて、魚の引きに負けない程度の強さがあるものを選びましょう。

リール

ぶっこみサビキでは仕掛けを投げ、置き竿することも多いので、スピニングリールがおすすめです。

ベイトリールでも対応できますが、遠投性能に劣ること、置き竿するたびにタックルがひっくり返るわずらわしさはあります。

リールのサイズは、仕掛けを投げることに加え、比較的大きな魚を狙うため、ラインも太目になります。

また、大物になるとそれなりのドラグ性能も必要なので、番手は比較的大き目のものを用意すると安心です。

具体的には、4000番を中心に、3000~5000番のスピニングリールがいいでしょう。

根掛かりも少なくない釣りなので、使いたいラインを150~200m程度、余裕をもって巻けるものがおすすめです。

ライン(道糸)

ぶっこみサビキでは、重いオモリの負荷と、大物にも耐えられるよう、使用するラインはやや太めのものを選びます。

具体的には、ナイロンラインの場合は4~6号、PEラインの場合は1~1.5号が主に使われます。

根ズレの心配がない場所では飛距離が出しやすいPEラインが人気ですが、置き竿することを考えると、風や波の影響も心配です。

このため、コストやトラブルの面を考えても、こだわりがなければナイロンラインもおすすめです。

ただしナイロンラインはPEラインに比べて太いため、十分な糸巻き量を得るにはリールが大型になるデメリットがあります。

PEラインならルアー釣りにも転用しやすいので、代用タックルを使うか専用タックルを用意するかで使い分けるといいでしょう。

仕掛けセット

ぶっこみサビキ仕掛けは、上からシモリウキにロケットカゴ、サビキ仕掛けを取り付け、最後にオモリを付けます。

シモリウキは仕掛けを浮かせるためではなく、あくまでオモリは着底した状態で、仕掛けを立たせるためのものです。

このため、オモリの重さに勝ってしまう浮力だと浮いてしまうので、オモリの号数の半分程度の浮力に抑えましょう。

コマセカゴは、滑空中に餌が飛び出ないようロケットカゴで、サイズはM~Lサイズがおすすめです。

サビキ仕掛けについては、重いオモリの負担でキャスト切れしないよう、必ず遠投対応の幹糸が太いものを選びましょう。

もし遠投対応のものが見つからない場合は、ジグサビキ用のサビキ仕掛けから探すと使えるものが多いです。

オモリは仕掛けの下に付けるため、中通しではなく環付きタイプで、軽いものはナス型、重い物は六角がおすすめです。

具体的な号数は5~15号で、基本的には求める飛距離と、底の取りやすさで選んで問題ないでしょう。

以上がセットになった完成仕掛けも売られているので、はじめのうちはそういったもので試すのもおすすめです。

エサ

ぶっこみサビキに使う餌は、基本的には通常のサビキ釣り用のコマセと変わりません。

コマセは溶かしたアミエビやオキアミをそのまま使うか、必要に応じて集魚剤も入れましょう。

ぶっこみサビキではコマセの硬さが重要で、ロケットカゴからちょうどよく拡散されるよう配合しなければいけません。

緩すぎると着水時にほとんど出てしまい、硬すぎると拡散されなくなるので、パン粉や集魚剤をませて調整します。

ここは釣り人のこだわりどころですが、筆者の場合は指で押すと汁気がにじんでくる程度の緩めが好みです。

回遊魚を狙う場合はあまり必要ありませんが、根魚やタイ、メジナなどを狙う場合は、刺し餌も使うのがおすすめです。

冷凍オキアミやむきエビ、サビキ釣りとしては邪道ですがイソメなどを付けてもいいでしょう。

ぶっ込みサビキの釣り方とコツ

ぶっこみサビキは比較的釣果を得やすい釣りですが、少し工夫することでより釣果を上げることができます。

簡単に意識できるコツがいくつかあるので、ぜひ覚えて実践してみましょう。

コマセの放出量を調節する

ぶっこみサビキで使うコマセカゴは、ロケットカゴと呼ばれるものです。

落とし込みで使うコマセカゴと違い、いくつかの穴からコマセを放出する構造になっていて、その穴は開きを調整できます。

常に全開の方も多いですが、コマセの放出量はコマセの硬さなどによって違い、穴をしっかり調整するのが適切です。

いきなり投げてしまわず、足元に一度仕掛けを落として、しゃくるとどれぐらい放出されるか確認してから投げましょう。

出すぎると魚を寄せきれないですし、出なさすぎると寄せる能力が低すぎます。

好みで決めてもいいのであくまで目安ですが、3回大きくしゃくって出切る程度がおすすめです。

穴の調整だけで対応できない場合は、コマセに混ぜるパン粉や集魚剤の量を調整し、硬さの調整も併せて行います。

手返しよく釣る

投げる釣りは待つ釣りというイメージがありますが、ぶっこみサビキの場合はややせわしない釣りになります。

これはイソメなど刺し餌を主体とした釣りと違い、サビキはコマセが舞うことで疑似餌を食わせる釣りだからです。

つまり、定期的にしゃくってコマセを拡散させ、コマセが切れたら投げ直すを繰り返す釣りになります。

5分1回程度しゃくって、3回程度繰り返したらコマセを補充するので、15分程度に1回は補充と投げ直しが必要です。

潮通しがいい場所や、潮が動くタイミングではコマセが滞留しないので、もっとハイペースな釣りになります。

あまり放置していても釣れる釣りではないので、この一連の流れをコンスタントに行い、手返しよく釣りましょう。

置き竿するときはドラグは緩め

サビキ釣りは、小型の回遊魚を待ったり釣るのが醍醐味ですが、ぶっこみサビキでは予想外の大物が掛かることも多いです。

特に中型でも青物が掛かると、かなりパワフルな引きでやり取りも面白いです。

もし置き竿しているときに大物が来ると、竿ごと持って行かれるので、ドラグは緩めにして置いておくクセを付けましょう。

ただし、あまりに緩いとサビキ釣りと言えどフッキングしないので、穂先が入り込む程度にはドラグを利かせておきます。

大物を中心に狙いたい場合には、別途尻手ロープを付けておくと、万が一の時も安心です。