エリアトラウトでは近年テクニカルな釣りが必要になり、タックル構成も戦略的に組み立てることが必要です。
中でもこだわりどころになるのがリールで、特にギア比選びは、自分の釣り方のスタイルに合わせたものを選ばなければいけません。
では、それぞれのギア比にはどのようなメリット・デメリットがあり、どう生かすべきなのでしょうか。
今回はエリアトラウトに使うリールのギア比について、使い分けのポイントになる要素を解説します。
- 釣り歴15年
- 釣り具の販売経験あり
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北国生まれのアマチュア釣り師。前職では量販店で釣り具の販売、企画も担当。釣った魚を調理して食べるのも大好きで、美味しい魚のためならフィールド問わずアクティブに挑戦します。
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目次
エリアトラウトリールの「ギア比」って何?
リールのギア比とは、ハンドルを一回転させた場合に、ローターやスプールが何回転するかを表すものです。
例えばギア比が1:6の場合、ハンドルを1回転させると、スピニングではローターが6回周り、スプール6周分のラインを巻き取ります。
ギア比に決まりはありませんが、ノーマルギアに対し、ギア比が大きいものをハイギア、低いものをローギアとして区別します。
単純な巻き取りスピードの差も重要ですが、ギア比の違うと巻き感も違い、好みを大きく分けるポイントの一つです。
エリアトラウトにおいてはどれが優れているというものではなく、扱いやすさや釣りのスタイルに合わせた使い分けが重要です。
エリアトラウトリールのギア比の種類とメリット・デメリット
種類 | メリデリ・活用方法 |
ハイギア | 巻き取りが早く抵抗を感じやすい。細かなアクションを付けたり、巻き抵抗でアタリを感じたい場合に使用。 |
ローギア | 巻き取りが遅く、パワーを伝えやすい。デッドスローで巻きたい場合や、巻き抵抗の強いルアーと相性がいい。 |
ノーマルギア | 標準的な巻き取り速度で、抵抗感は弱め。巻きスピードを調整がしやすく、様々なルアーを使いたい場合に適している。 |
ハイギア
ハイギアは主にギア比1:6以上で、巻き取りスピードが早めのセッティングになっているリールのことを指します。
シマノであればHG、ダイワやアブガルシアはHが番手に含まれるものがハイギアを搭載したリールです。
なお、ハイギアよりもギア比が大きいモデルが存在する場合は、エクストラハイギア(XG)と呼ばれます。
巻き取りスピードが速いので、素早くラインスラッグを取ったり、巻きアワセにも対応しやすいのがメリットです。
また、ノーマルギアやローギアに比べルアーから伝わる抵抗を感じやすいメリットがあり、ハンドルでアタリを取ることもできます。
一方、スローリトリーブする場合ハンドルをゆっくり巻かないといけないので、ゆっくり誘うのにはコツが必要です。
ローギア
ローギアは主にギア比1:5以下とギア比が小さく、巻き取りスピードが遅いもののことを指し、パワーギアとも呼ばれます。
シマノの場合はPG、ダイワはPが番手に含まれるものがローギアを搭載したリールです。
エリアトラウトではスローリトリーブが基本になるため、巻きスピードの遅さはメリットになります。
また、巻き取りにパワーがあるので、巻き抵抗が大きいルアーを扱いやすいです。
一方で、パワーが強いためにハンドルでアタリを取るのは苦手なので、ラインやティップに現れるアタリを取る必要があります。
ノーマルギア
ノーマルギアはギア比1:5程度の、ハイギアとローギアの中間的な巻き取りスピードのものを指します。
基本的に、リールの番手に特別な表記がないものは、ノーマルギアと考えていいでしょう。
エリアトラウトにおいては大きなデメリットがないので、比較的使用できる状況は幅広く、マルチに使用できます。
また、ノーマルギアは各社基本としてラインナップしているので、選択肢が多く、リールを購入する際に選びやすいでしょう。
一方で突出したメリットがないため、特定の状況に合わせたタックルを組みたい場合には、ハイギアやローギアを選ぶのがおすすめです。
エリアトラウト初心者におすすめのギア比
これからエリアトラウトデビューするためにリールを探している方は、まずノーマルギアから選ぶのがおすすめです。
エリアトラウトはほかのルアーフィッシングと違い、素早い動きを多用しないため、必ずしもハイギアである必要はありません。
また、ローギアはメリットもあるものの、特定の状況に生きるもので、扱いにくいシチュエーションもあります。
メリットを考えるとハイギアもおすすめではありますが、ハイギアは抵抗を感じやすいため、リールの性能も顕著に現れます。
ある程度価格が張るグレードのものを選ぶ必要があるため、初期投資を抑えたい場合にもノーマルギアがおすすめです。
エリアトラウトでハイギアが活躍する釣り方や状況の具体例
巻き感度を重視したい場合
リールはギア比が大きくなると、巻きスピードが速くなると同時に抵抗を感じやすくなります。
リールにおいては抵抗を魚から伝わる情報として感知できるので、釣りに有利に働くシチュエーションも多いです。
例えば魚がルアーを咥えて泳ぎ去った時、明確なアタリが竿先から伝わる前に、抵抗感がハンドルに現れます。
ルアーの動いているぶるぶる感などもハンドルから伝わるので、見ずともルアーの状況を把握することも可能です。
より細かな状況を把握し、繊細な釣りに対応したい場合は、ハイギアにメリットがあります。
ミノーを使用する場合
ミノーのメリットは、細かなロッドアクションに対応できる操作性の良さです。
一方で、トゥイッチなどのアクションではラインスラッグが出てしまい、ラインスラッグがある状態で魚が食っても気付けません。
ローギアの場合、ラインスラッグを取るにはハンドルを早く回さないといけないので、操作しながらリーリングするのが困難です。
ハイギアであれば、巻き取りの速さを活かして素早くラインスラッグを回収できるので、ミノーと相性がいいのです。
巻きアワセが必要な場合
エリアトラウトでは、より素早く魚のアタリに対応するために、巻きアワセが重要になります。
加えて、風が強かったり、ディープレンジを狙う場合など、巻きアワセしないとフッキングに至らない状況も多いです。
ハイギアであればより素早くラインスラッグを回収できるので、より確実に巻きアワセすることができます。
https://tacklenote.jp/columns/area-trout-high-gear-reel/
エリアトラウトでローギアが活躍する釣り方や状況の具体例
デッドスローで誘いたい場合
ローギアは巻き取りスピードが遅いため、ハイギアやノーマルギアと同じ回転数でも、リトリーブスピードが遅いです。
このため、デッドスローリトリーブで誘いたい場合に、無理にハンドルをゆっくり回す必要はありません。
ハイギアでもデッドスローリトリーブは可能ですが、意識的にゆっくりハンドルを回さなければならず、慣れが必要です。
エリアトラウトではスローリトリーブが基本になるため、巻き取りスピードで言えばローギアが最も適していると言えます。
中でもマイクロスプーンやマイクロクランクは、ルアーが受ける水圧も少ないために、適したリトリーブスピードが絶妙です。
早巻きするとアクションが破綻することもあるため、そういった繊細なルアーを使用する場合は、ローギアが適しています。
巻き抵抗の強いリールを使用する場合
ギア比は小さくなるとその分パワーが伝えやすく、抵抗を感じにくくなります。
このため、ハンドルの回転を安定させやすいメリットがあります。
特にリップで水の抵抗を受けて潜ろうとするディープクランクなどは、受ける抵抗の分巻き抵抗が強いです。
巻き抵抗に対抗しようとしてハンドルを回すと、リトリーブスピードの調整が難しいです。
巻き取りのパワーがあるローギアであれば、ルアーから伝わる抵抗を感じにくいので、より繊細なリトリーブが可能になります。
エリアトラウトでノーマルギアが活躍する釣り方や状況の具体例
これからエリアトラウトを始めたい方に
ノーマルギアは、ハイギアやローギアの中間的なギア比なので、扱える状況は幅広いです。
スローリトリーブにも対応でき、ミノーのアクションを付けても対応できます。
ハイギアはゆっくり巻くのに慣れる必要がありますし、ローギアはアクションを付けた時の対応に難があります。
ノーマルギアを基本にしておけば、デメリットを感じた時に今後ハイギアとローギアどちらが必要なのかもわかりやすいでしょう。
ひとつのタックルで釣りたい場合
エリアトラウトでは、タックルを何本も用意し、使用するルアーや状況に合わせて使い分ける方も多いです。
しかし予算の負担も大きいですし、荷物も多くなるので、1本でマルチに対応できるタックルで対応したい方もいるでしょう。
ノーマルギアであれば、マイクロスプーンからディープクランクやミノーまで、幅広く使用できます。
このため、マルチに使える基本のタックルを組む場合には、ノーマルギアを使用するのがおすすめです。
なるべくリールの予算を抑えたい場合
エリアトラウトではハイギアにメリットが多く、ハイギアを基本にする方も多いです。
筆者も、基本的にエリアトラウトのタックルにはハイギアを使用しています。
しかしハイギアは抵抗を感じやすく、グレードが低いリールなどで、ハンドルの重さをより感じやすいです。
ノーマルギアであれば1万円以下のエントリーモデルでもストレスなく使用できるので、予算を抑えることができます。
まとめ
エリアトラウトは繊細で戦略的な釣りが必要で、時にタックルに頼ることもあります。
中でもリールのギア比は使い心地に大きな影響を与えるので、より戦略的に釣りたい場合は、よく吟味するべきでしょう。
ただし、釣りのスタイルや使いやすさはひとそれぞれで、好みも分かれる部分です。
特性を理解したうえで、実際に使って試しながら、自分のエリアトラウトスタイルに最適なリールを選んでくださいね。
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