小さく精巧な道具、巧妙なテクニック、繊細な仕掛けで、敏感で神経質、精悍な顔つきの、力強い大型黒鯛を狙う筏の黒鯛釣り。
いつ来るかわからない大物を、確実に獲るためにも、筏での黒鯛釣りでは、タモは欠かせない道具の一つです。
今回は、筏で自分のリズムを狂わせず、大型黒鯛もすくうことができるおすすめの筏釣り用タモの網と柄を5選、紹介します。
- 釣り歴55年
- 元釣具屋店員
- 釣具に累計2000万円程使用
釣りは5歳の時父親に大阪の猪名川にマブナ釣りに連れて行ってもらってから続けています。好きな釣りはヘラ鮒釣り、筏釣り、渓流釣り、鮎の友釣りです。道具は工夫や自作するのもまた釣りの楽しみ。釣りは自然相手の遊び、自然を大切にしながら楽しんでいきたいものですね。
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目次
筏釣りに適したタモや柄の選び方
タモ枠の大きさ
筏での黒鯛釣りでは、チヌの警戒感を下げるために細いハリスを使います。
そのため、獲物を抜き上げると、獲物の重さでハリスが切れてしまう危険性があります。
平均的に使われる筏の黒鯛釣りでのハリスの太さは1.5号。
そこから考えて、タモですくう黒鯛の大きさは30cm以上の魚です。
タモ枠の直径は35cm~50cmもあればOKでしょう。
タモ枠の直径が35cmと歳なしの体長50cmより小さくても、タモ網の深さがあれば、うまく頭からすくえば十分入ります。
タモ枠の大きさは、小さいほど取り回しがしやすく、大きいほど大物はすくいやすいです。
自分が上げる黒鯛のレギュラーサイズから考えて、適当な枠の大きさを決めるといいですね。
タモ枠の材質
タモ枠の材質には「鋼鉄」「アルミ合金」「ステンレス」「ジュラルミン」「チタン合金」「根竹」「萱などの原木」があります。
金属は軽くて丈夫ですが錆たり腐食したりします。
けれど、金属は折りたたみできるよう加工もできますので、コンパクトに収納することができるものもあります。
木材系は軽くて錆びないものが作れます。
けれど枠経を大きくすると、どうしても弱くなります。
弱さをカバーしようと思えば枠を太くしないといけなくなり、枠が重くなります。
軽くて丈夫で錆びないのが一番いいのですが、それぞれの材質で価格にかなりの差があります。
自分自身で妥協点を見つけて材質を決めてください。
タモ枠の形状
タモ枠の形状には円と最近はやりのオーバルフレームがあります。
円形は魚の重さが均等に枠に掛かるため耐久性に優れています。
オーバルフレームは沖から大物を引き寄せるときにタモを突きだして魚をすくいに行くのには適しています。
しかし、筏釣りではどちらかというと魚をタモで掬いに行くのではなく、魚をタモへ導くようにタモ入れします。
ですから筏釣りでは、タモ枠は円形の方が向いていると言えます。
また、円形の枠では折りたたみ仕様にもできて、持ち運びにも便利です。
ただ、金属製のタモ枠は材質にもよりますが、腐食したり錆びたりします。
特に折りたたみの接合部は、錆びたり腐食したりしやすいです。
錆びたり腐食したりするところは、たいていこの接合部です。
持ち運びがかさばりはしますが、折りたたみ仕様ではない、ワンピース型の方がずいぶん耐久性は上がります。
折りたたみ式の場合は、保って2,3年の消耗品と思って使うことになります。
耐久性を取るか、収納性を取るか、自分好みのものを選んでください。
網の材質
タモの網の材質には布、ラバー、モノフィラなどのナイロン系があります。
布製は安価で魚体が傷みにくいけれど、破れやすく水切れが悪い。
ラバー製のものは、魚体が傷みにくく耐久性があるが、少し重く、水通りが悪い。
ナイロン系は、軽くて水切れがよく、乾きも早いですが、安価なものは形状が保てない。
網の目は、小さい方がシズや針が網の目に入らず仕掛け裁きがいい。
形状が保て、網目が小さいモノフィラが使いやすいけれど、高価で紫外線劣化し、黒鯛のヒレで破れる危険性がある。
こういった特性を考えて自分好みのものを選んでください。
柄の長さ
筏のチヌ釣りでは竿下に浮いた黒鯛をすくうので、タモの柄の長さは、使う竿の長さほどもあれば間に合います。
竿を立てた状態で片手でタモをつかみますので、あまり長すぎると取り回しがしにくく、使いにくくなります。
水面から釣り座までの高さにもよりますが、120cm~270cmの長さがあればいいでしょう。
長さ調節できる柄も出ていて、使い勝手がよくて、収納にも便利です。
柄の材質
柄の材質には、アルミ、鋼材、グラス、カーボンが使われています。
金属製のものは材質は丈夫ですが、腐食し、重さもあります。
グラス製のものは、重さがかかるとたるみやすいです。
たるまないようにすると太くなり、重くなります。
カーボンもグラスよりは重さが軽いですが、同じ事が言えます。
軽く、強度を上げて、たわまないようにするために構造を工夫したものもあります。
やはり、よいものは価格が上がりますので、その辺りも考慮して選択してください。
筏釣り用タモおすすめ5選
【プロックス】
FX攻技イカダ玉ノ柄セット(FSITES85130)
プロックス社の筏釣り専用のタモ網と柄のセットです。
タモ枠はアルミ製折りたたみ仕様の40cm枠です。
網はマイクロメッシュの3mm目で水切れがよく、魚体を傷めず、魚のヒレやカミツブシが網目に掛からず、後の手返しも速く出来ます。
柄は85cm~130cmと自由に長さ調節ができます。
40cmラウンド枠は、軽量アルミ素材でコンパクトに折りたためる四つ折仕様。
【 OGK(大阪漁具)】
筏玉の柄二段(ITN1219)
OGK(大阪漁具)の筏用タモ網と柄のセットです。
タモ網と柄がセットでこの価格で購入出来るというのは魅力的です。
タモ枠は四つ折りの折りたたみ仕様で40cmのラウンド枠です。
網はマイクロメッシュなので魚のエラや鉛が引っかかりにくいです。
網の深さが24cmと少し浅めですが、年なしクラスまでの黒鯛ならすくえます。
柄は2段式になっていて、畳むと81.5cm、伸ばす151.5cmの2段階の長さ調節ができます。
柄の材質はグラスで、少し重めですが、長さが短いので、重さはさほど気になりません。
【黒鯛工房】
カセ筏師 THEアスリート イカダ玉網 T(45-100)
黒鯛工房のタモ網と柄のセットです。
タモ枠は、ジョイント部やネジに至るまでフルチタン製の45cmのワンピース枠なので、軽く耐久性は抜群です。
使用後、水洗いさえ忘れなければ何年使っても心配することはありません。
網は手編み5mm目のナイロンネットで、熱加工処理がしてあり、型崩れしにくくなっています。
5mm目は黒鯛の鋭いヒレが引っかかることもなく、オモリや針が目に掛かることもありません。
深さは30cmあり、ロクマルも心配なくすくえます。
柄は4軸カーボンを使用で、軽くて強く、取り回しもいいです。
長さは100cmのワンピース製。
少し短めですが、最近の短竿志向に合う長さです。
筏で使うタモとしては最高ランクのものと言えます。
【シミズ】
グラたも筏深網仕様(型番なし)
モノフィラ網では定評のあるシミズの筏用タモ枠と網のセットです。
タモ枠は、持ち運びを考慮して36cmと少し狭めですが、その分持ち運びと取り回しがいいです。
枠の素材は軽くて強く、耐久性もあるカーボン枠。
網は中小型にはカミツブシや針掛かりが少なく、水切れがよく、型崩れもない2.5mm目の手すき編み仕様が取り回しが最高です。
年無しなどの大型には、5mm目の手すき網は深さが55cmあるので、十分対応出来ます。
張りがあり、型崩れしないモノフィラ手すき網は、すくった魚や仕掛けに網がまとわりつかず、手返しが速くできます。
シミズでは、高弾性カーボン製でグラたも筏と相性ピッタリのタモの柄やグラたも替え網も販売しています。
【昌栄】
α玉網セット フリーストップ(151)
昌栄のα玉網セット フリーストップはタモの柄の長さを80cm~120cmの間で自由に長さ調節できるようになっています。
筏、カセなど場所に合わせた長さにできて、使い勝手のよいタモの柄です。
網の枠は4つ折式。
網はモノフィラ縫製で目も小さく、魚体を傷めません。
昌栄ではこのほか、錆びにくく軽いジュラルミン製のタモ枠やフレーム一体の筏用タモ、手すき替え網なども販売しています。
まとめ
筏釣り師には数釣り志向の人や型狙い志向の人などいろいろな人がいます。
柄、網、枠、など、どれを選ぶかによってかなり使い勝手が違ってきます。
自分の釣りスタイルに合わせてタモを用意するといいですね。
筏釣りのタモの購入で失敗しないために、各ショッピングサイトのレビューもしっかり確認して自分にピッタリなモノを見つけましょう。
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