最近徐々に人気が高まっている渓流ベイトフィネスという釣りをご存知でしょうか。
渓流ベイトフィネスとは、ベイトタックルを用いて渓流を釣り上がっていくルアーゲームです。
なんとなく名前や内容は聞いたことあるけど、実際にどんなものかはよく分からないという方も多いと思います。
そこで今回は、2021年版渓流ベイトフィネス入門として渓流ベイトフィネスのタックルの選び方や、渓流ベイトフィネスで必要な飛距離、投げ方のコツなどをご紹介させていただきます。
神奈川県在住。海釣りから渓流釣りまで幅広いジャンルをシーズンに合わせて楽しんでいます。友人にライトショアジギングに誘われたのをきっかけに釣りにハマり、今では毎週のように釣りに出かけています。渓流ベイトフィネスをメインに、渓流に行けないときは近所でシーバス、メバル、タチウオなどを狙っています。最近はボートでのロックフィッシュ、タイラバなどにも挑戦中です。
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目次
渓流ベイトフィネスとは
渓流ベイトフィネスとは渓流釣りのジャンルの1つで、ベイトタックルを用いてトラウトを狙う釣りです。
一般的に重いルアーを投げるのに適しているベイトリールを使う釣りでありながら、軽いルアーを使うという特徴があります。
渓流ベイトフィネス用のタックルは、軽いルアーを扱うのに適した作りをしており、ベイトリール特有の手返しの良さやパワーでトラウトとのやり取りがしやすくなっています。
ここでは、渓流釣りにおいてベイトフィネスタックルを使うメリット・デメリットをご紹介させていただきます。
渓流釣りでベイトフィネスを使うメリット・デメリット
渓流釣りのジャンルの中で、ベイトリールを使う渓流ベイトフィネスはまだまだ認知度の低いジャンルです。
渓流ベイトフィネスには多くのメリットがありますが、同時にデメリットもあります。
ここでは、渓流釣りでベイトフィネスタックルを使うメリット・デメリットをご紹介させていただきます。
メリット
渓流釣りにおいて、ベイトフィネスタックルを使うメリットは大きく3つあります。
手返しが良い
渓流ベイトフィネスのメリット1つ目は、手返し良く釣りができることです。
スピニングリールの場合は、ルアーを巻きあげた後再びキャストするためにベールを上げる動作が必要になります。
しかし、渓流ベイトフィネスで使うベイトリールは再キャストの際に親指でクラッチを切るだけでキャストすることができます。
わずかな動作の違いですが、キャストの度にベールを上げるというのは手返しという点において大きなハンデとなります。
構造上の違いとしてベイトリールの方が手返し良く釣りをすることができます。
ピンポイントキャストができる
渓流ベイトフィネスのメリット2つ目は、ピンポイントキャストができるという点です。
こちらもベイトリールとスピニングリールの構造的な違いからくるメリットで、スピニングリールではルアーの着水地点をコントロールすることは非常に難しいです。
しかし、ベイトリールであればキャストした後にサミングで飛距離を調整出来るので、狙った位置にピンポイントでルアーをキャストすることができます。
また、サミングをすることで着水時の速度をコントロールし、ルアーを静かに着水させることで、魚に警戒心を抱かせずにルアーを着水させることができます。
さらに、カバーの奥を狙ってキャストする際にもサミングでラインの膨らみを押さえることができるので、より奥へとルアーをキャストすることが可能です。
ベイトリールのパワーでトラウトを引き上げられる
渓流ベイトフィネスで使うルアーは重量がとても軽く、ロッドも柔らかいものを使うので、ロッドのパワーを使って魚を浮かせることができません。
スピニングリールの場合、ドラグを使って時間をかけてトラウトを引き寄せる必要があります。
しかし、ベイトリールではリールのパワーを使ってトラウトを引き上げることができるので初心者の方でも簡単にトラウトを釣りあげることができます。
デメリット
渓流釣りにおいてベイトフィネスタックルを使うデメリットは2つあります。
バックラッシュのリスクがある
渓流ベイトフィネス最大のデメリットが、バックラッシュのリスクがあることです。
ベイトリールを使う渓流ベイトフィネスでは、常にバックラッシュのリスクがあります。
バックラッシュは1度起きるとラインにダメージが入る可能性もあり、復旧不可能になることもあります。
事前にしっかりとブレーキ調整をしたり、キャストの練習をすることでバックラッシュのリスクをなるべく減らす努力が必要です。
それでもバックラッシュのリスクは0にならないので、私の場合は予備のリールやラインを持っていくことが多いです。
飛距離はスピニングリールに劣る
渓流ベイトフィネスのデメリット2つ目は、飛距離がスピニングリールに劣ることです。
開けた川の下流域や湖などで飛距離をある程度出したい場合、ベイトリールよりスピニングリールの方が有利になることがあります。
ベイトリールはキャストの精度は高いですが、飛距離を出す場合はスピニングリールの方が簡単に出せます。
飛距離が必要な場面では重めのルアーを使ったりすることで、ある程度は対応できますが、初心者の方はスピニングリールを使うことをおすすめします。
渓流ベイトフィネス用タックルの選び方
ここまで渓流ベイトフィネスのメリット・デメリットを解説してきました。
ここからは実際に渓流ベイトフィネスに必要なタックルの選び方を解説させていただきます。
渓流ベイトフィネスロッドの選び方
渓流ベイトフィネス用のロッドは、大きく分けてカーボンロッドとグラスロッドの2種類があります。
それぞれに特徴があり、得意な場面があります。
カーボンロッド
渓流ベイトフィネス用ロッドの1つ目は、カーボンロッドです。
カーボンロッドは軽くて強いカーボン素材を使ったロッドで、ロッドに張りがあるのでキャストの際に少ない力でルアーを飛ばすことができます。
下流域や湖などの飛距離が必要な場面ではカーボンロッドが有利になります。
一方でロッドに張りがあるので魚のバイトを弾いてしまう場合もありますので、食わせの間をしっかり取るなどの工夫が必要です。
カーボンロッドの選び方やおすすめのカーボンロッドに関してはこちらの記事で詳しくご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。
https://tacklenote.jp/columns/mountain-stream-bait-finesse-rod/
グラスロッド
渓流ベイトフィネス用のロッド2つ目は、グラスロッドです。
グラスロッドはグラスファイバーという素材を使ったロッドです。
グラスロッドには100%グラスファイバー製のフルグラスロッドと、カーボンとグラスファイバーを混ぜたグラスコンポジットロッドがあります。
グラスロッドは非常に柔らかく、良くしなるので、軽いルアーを投げる際にロッドに乗せやすいという特徴があります。
一方でグラスファイバーは強度を出すためには厚みを持たせる必要があるので、ロッド自体の重さが重くなってしまうというデメリットもあります。
グラスロッドの詳しいメリット・デメリットや選び方、おすすめのグラスロッドはこちらの記事でご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。
https://tacklenote.jp/columns/bf-mountain-stream-glass-rod/
渓流ベイトフィネスリールの選び方
渓流ベイトフィネスで使用するベイトリールを選ぶ際にはいくつか見るべきポイントがあります。
ベイトリールはもともと重いルアーや仕掛けをキャストするのが得意なリールで、逆に軽いルアーをキャストすることは苦手です。
渓流ベイトフィネスでは、軽いルアーをキャストできる用にセッティングされた専用のベイトリールを選ぶ必要があります。
また、渓流の流れに沿って釣りをしていく渓流ベイトフィネスでは、ギア比の選び方も重要です。
川の上流に向かってルアーをキャストし、川の流れに乗せてルアーを引いてくることの多い渓流ベイトフィネスでは、ハイギアのリールを選ぶことでルアーを自然に引いてくることができます。
渓流ベイトフィネス用のベイトリールの選び方やおすすめのベイトリールはこちらの記事で詳しくご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。
https://tacklenote.jp/columns/mountain-stream-bait-finesse-reel/
渓流ベイトフィネスに使うラインの選び方
渓流ベイトフィネスでは、ライン選びも重要になります。
渓流ベイトフィネスで使用するラインの種類は、ナイロンライン、フロロカーボンライン、PEラインの3種類があります。
それぞれにメリット・デメリットがあり、フィールドや魚の狙い方によって使い分けることが釣果を上げるのに大切です。
渓流ベイトフィネスで使用するラインの選び方やおすすめのラインについてはこちらの記事で詳しくご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。
渓流ベイトフィネスで釣れるルアーの選び方
渓流ベイトフィネスでは様々なルアーを使います。
ミノーやスプーン、スピナーやバイブレーションなど多くのルアーをフィールドや状況に応じて使い分けることで釣果を上げることができます。
ルアーの種類だけでなく、重さや大きさ、カラーなどを適切に選ぶこともとても重要です。
同じ種類のルアーでも、カラーや大きさを変えることで魚の反応も変わってきます。
それぞれのルアーの特徴やおすすめのルアーについてはこちらの記事でも詳しくご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。
渓流ベイトフィネスの飛距離はどれくらい?
渓流ベイトフィネスでは、飛距離が必要な場面はそれほど多くありません。
川幅の狭い源流域などでは5~10m程度、ある程度川幅のある中流~下流域でも20~30m程度の飛距離があれば十分です。
広い湖などで釣りをする場合30m以上の飛距離を出すこともありますが、軽いルアーを使うベイトフィネスでは30m以上の飛距離を出すのは難しいです。
ルアーの重さやロッドの硬さなどを工夫することで飛距離を伸ばすことは出来ますが、渓流ベイトフィネスでは飛距離よりキャストの精度の方が大切になります。
渓流ベイトフィネスではルアーを正確に狙った位置に落とすことが釣果に直結します。
トラウトはカバーの奥や岩の陰などに潜んでいることが多く、潜んでいる位置に正確にルアーを落とさないとなかなか出てきてくれません。
着水点のコントロールは、親指を使ったサミングで行います。
サミングとは、キャストした後に親指で軽くスプールを押さえることでルアーのスピード、および飛距離をコントロールすることです。
サミングでコントロールをすることで着水時の音を抑えて、魚に警戒心を抱かせずにルアーを送り込むことも可能です。
渓流ベイトフィネスの投げ方(キャスティング)のコツは?
渓流ベイトフィネスでは、キャストが非常に重要です。
障害物の多い渓流ではオーソドックスなオーバーヘッドキャストができない場面が多くあります。
横からキャストするサイドスローや下からキャストするフリップキャストなど、様々な投げ方を使い分ける必要があります。
様々な投げ方をする渓流ベイトフィネスですが、どの投げ方でもルアーの重さをロッドに乗せて投げることが重要です。
カーボンロッドの場合は手首のスナップとロッドの反発力を使うことである程度ルアーを飛ばすことが可能です。
しかし、グラスロッドの場合はロッドの反発がないので、しっかりとルアーの重さをロッドに乗せないとルアーが飛ばず、飛んだとしてもルアーが浮いてしまいます。
柔らかく、良くしなるグラスロッドでは、しなりを利用してルアーを飛ばします。
カバーの多い渓流では低い弾道でルアーを飛ばすことが必要な場面が多くあるので、ルアーの重さをしっかりロッドに乗せてキャストすることが大切です。
また、海釣りでは飛距離を出すためにルアーの垂らしを長めにとることも多くありますが、渓流ベイトフィネスでは垂らしはほぼとりません。
垂らしをとると、キャストの際にルアーが暴れて低い弾道で正確なキャストが出来なくなってしまいます。
渓流では飛距離よりもキャストの正確性がとても重要なので、垂らしをとらないことをおすすめします。
まとめ
今回は2021年版渓流ベイトフィネス入門としてタックルの選び方や投げ方のコツなどをご紹介させていただきました。
渓流ベイトフィネスではタックル選びとキャストの練習がとても大切です。
源流~下流まで変化に富んだフィールドで行う釣りなので、使うフィールドに合わせてタックルを適切に選ぶ必要があります。
また、正確なキャストが釣果を上げるためには欠かせません。
今回ご紹介したタックルの選び方や投げ方を参考に、渓流ベイトフィネスの世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。