23ヴァンキッシュ 4000MHGのインプレと比較!他機種との違いは?

2023年の新商品のなかで、とりわけ話題を集めた23ヴァンキッシュがついに発売開始。

ヴァンキッシュは軽さが売りのスピニングリールで、多くのアングラーからの支持を得ています。

今作で特に注目を集めているのがインフィニティループ。

いわゆる密巻きで、その使用感を知りたい人も多いはず。

そこで今回は、23ヴァンキッシュのシーバスで人気番手の4000MHGを使用したインプレを紹介します。

使用感だけでなく、比較対象にあがる他機種との違いもまとめるので、ぜひご参考にしてください。

山下洋太
執筆者
  • 釣り歴18年
  • 年間釣行300日超え
  • 調理師資格あり

三浦半島、真鶴半島、伊豆半島の地磯がメインフィールド。ターゲットは主にロックフィッシュで、アカハタやオオモンハタ、メバルを狙っています。家の近くにも海があり、時間があまりない日は近所でシーバス釣りやチニング、アジングなどを楽しんでいます。また調理師資格を持っており、釣り魚を使った料理も得意です。

23ヴァンキッシュ 4000MHGの特徴

23ヴァンキッシュ4000MHGのスペックは以下の通りです。

品番4000MHG
ギア比5.7
実用ドラグ力(kg)6
最大ドラグ力(kg)11
自重(g)205
スプール 径(mm)/ストローク(mm)52/19
糸巻量ナイロン(号-m)2.5-160,3-120,4-90
糸巻量フロロ(号-m)3-110,4-90,5-65
糸巻量PE(号-m)1.2-250,1.5-200,2-150
最大巻上長(cm/ハンドル1回転)93
ハンドル長さ(mm)55
ベアリング数BB/ローラ―11/1
夢屋スプールタイプS-28
夢屋ハンドルノブタイプA
夢屋ハンドルタイプH-11
夢屋ハンドルスクリューキャップタイプHC-2
夢屋リールスタンドタイプCandE

23ヴァンキッシュ最大の特徴は、なんといってもインフィニティループを搭載していること。

インフィニティループとは、いわゆる密巻きのことで、ローターがスローにオシュレートし、ラインが密に巻かれる技術です。

ラインが密に巻かれると、ラインが放出するときの抵抗が少なくなり、キャストフィールの向上に期待できます。

しかし、密巻きだとライントラブルが起こりやすいと、心配している人も多いのではないでしょうか。

そのライントラブルを軽減するために、アンチツイストフィンと呼ばれる構造をラインローラーの下に搭載。

ラインのたるみを抑え、ラインがヨレたり、スプールの下部にラインが入ったりするトラブルを軽減します。

今回のインプレでも、この密巻きを中心に紹介していきます。

23ヴァンキッシュ 4000MHGの「M」「HG」の意味

「M」の意味

ミディアムディープスプール仕様で、ノーマルタイプのスプールよりもやや浅溝なのが特徴。

細いラインを使用するときでも、下巻きを少なくできるメリットがあります。

「HG」の意味

ハイギア仕様で、ハンドル1回転で巻き取れるラインが長いのが特徴。

巻き心地はやや重くはなるものの、素早くラインを巻き取りやすいです。

23ヴァンキッシュ 4000MHGが活躍する魚種と状況

シーバス

4000MHGは、シーバス釣りど真ん中のスペックを有する番手。

軽量性、巻き出しの軽さを備えたヴァンキッシュの4000MHGは、引き抵抗が少ないルアーを使用するシーバス釣りに最適です。

特にマッチするのが、シンキングペンシル、ジグヘッドを使用したナイトゲーム。

ナイトゲームでは、ルアーをスローに動かすのが基本の操作です。

今作のヴァンキッシュは、そのスローな動きをより演出しやすいのが魅力。

巻き感度にも優れている印象で、ルアーが受ける水流をも感知できます。

ロックフィッシュ

ロッドフィッシュ狙いでは、PEライン1.5号をメインで使用します。

ヴァンキッシュ 4000MHGは、そのPEライン1.5号を200m巻ける糸巻き量があり、ロックフィッシュとの相性抜群。

磯、堤防、ボートなど、シーンを問わずロッドフィッシュ狙いに対応でき、汎用的に使用できます。

ロックフィッシュでは、特に巻きの釣り、いわゆるスイミングパターンとの相性が抜群です。

もちろん、巻き出しの軽さを活かして、ボトム狙いのテキサスリグやフリーリグにも対応できます。

サワラキャスティング

近年各地で流行を見せる、サワラを狙うキャスティングゲームにも対応します。

特に相性が高いのが、ミノーを使用し、ジャーキングをする釣り方。

ヴァンキッシュ 4000MHG重量が205gと軽量で、軽快なジャーキングをサポートします。

ジャーキングを繰り返す釣りは、かなり疲れるから苦手という人も多いはず。

そんな悩みがある人は、ぜひヴァンキッシュを使用してみてください。

ライトショアジギング

軽いジグを使用して、青物やシーバス、フラットフィッシュ、根魚など、さまざまなターゲットを狙えるライトショアジギング。

その魅力あふれる釣りにも、ヴァンキッシュ 4000MHGが対応できます。

ライトショアジギングでは、ただ巻きを中心に、ロッドをジャークして操作することもあります。

自重が軽いヴァンキッシュ 4000MHGは、ロッド操作を軽快に行えるのが魅力です。

フラットフィッシュ

サーフを中心に、堤防でも釣れる人気ターゲットのマゴチやヒラメ狙いでも、ヴァンキッシュ 4000MHGが活躍します。

フラットフィッシュ狙いでは、キャストを繰り返し、足で稼ぎながら広範囲を探るのが基本。

そのランガンを繰り返す釣りにおいても、ヴァンキッシュの自重の軽さが役立ちます。

フルキャストを何度もしても疲れにくく、軽快に扱えるのも魅力です。

23ヴァンキッシュ 4000MHGのインプレ

今回23ヴァンキッシュ 4000MHGは、ロックフィッシュ用に購入しました。

発売開始から時間が経過していないため、使い込めてはいませんが、使い始めて1週間ほど経過して感じたインプレを紹介します。

最大の魅力は「キャストフィール」

19ヴァンキッシュも所有していますが、23モデルになって明らかに変わったと感じたのがキャストフィールです。

インフィニティループでラインが密に巻かれることで、ラインが抵抗なく、スルスルと出ていく感覚。

筆者の釣り仲間数人にもキャストしてもらいましたが、皆口を揃えていうのが、キャストが心地良くなるとの感想です。

飛距離に関しては感覚にはなりますが、ややアップしている印象。

PEライン1号を巻いて、1.8gの軽量ジグヘッドでもラインの抵抗を感じず、30m近く飛ばせます。

気になるライントラブルは?

23ヴァンキッシュを購入し、計20時間近く使用しましたが、ライントラブルは今のところ皆無。

PEライン1号で1.8gの軽量ジグヘッドを5時間ほど使用しても、ラインのヨレやエアノットが発生するトラブルもありません。

ライントラブルが起こらないと断言するには、使用時間が短いので、これからさらに使い込む必要があります。

ただし、しっかりとフェザリングをすれば、ライントラブルが減少すると考えられます。

また、スプールに巻かれるラインがテーパー状にならないように、ワッシャーで調整することも重要です。

ドラグの滑らかさにも注目

19モデルでも十分にドラグが滑らかでしたが、23モデルになり、さらに磨きがかかった印象。

試し投げをしているときにクロダイがヒットしましたが、ドラグがしっかりと効き、キャッチできました。

特に感じるのが、ドラグ音が鳴るときの引っ掛かりの無さ。

ドラグが効き、ラインが放出されるときの抵抗が非常に少ない印象です。

また、ドラグワッシャーには、耐久性が高いDURAクロスが使用されているので、その優れたドラグ性能の持続性にも期待大。

ドラグを効かせたやり取りが必要になる、大物狙いにも積極的に使用できそうです。

巻き心地は滑らかのひとこと

当然のごとく、巻き心地は非常に滑らかです。

そして、パワーも十分にあり、ドラグを締め込んでアカハタをゴリ巻きでキャッチできました。

水深30mほどあるポイントで、50gのジグヘッドを使用しましたが、巻きが重くなりすぎず、快適に操作できます。

また巻き出しの軽さも抜群で、ただ巻きだけでなく、ボトムの釣りとの相性が高いと感じます。

ボトムの釣りが中心になる、ロックフィッシュ狙いで、ますます使い込んでいけそうです。

23ヴァンキッシュ 4000MHGの旧モデルと比較

比較:【シマノ】19 ヴァンキッシュ 4000MHG

引用:Amazon
品番23ヴァンキッシュ
4000MHG
19ヴァンキッシュ
4000MHG
ギア比5.75.8
実用ドラグ力(kg)66
最大ドラグ力(kg)1111
自重(g)205205
スプール 径(mm)/ストローク(mm)52/1952/19
糸巻量ナイロン(号-m)2.5-160,3-120,4-902.5-160,3-120,4-90
糸巻量フロロ(号-m)3-110,4-90,5-653-110,4-90,5-65
糸巻量PE(号-m)1.2-250,1.5-200,2-1501.2-250,1.5-200,2-150
最大巻上長(cm/ハンドル1回転)9395

23モデルと19モデルの最大の違いは、インフィニティループが搭載されているか否か。

インフィニティループを搭載した23モデルは、キャストフィールが向上しています。

また23モデルには、ギアの耐久性が向上するインフィニティクロスやパワフルな巻き上げを実現するインフィニティドライブも搭載。

進化する技術を体感したい人は、23モデルを要チェックです。

23ヴァンキッシュ 4000MHGと近い番手を比較

比較:【シマノ】23ヴァンキッシュ 4000XG

品番4000MHG4000XG
ギア比5.76.2
実用ドラグ力(kg)66
最大ドラグ力(kg)1111
自重(g)205205
スプール 径(mm)/ストローク(mm)52/1952/19
糸巻量ナイロン(号-m)2.5-160,3-120,4-903.5-170,4-150,5-125
糸巻量フロロ(号-m)3-110,4-90,5-653-190,4-145,5-115
糸巻量PE(号-m)1.2-250,1.5-200,2-1501-490,1.5-320,2-240
最大巻上長(cm/ハンドル1回転)93101

23ヴァンキッシュの4000MHGと4000XGでは、糸巻量とギア比が異なります。

まず、4000MHGは糸巻き量が少なく、ギア比も低いのが特徴。

一方、4000XGは糸巻き量が多く、ギア比が高いのが特徴です。

したがって、ルアーを高速で動かしたいときや、太いラインを使用したいときには4000XGがおすすめ。

細いラインを使用し、ルアーをスローにも動かしたいときには4000MHGが最適です。

23ヴァンキッシュ 4000MHGの下位モデルと比較

比較:【シマノ】20ヴァンフォード 4000MHG

引用:Amazon
品番23ヴァンキッシュ 4000MHG20ヴァンフォード 4000MHG
ギア比5.75.8
実用ドラグ力(kg)66
最大ドラグ力(kg)1111
自重(g)205220
スプール 径(mm)/ストローク(mm)52/1952/19
糸巻量ナイロン(号-m)2.5-160,3-120,4-902.5-160,3-120,4-90
糸巻量フロロ(号-m)3-110,4-90,5-653-110,4-90,5-65
糸巻量PE(号-m)1.2-250,1.5-200,2-1501.2-250,1.5-200,2-150
最大巻上長(cm/ハンドル1回転)9395
ベアリング数BB/ローラ―11/17/1

ヴァンフォードは、ヴァンキッシュの弟分に当たる、MGLシリーズのリール。

スペック上の違いとして注目したいのが重量。

同じ4000MHGでは、ヴァンキッシュの方が15g軽量にできています。

ただし、2万円台で購入できるのはヴァンフォードの魅力。

軽さにこだわりたい人はヴァンキッシュ、低予算で購入したい人にはヴァンフォードがおすすめです。

23ヴァンキッシュ 4000MHGと近い他メーカー機種と比較

比較:【ダイワ】23エアリティ LT4000-XH

品番23ヴァンキッシュ 4000MHG23エアリティ LT4000-XH
ギア比5.76.2
最大ドラグ力(kg)1110
自重(g)205200
糸巻量PE(号-m)1.2-250,1.5-200,2-1501.5-200
最大巻上長(cm/ハンドル1回転)9399
ベアリング数BB/ローラ―11/111/1

23エアリティ LT4000-XHとの最大の違いは、巻き出しの軽さです。

どちらも巻き心地はスムーズですが、巻き出しの軽さに関してはヴァンキッシュに分があるように感じます。

ただ巻き中心の釣りにはどちらも相性が良いですが、ジャーキングやトゥイッチをする釣りには、ヴァンキッシュがおすすめ。

ただし、この2機種に関しては、好みで選んでも問題はありません。

比較:【ダイワ】19セルテート LT4000-CXH

引用:Amazon
品番23ヴァンキッシュ 4000MHG19セルテート LT4000-CXH
ギア比5.76.2
最大ドラグ力(kg)1112
自重(g)205235
糸巻量PE(号-m)1.2-250,1.5-200,2-1501.5-200
最大巻上長(cm/ハンドル1回転)9399
ベアリング数BB/ローラ―11/110/1

19セルテート LT4000-CXHとの最大の違いは自重で、セルテートは235gと、ヴァンキッシュよりも30g重たいのが特徴。

セルテートは強度を重視して作られているため、ヴァンキッシュとの重量に差があると考えられます。

したがって、強度を重視する人はセルテート、軽さを重視する人はヴァンキッシュのように選ぶのがおすすめです。

まとめ

23ヴァンキッシュはインフィニティループ搭載で、ラインが密に巻かれるのが最大の特徴。

キャストフィールがかなり良く、快適にキャスティングゲームを楽しめます。

シマノの高い技術を軽いリールで体感したい人は、23ヴァンキッシュをぜひチェックしてみてください。