シマノの上位機種として不動の人気を獲得しているツインパワーシリーズは、釣り人なら誰しもが耳にしたことのあるリールではないでしょうか?
そんなツインパワーシリーズにおいて、最もタフで剛性のあるSWモデルの中でも、汎用性の高いSW6000HGは特に人気が高いです。
中型魚から、10kgオーバーの青物にも余裕で対応可能であり、軽量で様々な釣りに使える6000番ボディ。
今記事では筆者が実際に使用している21ツインパワーSW6000HGをピックアップし、インプレやスペック、性能などを徹底的に解説していきます。
- 釣り歴24年
- 海外遠征経験あり
愛知県在住。普段はブラックバスや雷魚、シーバス、ロックフィッシュなどのルアー釣りがメインです。国内外を週末弾丸遠征で釣り歩くスタイル。石垣島、タイ、マレーシアでの釣りが大好きです。今後の目標は、日本三大怪魚制覇やカヤックでGTを釣る事、アマゾン・ボルネオ・パプアニューギニア・パリ遠征など、夢が尽きません。
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目次
21ツインパワー SW6000HGの特徴(スペックや搭載技術)
21ツインパワー SW6000HG | |
ギア比 | 5.7 |
実用ドラグ力(Kg) | 8 |
最大ドラグ力(Kg) | 13 |
自重(g) | 420 |
スプール径/ストローク(mm) | 57.5/19 |
糸巻量ナイロン(号-m) | 4-240, 5-190, 6-160 |
糸巻量PE(号-m) | 2-440, 3-300, 4-210 |
最大巻上長(cm/ハンドル1回転) | 103 |
ハンドル長さ(mm) | 65 |
ベアリング数BB/ローラ― | 10/1 |
インフィニティドライブ
巻きと剛性を両立するための機構として有名なXシップを多くのシマノリールが搭載していますが、その更に上を行くのがインフィニティドライブです。
ステラSWにも搭載されており、世界最高峰の技術と言っても過言ではありません。
メインシャフトを大幅改善し、従来のモデルよりも回転トルクを30%低減することで余計な巻き抵抗を排除。
高負荷時でも思いっきり怯むことなくゴリ巻き可能な上、大物との極限ファイト状態でも驚きの巻き心地を実現しています。
Xシールド
シマノが誇る防水機構として有名なXプロテクトに関しては他機種も備えているモデルがあります。
しかしこの『Xシールド』こそがSWモデルの真骨頂であり、ボディ内部の至る所に強力なシーリングが施されており、圧倒的な防水力の差を実現。
これによって内部への海水の侵入を極限まで抑え、波を被るようなオフショアやロックショアなど過酷な状況下において安心してタフに使い込めます。
こちらもステラSWと同等の仕様です。
Xタフドラグ・リジッドサポートドラグ
Xタフドラグとは、ドラグワッシャーの素材を金属とカーボンのみにし、上下方向から効かせることで高耐久を実現。
耐久性だけではメリットが無いため、大型魚の強烈な初速を綺麗に走らせる絶対的な滑らかさが必要であり、そこをリジッドサポートで実現しています。
大型魚と対峙する上でドラグ性能は必須であり、パワーと滑らかさを両立したこの組み合わせが最強です。
またこちらもステラSWと同等の装備であり、いかにツインパワーSWがハイスペックであるかを是非とも覚えて頂きたいです。
21ツインパワー SW6000HGの外観レビュー
前モデルから使用されている色が変わり、非常にシンプルな見た目になりました。
金属部もゴールドからシルバーになったためスタイリッシュで、筆者は21になってからの方が好みです。
AR-Cスプールの特殊形状によって、ライン放出性能が格段にアップ。
キャスト時のライントラブルが大幅に軽減されています。
ハンドルのノブが大きく、非常に重そうな印象ですがCI4+の軽量カーボン素材になっているため、見た目よりも軽く扱いやすいです。
ボディは半分樹脂が使用されており、半プラボディなんて言われて一部のユーザーから剛性を疑問視する意見もあります。
しかし、前モデルも同様であり、ツインパワーSWのボディが歪んだり壊れたなんて話は聞いたことがありません。
21ツインパワー SW6000HGを実際に使って感じたメリット・デメリット
メリット
軽さ
大物釣りリールとして8000番以上になるとリールの自重だけで600gを超え、これは1日竿を振り続けるにはあまりにも体力的にきつく上級者にしか向きません。
21ツインパワー SW6000HGであれば420gであり、ロッドの選択にもよりますが慣れれば初心者でも1日振ることが可能です。
この200gの差は本当に大きく、ストレスなく投げ続けれことで釣果に直結します。
ラインキャパ
軽さだけで言えば上記の点で、4000番や5000番にすれば良いかと考えます。
しかし、4000番と5000番になるとラインキャパシティが極端に落ちてしまい5000番であってもMAXでPE3号240mです。
ジギングで2号前後の細糸使用なら良いですが、キャスティングも視野に入れるとなると少々心もとないラインキャパであり、SWモデルを使用するメリットが少なくなってしまいます。
21ツインパワー SW6000HGはPE2号440m、3号300m、4号200mを巻くことが可能であり、中型魚から大型魚まで安心して幅広く狙えるキャパシティです。
ギア比
HGとXGで迷う方が多いかと思いますが、6000番であればHGが最も適しており様々なメリットを得ることができます。
PE2~4号と幅広く使用可能なため、ジギングからキャスティングまで多くの釣りをこなすことになります。
特にジグの釣りでラインスラックを意のままにコントロールできる上級者であれば良いですが、初心者がジグを操る際に、XGでは早く巻きすぎてしまい常にテンションが掛かった状態になりがちです。
これではジグは上手くアクションしないため、初心者でもジグからキャスティングまでそつなくこなせるHGと、汎用性の高い6000番ボディの組み合わせが良い理由がそこにあります。
デメリット
ライトゲームは不向き
SWモデルはノーマルリールよりも防水性能や剛性がある分、自重があります。
ライトゲームとなると200g前後を求められるため、420gもある21ツインパワー SW6000HGでは約2倍の自重になります。
ライトゲームロッドには装着も難しく、できたとしても手元に重さが集中し軽量ルアーの扱いは不可能です。
繊細な釣りには不向き
上記同様、自重の関係とハンドルの大きさから繊細な釣りには不向きです。
特に底をとるワームでのロックフィッシュ、巻きながらハンドルの回転で潮の流れやアタリを感じる様な繊細な釣りには不向きです。
そもそも使用するラインも2号以上が前提なので、かけ離れています。
繊細な釣りには、SWモデルではなく通常のタックルやライトゲームタックルで挑みましょう。
極端な大物には不向き
20kgを超えるようなマグロや大型青物、GTなどを狙うにはラインキャパシティが足りないため不向きです。
21ツインパワー SW6000HGでも状況次第ではPE3~4号でキャッチできる場合はありますが、運次第になってしまうため超大物釣りの場合には10000番、PE5~6号以上を検討するようにしましょう。
21ツインパワー SW6000HGの快適な使用範囲は?
ルアーウェイト
筆者は約15g~120gのルアーを実際に投げています。
これ以上軽いルアーは、リールの重さもあって扱うことは難しいです。
シーバスミノーからジグ、軽めのビッグベイトからダイビングペンシルといったチョイスです。
一番気持ちよく投げれるウェイト帯は40~80gのジグで、手元に感じるリールの重さとのバランスも良く、軽く振るだけで快適に投げれます。
上限はメガドッグや別注ヒラマサあたりの120g前後のプラグとしていますが、リール自体の剛性や使用感で考えればもっと重いルアーでも問題ありません。
しかし、使用するラインを考えるとこれ以上重いルアーは高切れのリスクが高まります。
ライン
シーバスミノーや軽めの20~40gのプラグのみを扱うなら、飛距離を考慮してPE2号を300m。
ルアーウェイトに縛られず、離島やロックエリアで青物やタマンなどの大型かつ強い魚が掛かるエリアでは3号300mが良いです。
飛距離の要らない、アカメやシーバスのビッグベイトでの近距離戦であれば4号200mが良いです。
毎回ラインを交換したり、スプールを多く持ち運ぶのが面倒な場合は、3号300mを巻いておけば何でもこなせます。
合わせるロッド
最もマッチするのは8~9ft台のロッドがベストです。
リール本体の自重とロッドの長さが合うと、手元でバランスがとれるため不思議と重さを感じなくなります。
この状態を保てるのが8.6ft~9.6ftあたりです。
筆者はボートキャスティング、ジギングの場合のみワールドシャウラ7.6ftに合わせますが、リールの重さとのバランスでこれが下限かと思います。
上限はコルトスナイパーなどの10ftと考えて頂き、これ以上長い場合は8000番を検討する必要があります。
ただ、上記はショアジギングロッドのような平均的な重量のロッドの話しです。
長さも重要ですが結局はロッドの自重も関係してくるため、ヒラスズキロッドのように10ftを超えても軽いロッドがあるように、あくまでも目安として捉えて頂くようお願いします。
21ツインパワー SW6000HGが活躍する状況
ショアジギング
最も活躍できる釣りがショアジギングではないでしょうか。
メリットでも書いた様に、HGであることで初心者にもジグが扱いやすいです。
堤防でのブリ~カンパチ、大型のサワラ狙いなど、PE2~3号を入れてジグで狙える魚なら何でもいけます。
サーフでもリールの性能としては問題ありませんが、ラインが太いので波が荒れている日は少々使いにくいです。
ショアキャスティング
こちらもグリグリ巻いて攻める最適な釣りです。
20g前後のミノーやバイブレーションでシーバスからサゴシ、小~中型のシイラやカツオなどの回遊魚。
40~80gくらいのルアーが一番投げやすいため、大型ミノーやダイペンなどで飛距離の必要な遠浅のロックエリアのタマンや南国魚もバッチリ。
ビッグプラグを使用した、堤防ブリ、ヒラマサキャスティングなど、リールを毎回入れ替えないでも1タックルで本当に幅広く狙うことが可能です。
オフショアキャスティング
使い方はショアキャスティングと同じく、幅広い釣りに使えますがオフショアで最も効果を発揮するのは高い防水機構です。
船釣りの頻度が多い方は必ず経験されているかと思いますが、立ててあるタックルにザブザブと波がかかり、海水まみれになります。
特に小型のチャーター船は少し荒れると本当によく海水を浴び、柔な性能のタックルでは塩害が心配になってきます。
SWモデルであれば世界最高峰の技術により安心してタフに繰り返し使え、購入金額は高いかもしれませんがトラブルレスを考えるとコスパも最高です。
大型ぶっこみ釣り
使用可能なラインの太さ、キャパシティ、リールのパワーや剛性を考えればぶっこみ釣りにも大活躍します。
筆者自身も、コブダイのぶっこみ釣りに使用し大型の強烈な突っ込みにも難なく耐えることができました。
またドラグ性能が良くかなりシビアに調整が利くため、餌を食って走った際にラインが出るギリギリの抵抗にすることも可能で、2~3回ドラグを締め込めばすぐにファイトに移行できます。
ロックショア
ロックショアで大物を狙う際は、SWの選択が必須であり、防水性、耐久性の全てが試される最も過酷な状況では無いでしょうか。
ロックショアを攻略するために開発されたと考えても良いかと思います。
そんな中でも、21ツインパワー SW6000HGであれば強く、そして何より軽く。
快適に過酷な状況を楽しむ絶対的な相棒になること間違いなしです。
基本はPE3号に60~80ポンドリーダーで、特大のGTやヒラマサでなければほとんどの魚を相手に出来ます。
リーフ
リーフフィッシングは沖縄や奄美大島など、南国限定の釣りになりますが干潮時のサンゴ礁に腰くらいまでウェーディングして大物を狙うスタイルです。
足元はゴツゴツした岩やサンゴなので、常に転倒の恐れがあり、高い防水性や剛性が求められます。
また潮位の変化で波を被ることも多々あります。
リーフで掛ける魚はサイズに関わらず本当に良く引く魚ばかりで、食った瞬間に根に走る魚がほとんどです。
防水性、剛性、そして巻きパワーの全てが要求される状況で21ツインパワー SW6000HGが間違いなく活躍します。
まとめ
21ツインパワー SW6000HGは総じて評価の高いリールです。
大物釣りを始める初心者にも扱いやすく、また歴戦の玄人にも納得いただけるハイスペックを持ち合わせています。
ショアジギングやロックショアなど、最初の一台目に迷っている方はぜひご検討ください。
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