近年はPC・タブレット端末等で音楽制作アプリが登場しており、音楽制作に取り組みやすくなっています。
しかし、PCを使用した音楽制作はキーボード・マウスで行うため、普段から楽器に慣れていると扱いにくいのが欠点です。
MIDIキーボード等とPCを接続するため、オーディオインターフェイスを検討される方も多いと思います。
そこで本記事では、MIDI端子搭載オーディオインターフェイスを紹介し、メリットデメリット・選び方を解説します。
目次
MIDI端子搭載のオーディオインターフェイスを使うメリット
DTM楽器を接続できる
近年は音楽制作ソフトがリリースされていますが、楽器の扱いに慣れている場合、キーボード・マウスでの楽曲製作は大変です。
ですが、オーディオインターフェイスを使用することにより、MIDI端子が必要なDTMキーボード等が接続可能になります。
これにより、DTM楽器でPCに音を入力できるようになり、PCデバイスよりもスムーズな楽曲製作が行えます。
本格的なマイクを使用できる
マイクとPCを接続する方式には、USB・ライン・XLR入力が挙げられますが、最も音質に優れているのはXLR入力です。
しかし、XLR接続はPC本体には搭載されていない規格であり、基本的に単体では接続できません。
ですが、オーディオインターフェイスはXLR端子が搭載されており、本格的なマイクでPCレコーディングが可能になります。
入出力のノイズを軽減できる
PCを通じて音の入出力を電気信号で行う性質上、どうしてもノイズが混じったり、遅延が起きてしまうのが欠点です。
ですが、PCとサウンドデバイスの間にオーディオインターフェイスを挟むことにより、ノイズ・遅延を軽減できます。
楽器で入力した音も正しく再生できますし、複数の楽器を同時に演奏してもノイズが起きる心配がありません。
音を自由にカスタマイズできる
PC内蔵サウンドカードのみでも音声の入出力は可能ですが、簡易的なイコライザーのカスタム程度しか行えません。
ですが、オーディオインターフェイスは楽器・機器の同時接続を可能にしつつ、エフェクト・イコライザー等を細かく設定できます。
音のメリハリを細部までこだわれますし、入出力の音量等も個別に調節できるのは大きなメリットです。
MIDI端子搭載のオーディオインターフェイスを使うデメリット
楽曲ジャンル次第では不要
MIDI端子搭載オーディオインターフェイスはPCを使用した楽曲製作に便利ですが、必ずしも必要言うわけではありません。
マイクを使用した録音・DTM楽器の入力を行うなら必須ですが、ボカロ等のジャンルはPCのみでも製作可能です。
購入後に不要だったというケースもあるため、取り組むジャンルに必要か不要かを事前に調査しておきましょう。
コストが掛かる
MIDI端子を搭載したオーディオインターフェイスはMIDI楽器を接続しつつ、マイク・楽器を同時に接続できます。
しかし、利便性に優れている分、安価では入手しにくく、最低限の性能でも1万円以上のコストが掛かります。
ジャック数・機能が充実している場合、3万円~5万円を超える製品もあるため、予算が限られているなら要注意です。
MIDI端子搭載のオーディオインターフェイスの選び方
音質で選ぶ
オーディオインターフェイスは入出力における音質を高められますが、音質の良さは製品で異なります。
音質の良さで注目すべきポイントはサンプリングレートであり、最低でも96khz以上が推奨されています。
96khzでもPC内蔵サウンドカードよりは品質に優れているため、予算が限られているなら96khzがおすすめです。
ハイクオリティ音質を目指すなら192khzの製品を選択しましょう。
互換性で選ぶ
MIDI端子搭載オーディオインターフェイスは、簡易的に本格的な制作環境を構築できるのが強みです。
近年ではタブレット・スマホ一台でも音楽が制作できる時代ですが、全ての製品が互換性を持っているわけではありません。
PC端末のみで運用するなら気にする必要はありませんが、スマホ・タブレットに接続する場合は要チェック項目です。
必ずiOS or Andoroidに互換性を持つ製品を選択しましょう。
コンボジャック数で選ぶ
オーディオインターフェイスのコンボジャックはマイク・楽器両方の接続を可能にする端子ですが、搭載数は製品で違ってきます。
コンボジャックは最低でも2つ搭載されていますが、マイクを接続する場合、楽器は同時に1つしか接続できません。
ですが、コンボジャックが複数個搭載されているなら、マイクと同時にコンボジャック数に応じた楽器の同時接続が可能です。
複数人及び複数の楽器を使用した録音を行うなら、楽器数に応じたコンボジャックを搭載した製品を選びましょう。
メーカーで選ぶ
MIDI端子を搭載したオーディオインターフェイスは製品数が多く、楽器・電子機器メーカーから展開されています。
アーティストから信頼されているメーカーばかりですが、日本でも高い知名度を持つのは「Behringer・Roland」です。
聞きなれたメーカーの方が安心感もあるため、不安な場合は耳にしたことがあるメーカーを選びましょう。
日本では知名度が低くても過去に利用した経験があり、使用感が良かったメーカーがあるなら、そのメーカーを選ぶのもベストです。
価格帯で選ぶ
MIDI端子を搭載したオーディオインターフェイスはラインナップが豊富であり、価格幅も広めです。
1万円前後~5万円越えの価格帯となるため、コストを抑えるなら1万円前後ですが、ジャック数等が価格に比例する点に注意です。
ジャック数・機能性を求める場合、最低でも2万円以上のコストが掛かるため、ある程度の予算が必要になります。
最低限で良いなら1万円前後、パフォーマンスを重要視するなら2万円以上の製品から予算を考慮し、選択しましょう。
MIDI端子搭載のオーディオインターフェイスおすすめ10選
メーカー・製品名 | サイズ/重量 | サンプリングレート | 互換性 | コンボジャック数 |
---|---|---|---|---|
PreSonus AudioBox | 14×14×4.5cm/640g | 96khz | Windows/Mac/ iOS/Andoroid | 2 |
Roland RUBIX-22 | 16.5×14.5×4.6cm/1kg | 192khz | Windows/Mac/ iOS | 2 |
Arturia MiniFuse 2 | 20×20×4cm/414g | 192khz | Windows/Mac/ Andoroid | 2 |
M-Audio USB-C オーディオインターフェース | 20.4×15.2×7cm/950g | 192khz | Windows/Mac | 2 |
PreSonus Studio 24c | 18×14×4.5cm/900g | 192khz | Windows/Mac/ iOS/Andoroid | 2 |
Steinberg UR22C | 15.9×15.9×4.7cm/1kg | 192khz | Windows/Mac/ iOS | 2 |
Steinberg UR44 | 15.9×15.9×4.6cm/1kg | 192khz | Windows/Mac/ iOS | 4 |
TASCAM SERIES 102i | 18.6×16×6.5cm/1.1kg | 192khz | Windows/Mac/ iOS | 2 |
Behringer UMC404HD U-PHORIA | 29.4×13×4.6cm/1.2kg | 192khz | Windows/Mac | 4 |
MOTU M6 | 23.4×12×4.6cm/975g | 192khz | Windows/Mac/ iOS | 4 |
【PreSonus】
AudioBox
2つのコンボジャックをはじめ、各種調節ノブを配置しつつ、コンパクトなサイズで仕上げたオーディオインターフェイスです。
MIDI端子を活用し、キーボードを接続できますし、クリアな音質でボイス入力も行えます。
Studio One Artistが付属されており、玄人の方も初心者の方も購入後に即座に音楽制作に取り組めます。
サイズ/重量 | 14×14×4.5cm/640g |
---|---|
サンプリングレート | 96khz |
互換性 | Windows/Mac/iOS/Andoroid |
コンボジャック数 | 2 |
【Roland】
RUBIX-22
AD/DAコンバーターを搭載し、LEDインジケーターで使用時の状態をチェックできるオーディオインターフェイスです。
ノイズ軽減+高音質を可能にするマイクアンプを2基採用しており、クリアな音質での録音が行えます。
独立したヘッドフォン端子でモニタリングにも最適ですし、専用制作アプリが付属されている点も好評です。
サイズ/重量 | 16.5×14.5×4.6cm/1kg |
---|---|
サンプリングレート | 192khz |
互換性 | Windows/Mac/iOS |
コンボジャック数 | 2 |
【Arturia】
MiniFuse 2
キーボードをはじめ、ボーカルやギターの同時録音ができる2イン2アウトで仕上げたオーディオインターフェイスです。
110db広範囲ダイナミックレンジを搭載しつつ、ノイズも軽減されており、クリアな音質でレコーディングできます。
音楽制作に必要不可欠なバンドルが6種付属されており、エントリーモデルながらも充実した環境を構築できる点も好評です。
サイズ/重量 | 20×20×4cm/414g |
---|---|
サンプリングレート | 192khz |
互換性 | Windows/Mac/Andoroid |
コンボジャック数 | 2 |
【M-Audio】
USB-C オーディオインターフェイス(AIR 192|6)
Type-C端子で端末と接続可能であり、2.6msレイテンシーで遅延無く運用できるオーディオインターフェイスです。
クリスタルプリアンプ+高性能D/Aコンバーターを内蔵しており、スタジオクオリティの音質を実現しています。
金属ボディで耐久力も高く、サイズが大きな調節ノブが配置されており、直感的にコントロールできる点も魅力です。
サイズ/重量 | 20.4×15.2×7cm/950g |
---|---|
サンプリングレート | 192khz |
互換性 | Windows/Mac |
コンボジャック数 | 2 |
【PreSonus】
Studio 24c
Studio One Artist6が付属されており、自宅でも本格的な環境を構築できるオーディオインターフェイスです。
MIDI/コンボジャックと充実したインターフェースを搭載し、ハイレゾコンバーターで高音質が楽しめます。
ミックスA/B機能を活用し、モニタリング機能にも最適であり、コストが抑えられている点も好評です。
サイズ/重量 | 18×14×4.5cm/900g |
---|---|
サンプリングレート | 192khz |
互換性 | Windows/Mac/iOS/Andoroid |
コンボジャック数 | 2 |
【Steinberg】
UR22C
Type-Cで各種端末に接続可能であり、32ビット高品質での録音を可能にしたオーディオインターフェイスです。
内部構成から外部までを頑丈に設計されており、各種オーディオソフトウェアでエフェクト等にもこだわれます。
音楽制作にはもちろんですが、ループバック機能が搭載されているのでライブ配信等を行う方にも最適です。
サイズ/重量 | 15.9×15.9×4.7cm/1kg |
---|---|
サンプリングレート | 192khz |
互換性 | Windows/Mac/iOS |
コンボジャック数 | 2 |
【Steinberg】
UR44
Windows/Mac/iPadに接続し、本格的な音楽制作を可能にしたオーディオインターフェイスです。
6イン4アウトで構成されており、同時に複数のマイク・楽器を接続し、エフェクト等にもこだわれます。
音楽制作はもちろんですが、ライブパフォーマンス等にも運用可能であり、祭りに活躍できる一台です。
サイズ/重量 | 15.9×15.9×4.6cm/1kg |
---|---|
サンプリングレート | 192khz |
互換性 | Windows/Mac/iOS |
コンボジャック数 | 4 |
【TASCAM】
SERIES 102i
10イン2アウトで構成されており、シンプルな用途をはじめ、本格的なレコーディングに最適なオーディオインターフェイスです。
付属ソフトウェアを活用し、細かいレベルコントロール・エフェクトの操作が容易に行えます。
幅広い端末への互換性があり、シーンを選ばずに音楽制作にこだわれる環境が構築できる点がおすすめです。
サイズ/重量 | 18.6×16×6.5cm/1.1kg |
---|---|
サンプリングレート | 192khz |
互換性 | Windows/Mac/iOS |
コンボジャック数 | 2 |
【Behringer】
UMC404HD U-PHORIA
4イン4アウトで構成されており、Windows/MacOSへの互換性を持つオーディオインターフェイスです。
各入力系統にファンタム電源の供給が可能であり、高品質マイクプリアンプでクリアな録音が行えます。
Avid ProTools等の音楽制作ソフトと互換性があり、簡易的に本格的な環境を目指す方におすすめです。
サイズ/重量 | 29.4×13×4.6cm/1.2kg |
---|---|
サンプリングレート | 192khz |
互換性 | Windows/Mac |
コンボジャック数 | 4 |
【MOTU】
M6
120dbダイナミックレンジで驚異的なパフォーマンスを実現し、ジャック数も充実させたオーディオインターフェイスです。
2つのステレオ出力の比較・切り替えが自在に可能であり、録音音源のモニタリングが快適に行えます。
プロ仕様DAWソフトウェアで本格的な環境が構築できますし、ループバック機能付きでライブ配信にも最適です。
サイズ/重量 | 23.4×12×4.6cm/975g |
---|---|
サンプリングレート | 192khz |
互換性 | Windows/Mac/iOS |
コンボジャック数 | 4 |
まとめ
MIDI端子搭載オーディオインターフェイスは通常の楽器だけでなく、MIDI楽器でDTMを楽しめるのが強みです。
音質次第ではかなりのコストが掛かる点には注意しつつ、本記事で紹介した内容を参考に選んでいただければ幸いです。
MIDI端子搭載のオーディオインターフェイスの購入で失敗しないために、各ショッピングサイトのレビューもしっかり確認して自分にピッタリなモノを見つけましょう。
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