近年は動画・配信サイトの需要が高まりつつあり、数あるジャンルの中でも歌い手によるカバー動画が人気を獲得しています。
そのため「自身の歌声を聴いてもらいたい」と思い、歌ってみた動画・配信を始めようと考える方も多いでしょう。
始めるにあたり、必須となるのがオーディオインターフェイスですが、何を基準に選ぶべきか、迷う方もいると思います。
そこで本記事では、歌い手向けオーディオインターフェイスを紹介し、メリットデメリット・選び方を解説します。
目次
歌い手向けオーディオインターフェイスを使うメリット
拡張性が高い
PC・タブレット端末のみでも楽曲制作は行えますが、コンデンサーマイク・楽器等は接続できず、クオリティには限界があります。
ですが、オーディオインターフェイスを接続することにより、XLR・コンボジャック等を拡張し、様々な楽器接続を可能にできます。
弾き語りやMixと曲調をアレンジしつつ、高品質マイクでボイスを録音できるのはオーディオインターフェイスの強みです。
ノイズを軽減できる
PC・タブレット端末のみでもマイクを接続できますが、内蔵サウンドカードでは音質に限界があり、ノイズも混じりがちです。
歌ってみた動画・配信では自身の声を披露しますが、雑音が混じっていては聴き手に良い印象を与えられません。
ですが、オーディオインターフェイスはマイク入力のノイズを抑えてくれるため、クリアな音声を雑音無しで届けられます。
音を自由にカスタマイズできる
PC・タブレット端末のみでも楽曲制作は行えますが、イコライザー等を細かく調節できず、音には深くこだわれません。
そのため、原曲に沿った歌ってみた動画・配信に限られてしまいますが、オーディオインターフェイスがこれらを解決してくれます。
細かい音の調節をはじめ、自分好みにアレンジできるため、理想の歌ってみた動画・配信を実現可能です。
編集がラクになる
オーディオインターフェイス無しでも楽曲制作は可能ですが、収録した音声と原曲を組み合わせる編集が必要です。
楽曲制作の中でも特に複雑で時間が掛かるため、初心者には難しいですが、ループバック機能で解決できます。
ループバックは自身の歌声に合うように原曲を再生できるため、編集無しで楽曲を完成させることが可能です。
歌い手向けオーディオインターフェイスを使うデメリット
コストが掛かる
歌い手向けオーディオインターフェイスは、自分好みの歌ってみた動画・配信を提供するために必要不可欠なアイテムです。
音のカスタマイズ・楽器等の接続も可能にできるため、非常に便利ですが、導入には相応のコストが掛かります。
自身の歌を披露するにあたり、音質にもこだわる必要があるため、最低でも1~2万円程度の予算が必須です。
配線で迷いやすい
初心者にも扱いやすいオーディオインターフェイスは多数登場しており、直感的にコントロールできるのが魅力です。
しかし、あくまでも初心者でも理解しやすいのは操作面であり、基礎となる配線には知識が必要になります。
XLR・フォーン・TRSなどの聞き馴染みが無い端子名が頻出するため、配線については事前にチェックしておきましょう。
歌い手向けオーディオインターフェイスの選び方
音質で選ぶ
オーディオインターフェイスはサウンド品質を底上げできますが、実現できる音質は製品で違ってきます。
16Bit/48khz~32Bit/192khz以上と幅が広く、数値が大きくなるほどにクリアなサウンドが実現可能です。
歌ってみた動画・配信で音声を収録するにあたり、サウンド品質は重要となるため、最低でも16Bit/96khz以上が必須です。
ですが、音質は優れているほどに製品価格も高騰するため、予算が限られているなら最低限でも問題はありません。
入出力端子で選ぶ
オーディオインターフェイスはマイク・楽器を接続し、高音質で録音できますが、搭載されている端子数・種類は製品で異なります。
歌ってみたで必須となるコンデンサーマイクはXLR端子が必要なため、XLR・コンボジャックを備えた製品を選びましょう。
マイクだけではなく、弾き語りで楽器も接続したい場合、フォーン端子・XLR・コンボジャックを持つ製品の選択が必須です。
ご自身が扱うマイク数・楽器の種類に応じて必要な端子が異なるため、ご自身の環境を考慮して選択しましょう。
メーカーで選ぶ
歌い手向けオーディオインターフェイスは製品数が非常に多く、国内外のメーカーから登場しています。
とはいえ、日本では馴染の無いメーカーも多く、メーカーによる品質の差もあるため、メーカー選びは非常に重要です。
初めて導入するにあたり、迷ってしまった際には国内でも人気の高いYAMAHAやRolandがおすすめです。
その他にもBehringerは世界的に人気があり、多数の高評価を獲得しているので視野に入れてみましょう。
価格帯で選ぶ
歌い手向けオーディオインターフェイスは豊富なラインナップが登場しており、1万円以下~5万円以上と価格幅も広めです。
コストを可能な限り抑えるなら1万円以下からの選択になりますが、価格=音質・拡張・機能性に比例する点には注意です。
音質・拡張性・機能性の全てにこだわる場合、最低でも3万円程度の予算確保が必須になります。
ご自身の予算を加味しつつ、手が届く範囲で理想の性能を持つ製品を選択しましょう。
歌い手向けオーディオインターフェイスおすすめ10選
メーカー・製品名 | サイズ/重量 | 音質 | コンボジャック数 |
---|---|---|---|
M-Audio M-Track Solo | 16.4×11.4×5.5cm/300g | 16Bit/48khz | 1 |
Behringer U-PHORIA UM2 | 12.8×11.8×4.6cm/300g | 16Bit/48khz | 1 |
PreSonus AudioBox Go | 10.8×8.4××4.4cm/240g | 24Bit/96khz | 1 |
Solid State Logic SSL2 | 23.4×15.7×7cm/880g | 24Bit/192khz | 2 |
Arturia MiniFuse 1 | 15.4×10×4.3cm/336g | 24Bit/192khz | 1 |
Focusrite Scarlett Solo | 14.4×9.6×4.4cm/320g | 24Bit/192khz | 0 |
Roland GO:MIXER PRO-X | 15.5×10.4×4.1cm/215g | 24Bit/96khz | 2 |
Roland Rubix44 | 31×16.5×4.6cm/1.8kg | 24Bit/192khz | 4 |
YAMAHA AG06 | 20.2×15.5×6.3cm/1kg | 24Bit/192khz | 2 |
Tc Helicon GO XLR | 28.5×17.4×8.2cm/1.6kg | 24Bit/48khz | 0 |
【M-Audio】
M-Track Solo
コンボジャック+フォーン端子を搭載しており、マイク+楽器を同時に接続できるオーディオインターフェイスです。
ファンタム電源+高音質マイクプリアンプが内蔵されており、クリアな音声を録音できます。
サンプリングレートやBit数は最低限ですが5千円前後で導入できるため、予算が限られた方におすすめです。
サイズ/重量 | 16.4×11.4×5.5cm/300g |
---|---|
音質 | 16Bit/48khz |
コンボジャック数 | 1 |
【Behringer】
U-PHORIA UM2
ファンタム電源に対応し、コンボジャック・フォーン端子を搭載したオーディオインターフェイスです。
マイク単体による録音だけでなく、ギター等の楽器を同時に接続し、弾き語りスタイルも楽しめます。
レイテンシでモニタリングできる機能も搭載されており、初心者にも扱いやすいおすすめの一台です。
サイズ/重量 | 12.8×11.8×4.6cm/300g |
---|---|
音質 | 16Bit/48khz |
コンボジャック数 | 1 |
【PreSonus】
AudioBox Go
Windows/MacOSをはじめ、iOSやAndroidと幅広い互換性を実現したオーディオインターフェイスです。
コンボジャック+フォーン端子を活用し、マイク+楽器の同時接続が行えるため、弾き語りも楽しめます。
コンパクトサイズで適応力が高く、シンプルなデザインで直感的に操作できる点もおすすめです。
サイズ/重量 | 10.8×8.4××4.4cm/240g |
---|---|
音質 | 24Bit/96khz |
コンボジャック数 | 1 |
【Solid State Logic】
SSL 2
表面に搭載したコントロールノブで操作性を高めつつ、コンボジャックを2つ搭載したオーディオインターフェイスです。
広いレンジに対応したマイクプリアンプを2基搭載しており、あらゆる帯域の原音に忠実に録音できます。
簡単に扱えるミックス機能にも対応しており、初心者でも気軽に動画・配信等で運用できる点が魅力です。
サイズ/重量 | 23.4×15.7×7cm/880g |
---|---|
音質 | 24Bit/192khz |
コンボジャック数 | 2 |
【Arturia】
MiniFuse 1
コンパクト+軽量で設計されており、ホワイトカラーで可愛く仕上げたオーディオインターフェイスです。
コンボジャック1つと最小限の端子数ではありますが、ファンタム電源を活用し、コンデンサーマイクでの録音が行えます。
スタジオ品質のハイクオリティ録音を可能にしつつ、シンプルで初心者にも扱いやすい点が好評です。
サイズ/重量 | 15.4×10×4.3cm/336g |
---|---|
音質 | 24Bit/192khz |
コンボジャック数 | 1 |
【Focusrite】
Scarlett Solo
XLR・フォーン端子を最小限搭載しつつ、コンパクトサイズに仕上げたオーディオインターフェイスです。
価格を凌駕するScarletプリアンプを内蔵しており、パワフル且つクリアなボイス録音が行えます。
超レイテンシーで遅延が起きる心配が無く、付属ソフトウェアを活用し、購入後から即座に楽曲制作や収録を楽しめます。
サイズ/重量 | 14.4×9.6×4.4cm/320g |
---|---|
音質 | 24Bit/192khz |
コンボジャック数 | 0 |
【Roland】
GO:MIXER PRO-X
正方形型でコンパクト+軽量に設計されており、モバイル端末でも運用しやすいオーディオインターフェイスです。
ファンタム電源でコンデンサーマイクを接続できるため、雑音が混じることなく、クリアな音声を録音できます。
ループバック機能も搭載されており、ミックス作業の手間を削減できますし、ライブ配信でも彩りを持たせられます。
サイズ/重量 | 15.5×10.4×4.1cm/215g |
---|---|
音質 | 24Bit/96khz |
コンボジャック数 | 2 |
【Roland】
Rubix 44
低ノイズ+原音を忠実に録音できるマイクプリアンプを4基搭載したオーディオインターフェイスです。
充実したコントロールノブを活用し、個別に細かく調節できるため、レコーディング中のミスを軽減できます。
MIDI楽器の接続にも対応しており、DTM楽曲に自信の声をアレンジしたり、動画制作の自由度が高い点が好評です。
サイズ/重量 | 31×16.5×4.6cm/1.8kg |
---|---|
音質 | 24Bit/192khz |
コンボジャック数 | 4 |
【YAMAHA】
AG06(CAG06)
正方形型でコンパクトサイズに仕上げつつ、コントロール機能を充実させたオーディオインターフェイスです。
ファンタム電源対応コンボジャックを活用し、コンデンサーマイク+楽器を同時に接続し、自由度の高い録音が行えます。
ループバック機能でミックス編集の手間を削減可能であり、クオリティの高い環境を構築できる点が魅力です。
サイズ/重量 | 20.2×15.5×6.3cm/1kg |
---|---|
音質 | 24Bit/192khz |
コンボジャック数 | 2 |
【Tc Helicon】
GO XLR
RGBライティング機能により、近未来を連想させるデザインで仕上げたオーディオインターフェイスです。
端子はXLR端子やフォーンのみとなりますが、様々なカスタマイズ機能により、理想の音声を録音できます。
音質は高くないですが、ライブ配信・歌ってみた動画収録など、一台でマルチに活躍できるパフォーマンスの高さが好評です。
サイズ/重量 | 28.5×17.4×8.2cm/1.6kg |
---|---|
音質 | 24Bit/48khz |
コンボジャック数 | 0 |
まとめ
オーディオインターフェイスを用いることにより、理想の環境を構築し、聴き手にクリアなサウンドを提供できます。
高額なコストが掛かるため、ある程度の予算が必要ですが、本記事を参考にお気に入りを見つけていただければ幸いです。
歌い手向けオーディオインターフェイスの購入で失敗しないために、各ショッピングサイトのレビューもしっかり確認して自分にピッタリなモノを見つけましょう。
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