近年はPC・タブレット端末による楽曲制作が主流になりつつあり、自宅で手軽に制作に取り組める時代です。
中にはベース+ボイスをミックスした制作を目指す方もいると思いますが、それにはオーディオインターフェイスが必須となります。
とはいえ、ベース基準で選ぶ際、何を参考に選ぶべきか分からず迷ってしまう方もいるでしょう。
そこで本記事では、ベース向けオーディオインターフェイス製品を紹介し、メリットデメリット・選び方を解説します。
目次
ベース向けオーディオインターフェイスを使うメリット
拡張性を強化できる
端末のソフトウェアのみでも楽曲制作は行えますが、XLR・フォーン等が無く、機材の接続が不可能です。
そのため、制作できる楽曲クオリティも限られてしまいますが、オーディオインターフェイスで解決できます。
オーディオインターフェイスはXLR・フォーン・コンボジャック等を拡張し、様々な機材の同時接続を可能にできます。
細かくカスタマイズできる
端末のソフトウェアのみではサウンド別のエフェクト調節等が行えないため、深くこだわった楽曲制作は行えません。
ですが、オーディオインターフェイスは様々な機材から音の入力を可能にしつつ、個別で細かくカスタマイズ可能です。
強調したい部分だけを強くしたり、エフェクトを追加したり、理想のサウンドを追求できるのは大きな強みです。
ノイズを軽減できる
近年登場している端末のサウンド品質は極端に悪いわけではありませんが、入力時にはどうしてもノイズが混じりがちです。
ノイズを抑えるために何度も録音したり、編集作業に時間を掛けることになりますが、オーディオインターフェイスで解決できます。
オーディオインターフェイスは高音質プリアンプを内蔵しており、マイク入力時等のノイズ・遅延を確実に抑えてくれます。
編集作業がラクになる
オーディオインターフェイス無しで楽曲制作を行う場合、機材にはこだわれず、最終的な編集作業に時間を掛ける必要があります。
この編集作業には知識が要求されるため、初心者が躓きやすい鬼門ですが、ループバック機能が解決可能です。
ループバック対応製品を使用することにより、録音済みの楽器音を再生しつつ、自身のボイスを録音し、編集工程をカットできます。
ベース向けオーディオインターフェイスを使うデメリット
コストが掛かる
ベース向けオーディオインターフェイスはベースをはじめ、ギター・マイクの同時接続を可能にし、制作の幅を広げてくれます。
非常に便利なアイテムですが、導入するためには相応のコストが掛かるため、事前の予算確保が必須です。
最低限の実用性でも1万円程度は掛かりますし、パフォーマンスに優れた製品だと5万円以上のコストが掛かる製品もあります。
インピーダンス値に注意
オーディオインターフェイスにベースを繋ぐためにはフォーン端子が必須であり、端子の有無をチェックする必要があります。
しかし、実は端子だけではなくインピーダンスも重要であり、数値次第ではパフォーマンスを発揮できない可能性があります。
ベースでの使用を前提に選ぶ場合、ハイインピーダンス(Hi-Z)に対応していないとパフォーマンスを発揮できない点に注意です。
ベース向けオーディオインターフェイスの選び方
音質で選ぶ
オーディオインターフェイスは拡張性を強化しつつ、端末とは比較にならない音質で録音できるのが強みです。
しかし、製品によって音質には大きな違いがあり、16bit/48khz~32bit/192khzと幅も広めです。
優れた音質を求めるなら、bit/サンプリングレートが高い製品の選択が必須ですが、価格も比例して跳ね上がる点には注意です。
5万円以上の予算が必要になる製品もあるため、予算と相談して、手が出せる範囲から理想の音質を実現できる製品を選びましょう。
入出力端子で選ぶ
オーディオインターフェイスは端子を拡張し、様々な機材の同時接続を可能にしますが、搭載されている端子は製品で違ってきます。
XLR・フォーン×1基しか搭載されていない製品もありますし、フォーン・コンボジャックを複数搭載した製品も登場しています。
特に、コンボジャックはコンデンサーマイクをはじめ、ギター・ベース接続と柔軟に対応できるので、あると非常に便利な端子です。
コンボジャックをはじめ、各種端子の個数をチェックして充分な数を搭載した製品を選択しましょう。
互換性で選ぶ
オーディオインターフェイスは機材の拡張性を強化できますが、接続できる端末の互換性を製品によって違ってきます。
Windows/MacOS対応製品は非常に多いため、こちらは問題無いですが、タブレットに対応した製品は限られてきます。
iPad/iPhone/Android等で使用する場合、互換性が無いと接続できないため、互換性のチェックが必須です。
ご自身の使用する端末OSを考慮し、製品詳細をチェックして互換性を持つ製品を選択しましょう。
メーカーで選ぶ
ベース向けオーディオインターフェイスは国内外を含む、音楽メーカーから豊富なラインナップが登場しています。
しかし、同じ価格帯でもメーカーによる製品の差は存在するため、メーカー選びは非常に重要です。
メーカー選びで失敗しないためには、ユーザーからの人気・実績・レビュー評価を参考にしましょう。
どうしても迷ってしまう際には国内でも人気が高い「Roland・Steinberg」がおすすめです。
価格帯で選ぶ
ベース向けオーディオインターフェイスは製品数が非常に多く、1万円前後~5万円以上と価格幅も広めです。
ベースで運用するならHi-Z対応が前提となるため、最低限の実用性でも1万円程度の価格帯からの選択となります。
価格に応じて幅が大きく広がるため、ある程度の予算を確保し、パフォーマンスを求めるなら高価格帯をチェックしましょう。
ご自身の予算を加味しつつ製品詳細をチェックし、手が出せる範囲内から理想の製品選択がベストです。
ベース向けオーディオインターフェイスおすすめ10選
メーカー・製品名 | サイズ/重量 | 音質 | コンボジャック | 互換性 |
---|---|---|---|---|
Behringer UMC22 U-PHORIA | 16.3×12.5×4.6cm/500g | 16bit 48khz | 1 | Windows/Mac |
Steinberg UR12 | 15.9×14.4×4.7cm/850g | 24bit/192khz | 0 | Windows/Mac/iOS |
MACKIE Onyx Artist1.2 | 16.3×11.4×5.1cm/500g | 24bit/192khz | 0 | Windows/Mac |
Arturia MiniFuse 2 | 20×10×4.3cm/431g | 24bit/192khz | 2 | Windows/Mac |
ZOOM AMS-44 | 12.9×7.4×4.6cm/223g | 24bit/96khz | 4 | Windows/Mac/iOS/Android |
Roland Rubix44 | 31×16.5×4.6cm/1.8kg | 24bit/192khz | 4 | Windows/Mac/iOS |
Solid State Logic SSL 2 | 23.4×15.7×7cm/880g | 24bit/192khz | 2 | Windows/Mac |
Behringer UMC404HD U-PHORIA | 29.2×13×4.6cm/1.2kg | 24bit/192khz | 4 | Windows/Mac |
Focusrite Scarlett 2i2 | 17.5×9.9×4.8cm/470g | 24bit/192khz | 2 | Windows/Mac |
MOTU M6 | 23.4×12×4.6cm/975g | 24bit/192khz | 4 | Windows/Mac/iOS |
【Behringer】
UMC22 U-PHORIA
2イン2アウトで構成し、コンパクトサイズで省スペースに設置しやすいオーディオインターフェイスです。
Hi-Z+ファンタム電源対応コンボジャックを採用しており、1台であらゆる機材のパフォーマンスを引き出してくれます。
音質こそ最低限ではありますが、DAWソフトウェアも付属されており、1万円以下で導入できるコスパの良さも魅力です。
サイズ/重量 | 16.3×12.5×4.6cm/500g |
---|---|
音質 | 16bit/48khz |
コンボジャック数 | 1 |
互換性 | Windows/Mac |
【Steinberg】
UR12
高品質D-PREマイクアンプ+Hi-Z対応フォーン端子を採用し、同時接続を可能にしたオーディオインターフェイスです。
ループバック機能により編集作業の手間を削減できますし、こだわりの配信環境を構築できます。
幅広い互換性・付属ソフトウェア・高音質を高いパフォーマンスを発揮しつつ、コストが抑えられている点も好評です。
サイズ/重量 | 15.9×14.4×4.7cm/850g |
---|---|
音質 | 24bit/192khz |
コンボジャック数 | 0 |
互換性 | Windows/Mac/iOS |
【MACKIE】
Onyx Artist1.2
2イン2アウトで構成し、コンパクトサイズで限られたスペースでも設置しやすいオーディオインターフェイスです。
ファンタム電源対応XLR端子+Hi-Zフォーン端子により、原音を忠実且つクリアに録音できます。
DAW・レコーディングソフトウェアも充実しており、価格を凌駕するパフォーマンスを発揮してくれます。
サイズ/重量 | 16.3×11.4×5.1cm/500g |
---|---|
音質 | 24bit/192khz |
コンボジャック数 | 0 |
互換性 | Windows/Mac |
【Arturia】
MiniFuse 2
コンボジャック×2基+MIDI端子を搭載し、ホワイトカラーでコンパクトに仕上げたオーディオインターフェイスです。
コンデンサーマイク+ベース・ギター+キーボードを同時に接続し、高音質且つ低遅延で録音できます。
合計6種もの付属ソフトウェアにより、楽曲制作の幅が大きく広がりますし、直感的な操作性も高く評価されています。
サイズ/重量 | 20×10×4.3cm/431g |
---|---|
音質 | 24bit/192khz |
コンボジャック数 | 2 |
互換性 | Windows/Mac |
【ZOOM】
AMS-44
コンパクトな筐体ながらもコンボジャックを4基搭載し、拡張性を大きく強化できるオーディオインターフェイスです。
PC端末だけでなく、iOS/Androidへの互換性もあり、Type-Cケーブル1つで運用できます。
楽曲制作向け・ライブ配信向けモードが用意されており、用途に合わせて最適化できる適応力も好評です。
サイズ/重量 | 12.9×7.4×4.6cm/223g |
---|---|
音質 | 24bit/96khz |
コンボジャック数 | 4 |
互換性 | Windows/Mac/iOS/Android |
【Roland】
Rubix44
コンボジャック×4基に加えて、MIDI端子も搭載し、拡張性を大きく強化できるオーディオインターフェイスです。
低ノイズ・高音質マイクアンプでクリアボイスの録音を可能にしつつ、同時にベースの録音も行えます。
個別のコントロールノブで操作しやすく、ループバック機能により、編集の手間を削減できる点も魅力です。
サイズ/重量 | 31×16.5×4.6cm/1.8kg |
---|---|
音質 | 24bit/192khz |
コンボジャック数 | 4 |
互換性 | Windows/Mac/iOS |
【Solid State Logic】
SSL 2
コンパクトな筐体に各種コントロールノブを配置し、パラメーターを可視化させたオーディオインターフェイスです。
一目で状態をチェックして調節しやすく、初心者でも扱いやすいミックスコントロールでラクに編集できます。
コンボジャック×2基により、マイク+楽器を同時に接続してクオリティにこだわれる点が好評です。
サイズ/重量 | 23.4×15.7×7cm/880g |
---|---|
音質 | 24bit/192khz |
コンボジャック数 | 2 |
互換性 | Windows/Mac |
【Behringer】
UMC404HD U-PHORIA
コンボジャック・MIDI端子と端子を充実させつつ、各種コントロールノブで個別に調節できるオーディオインターフェイスです。
マイクをはじめ、様々な機材を同時に接続し、低遅延でクオリティの高い制作環境を構築できます。
拡張性の高さ・高音質を両立させつつ、付属ソフトウェアが充実しており、総合的なパフォーマンスの高さが好評です。
サイズ/重量 | 29.2×13×4.6cm/1.2kg |
---|---|
音質 | 24bit/192khz |
コンボジャック数 | 4 |
互換性 | Windows/Mac |
【Focusrite】
Scarlett 2i2
革新的な進化を遂げたアナログ回路技術を採用し、低遅延+高音質を実現したオーディオインターフェイスです。
コンボジャック×2基を活用し、マイク+ベースの同時接続が可能であり、各種調節ノブで直感的にコントロールできます。
レイテンシー回路設計で遅延が起きる心配が無く、付属ソフトウェアが充実している点もおすすめです。
サイズ/重量 | 17.5×9.9×4.8cm/470g |
---|---|
音質 | 24bit/192khz |
コンボジャック数 | 2 |
互換性 | Windows/Mac |
【MOTU】
M6
コンパクトスリムな筐体ながらも入出力端子が充実しており、抜群の拡張性を持つオーディオインターフェイスです。
ハイクラスultra DACで高音質サウンドを実現しつつ、コントロールノブ・スイッチでラクに調節できます。
ハイスピード+レイテンシーでスムーズな作業が行えますし、レコーディング・ライブ配信とマルチで活躍できる点もおすすめです。
サイズ/重量 | 23.4×12×4.6cm/975g |
---|---|
音質 | 24bit/192khz |
コンボジャック数 | 4 |
互換性 | Windows/Mac/iOS |
まとめ
ベース向けオーディオインターフェイスは、ベース本来の重低音サウンドをフルに活かせる便利なアイテムです。
選択時には注意点もあるため、迷うこともあると思いますが、本記事を参考に選んでいただければ幸いです。
ベース向けオーディオインターフェイスの購入で失敗しないために、各ショッピングサイトのレビューもしっかり確認して自分にピッタリなモノを見つけましょう。
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