ロードバイクの最も特徴的なデザインの一つであるドロップハンドルは、大きく分けてアルミ製とカーボン製の2種類あります。
大抵の完成車にはアルミハンドルが付いているため、パーツのグレードアップ候補としてカーボンハンドルは人気のアイテムです。
この記事では、ロードバイク用のカーボンハンドルを検討中の方に向けて、カーボンハンドルのメリットやデメリット、選び方のポイントを解説します。
記事の最後には、グレードアップにおすすめのカーボンハンドル10選もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
- 1 ロードバイク用カーボンハンドルを使うメリット
- 2 ロードバイク用カーボンハンドルを使うデメリット
- 3 ロードバイク用カーボンハンドルの選び方
- 4 ロードバイク用カーボンハンドルおすすめ10選
- 4.1 【PRO】ハンドルバー VIBE カーボン コンパクト(PRSHA0374)
- 4.2 【PRO】VIBE エアロ カーボン コンパクト スーパーライト(PRSHA0447)
- 4.3 【DEDA】VINCI SHALLOW(VNSHALLOWPOB40)
- 4.4 【DEDA】スーパーゼロ DCR カーボンバー(SZ31POBN40)
- 4.5 【RXL SL】カーボンハンドルバー
- 4.6 【RXL SL】カーボンハンドル
- 4.7 【ゴリックス】カーボン エアロハンドル ASANNY
- 4.8 【3T】SUPERERGO LTD
- 4.9 【EASTON】EC70 AERO
- 4.10 【ZIPP】SL70 Aero
- 5 まとめ
ロードバイク用カーボンハンドルを使うメリット
高い振動吸収性能
カーボンという素材の特性として、アルミと比べて振動吸収性能が高いという点が挙げられます。
ハンドルは、タイヤが拾う地面の振動が乗り手に伝わる部分ですので、振動吸収性能が高いハンドルを使うことで、身体に受ける振動を軽減できます。
特に、ライドが長距離に及べば及ぶほど、カーボンの振動吸収性能によって蓄積されるライド疲れに差が出てくるでしょう。
軽量化になる
ロードバイクは、車体が軽ければ軽いほど加速がスムーズになり、きつい坂もラクに登れるようになるスポーツです。
モデルによって異なりますが、アルミハンドルからカーボンハンドルに替えることで、おおよそ100g近く軽量化できます。
高級なモデルではステムと一体型になったカーボンハンドルもあり、さらなる軽量化も狙えます。
ダンシングしやすくなる
坂の多い地域や、峠を走行することが多い方は、ダンシングと呼ばれる立ち漕ぎをする機会が多いでしょう。
ダンシングはハンドルを左右に振ることで適切に体重をペダルにかけたり、シッティングでは出せない力強いペダリングが可能になります。
ハンドルやサドルのように、車体の高い位置についている部品はダンシングの重さに直結しやすく、軽量化することでダンシングが軽くなります。
高剛性化が可能
カーボンは素材の作り込みによって、アルミ以上の高い剛性を持たせることが可能になります。
高い剛性はポタリングしかしない方にとってはあまりメリットがありませんが、レースに出場する方にはぜひ欲しい性質です。
ハンドルが高剛性になることで、カーブ立ち上がりの加速がスムーズになったり、ゴールスプリントで数センチの差を争う時にその差が表れます。
エアロハンドルで高速化
ハンドルはロードバイクの前面に位置し風をもろに受けるため、エアロ化することの恩恵が高い部品です。
カーボン素材はアルミと比べて形状の自由度が高く、ハンドルのフラット部を平たくすることで空力性能をアップさせることができます。
流行りのエアロフレームやディープリムホイールと組み合わせることで、高速走行性能の高いロードバイクができあがります。
ロードバイク用カーボンハンドルを使うデメリット
折れるリスクが高い
カーボンフレーム同様、カーボンハンドルは素材の特性上、強い衝撃に弱い点が大きなデメリットでしょう。
特に、ハンドルはロードバイク部品の中でも幅が広く、落車時に真っ先に地面に叩きつけられるため、落車による破断の可能性が高い部品です。
また、カーボンハンドルはトルク管理も必須で、締め付けの際に適切なトルク管理をしないと割れてしまう恐れがあるので注意しましょう。
アルミとの違いがわかりにくい?
カーボンハンドルは衝撃吸収性が高く、軽量化になることは事実ですが、人によってはアルミハンドルとの違いが実感できないとの声もあります。
特に、ロードバイクに乗り慣れていない初心者ほど、その違いがわかりにくい傾向にあるようです。
ハンドルよりも先に、タイヤやホイール、変速機器など効果を実感しやすいパーツからグレードアップするのも選択肢の一つです。
価格が高い
なんといっても、カーボンハンドルは価格が高いため導入のハードルが高い部品です。
アルミハンドルは数千円程度で購入できますが、カーボンハンドルは有名メーカーであれば優に3万円を超えてしまいます。
カーボンハンドルはメリットが多いものの、ハンドルにコスパを追い求めるのであれば、アルミハンドルに軍配が上がると考える方も多いようです。
ロードバイク用カーボンハンドルの選び方
ハンドルの種類から選ぶ
ロードバイクのハンドル形状は大きく分けて「シャロー」「アナトミック」「アナトミックシャロー」の3種類あります。
シャローハンドルは最もオーソドックスな形状で、下ハンドルにかけて丸い形を描いており、深い前傾姿勢を取れます。
アナトミックハンドルは下ハンドルが角ばっており、下ハン巡航時に握りやすい点がメリットです。
アナトミックシャローは上記2つの特徴を掛け合わせており、下ハンドルが浅い曲線で扱いやすいため、現在主流のハンドルです。
ハンドル幅を確認する
ロードバイクのハンドル幅は、迷った時には肩幅に近いものを選ぶのがおすすめです。
また、幅が広いほどラクに漕ぎやすくなり、狭いほど空気抵抗を抑えて走行できるようになります。
ハンドルの幅は、380mm・400mm・420mm・440mmの4種類あり、基本的に下ハンドルのエンド部分の距離を指しています。
ただし、エンド間の距離は、径の中心で測る方法と、径の外側で測る方法の2パターンありますので、モデルのスペック表をよく確認しましょう。
クランプ径を確認する
「クランプ径」とは、ステムに取り付ける部分のハンドル径のことです。
このクランプ径が合っていないとハンドルを取り付けることができませんので、必ず確認しましょう。
メーカーサイドもクランプ径の乱立を避けるように規格を増やしすぎないようにしており、「26.0mm」「31.8mm」の2サイズが主流となっています。
なお、クランプ径が合致していない場合は、ハンドルに合わせてステムを交換する方法もあります。
粗悪品に注意
ロードバイク用品は、ハンドルに限らずノーブランドの格安品が販売されているのが実態です。
中には適切に選べばコスパが高い製品もありますが、粗悪品を選んでしまわないように注意しましょう。
特に、カーボン製品は見えないクラックなどが潜んでいても、分かりにくいという特徴があります。
カーボンハンドルが粗悪品だと最悪の場合、走行中に破断し重大な事故につながる恐れもあります。
メーカーから選ぶ
すでに述べたように、無名メーカーの格安カーボンハンドルは、事故につながる恐れがあるため避けた方が無難です。
そのため、できればDEDAやPRO、3T、EASTONなどの有名なハンドルメーカーから購入するのがおすすめです。
コスパの高いカーボンハンドルとしては、RXLSLやゴリックスなどのカーボンハンドルも人気があります。
カーボンハンドルの価格帯は?
ロードバイク用のカーボンハンドルは、アルミハンドルと比べるととても高価なアイテムです。
先述した大手メーカーの高品質なカーボンハンドルだと、金額感は3〜5万円ほどになります。
コスパの高い中堅メーカーでも、5千円から1万円程度はするものとお考えください。
ロードバイク用カーボンハンドルおすすめ10選
メーカー・製品名 | 形状 | ハンドル幅 | 参考重量 |
---|---|---|---|
PRO ハンドルバー VIBE カーボン コンパクト | アナトミックシャロー | 400~440mm | 220g |
PRO ハンドルバー VIBE エアロ カーボン コンパクト スーパーライト | アナトミックシャロー | 380~420mm | 230g |
DEDA VINCI SHALLOW | シャロー | 400~440mm | 225g |
DEDA スーパーゼロ DCR カーボンバー | アナトミックシャロー | 400~440mm | 235g |
RXL SL カーボンハンドルバー | アナトミックシャロー | 400~440mm | 210g |
RXL SL カーボンハンドル | アナトミック | 400~440mm | 220g |
ゴリックス カーボン エアロハンドル ASANNY | ナトミックシャロー | 380~420mm | 210g |
3T SUPERERGO LTD | アナトミックシャロー | 380~420mm | 199g |
EASTON EC70 AERO | アナトミックシャロー | 400~440mm | 255g |
ZIPP SL70 Aero | アナトミックシャロー | 380~440mm | 240g |
【PRO】
ハンドルバー VIBE カーボン コンパクト(PRSHA0374)
世界に誇る国内の最大手コンポメーカーシマノの海外向けブランドとして発足したPRO(プロ)のカーボンハンドルです。
誰でも使いやすいシンプルでコンパクトなドロップデザインが特徴的なUDカーボンハンドルです。
ブレーキケーブルとシフトケーブルを内蔵できるため、ハンドル回りの見た目をスッキリさせたい方にもおすすめできます。
形状 | アナトミックシャロー |
---|---|
ハンドル幅 | 400~440mm |
参考重量 | 220g |
【PRO】
VIBE エアロ カーボン コンパクト スーパーライト(PRSHA0447)
軽量なカーボンファイバー構造と、エアロ形状で空力性能を最適化した、PROのコンパクトなカーボンハンドルです。
ドロップに施しているコンパクトなベンドが特徴的で、上ハンドルから下ハンドルへの移動が容易にできます。
重量が重くなりがちなエアロカーボンハンドルにおいて、380mmモデルで重量230gと、軽量化にも貢献できる人気モデルです。
形状 | アナトミックシャロー |
---|---|
ハンドル幅 | 380~420mm |
参考重量 | 230g |
【DEDA】
VINCI SHALLOW(VNSHALLOWPOB40)
VINCIは、高品質なハンドルやステム、シートピラーを展開するイタリアのサイクルメーカー「DEDA」の最新エアロカーボンハンドルです。
こちらのモデルはシャロータイプの中でもコンパクトな作りが特徴で、快適さを最適化しながらも、スプリント時の労力を最小限に抑えます。
エアロハンドルらしいボリュームのある見た目も、ロードバイクの存在感を際立ててくれます。
形状 | シャロー |
---|---|
ハンドル幅 | 400~440mm |
参考重量 | 225g |
【DEDA】
スーパーゼロ DCR カーボンバー(SZ31POBN40)
DEDAのスーパーゼロDCRは、エアロダイナミクスを意識した形状で、軽量かつ高剛性に仕上がっています。
完全なエアロハンドルではありませんが、バランスの取れた優等生とも言えるハンドルです。
DEDA独自のDCR構造に対応しており、ケーブルを完全内蔵することでゴチャつきがちなハンドル回りをシンプルに保てます。
形状 | アナトミックシャロー |
---|---|
ハンドル幅 | 400~440mm |
参考重量 | 235g |
【RXL SL】
カーボンハンドルバー
高いコスパを求めるロードバイク乗りから高い人気を誇るRXL SLのカーボンハンドルは、重量約210gと大手メーカーに引けを取りません。
デザインのインパクトが大きいエアロ形状となっており、お試しでエアロカーボンハンドルを購入してみたいという方にもおすすめです。
クランプ径も31.8mmと主流規格の一つに合わせていますので、大手メーカーのステムとの相性もバッチリです。
形状 | アナトミックシャロー |
---|---|
ハンドル幅 | 400~440mm |
参考重量 | 210g |
【RXL SL】
カーボンハンドル
下ハンドルをしっかりと握り込みたい方に人気なアナトミックタイプのリーズナブルなカーボンハンドルです。
ハンドル上部の幅よりも、下部のエンド幅を20mm広げたハの字構造で、加速をするために下ハンドルを握る時にもしっかりと力が入ります。
ロゴの有無や艶消し加工など、好みのデザインを選べる点も人気の理由の一つです。
形状 | アナトミック |
---|---|
ハンドル幅 | 400~440mm |
参考重量 | 220g |
【ゴリックス】
カーボン エアロハンドル ASANNY
コスパの高いロードバイク用品を多数展開するゴリックスが販売する、エアロカーボンハンドルです。
リーズナブルなエアロハンドルですが、シフトやブレーキのケーブルはハンドルに内蔵できるよう穴を設けています。
艶消しのマットブラックはクールな印象で、ロードバイクの見た目をグッと引き締めてくれます。
重量も210gと、他メーカーのカーボンハンドル同等の仕上がりです。
形状 | アナトミックシャロー |
---|---|
ハンドル幅 | 380~420mm |
参考重量 | 210g |
【3T】
SUPERERGO LTD
イタリアのトリノで創業し、トッププロも厚い信頼を寄せる3T(スリーティー)の人気モデルです。
快適さをコンセプトに作られたコンフォートハンドルで、ハンドル上部は握りやすい卵型にし、カーボンの振動吸収性能との相乗効果で高い快適性を誇ります。
ハンドル重量は420mm幅モデルで199gと超軽量級で、愛車の軽量化にも貢献してくれるカーボンハンドルです。
形状 | アナトミックシャロー |
---|---|
ハンドル幅 | 380~440mm |
参考重量 | 199g |
【EASTON】
EC70 AERO
優れたカーボン製品を展開するアメリカの総合スポーツブランド「EASTON」のEC70は、上位モデル同様のエアロ形状を採用した高コスパモデルです。
グラフィックデザインは控えめにしており、どんなフレームと合わせても違和感がないように配慮されています。
ケーブルルーティングに関しても、上位モデルと同じ内蔵式を採用しています。
形状 | アナトミックシャロー |
---|---|
ハンドル幅 | 400~440mm |
参考重量 | 255g |
【ZIPP】
SL70 Aero
カーボンエアロホイールのパイオニア的存在であるZIPPは、そのエアロ技術を駆使した高い精度のエアロカーボンハンドルを展開しています。
SL70は、まさにホイールの技術をもとに開発されたハンドルで、ZIPP史上最もエアロ性能の高いモデルに仕上げました。
そのエアロ性能は、一般的なラウンドタイプのハンドルと比べて6.4ワットものエネルギー節約が可能です。
形状 | アナトミックシャロー |
---|---|
ハンドル幅 | 380~440mm |
参考重量 | 240g |
まとめ
カーボンハンドルは価格がかなり高いものの、その軽量さや高い振動吸収性、またエアロ性能により走りを速く、ラクにしてくれるアイテムです。
ぜひこの記事をご覧になり、グレードアップに役立つカーボンハンドルが見つかれば幸いです。
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