近年急激にその市場を伸ばしつつあるEバイク。
さらにその中でもマウンテンバイクタイプのEバイク(eMTB)なら、普段の通勤や通学から起伏の多い山道まで、どんな道でも楽々走破できてしまうんです。
今回はそんな電動マウンテンバイクの中でも、コスパに優れた安い車体を厳選しておすすめを紹介していきます。
目次
電動アシストマウンテンバイク(eMTB)とは
eMTBとは簡単に言えば、電動アシスト機能のついたマウンテンバイク(MTB)のことです。
元々MTB自体はその構造とタイヤの大きさから、衝撃吸収性能に特化した自転車と言えます。
未舗装路や林道など、普通の自転車では乗り入れできないような道でも、ストレスのない安定した走りを楽しむことが出来るのです。
半面、サスペンションの組み込みや車体自体を頑丈にする過程で、車体重量が増えてしまう傾向があります。
「下りは走りやすいけど、登りが大変で…」
「風もない平らな舗装路なのに、スピードが出ない…」
そういったサイクリストの悩みを解決してくれるのが、電動アシストシステムを車体に組み込んだeMTBです。
eMTBの魅力
Eバイクの中でも随一の万能な走破性能
通常のMTBに電動アシストの機能を加えることで、MTBが苦手とする舗装路での高速走行や上り坂での走行が圧倒的に楽になりました。
苦手分野を克服した万能さこそ、eMTB最大の魅力の一つと言えるでしょう。
重たい荷物を物ともしないパワフルさ
通常のサイクリングにとどまらず、ツーリングやキャンプなど、重たい荷物を積んだ状態の走行においても、その性能は陰りを見せません。
体力を温存することで、観光やアウトドアを思いっきり楽しむことが出来ますね!
自然を目いっぱい楽しめる
普段は走れないようなトレイル(林道)を、愛車でさっそうと駆け抜けるのはとても気持ちが良いですよね。
一方で大きな段差や急斜面の前では、思わず足を地面に着いてしまったり、自分の体力不足を痛感することもしばしば…。
そんな時に乗っているのがeMTBであれば、確かな推進力の後押しで、今まで苦労していたシーンが楽しくなったり、いつもより難しいコースにも果敢にチャレンジできるようになりますよ!
電動マウンテンバイク(eMTB)の相場価格!安いの基準価格は?
電動マウンテンバイク(eMTB)の価格相場は、街乗りメインで使う場合は20万円前後、よりスポーティな使用を目的とする場合は30~40万円の車体が、eMTBの中では比較的安いモデルと言えます。
以下では、価格帯別の特徴を紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
15~30万円前後のモデルの特徴
街乗りや休日のサイクリングを想定したモデルが多く展開されています。
フロントサスペンションのついたハードテールと言われるモデルが多く、リアサスペンションがついているものはほとんどありません。
本格的なスポーツ目的での使用は難しいですが、通勤や通学など日常使いにおいては十分なスペックです。
値段の割に最長走行距離が長いモデルも多いので、荷物を積んだ旅行にも適しています。
31万~50万円前後のモデルの特徴
30万円以下のモデルと比べて走行距離が長く、使われているパーツのグレードが全体的に底上げされています。
また電動自転車の宿命である「時速24kmに近づくにつれてアシスト力が弱まっていく現象」も、このグレードではかなり抑えられています。
通勤などの普段使いからキャンプツーリング、整備されたMTBコースを楽しむなど、幅広い用途で使える車体です。
51万円以上のモデルの特徴
このグレードからは前後ともにサスペンションが付いているモデル(フルサス)が増えてきます。
ハードテールと比べてサスペンション性能が格段に向上しており、悪路での走行性能は折り紙付きです。
アシストを使った登坂能力も凄まじく、ぬかるんだ斜面をサドルから立ち上がることなく登ってしまう離れ業をも可能にします。
ここまでくるとその価格は天井知らずに上がっていきますので、最初に扱う一台としては敷居が高いでしょう。
電動マウンテンバイク(eMTB)の選び方
ハードテールとフルサス(ダブルサス)
ハードテール
車体の関節部分が少ない分、構造がシンプルで、メンテナンスがしやすいことが特徴です。
フルサスと比べて車体重量が軽く、ペダルを踏み込んだ時のパワーロスが少ないことから、MTBの中では舗装路向けの車体と言えます。
ある程度のサスペンション性能や車体の堅牢さがあれば、簡単なトレイルやMTBコースでの走行も可能です。
通勤や休日のサイクリングなど、ライトユースに適したモデルと言えるでしょう。
フルサス(ダブルサス)
より激しいトレイルや難易度の高いMTBコースを走りたいのであれば、フルサス一択でしょう。
小刻みな凸凹や大きく飛び出した木の根っこなどをものともせずに超えていく頼もしさは、テクニックがない限りハードテールでは成しえません。
デメリットである車体重量と踏み込みのパワーロスに関しては、電動アシストの機能がいい具合にその欠点を補ってくれます。
ハードテールと比べて全体的に高価なモデルが多く、メンテナンスにおいてもより専門的な知識が必要な部分が多いため、上級者向けの車体と言えます。
タイヤの大きさ
MTBのタイヤサイズは大きく分けると26インチ、27.5インチ(650B)、29(29er)インチの三つに分類されます。
26インチ
一昔前はこのサイズが主流でしたが、今では27.5インチの流行に押されて、市場ではすっかり下火になってしまいました。
他の大きなタイヤサイズと比べて取り回しがよく、上り坂に強いことが特徴です。
反対に一漕ぎで進む距離が短くなるため、長距離の走行には不向きと言えます。
27.5インチ
比較的最近流通し始めたサイズですが、爆発的にそのシェアを伸ばしており、現在ではもっともオーソドックスな規格です。
取り回しのしやすさ、障害物を乗り越える挙動、高速巡行の快適さ、どれをとってもバランスがよく、たくさんのメリットがあります。
タイヤサイズで迷ったら、この規格を選んでおけばまず問題ないでしょう。
29インチ
別名29er(トゥーナイナー)と呼ばれ、MTBのタイヤの中では最も大きなサイズです。
障害物や段差を乗り越える性能はピカイチで、外周が大きいことからスピードを出しやすいメリットもあります。
その分漕ぎ出しに大きな力が必要ですが、eMTBならそのデメリットも関係ありません。
ただし29インチのタイヤを採用した車体は、乗る人の体格によっては大きすぎる場合もあるので注意が必要です。
最大トルク(N/m)・定格出力(W)と最大出力(W)
最大トルク(N/m)
Eバイクの最大トルク(N/m)とは、車体がペダリングをアシストする時の力の最大値を表したものです。
一般的には最大トルクの値が大きければアシスト力が強いと言えます。
ただし最大トルクが同じでも、ドライブユニットの個性の違いによって乗り味が全く異なることがあるので注意が必要です。
定格出力(W)と最大出力(W)
定格出力とは、その車体が受けるアシスト力が一番小さい時の出力値を示したものです。
最大出力とは、最大トルクと同様に最も大きな力でアシストした時の出力値のことを指します。
両者とも同じ「W(ワット)」という単位を用いて表されますが、二つの数値が表す意味は大きく異なります。
定格出力は言い換えればその値を基準にして、走行状況によってさらに強い力でアシストができることを表しています。
一方で最大出力は言葉の通り出力の最大値なので、いわばアシスト力の上限と言えます。
つまり実際のアシスト力は、その値を超えない範囲でしか変化しないということです。
eMTBを選ぶ上で重要な要素は他にもたくさんありますが、カタログと睨めっこするだけでなく、まずは実際に試乗してみることが重要です。
何台もの車体を乗り比べて、自分の好みに合った車体を見つけましょう!
安い電動マウンテンバイクおすすめ10選
ここからはいよいよ、実際にコスパの良いeMTBを紹介していきます。
【パナソニック】
ハリヤ(BE-ELH442)
15万円を切る価格が魅力のスポーツ電動自転車です。
パーツのグレードなどからEバイクとは切り離して紹介されることが多いモデルですが、元々Eバイクというカテゴリ自体の概念が曖昧なため、広い意味ではEバイクと呼んで差し支えないでしょう。
この価格帯には珍しくサスペンションにロックアウト機能が付いています。
振動吸収を抑えることで、よりキビキビとしたハンドル操作とロスの少ないペダリングが可能です。
タイヤサイズは26インチの規格を採用。
小回りの効きやすさから街乗りで威力を発揮してくれそうです。
【ヤマハ】
PAS Brace(PA26B)
最長で約90kmの走行が可能な大容量バッテリーを搭載した車体です。
前輪側にディスクブレーキを採用することで、雨天時でも安定したブレーキングを可能にしています。
操作性に優れたリング錠や、裾が汚れてしまうのを防ぐチェーンケースなどが標準装備でついてくるのもポイントです。
カゴやキャリア、泥除けなどのオプションパーツも豊富で、毎日の自転車通勤において頼もしい相棒になってくれそうですね。
【KONA】
EL KAHUNA
カナダの有名MTBブランド「KONA」が開発した、ハードテールタイプのeMTBです。
ドライブユニットからシフター、チェーンに至るまで、駆動パーツはほぼすべてシマノ製で統一されています。
サスペンションの作動量を表すトラベル量は100mmと少しコンパクトですが、街乗りだけでなくちょっとした未舗装路や簡単なトレイルにも対応可能です。
フレームと半一体型のバッテリーは大容量で、何時間も山道を走った後で買い物にだって行けてしまいます。
実にコスパの良いオールマイティな一台と言えるでしょう。
【ヤマハ】
YPJ-TC
ヤマハが展開するEバイクシリーズ「YPJ」のMTBモデルです。
Eバイクには珍しくリアキャリアを標準で装着しており、荷物を積んだ状態での走行を前提に作られた、ツーリングなどにうってつけの一台と言えるでしょう。
ヤマハ独自開発のドライブユニット「PWseries SE」は高ケイデンス(速いペダル回し)にも対応しており、舗装路での高速走行時も確かなアシスト力を感じさせてくれます。
【ミヤタ】
RIDGE-RUNNER 6180(VRG61430)
ミヤタが展開するeMTBシリーズ「RIDGE-RUNNER」のセカンドモデルです。
最大60N/mのトルク値で、上位モデルにも引けを取らない力強いアシストを実現しています。
一度の充電で走れる距離はECOモードで105kmとなっており、バッテリー残量を気にせずとも気軽に楽しめる必要十分な容量です。
初期装備でグリップ力が高い太めのタイヤを履いているので、本格的なトレイルでも安定した走りを楽しむことが出来ます。
【ヤマハ】
YPJ-XC
先に紹介したYPJ-TCの上位モデルになります。
採用されているドライブユニットも「PW-X」にグレードアップ。
よりハイパワーで乗り手の操作にクイックに対応する「エクストラパワーモード」を搭載しており、一漕ぎで違いが分かるほどパワフルな走行が可能です。
コクピットとなる液晶ディスプレーにはペダリングパワーや消費カロリーなど様々な情報が表示可能で、USBポートに繋げばスマホなどの充電もできてしまいます。
町中から山道まで縦横無尽に駆け回りたい人におすすめの一台です。
【BESV】
TRS2-XC
Eバイクメーカーの中でも高いデザイン性を誇る「BESV」が開発した、ハードテールタイプのモデルです。
シマノ開発のドライブユニットの中ではトップグレードの「ステップスE8080」を搭載し、ダートの急坂も高トルクで走破できてしまいます。
BESVらしくデザインにもこだわっており、バッテリーは同社特製のインチューブバッテリーを採用。
Eバイクとは思えないほどすっきりとした見た目が印象的な、非常にコスパに優れた一台です。
【パナソニック】
XM2(BE-EWM240)
パナソニックの高性能Eバイクの一角を担う、ミドルグレードのeMTBです。
eMTBには珍しくフロント側にも内装2段の変速を搭載しており、計20段階のギアチェンジが可能です。
これによって、街乗り用の低いギア比と山道で必要な高いギア比の両立を、すっきりとした見た目の中で実現させました。
標準装備であるオートライトに加えて、車体をしっかりと支える堅牢なキックスタンドなど、高性能な純正オプションパーツを豊富に取り揃えています。
より広い汎用性と、それだけでは終わらない確かな品質を兼ね備えた、非常にコスパの良いモデルです。
【コラテック】
E-POWER X VERT 650B CX
ドイツの自転車メーカー「コラテック」が開発したハードテールバイクです。
ドライブユニットはBOSCH製の新型eMTBユニット「Performance Line CX」を搭載。
走行モードを「eMTBモード」に切り替えれば、あらゆる路面コンディションで最適なアシスト力が、走行をナチュラルにリードしてくれます。
ホイールのリムにはチューブレスレディシステムを採用しており、簡単にタイヤをチューブレスに変更することが可能です。
誰よりも楽しく、そして気持ち良くトレイルを駆け抜けられる、そんな一台に仕上がっています。
【ミヤタ】
RIDGE-RUNNER 8080(VRG80460)
ミヤタの「RIDGE-RUNNER」シリーズのトップグレードモデルです。
シマノ「STEPS E8080」の力強いアシストとサンツアー製の確かなフルサス機能を組み合わせることで、急こう配の多い日本の山道を存分に楽しめる仕様になっています。
そのほかにも走行中にサドルの高さを変えられる「ドロッパーシートポスト」や、高い制動力を誇る油圧式ディスクブレーキなど、山を目いっぱい楽しむために必要な装備がたくさん詰まっています。
ここまでの機能が揃っていて、販売価格は50万円を切っています。
フルサスタイプのeMTBの中では、とてもコスパのいいモデルと言っていいでしょう。
まとめ
使用されるパーツの数や求められるフレームの堅牢さなどから、eMTBは他のEバイクと比べても高価になりやすい傾向があります。
特に初めてEバイクを購入する人にとっては、せっかく高性能な車体を選んでも、実際の使い方に対してオーバースペックであることも少なくありません。
まずは使用する目的と車体のスペックを見比べながら、各機能の必要不必要を見極めることが重要になります。
ネット上の口コミや実際に自分で試乗するなど、より多くの情報をかき集めて、自分にとって最適な一台を探してみましょう!
安い電動マウンテンバイクの購入で失敗しないために、各ショッピングサイトのレビューもしっかり確認して自分にピッタリなモノを見つけましょう。
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