スコアの4割がパターを占めるということもあり、ゴルフをプレーする上で、パターはとても重要な役割を持っています。
パターを販売するメーカーは数多くありますが、その中でも近年、知名度がアップしてきているのが「イーブンロールパター」です。
イーブンロールは海外では既に知名度のあるパターメーカーで、日本国内でも徐々にその名を知られるようになってきました。
そんなイーブンロールパターは、一体どのような特徴があるパターなのでしょうか。
今回は、イーブンロールパターを使うメリットやデメリット、おすすめのイーブンロールパターを多数紹介していきます。
イーブンロールパターとは
イーブンロールは、パターデザイナーによって2015年に設立されたアメリカのパターメーカーです。
メーカーが独自に開発した「スイートフェイステクノロジー」が特徴で、全てのパターにこの技術を搭載しています。
イーブンロールは、クラブメーカーとしては歴史が浅いこともあり、日本国内ではそれほど知名度は高くありません。
ただ、アメリカでは2014年にベストパターに選ばれたことがきっかけで評価が上がり、知名度も一気に上がりました。
海外での人気の影響で、日本国内でも人気が高まってきており、今注目のパターとなっています。
イーブンロールパターを使うメリット
ミスに強い
イーブンロールパターが独自に開発した「スイートフェイステクノロジー」は、同メーカーを代表する技術です。
フェース面にV字型の溝を付けることにより、フェース全体をスイートスポットにすることに成功しました。
このフェースはとにかくミスに強いのが特徴で、どこに当たっても方向がブレることなく、まっすぐ転がるパターとなっています。
高品質
イーブンロールパターは、自社のあるアメリカでの製造、修理にこだわっており、品質管理も徹底しています。
日本にも受付窓口はあるのですが、修理に出す場合は、アメリカにパターを送って修理するという徹底ぶりです。
1本1本の完成度が高く高精度に仕上がっているので、安心して使えるパターとなっています。
打感が良い
イーブンロールパターは、ヘッド素材に「303ステンレス」という素材を使っています。
303ステンレスは、硫黄やリンを含んだステンレス素材のことで、加工しやすく柔らかいのが特徴です。
高級パターの「スコッティキャメロン」にも同じヘッド素材が使われており、打感がダイレクトに感じられる素材となっています。
カスタム調整が可能
イーブンロールパターは、注文の際に追加料金を払うことで、長さ、ライ角、ロフト角、ヘッド重量のカスタムが可能です。
グリップも、標準グリップの他にアップグレードできるモデルもあるので、より自分好みの1本を作ることができます。
クラブカスタムもグリップのアップグレードも、新品で購入した際に別途料金を払うことで受けられる特典となっています。
他の人と被りにくい
パターと言えば、オデッセイ、スコッティキャメロン、ピン、テーラーメイドのパターを使用する人が大半を占めています。
イーブンロールパターはこういった大手メーカーと比べると、どうしても知名度が下がるため、使用している人も少なくなります。
そのため、他の人とパターが被りにくいので、他の人とは違ったパターを持ちたい人には最適のパターです。
イーブンロールパターを使うデメリット
高価である
以前からイーブンロールのパターは、他のメーカーのパターと比べても、高価なパターとして知られていました。
それに加え、近年の原材料の価格高騰により、2023年より平均1万円ほどの値上げとなってしまいました。
コスト面から考えても、仕方のないことではあるのですが、さらに手を出しにくい価格になってしまったことは事実です。
販売していない店舗もある
イーブンロールは、日本ではまだマイナーメーカーになるため、ゴルフ用品店などの実店舗に必ず置いてある商品ではありません。
定期的にフィッティングや試打イベントを実施はしていますが、試したいと思った時に試せるとは限らないのが現状です。
結果的に、他の大手パターメーカーより試打できる機会が少なくなるため、直接手に取れる機会が少ないというのがデメリットです。
打感が硬め
イーブンロールパターは、インサートを使用していない削り出しヘッドとなっています。
そのため、どうしてもインサートを使用しているパターと比べると、打感が硬くなってしまうのです。
打音も高めの金属音が特徴のため、打感が硬い打感や打音が好みではないと、デメリットとなるでしょう。
イーブンロールパターの選び方
ヘッド重量
一般的に、ヘッドが重くなるとオートマチックなストロークができるので、ボールが安定すると言われます。
また、ヘッドが重いとインパクトで力が抜けないので、しっかりと転がすことができる反面、フェースを操作しにくいのが難点です。
反対にヘッドが軽くなると、ボールの安定性には欠けますが、その分フェースの開閉がしやすくなるので、操作性には優れます。
安定性を求めるなら重めのヘッド、操作性を求めるなら軽めのヘッドがおすすめです。
ヘッド形状
パターのヘッドには「ブレード型」「マレット型」「ネオマレット型」の3種類があります。
ブレード型は長方形のヘッドで、ソール幅の違いはありますが、操作性が高く繊細なタッチで打てるのが特徴です。
ネオマレット型は、大型ヘッドの左右にツノなどをつけることで、左右のミスに強くオートマチックなボールを打ち出せます。
マレット型は半円型のヘッドで、ブレード型よりもミスに強く、ネオマレット型よりも操作性に優れたバランスの良いヘッドです。
操作性重視ならブレード型、ミスへの寛容性ならネオマレット型、適度にバランスを取りたいならマレット型がおすすめです。
ネック
ネックにはホーゼルのない「ストレートネック」と「ベントネック」、ホーゼルのある「クランクネック」があります。
ストレートネックやベントネックはオフセットがない、または少ないので、左へ引っかけにくいのが特徴です。
一方、クランクネックのようなフルオフセットの場合、ボールが遅れてフェースに当たるので右への押し出しを防ぎます。
イーブンロールは、数種類のホーゼルの長さや形から選べるVシリーズがあるので、自分に合ったパターを選ぶことが可能です。
価格帯
イーブンロールのパターは、303ステンレススチールという素材を使っているため、コスト面で費用がかかります。
そのため、現行モデルで6~7万円台と、他のメーカーと比べて少々高い価格設定となっています。
旧モデルでも4~5万円程度はするので、もっと安く手に入れたいのであれば中古パターがおすすめです。
使用状態によっては格安のものもあるので、価格とヘッドやグリップなどの状態をよく確認した上で選ぶといいでしょう。
イーブンロールパターおすすめ10選
製品名 | シャフト長さ | ヘッド重量(34インチ) | ヘッド形状 | ロフト角 | ライ角 |
---|---|---|---|---|---|
ER2 | 33~35インチ | 370g | ブレード型 | 2度 | 70度 |
ER1TS | 33~35インチ | 370g | ブレード型 | 1度 | 70度 |
ER2.2 | 33~35インチ | 370g | ブレード型 | 2度 | 70度 |
ER7v | 33~35インチ | 365g | マレット型 | 2度 | 70度 |
ER5 | 33~35インチ | 370g | ネオマレット型 | 2度 | 70度 |
EV8 | 33~35インチ | 370g | マレット型 | 2度 | 70度 |
ERZERO | 33~35インチ | 400g | ネオマレット型 | 2度 | 70度 |
ER2B | 33~35インチ | 370g | ブレード型 | 2度 | 70度 |
ER6B | 33~35インチ | 370g | マレット型 | 2度 | 70度 |
ER11vx | 33~35インチ | 365g | マレット型 | 2度 | 70度 |
【イーブンロール】
ER2(HEPT-000175)
フェース裏側のトゥとヒールに厚みを持たせた、ワイドソールタイプのブレード型パターとなっています。
スイートフェイステクノロジーによるV字型の溝で、ミスの強さと操作性を兼ね備えたバランスの良い作りです。
安心感のある見た目と、シングルベントネックでスッキリと構えやすい見た目で、初心者~上級者まで使いやすいモデルです。
シャフト長さ | 33~35インチ |
---|---|
ヘッド重量(34インチ) | 370g |
ヘッド形状 | ブレード型 |
ロフト角 | 2度 |
ライ角 | 70度 |
【イーブンロール】
ER1TS(HEPT-000069)
スリムな形状でありながら、慣性モーメントが2万を超える脅威の数値で、初心者から上級者まで幅広く使用できます。
白いガイドラインとフェース上部に小さな穴をつけることで、ボールを構えやすくまっすぐ打ち出せる作りに。
操作性の高さとスタイリッシュな形状で、見た目と機能性を兼ね備えたパターとなっています。
シャフト長さ | 33~35インチ |
---|---|
ヘッド重量(34インチ) | 370g |
ヘッド形状 | ブレード型 |
ロフト角 | 1度 |
ライ角 | 70度 |
【イーブンロール】
ER2.2(HEPT-000072)
ER2と同じく幅広ソールのブレード型パターですが、一番の違いはネック形状にあります。
ベントネックのER2と比べて、こちらはホーゼルが付いており、長めのクランクネックが特徴となっています。
その結果、フルオフセットとなりボールのつかまりが良くなるため、ボールが右に出やすい人におすすめです。
シャフト長さ | 33~35インチ |
---|---|
ヘッド重量(34インチ) | 370g |
ヘッド形状 | ブレード型 |
ロフト角 | 2度 |
ライ角 | 70度 |
【イーブンロール】
ER7v
クランクネックのマレット型パターで、ヘッド後方よりもフェース面がややコンパクトになっているのが特徴です。
それにより、マレット型でありながら、すっきりと構えやすいヘッド形状になっています。
太めのグリップと重めのヘッドで、ロングパットでもしっかり転がるボールを打ち出せるので、ショートしやすい人に最適です。
シャフト長さ | 33~35インチ |
---|---|
ヘッド重量 | 365g |
ヘッド形状 | マレット型 |
ロフト角 | 2度 |
ライ角 | 70度 |
【イーブンロール】
ER5(HEPT-000182)
ネオマレット型のヘッド形状で、メーカーの中でも特にミスに強いパターとなっています。
トゥとヒールのツノ部分にウェイトを配置することで、フェースのどこに当たってもまっすぐ転がるボールを実現。
重みもしっかりとあるので、ストレートなストロークの人やオートマチックに打ちたい人におすすめの1本です。
シャフト長さ | 33~35インチ |
---|---|
ヘッド重量 | 370g |
ヘッド形状 | ネオマレット型 |
ロフト角 | 2度 |
ライ角 | 70度 |
【イーブンロール】
EV8(HEPT-000201)
数種類のホーゼル展開があるVシリーズのマレット型パターとなっており、ソールに配置されたウェイトが特徴です。
トゥとヒールにそれぞれウェイトを配置することで、より安定性を高めた作りとなっています。
ショートスラントネックでフェースが被りにくい作りなので、引っかけて左に出やすい人におすすめです。
シャフト長さ | 33~35インチ |
---|---|
ヘッド重量 | 370g |
ヘッド形状 | マレット型 |
ロフト角 | 2度 |
ライ角 | 70度 |
【イーブンロール】
ER ZERO(HEPT-000157)
X型の四方に配置したウェイトと、ヘッド後方に付いているシャフト、慣性モーメントがとにかく高いのが特徴です。
それにより、ねじれを抑制してフェースが開閉しにくく、押し出すようなストレートなボールを打ち出せます。
ヘッドの安定性とオートマチックな転がりで、特に初心者におすすめのパターとなっています。
シャフト長さ | 33~35インチ |
---|---|
ヘッド重量 | 400g |
ヘッド形状 | ネオマレット型 |
ロフト角 | 2度 |
ライ角 | 70度 |
【イーブンロール】
ER2B(HEPT-000086)
ER2のブラックバージョンとなっており、ヘッドだけではなくシャフト、グリップ、ヘッドカバーと全てブラックなのが特徴です。
機能性はそのままに、「CNCミルド加工」と呼ばれる職人による特殊な加工で、スタイリッシュな見た目を兼ね備えました。
機能性とデザイン性を兼ね備えたインパクトで、ゴルフ場でも目立つこと間違いなしです。
シャフト長さ | 33~35インチ |
---|---|
ヘッド重量 | 370g |
ヘッド形状 | ブレード型 |
ロフト角 | 2度 |
ライ角 | 70度 |
【イーブンロール】
ER6B(HEPT-000017)
ヘッド後方にウェイトを配置したマレット型となっており、深重心で3本のガイドラインがスクエアな構えを手助けしてくれます。
大きめなヘッドではあるのですが、ER7Vと同様にフェースがややコンパクトになっているため、圧迫感のないデザインに。
同じ形状でライ角71度のレッドカラーも販売しているので、個性的なヘッドを探している人は特におすすめです。
シャフト長さ | 33~35インチ |
---|---|
ヘッド重量 | 370g |
ヘッド形状 | マレット型 |
ロフト角 | 2度 |
ライ角 | 70度 |
【イーブンロール】
ER11v
ヘッド上部の2本のガイドラインと白い点が、構えやすさとストレートな打ち出しを助けてくれます。
「ロングプラマー」と呼ばれる長いクランクネック形状で、押し出しによって右へボールが出るのを防ぐ作りです。
右に出やすい人や、ストレートなストロークの人におすすめのパターとなっています。
シャフト長さ | 33~35インチ |
---|---|
ヘッド重量 | 365g |
ヘッド形状 | マレット型 |
ロフト角 | 2度 |
ライ角 | 70度 |
まとめ
基本的なフェーステクノロジーはそのままに、多彩なヘッドとネックによって、選べる幅が広いのがイーブンロールパターです。
細かいカスタム調整もできることから、こだわりの強い人でもきっと満足する1本が見つかるでしょう。
イーブンロールパターの購入で失敗しないために、各ショッピングサイトのレビューもしっかり確認して自分にピッタリなモノを見つけましょう。
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