両親などの親族が遠方に住んでいる場合、毎日のように会って様子を確かめることは困難です。
とはいえ、ご老人の体は強くありませんし、いつ病気に罹ったり事故に遭ったりしてしまうかわかりません。
そこで、離れていてもシニアの方を複数の点から見守ることのできるデバイスが必要になります。
これに最も適しているのが、スマートウォッチです。
今回は、高齢者見守りに適したスマートウォッチについて解説します。
目次
- 1 高齢者見守りができるスマートウォッチを使うメリット
- 2 高齢者見守りができるスマートウォッチを使うデメリット
- 3 高齢者見守りができるスマートウォッチの選び方
- 4 高齢者見守りができるスマートウォッチおすすめ10選
- 4.1 【Apple】Apple Watch Series 8(A2773)
- 4.2 【Apple】Apple Watch SE 第2世代(A2725)
- 4.3 【Apple】Apple Watch Series 7(A2476)
- 4.4 【Apple】Apple Watch Series 6(A2375)
- 4.5 【Samsung】Galaxy Watch5(SM-R900NZSAXJP)
- 4.6 【Samsung】Galaxy Watch4(SM-R860NZDAXJP)
- 4.7 【Google】Google Pixel Watch(GA03119-TW)
- 4.8 【HUAWEI】HUAWEI WATCH 3
- 4.9 【HUAWEI】WATCH 2 PRO
- 4.10 【Garmin】Instinct 2S Dual Power(010-02564-40)
- 5 まとめ
高齢者見守りができるスマートウォッチを使うメリット
常に状況を把握することができる
スマートウォッチは、その名の通り腕時計型のデバイスです。
そのため、常に腕に着けて生活することができます。
スマートフォンなどのように、ユーザから離れている時間は基本的にありません。
つまり、健康状態や位置情報など、着けている人の状況を漏れなく常に確認することができるのです。
運動能力の調子を推定できる
スマートウォッチにはモーションセンサーが搭載されているので、歩行のパターンや安定性を計測してデータを可視化します。
これによって、将来的に転倒する危険性などを把握することが可能になります。
このデータを使って、今後の運動のしかたを考える際の参考とすることもできるでしょう。
潜在的な疾病を予防することができる
スマートウォッチには、ある程度の健康管理機能が搭載されています。
その中でも、心拍センサーは特に高齢者にとって重要です。
潜在的に心臓病を患う可能性がある場合、心拍からその兆候を読み取ることができる場合があります。
心拍センサーを搭載したスマートウォッチなら、これを見つけることができるので、病気の予防にも役立つのです。
事故があっても早急に対応できる
スマートウォッチの中には、転倒検出機能が搭載されているものがあります。
ユーザが転倒して意識を失っても、転倒後に返答がないことをスマートウォッチが検知して通報してくれる機能です。
通報と同時に緊急連絡先にも通知されるので、いち早く事故を知り、高齢者の命を守ることができます。
突然居場所がわからなくなっても安心
スマートウォッチの多くはGPSを搭載しているので、着用している人の位置情報を常に把握できます。
これを遠隔で家族が知ることもできるので、突然居場所がわからなくなってもすぐに迎えに行くことが可能です。
これは認知症を患う高齢者とその家族にとって大きなメリットとなります。
健康に関する情報をコミュニケーションのきっかけにできる
スマートウォッチで高齢者を見守ることで得られるさまざまなデータは、家族の会話のきっかけともなるでしょう。
たとえば、運動量の変動をもとに最近の調子について話し合うことで、健康管理のヒントを得ることができるかもしれません。
このように、遠方に住む高齢な親族と連絡を取る機会として、見守りのためのスマートウォッチは適していると言えます。
高齢者見守りができるスマートウォッチを使うデメリット
常に装着していることがストレスになる可能性
高齢者の見守りを目的として使用するスマートウォッチであれば、ユーザが常にそれを身につけている必要があります。
しかし、高齢者によってはそもそもこれを習慣化できるかという問題が生じます。
さらに、突然スマートウォッチを常に装着するよう強いることは、ストレスを与えることにもなりかねません。
このように、常にスマートウォッチを着用することは万人に受け入れられるものではない可能性があるのです。
操作が簡単ではない
スマートウォッチは、スマートフォンと比べてもはるかに小さく、その操作方法も簡単ではありません。
高齢者にとっては、その画面が非常に見づらい可能性もあります。
また、万が一不具合を起こすと、ひとりでは対応しきれない恐れもあるので、遠方に住む利用者にとっては少し面倒です。
本人の了解を得られないと使えない
スマートウォッチは常に身につけている分、自分の健康や生活に関する個人情報が多く含まれます。
その情報の性質上、見守りのためにこれらの情報を家族に提供してもよいか、まずは本人に確認しなければなりません。
このように、プライバシー保護の観点から導入が難しくなってしまうかもしれない点はデメリットといえるでしょう。
高齢者見守りができるスマートウォッチの選び方
GPSが搭載されているものを選ぶ
高齢者の見守りにあたって特に必要なのは、位置情報を把握することです。
特に認知症を患う高齢者は、突然外に出たまま行方が分からなくなってしまう恐れがあります。
これを未然に防ぐためにも、位置情報を正確に把握するためのGPSは不可欠な存在です。
現在販売されているスマートウォッチでGPSを搭載していないモデルは滅多に見られませんが、確認を怠ってはいけません。
モバイル通信が可能であるものを選ぶ
高齢者の見守りは、GPSだけでは不十分な場合があります。
たとえば、GPSを搭載しているものの、単体でモバイル通信ができないモデルを使った場合を考えてみます。
このとき、スマートフォンも一緒に持って外に出ないと、記録された位置情報はサーバーに送信されません。
つまり、せっかくGPSがあっても、家族は利用者がどこにいるかわからなくなってしまうのです。
さらに、高齢者の位置情報をもれなく把握して安全確認をするため、モバイル通信が可能かどうか確認することも重要です。
転倒検出機能が搭載されているものを選ぶ
高齢者の位置情報を把握していても、その安全を確信できるわけではありません。
何かあった場合は連絡すら取れなくなってしまう可能性があります。
このような事態を少しでも防ぐために、転倒検出機能が搭載されたスマートウォッチを選ぶようにしましょう。
転倒検出機能は、ユーザが激しく転倒したとき、本人の安否確認を行う機能です。
最初の安否確認ができないと、ユーザが意識を失ったものと判断し、自動で緊急通報を行います。
緊急通報では、自動音声がユーザの位置情報とともに、転倒して意識を失っている旨を伝えます。
同時に家族などの緊急連絡先にも、転倒して意識を失ったことを伝えるメッセージが届くので、迅速に対応することが可能です。
衝突事故検出機能が搭載されているものを選ぶ
家族などの高齢者が車を運転している場合は、衝突事故検出機能が搭載されているスマートウォッチを選ぶと安心です。
衝突事故検出機能は、自動車事故を検知し、必要に応じて緊急通報を行う機能です。
昨今は、高齢者による自動車事故が多く発生しています。
被害を最小限にとどめ、本人の命を守るためにも、転倒検出機能とともに念頭においておくべき事項と言えます。
心臓の異常を検知できるものを選ぶ
事故だけでなく、突然体調を崩す危険性についても考える必要があります。
特に、スマートウォッチは心臓の異常を検知することに長けているアイテムです。
モデルによっては心房細動の兆候を検知して通知したり、好きなタイミングで心電図を測ったりすることができます。
心臓疾患の早期発見・悪化予防のために、心拍センサーに関連する機能が豊富なモデルを選びましょう。
高齢者見守りができるスマートウォッチおすすめ10選
【Apple】
Apple Watch Series 8(A2773)
こちらは最新のApple Watchモデルで、異常・不規則な心拍の検知や、心電図の測定が可能です。
Apple Watch全モデル共通機能として、iPhoneの共有機能を使えば、家族が情報を参照できます。
さらに、転倒・衝突事故検出機能も搭載されています。
こちらは機能性・価格ともに、高齢者の見守りに最適なモデルです。
【Apple】
Apple Watch SE 第2世代(A2725)
最新のApple Watchモデルで、廉価版としての地位を持ちます。
こちらは心電図は利用できませんが、異常・不規則な心拍を通知する機能を備えています。
SOS関連の機能としては、転倒・衝突事故検出機能が利用可能です。
廉価版のモデルでも、基本的な健康管理や事故の対策についてはまったく心配のない仕様と言えます。
【Apple】
Apple Watch Series 7(A2476)
2021年に発売されたApple Watchモデルで、心拍センサーを搭載しているので、心拍の情報をもとに心臓疾患の可能性を通知します。
このモデルは転倒検出機能を搭載しているので、自動車を運転しない高齢者にとっては十分なモデルといえるでしょう。
最新モデルではないので、安価に入手できる点もメリットです。
【Apple】
Apple Watch Series 6(A2375)
2020年に発売されたモデルで、高心拍・低心拍・不規則な心拍を通知する機能や、転倒検出機能を備えています。
さらに、心電図も利用することが可能です。
最新のモデルと性能がほとんど等しいので、この点について心配する必要はありません。
可能な限り安価に抑えながら、機能性を妥協したくない方におすすめのモデルです。
【Samsung】
Galaxy Watch5(SM-R900NZSAXJP)
現時点で最新のGalaxy Watchモデルです。
心拍の変動を把握し、異常・不規則な心拍を検知したり、心電図を取ったりすることができます。
さらに、転倒検出機能も搭載しているので、歩行中に事故に遭っても心配ありません。
Androidスマートフォンを利用している家族におすすめのモデルです。
【Samsung】
Galaxy Watch4(SM-R860NZDAXJP)
最新のものよりひとつ前のモデルですが、公式ウェブサイトでも販売している現役の製品です。
Galaxy Watch5と同じく、心拍センサーの機能や転倒事故検出機能を持つので、両者の違いはほとんどありません。
強いていうなら、Galaxy Watch4の方がバッテリーの容量が15%少ないことが挙げられます。
購入を考えている方は、これを基準として判断すると良いでしょう。
【Google】
Google Pixel Watch(GA03119-TW)
Googleが販売するスマートウォッチで、Apple Watchなどとは異なり、自動で心拍の異常を検知することはできません。
しかし、心電図を手動で測定することで、心房細動の可能性の有無を判断することができます。
また、転倒検出機能と衝突事故検出機能の両方を備えている、数少ないスマートウォッチのひとつです。
自動車や歩行など、複数の交通手段を持つ高齢者を見守ることに適したスマートウォッチと言えます。
【HUAWEI】
HUAWEI WATCH 3
中国企業の華為(HUAWEI)が販売するスマートウォッチです。
異常な心拍の通知を行うことはできませんが、心拍を常にモニタリングできる機能を備えています。
転倒検出機能を備えているので、徒歩移動の多い高齢者に適したモデルと言えます。
さらに、比較的安価に購入できるデバイスなので、お試し程度に買ってみるのも良いでしょう。
【HUAWEI】
WATCH 2 PRO
HUAWEIが販売するスマートウォッチで、心拍のモニタリングは可能ですが、現時点でこれ以上のことはできません。
ただし、ワークアウト中であれば、一定の心拍数を超えると通知を送信します。
心拍に関する機能は豊富ではありませんが、転倒検出機能は備わっています。
ウォーキングなどの運動を頻繁に行う高齢者におすすめのモデルです。
【Garmin】
Instinct 2S Dual Power(010-02564-40)
スポーツウォッチで有名な企業が販売するモデルです。
不規則な心拍を検知する機能はありませんが、高心拍・低心拍の通知を送信することができます。
また、転倒検出機能も搭載しているので、高齢者見守りに必要な基本的機能を備えていると言えます。
非常にタフな構造なので、耐久性の高いスマートウォッチを考えている方におすすめのモデルです。
まとめ
高齢者の見守りにあたっては、健康管理と事故の被害を防ぐこと、そして居場所を常に把握しておくことの3点が非常に重要です。
本稿で示した条件、機能の優先度、価格などから、身の回りの高齢者に適切なスマートウォッチを選びましょう。
高齢者見守りができるスマートウォッチの購入で失敗しないために、各ショッピングサイトのレビューもしっかり確認して自分にピッタリなモノを見つけましょう。
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