近年話題の激安3Dプリンターでの出力に慣れてくると、もっとクオリティーを高めたくなりますよね。
次のステップに上がる為に効果的なのが機材のランクアップです。
造形サイズを大型化したり、印刷スピードを上げて大量生産したり、使えるレジンの種類を広げる事ができます。
業務として使うことも視野に入れたようなラインナップで最新のおすすめ光造形の3Dプリンターをご紹介致します。
目次
光造形の3Dプリンターを使うメリット・デメリット
光造形方式3Dプリンターのメリット
光造形の3Dプリンターのメリットはなんと言っても造形物の滑らかな表面と透明感を出した表現力とコストのバランスがとれている事です。
導入機として人気の熱溶解積層方式と比べると精巧さに驚かされます。
鋳型の原型として使われることが多かったのですがレジンの改良が進みダイレクトに製品として出力されることも増えてきています。
光造形方式3Dプリンターのデメリット
光造形の3Dプリンターを熱溶解積層方式と比べた時のデメリットは造形サイズの小ささと材料費の高さです。
また選べる素材も限られています。
小型で精巧な造形物を出力するには申し分ないのですが、大型の造形物を印刷したい時や、強度や柔軟性などの質感を追求する場合は別の手段も視野に入れる必要があるかもしれません。
光造形の3Dプリンターの選び方
本体価格で選ぶ
10万円以下の導入機
近年は特許切れの影響もあり中国メーカーの10万円以下の光造形の3Dプリンターが次々と発売されています。
手軽に高品質の造形物を印刷できるものの、プラットフォームからの脱落やレジン温度の管理が難しく、失敗しながら精度を高めていく事になります。
またサイズの制約があり造形物はスマートフォン程度のサイズまでがほとんどです。小型の造形物を趣味で印刷するならこの価格帯で十分です。
20〜100万円のミドルスペック機
20万〜100万円の価格帯のものであれば造形サイズも30cmを超えるモデルもあるので活用の幅がグンと広がります。
また、レジンの種類も豊富にあるのでゴムライクな製品を印刷することも可能です。
印刷時のレジンの温度管理や補充が自動化されているモデルもあり、安定性抜群です。事業化するのであれば選ぶのはこの価格帯になることがほとんどです。
1000万円以上のハイエンド機
ミドルスペックの精度と安定性、印刷スピードを最高まで高めたモデルでメーカーなどで最終品の生産装置として導入されたり、1mを超える造形物を印刷して改発に活かすケースなどがあります。
目的で選ぶ
3Dプリンターを事業に使うのか、趣味に使うのかといった用途をしっかりと見据えた機種選びをしましょう。
印刷スピードや印刷サイズ、造形物の強度や柔軟性がいるのかによっても機種選びに大きく影響します。
何をどのくらい印刷したいのかを具体的に描ければ自ずと必要なスペックが見えてきます。
メーカーで選ぶ
価格の低い3Dプリンターの多くは中国メーカーで占められています。
中には日本語マニュアルが無かったり、問い合わせ窓口も日本語対応していないケースもあります。
国内に販売代理店を置いていたり、日本語対応できる体制があるのか、消耗品の入手しやすさなどでメーカーを選定しましょう。
【エントリーモデル】光造形の3Dプリンターおすすめ4選
【ANYCUBIC】
Photon S(B087G131YC)
〈造形サイズ 115mmx65mmx165mm〉
圧倒的な低価格を実現してくれていて、3Dプリンター入門には最適な機種です。デュアルリニアレールで安定した印刷を実現します。
【ELEGOO】
Mars 2 Pro(JP-EL-3D-M2P)
〈造形サイズ 129x80x160mm 〉販売実績が多い人気のELEGOOのエントリーモデルです。
サポート体制もしっかりしているのはもちろんですが、口コミやコミュニティで経験談などの情報が多いのが初心者には心強い機種です。
【ELEGOO】
Saturn(JP-EL-3D-093)
〈造形サイズ 192x120x200mm 〉
こちらも安心のELEGOOですが、Mars 2 Proよりも1回り大きい造形サイズでアイデアが広がります。
大きめのものも印刷したくなるのは必然なので、資金的な余裕があれば最初からこちらでもいいかもしれません。
【NOVA3D】
WHALE2(NV-W2-RE01#JP)
〈造形サイズ 192x120x250mm 〉
ELEGOO Saturnと比べ造形サイズが50mm高く、かつ印刷スピードも速いので、英語マニュアルと動画で大丈夫であればおすすめです。
【ミドル〜ハイスペック】光造形の3Dプリンターおすすめ4選
【Formlabs】
Form3(F3-Printer)
〈造形サイズ 145×145×185 mm〉
ミドルスペックにおいて圧倒的な世界シェアを誇るFormlabsの特徴は安定性と自動化です。
レジンの温度管理や補充も自動なので、カートリッジを差し込んで出力するだけできちんと印刷できるのが魅力です。
レジンの種類も豊富で実用的です。
【Formlabs】
Form3L(F3L-Printer)
〈造形サイズ 300×225×200mm〉
Form3の性能はそのままに造形サイズが大きくなったモデルがForm3Lです。
ヘルメットサイズの物も印刷可能になるので、より幅広い用途に活用できます。
【EnvisionTEC】
VECTOR 3SP
〈造形サイズ 300×200×275mm〉
独自の3SPという技術で精度を落とすことなく印刷スピードの高速化が実現されています。
RICOHが販売代理店としてサポートについてくれるのは心強い限りです。
【Stratasys】
Stratasys Origin One
〈造形サイズ 192x108x370mm〉
ポリジェット3DプリントをリードするStratasys初の光造形式で最大100㎜/hの印刷速度が出せる上に複数台を1ユニットとして稼働させる事で量産化も可能にしています。
【ハイエンド】光造形の3Dプリンターおすすめ4選
ハイエンドモデルの光造形式3Dプリンターと言えば3Dsystemsです。
最終品レベルの印刷が可能な3機種をご紹介いたします。
【3Dsystems】
ProJet® 6000/7000
〈造形サイズ 250×250×250mm/380×380×250mm〉
ハイエンドモデルの中でも最もコンパクトなProJet® 6000は80cm四方のスペースに設置できて、25.4mm寸法当たり0.025-0.05mmの精度で印刷が可能です。
【3Dsystems】
ProX™ 800
〈造形サイズ 650×750×550mm〉
大型の造形物の印刷が可能なProX™ 800も精度は高く、レジンの種類も豊富で生産現場に革命が起きるのは間違いありません。
【3Dsystems】
ProX™ 950
〈造形サイズ 1500×750×550mm〉
驚異の1.5mの造形サイズを実現しています。そして価格も5,500万円。
一度はこんなに大きな物を最終品として印刷してみたいものです。
まとめ
光造形の3Dプリンターは価格と精度と安定性、造形サイズが比例します。
なので、目的をはっきりとさせて、どこまでの性能が必要なのかを明確にして選ぶ事が大切です。
使っていく中で必要に応じてスペックを上げるのが賢い選択と言えそうです。
光造形の3Dプリンターの購入で失敗しないために、各ショッピングサイトのレビューもしっかり確認して自分にピッタリなモノを見つけましょう。
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