20年前だと家で3Dモデルがプリントできるなんて夢のような話でしたが、近年は3Dプリンターの小型化、低価格化が進み、完成度も年々上がってきていて成熟期を迎えつつあります。
その中でもプリント精度の高さと安さで注目の光造形式の3Dプリンターに絞ってコスパ最強のおすすめ3Dプリンター3選をご紹介します。
目次
家庭用3Dプリンターとは?
3Dプリンターとは産業界では1980年代から実用化され始めた、3次元のデータをもとに物体をつくりだす機械のことです。
2000年代頃までは特許の関係もあり、1台数百万円という規模だったものが、2010年頃から小型の数万円〜数十万円のモデルが続々と発売され市場は家庭用にまで広がりました。
しかし、その頃の製品の多くは調整が難しかったり、部品の不具合があったりとトラブルに事欠かないような状況でした。
近年では組み立て要らずで調整も簡単な機種が増えてきて本格的に家庭用としての用途に応えられる市場に育ってきた印象です。
モデリングソフトも充実してきていて手軽にスマホカバーやフィギュアなどを制作する人口は着実に増加しています。
身近なおもちゃのパーツやお菓子の抜き型など、アイデアを自宅ですぐに形にできるというのが家庭用3Dプリンターの最大の魅力です。
3Dプリンターは高い安いで何が変わる?
まず、自分で組み立てるタイプのプリンターは比較的安い傾向にあります。
しかし、その分トラブルも多く、運用中のメンテナンスもなかなか苦労することが多いのが現実です。
一方で組み立て要らずでしっかりと筐体に収まったタイプは調整も少なく安定感は高いです。
次に、マニュアルやアフターサービスの違いです。
安いモデルの多くは中国語か英語のマニュアルでアフターサービスも期待できません。
これまでも多くの方がこの苦難に立ち向かってきました。
工作機械に詳しい方以外は組み立てるタイプのプリンターは避けた方が無難です。
また、プリント可能サイズの大きい機種ほど値段は高くなります。
ただし、一度に大きくプリントすると歪みや反りが起きやすいので、結局パーツに分けるなどして最大範囲でプリントしない事も多いのでサイズに関してはよく検討する必要があります。
さらに、最新の機種は造形スピードが格段に速くなっています。
3Dプリンターの相場価格!安いの基準は?
家庭用3Dプリンターの相場は1.5万〜7万円程度です。
最新機種はスピードも精度も上がっていて、その他の細かなバージョンアップもされているので、使いこなせる方は機能的な頭打ちが来るまでは最新機種を選んだ方が満足度は高くなるはずです。
プリント精度、アフターサービス、メンテナンスの3点を軸に口コミや問い合わせなどをもとに、どのメーカーにするのか、どの機種にするのか選んでいきましょう。
家庭用3Dプリンターの基本的な選び方
メーカーで選ぶ
値段が安いものは説明書が日本語対応していなかったり、アフターサービスがなく故障してそのまま使えなくなるケースも多いので、しっかりと日本語対応したメーカーあるいは販売店からの購入をお薦めします。
機種違いの口コミでもメーカーの対応は大きく変わらないので参考にしましょう。
造形方式で選ぶ
家庭用3Dプリンターはフィラメントを使う『熱溶解積層方式』とレジンをつかう『光造形方式』に分かれます。
プリンター本体もフィラメントなどのランニングコストも『熱溶解積層方式』の方が安く、造形サイズの大きい機種が充実しています。
『光造形方式』は積層痕が少なく精度が高いものの、レジンなどのランニングコストは高くなります。
小さく複雑な造形であれば『光造形方式』を選びましょう。
値段で選ぶ
3Dプリンターも年々進化していて特に顕著なのがプリントスピードです。
最新機種は『従来品の3倍のスピード』をうたっているものもある程にプリントスピードは向上しています。
裏を返すとスピードを我慢して1世代前の機種を選べば1〜2万円安く購入できます。
導入機種としてコスパ重視の方にお薦めの選び方です。
コスパ最強の安い3Dプリンターおすすめ3選
【ANYCUBIC】
Photon Mono (Photon Mono-01)
ANYCUBICは低価格高品質のプロダクトをコンスタントに発売していて、日本語でのフォローアップ体制も構築されていて安心です。
現在は小型の造形に強い高価な高性能DLPの価格破壊を起こしているメーカーです。
今回のおすすめ機種はそんな攻めているメーカの人気LCD機でAmazon’sChoiceに入っているPhoton Monoです。
レジンの単一層の露出時間が1.5秒と早いのが特徴です。
【ELEGOO】
Mars 2 Pro(JP-EL-3D-M2P)
ELGOOは3Dプリンターやレジンやフィラメントなどの販売でお馴染みのSK本舗とタッグを組んで、しっかりと日本市場に乗り込む姿勢が伺えます。
今回のおすすめ機種はAmazon3Dプリンタ本体部門ベストセラー1位Mars 2 Proです。
安定したプロダクトと日本語UIや日本語のフォローアップ体制の安心感が人気の秘密かもしれません。
【NOVA3D】
BENE5(NV-B5-YL01#JP)
NOVA 3D のBENE5の特徴はWi-Fiでのデータ送信とUV遮断カバーの開閉がヒンジ式という点。
非常に地味な違いですが、作業中はどちらも煩わしいもので、細やかな心遣いがありがたいですね。
ただし、スライサーソフトが自社製で少しクセが強めです。Twitterの日本語アカウントもあるので困った時はここに聞けば良さそうです。@nova3dofficial
【Qplus】
CREALITY (CL-60)
熱溶解積層方式の3Dプリンターには定評のあるQplusの光造形方式3Dプリンターです。
こちらもWi-Fi対応で、OTAオンラインアップグレードで最新のファームウェアが提供されるのが特徴です。
日本語マニュアルが無かったり、情報が少なく初心者にはなかなか厳しいですが圧倒的な価格の安さは見逃せません。
【QIDI TECH】
Shadow 5.5 S(shadow 5.5S-01)
QIDITECHは大型の3Dプリンターのラインナップの多いメーカーですが、 Amazon’sChoiceに入っているこの機種は英語マニュアルで部品の購入もebayがメインになります。
少々ハードルは高いものの価格は魅力的です。
まとめ
イメージを自宅ですぐに形にできる家庭用3Dプリンターの中から、セットアップの簡単さと精度の高さからコスパ最強の5機種をご紹介しました。
使い勝手やトラブル時の日本語対応などに違いがあるものの、各機種とも精度には一定の水準は満たしています。
ネットで検索すれば無料のモデリングソフトや造形データが入手できますので、すぐに始められるのが嬉しいですね。
3Dプリンターが一家に一台の時代もそう遠くはないはずです。
安い3Dプリンターの購入で失敗しないために、各ショッピングサイトのレビューもしっかり確認して自分にピッタリなモノを見つけましょう。
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