ロードバイクに乗り始めて多くの方がまず感じる問題が、サドルによってお尻が痛くなってしまうことです。
ロードバイク用のサドルはクッション部分が薄いため振動がダイレクトに伝わりやすく、どうしても痛みが出てきてしまいます。
特に長距離や悪路の走行では、お尻や骨盤に加わる衝撃が増し、ロングライドのやる気が削がれてしまいがちです。
そこで今回は、お尻に優しく、長距離の移動でも痛くないサドルを厳選して紹介していきます。
目次
- 1 なぜお尻が痛くなるのか
- 2 痛くないロードバイク用サドルを使うメリット
- 3 痛くないロードバイク用サドルを使うデメリット
- 4 痛くないロードバイク用サドルの選び方
- 5 痛くないロードバイク用サドルおすすめ10選
- 5.1 【SELLE ITALIA】LADY Gel TM FLOW(022H601IHC002)
- 5.2 【SELLE ITALIA】SLR Boost TM Superflow(SI504325)
- 5.3 【selle sanmarco】Aspide Short Supercomfort Racing(22002423)
- 5.4 【SERFAS】MH-RX ハイパフォーマンス(MH-RX)
- 5.5 【SERFAS】E-GEL(EG-8240C)
- 5.6 【GORIX】自転車サドル 穴あき柔らかい お尻痛くない クッション(GX-C19)
- 5.7 【SELLE SMP】HYBRID(HYBRID03-NE)
- 5.8 【FIZIK】VENTO ARGO R5(F1925140)
- 5.9 【SELLE ROYAL】R.E.MED 2
- 5.10 【Prologo】Dimension Nack(DIMENA3HB80-AM)
- 6 まとめ
なぜお尻が痛くなるのか
サドルの厚さや形状が違う
シティサイクルに乗っていた時は気にならなかったのに、ロードバイクに乗ったらお尻が痛すぎるという方は非常に多いです。
シティサイクルのサドルは、クッション部分が肉厚でお尻との接地面積が広いため、痛くなりにくい設計となっています。
ロードバイクのサドルはクッション部分が薄く、縦長ですので座骨や恥骨、尿道に痛みを感じる方がいます。
ライディングフォームが不適切である
シティサイクルとロードバイクでは走行時の姿勢が全く異なるため、同じ感覚で乗っているとお尻や腰が痛くなりがちです。
骨盤は起こしすぎず倒しすぎず、乗車位置も前過ぎず後ろ過ぎず、自然な位置をキープして走る練習をする必要があります。
フォームが不適切だとお尻だけで荷重を受け止めるため、ハンドル部分とペダル、サドルの3点で分散させるイメージが重要です。
サドルのセッティングが不適切である
フォームに問題ないのにお尻が痛くなる場合は、サドルそのもののセッティングが合っていない可能性も考えられます。
サドルは、レールとシートポストで前後や角度が調整できるようになっていますので、自身の体格にあわせることが重要です。
ただ、適当にいじっていると元のポジションが分からなくなりますます迷走するので、ショップ店員にお任せするのが無難です。
痛くないロードバイク用サドルを使うメリット
ロングライドが楽になる
サドルを変えると当然ながら痛みが緩和されますので、ロングライドでもお尻が痛みを気にせず走りに集中できます。
痛みによるストレスは走行距離が長くなるほど気になりますので、ロングライド好きの方にとってサドルは特に重要なパーツです。
また、骨盤への振動も緩和される場合がありますので、腰痛持ちの方にも一定の効果があり、交換がおすすめです。
お尻以外の痛みも緩和される場合がある
お尻が痛くなってくると、そこを庇おうとして手首や膝、腰等その他の部位に負担がかかり痛みが出現する場合があります。
サドルを変えて、かつ正しいフォームを意識することで、荷重が分散され、結果全体的な痛みの緩和が期待できます。
お尻が痛かったんだけど乗ってたらほかの部分まであちこち痛くなってきたという方には、サドルの交換がおすすめです。
コスパがいい
レース用のカーボン製サドルや、軽量化のため肉抜きされたサドル等を見ると非常に高額で驚く方も多くいます。
ですが、クッション性がよくグランドツーリングを意識したものは、比較的安価に購入でき、コスパも良いためおすすめです。
サドルは乗り心地に直結するパーツですので、速さだけでなくコンフォート性も求める方には有意義なカスタムになります。
痛くないロードバイク用サドルを使うデメリット
痛みが解消されない場合がある
せっかくサドルを買い替えたものの、新しいサドルでも痛みが一向に改善されないケースもあり、非常に後悔へと繋がります。
お金の無駄遣いにもなってしまいますので、まずはフォームや癖の見直しからしていくのが重要です。
また、お尻が痛いと思っても実際の原因は骨盤や股関節などのお尻以外に痛みがある可能性も考える必要があります。
乗り心地を試す機会が少ない
サドルを変えようと思っても、実際に座って走ってみないことには自分に合ったものなのか分からないと思います。
しかし、他のサドルの試乗や座り心地を試せる機会は残念ながらそう多くないのが難点です。
ですので、座り心地の好みや、お尻のどの辺が痛くなるのかをショップ店員に相談し、一緒に選んでもらうのがおすすめです。
正しいライディングフォームが身につかない場合がある
正しいフォームが獲得できないと、腰や手足の関節など様々な部分に負担がかかるため注意が必要です。
サドルを変えてお尻が痛みが緩和されると、不適切なフォームでも痛みが出にくいため、フォームが改善されない場合があります。
上手くなるためにも、身体の負担を減らすためにも、正しいフォームの会得は非常に重要であることを理解しておくべきです。
痛くないロードバイク用サドルの選び方
クッション素材で選ぶ
サドルのパッド部分に使われているクッション素材に着目してサドルを選ぶのも、重要な選び方と言えます。
とにかく硬いサドルが受け付けないという方には、ゲル(シリコン)素材のパッドがおすすめです。
また、走行時に適度な反発感が欲しい方には、ウレタンやポリマーがおすすめの素材と言えます。
座面の形状で選ぶ
ロードバイク用サドルの座面形状は様々ですので、お尻のどの部分が痛くなるのかによってサドルを選ぶのが重要です。
座位時に体重を支持する坐骨結節が痛む場合には、横座面が湾曲している「ラウンド型」をおすすめします。
また、長時間走っていると尿道部が痛むこともよくありますが、そういった場合はセンターが肉抜きされた「穴あき型」が有効です。
女性の場合は、股間の圧迫感が男性より少ないため、立て座面がまっすぐな「フラット型」がおすすめです。
メーカーで選ぶ
サドルの選び方がよく分からないという方は、メーカーから選ぶのというのも有効な手段と言えます。
イタリアの大手メーカー「セライタリア」、「セラサンマルコ」は質感が高くプロでも使われているためおすすめです。
「フィジーク」も高品質でおすすめですが、レーシーで薄いサドルが多く、価格設定も高めとなっています。
ロードバイク用サドルの価格帯
レース用のカーボン製サドルやハイブランドのサドルを見ると、定価5万円前後の商品もあり驚かれるかと思います。
しかし、お尻に優しいコンフォート性の高いモデルや、グランドツーリング的なモデルの場合1~2万円台で購入可能です。
長距離を快適に乗るためのサドルが欲しい場合、そこまで予算を多く見積もる必要はないので安心です。
痛くないロードバイク用サドルおすすめ10選
製品名 | 重量 | サイズ | トップ素材 | レール素材 |
---|---|---|---|---|
SELLE ITALIA LADY Gel FLOW | S:275g L:285g | S:135 x 262mm L:160 x 262mm | シリコンゲルパッド | 中空マンガネーゼ(マンガン添加クロモリ鋼) |
SELLE ITALIA SLR Boost TM Superflow | S:208g L:210g | S:130 x 248mm L:145 x 248mm | Soft-tek(ポリウレタン) | 中空マンガネーゼ(マンガン添加クロモリ鋼) |
selle sanmarco Aspide Short Supercomfort Racing | ナロー(S):220g ワイド(L):223g | S:140 x 250mm L:155 x 250mm | ビオフォーム(ポリウレタン)、シリコンゲルパッド | エクシーライト(ステンレス鋼) |
SERFAS MH-RX ハイパフォーマンス | 408g | 265 × 160mm | シリコンゲルパッド | クロモリ |
SERFAS E-GEL | (メンズ):510g (レディース):580g | 267 × 170mm | シリコンゲルパッド | スチール |
GORIX 自転車サドル 穴あき柔らかい お尻痛くない クッション | 330g | 150 × 275mm | ポリウレタン | スチール |
SELLE SMP HYBRID | 300g | 275 × 140mm | ポリウレタン | ステンレス鋼 |
FIZIK VENTO ARGO R5 | 225g(140mm) 232g(150mm) | 265 × 140mm 265 × 150mm | Type 1 foam(ポリウレタン) | S-Alloy rail(強化合金) |
SELLE ROYAL R.E.MED 2 | 330g | 280 × 145mm | 記載なし | 記載なし |
Prologo Dimension Nack | 155g | 245 × 143mm | ライトフォーム(ポリウレタン) | カーボン |
【SELLE ITALIA】
LADY Gel TM FLOW(022H601IHC002)
LADY GEL FLOWは女性向けに設計されたモデルで、ゲルパッドとふかふかなクッション材が人気のサドルです。
また、ショックアブソーバーがついているため、路面からの突き上げや振動にも瞬時に対応してくれます。
レース志向の強いSELLE ITALIA ですが、こちらの商品はグランドツーリングを意識したお尻に優しい商品です。
重量 | S:275g , L:285g |
---|---|
サイズ | S:135 x 262mm , L:160 x 262mm |
パッドタイプ | シリコンゲルパッド |
レール素材 | 中空マンガネーゼ(マンガン添加クロモリ鋼) |
【SELLE ITALIA】
SLR Boost TM Superflow(SI504325)
SLRはセライタリアの代表的モデルで非常に人気ですが、その中でショートタイプにあたるサドルです。
ショートタイプのためお尻のおさまりが良く、恥骨や尿道が痛くなりにくいために尿道の痛みが気になる方におすすめします。
また、コンフォート性はありながらも重量が200g台と非常に軽量のため、車重の増加も気にせずに済みます。
重量 | S:208g , L:210g |
---|---|
サイズ | S:130 x 248mm , L:145 x 248mm |
パッドタイプ | Soft-tek(ポリウレタン) |
レール素材 | 中空マンガネーゼ(マンガン添加クロモリ鋼) |
【selle sanmarco】
Aspide Short Supercomfort Racing(22002423)
セラサンマルコも人気のメーカーですが、その中でもコンフォート性を重視したのがこちらのサドルです。
スーパーコンフォートの名にふさわしく、ビオフォームプラスと呼ばれる分厚いパッド素材を使用しているため快適です。
センターにはホールが開けてあるため尿道の痛みも抑えられ、長距離走行の負担も軽減してくれます。
重量 | ナロー(S):220g , ワイド(L):223g |
---|---|
サイズ | S:140 x 250mm , L:155 x 250mm |
パッドタイプ | ビオフォーム(ポリウレタン)、シリコンゲルパッド |
レール素材 | エクシーライト(ステンレス鋼) |
【SERFAS】
MH-RX ハイパフォーマンス(MH-RX)
分厚いクッション材を取り入れたロングツーリング用のサドルで、適度な反発感が特徴のサドルです。
その分重量は他のサドルと比べても重めになっていますが、それを補って余りあるコンフォート性があります。
長時間乗れば乗るほど、他のサドルとの疲れ具合の違いが明確に体感できるおすすめの商品です。
重量 | 408g |
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サイズ | 265 × 160mm |
パッドタイプ | シリコンゲルパッド |
レール素材 | クロモリ |
【SERFAS】
E-GEL(EG-8240C)
クッション性がダントツで、座面がお尻に吸い付くような柔らかな座り心地が特徴のサドルです。
表面はソフレックス素材と言われる伸縮性に優れた素材が使われており、フィット感の向上に貢献しています。
ただ、重量が500gオーバーと流石に他のサドルと比べても重さが気になる点は注意が必要です。
重量 | (メンズ):510g , (レディース):580g |
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サイズ | 267 × 170mm |
パッドタイプ | シリコンゲルパッド |
レール素材 | スチール |
【GORIX】
自転車サドル 穴あき柔らかい お尻痛くない クッション(GX-C19)
定価3千円以下と破格でありがら、クッション材が非常にふかふかで乗り心地に優れたコスパの高いサドルです。
またカラーバリエーションも24色と豊富なため、自身のロードバイクに合わせたカラーを選ぶことができます。
非常に安い商品のため、とりあえず試しに買って使ってみるというのも選択肢の一つだと思います。
重量 | 330g |
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サイズ | 150 × 275mm |
パッドタイプ | ポリウレタン |
レール素材 | スチール |
【SELLE SMP】
HYBRID(HYBRID03-NE)
コンフォート性とスポーツ性を両立させたサドルで、乗り心地に優れたおすすめの商品です。
パッドは肉厚ですが重量は300gに抑えられていて、車重の増加も気にせず付け替えることができます。
座り心地は柔らかすぎず適度な反発感もあるため、柔らかすぎる素材が苦手な方にもおすすめです。
重量 | 300g |
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サイズ | 275 × 140mm |
パッドタイプ | ポリウレタン |
レール素材 | ステンレス鋼 |
【FIZIK】
VENTO ARGO R5(F1925140)
ショートノーズのレーシングサドルで、エアロダイナミクスに優れたシャープな形状が特徴です。
Type 1 foamとよばれるフィジーク独自のパッドは、比較的薄めながら弾力があり、長時間の走行に適しています。
レーシングサドルのため乗り心地は硬めですが、適切なポジションとなると安定感が増し、痛みも気にならないためおすすめです。
重量 | 225g(140mm), 232g(150mm) |
---|---|
サイズ | 265 × 140mm , 265 × 150mm |
パッドタイプ | Type 1 foam(ポリウレタン) |
レール素材 | S-Alloy rail(強化合金) |
【SELLE ROYAL】
R.E.MED 2
セラロイヤルは世界最大規模のサドルメーカーで、座り心地やコンフォート性に定評があります。
R.E.MED2は、定価5千円以下でありながらパッドが非常に柔らかく、長距離の走行でも苦痛を感じにくい工夫がされています。
セラロイヤルのスポーツ版がフィジークとなりますので、コンフォート性を求めるのであればセラロイヤルのほうがおすすめです。
重量 | 330g |
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サイズ | 280 × 145mm |
パッドタイプ | 記載なし |
レール素材 | 記載なし |
【Prologo】
Dimension Nack(DIMENA3HB80-AM)
定価3万円超と高額なカーボン製レーシングサドルで、重量はわずか155gと圧倒的に軽量な商品です。
レースを考慮した設計がされていますが、ショートノーズで幅も143mmとややワイドなため、街乗りでも快適に走行できます。
値段は高額ですが、デザインや強度、快適性すべてにおいて調和のとれたサドルですので、ぜひおすすめしたい商品です。
重量 | 155g |
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サイズ | 245 × 143mm |
パッドタイプ | ライトフォーム(ポリウレタン) |
レール素材 | カーボン |
まとめ
お尻が痛くなる場合サドルそのものを見直すのは重要ですが、せっかく買ったものも合わなければ無駄な出費となってしまいます。
新しいサドルへ買い替える前に、まずは今のサドルのセッティングや、自身のフォームを見直すことが最優先です。
それらの課題を全て解決してもなお痛みが気になる場合の最終手段として、サドルの交換をおすすめします。
痛くないロードバイク用サドルの購入で失敗しないために、各ショッピングサイトのレビューもしっかり確認して自分にピッタリなモノを見つけましょう。
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