ロードバイクは数え切れないほどの部品が組み合わさってできており、それぞれの部品が適切に動くことが重要です。
ネジで固定している部品や、ベアリングが使われている部品には、グリスと呼ばれる半固形状の潤滑油を使うことで、性能を維持し寿命を長くします。
この記事では、ロードバイク用のグリスをお探しの方に向けて、グリスを使うメリットとデメリット、選び方のポイントを解説します。
記事の最後には、メンテナンスにおすすめのグリス10選もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
- 1 ロードバイク用グリスを使うメリット
- 2 ロードバイク用グリスを使うデメリット
- 3 ロードバイク用グリスの選び方
- 4 ロードバイク用グリスおすすめ10選
- 4.1 【シマノ】ルブリカント プレミアムグリス 50g(Y04110000)
- 4.2 【シマノ】ルブリカント プレミアムグリス 100g (Y04110200)
- 4.3 【シマノ】SIS-SP41用グリス(Y04180000)
- 4.4 【フィニッシュライン】セラミックグリス 60g(CG0020101)
- 4.5 【フィニッシュライン】プレミアムテフロン強化グリース 100g(TOS07600)
- 4.6 【フィニッシュライン】プレミアムテフロングリス 457g(G00010301)
- 4.7 【AZ】BGR-006 自転車用 レーシンググリース 50g(BG093)
- 4.8 【MORGAN BLUE】コンペティションカンパグリス(MB-CCG)
- 4.9 【PARKTOOL】ロードバイクメンテナンス用グリス (PPL-1)
- 4.10 【スズキ機工】LSベルハンマーグリースNo.2ボトル50ml(Lsbh16)
- 5 まとめ
ロードバイク用グリスを使うメリット
部品の動きを滑らかにする
「グリス」は潤滑油を意味する英語ですので、主な目的は部品の動きを滑らかにすることです。
特に、ボトムブラケットやヘッドパーツ、ハブなどのベアリングが使われている部品に塗布することで、回転性能を保ちます。
ロードバイクのベアリング部に使われているグリスは、使えば使うほど劣化していきますので、定期的な塗り直しが必要です。
水分によるサビを防止する
グリスは潤滑剤としてだけでなく、固着防止剤としての効果も大切です。
主にステムやペダル、クランクなどに使われているネジの接合部は、水が侵入しサビが発生してしまうと、部品とネジが固着してしまいます。
あらかじめネジの接合部にグリスを塗布することで、水分の侵入をブロックしサビを防止することで、固着を防ぐことができます。
パーツの消耗を抑える
グリスが取れてきた部品は、部品同士の摩擦が増えるため摩耗するスピードが早くなってしまいます。
そこで、グリスを塗布すると性能を維持するだけでなく、部品の摩耗を抑えることができるため、結果的に部品を買い替えるコストの削減にも繋がります。
特に、レースなどの高負荷がかかればかかるほど、グリス不足による摩耗のスピードが早めるため、グリスの塗り直しが大切です。
カーボンバイクの組み上げに必須
カーボンバイクを自力で組み上げる予定であれば、カーボン用のグリスが必須です。
軽量なカーボンフレームは昨今主流のフレームですが、組み立ての際には、カーボンが破損しないように適切なトルク管理が必要です。
カーボン用のグリスはあえて摩擦係数を上げることで、低いトルクでも部品をしっかりとフレームに固定できるようになります。
ロードバイク用グリスを使うデメリット
グリスを使い分ける知識が必要
ひとえにグリスといっても、用途や目的によってグリスを使い分ける必要があります。
たとえば、ベアリングなどに使用する潤滑剤としてのグリスと、ネジなどの固定部に使用する固着防止剤としてのグリスは異なります。
また、グリスの硬さによっても得られる効果が変わるなど、グリスは商品により特性がかなり異なる点が特徴です。
人によっては、これらの使い分けを調べることが煩雑に感じてしまうでしょう。
部品によっては塗るのに手間がかかる
グリスは塗る場所が多いため、塗る作業には多少の慣れが必要です。
ネジなどにグリスを塗布するのはそこまで手間はかかりませんが、BBなどベアリング部に塗るためには、部品を解体する必要があります。
ロードバイクの解体や組み立ての自信がない方は、一度プロショップやメンテナンスに詳しい人から教わる方が無難でしょう。
塗りすぎにも注意が必要
初心者の場合、グリスは塗れば塗るほど滑らかになり、長持ちすると考えてしまいがちです。
しかし、グリスを塗る際には適量を守ることが大切で、量が少なすぎることはもちろん、多すぎても適切な効果は得られません。
グリスを塗りすぎると、砂埃などが付着しやすくなり部品が汚れたり、グリスが溢れることで周囲を汚してしまう恐れがあります。
ロードバイク用グリスの選び方
グリスの原料を確認する
グリスは、使われている原料によって特性や寿命の長さなどが異なります。
表現の仕方はメーカーやサイトによって差がありますが、「リチウム系」「テフロン系」「シリコン系」「モリブデン系」などの種類があります。
リチウム系は寿命が長い一方雨には弱いなど、原料によって強みや弱みが異なりますので、使用する部品にあったグリスを選ぶようにしましょう。
グリスの硬さを確認する
グリスの硬さは、大まかに「硬い」「柔らかい」「中間程度」の3つに分けることができます。
硬いタイプは固形に近く、潤滑効果が高く摩耗を防げる効果がありますが、塗る際には硬く扱いづらいというデメリットもあります。
柔らかいタイプは粘度が低く、パーツに馴染みやすく扱いやすい一方、水により流れやすい点がデメリットです。
中間程度のタイプは半固体状で、扱いやすさと寿命のバランスを取ったグリスです。
グリスの特性を確認する
グリスはロードバイクの動きを滑らかにすることが目的ですが、その目的を実現するためにグリスにはさまざまな特性を備えています。
例えば、グリスの特性には、耐熱性や耐摩耗性、耐水性や防錆性などが挙げられます。
全てにおいて万能なグリスはありませんので、グリスを使用する部品や、メンテナンスの頻度などを総合的に考えてグリスを選ぶことがおすすめです。
ロードバイク向けグリスに強いメーカーから選ぶ
グリスは工業用品のため、自動車やバイク用としても数多く販売されています。
ですが、ロードバイク用のグリスをお探しであれば、ロードバイク向けにグリスを販売しているメーカーがおすすめです。
品質のいいグリスをラインナップする最も有名なメーカーは、コンポ最大手のシマノです。
また、チェーンオイルでも有名なフィニッシュラインや、工業用グリスを展開するAZなども、高品質なロードバイクグリスを販売しています。
ロードバイク向けグリスの価格帯は?
ロードバイク向けのグリスは、もちろん品質によっても価格帯は変わりますが、基本的には内容量によってかなり金額が異なります。
チューブタイプの少量のグリスであれば1000〜2000円前後から購入できるものが一般的です。
一方、蓋付きの容器に入っているような大容量のグリスは、量が多い分5000円から10000円程度します。
グリスは日常的に使うものではないため、初めて購入される方は少量のグリスがおすすめです。
ロードバイク用グリスおすすめ10選
メーカー・製品名 | 内容量 | 用途 | 機能 |
---|---|---|---|
シマノ ルブリカント プレミアムグリス | 50g | 万能タイプ | 耐水性、耐熱性、耐圧性、高耐久 |
シマノ ルブリカント プレミアムグリス | 100g | 万能タイプ | 耐水性、耐熱性、耐圧性、高耐久 |
シマノ SIS-SP41用グリス | 50g | シフトケーブル | 耐水性、耐熱性、耐圧性 |
フィニッシュライン セラミックグリス | 60g | ベアリング、コラム、ネジ接合部など | 耐摩擦、耐熱、潤滑 |
フィニッシュライン プレミアムテフロン強化グリース | 100g | ベアリング、コラム、ネジ接合部など | 耐摩擦、耐熱、耐摩耗、潤滑 |
フィニッシュライン プレミアムテフロングリス | 457g | ベアリング、コラム、シートポスト、ネジ接合部など | 耐摩擦、耐熱、耐摩耗、潤滑 |
AZ BGR-006 自転車用 レーシンググリース | 50g | ベアリング、ボトムブラケット、ハブ、ヘッドなど | 潤滑、防錆、低摩擦 |
MORGAN BLUE コンペティションカンパグリス | 200ml | ベアリング、ボトムブラケット、ハブ、ホイールなど | 潤滑、耐錆、耐摩耗 |
PARKTOOL(パークツール) ロードバイクメンテナンス用グリス | 113g | 万能タイプ | 耐熱性、耐水性、耐摩耗性 |
スズキ機工 LSベルハンマーグリースNo.2ボトル | 50g | ベアリング | 潤滑性、防湿、防錆、浸透 |
【シマノ】
ルブリカント プレミアムグリス 50g(Y04110000)
国内最大手のサイクルパーツメーカーであるシマノが販売する高品質なプレミアムグリスです。
ハブやボトムブラケット、ベアリングをはじめ、ボルトなどの固定部分や、樹脂やゴム等にも使用できる万能タイプとなっています。
耐水性、耐熱性、耐圧性にも優れ、抜群の耐久力を誇ります。
少々価格は高めですが、グリスに迷った方はこちらを選べば間違いありません。
内容量 | 50g |
---|---|
用途 | 万能タイプ |
機能 | 耐水性、耐熱性、耐圧性、高耐久 |
【シマノ】
ルブリカント プレミアムグリス 100g (Y04110200)
高頻度でメンテナンスを行う方でシマノの最高級ルブリカントグリスをお求めなら、チューブ入りのこちらのモデルがおすすめです。
ボトルタイプと比べて2倍量の100g入っていますが、価格差は少なくコスパが高くなっています。
チューブタイプのため、塗りたい箇所にも出しやすく使い勝手も良いグリスです。
メンテナンス頻度が低い方は使いきれないとの声もありますので、ご注意ください。
内容量 | 100g |
---|---|
用途 | 万能タイプ |
機能 | 耐水性、耐熱性、耐圧性、高耐久 |
【シマノ】
SIS-SP41用グリス(Y04180000)
シマノのシフトケーブル用のグリスです。
インナーケーブル交換時に塗布することで摩擦抵抗を低減し、シフトを格段に軽くしてくれます。
摩擦抵抗を軽減することによって、ケーブル自体の寿命も伸ばすことができます。
耐水性、耐熱性、耐圧性にも優れるため、シフトケーブル交換時に一度塗布すれば、次のケーブル交換まで問題なく使えると好評です。
内容量 | 50g |
---|---|
用途 | シフトケーブル |
機能 | 耐水性、耐熱性、耐圧性 |
【フィニッシュライン】
セラミックグリス 60g(CG0020101)
チェーンオイルでのシェアが高いフィニッシュラインのセラミックグリスです。
超微粒子セラミック、高度なフッ素樹脂、プレミアム合成油によって作られており、優れた潤滑性を持ちます。
ベアリングに塗布すれば、セラミック粒子のコーティングにより摩擦と熱を消散し、ベアリングをよりスムーズに、より長持ちさせます。
ステアリングコラム、シートポスト、ネジ山への使用も可能です。
内容量 | 60g |
---|---|
用途 | ベアリング、コラム、ネジ接合部など |
機能 | 耐摩擦、耐熱、潤滑 |
【フィニッシュライン】
プレミアムテフロン強化グリース 100g(TOS07600)
アメリカの大手化学メーカーであるデュポン社のテフロンを配合した、フィニッシュラインのプレミアムテフロングリスです。
合成テフロングリスがベアリングなどのサイクルパーツを包み込み、磨耗やサビから守ります。
ASTM塩水噴霧試験にも合格しており、過酷な環境でも長持ちする高機能タイプとなっています。
多くのロードバイクメーカーや、欧州のプロチームにも選ばれ続ける高品質合成グリスです。
内容量 | 100g |
---|---|
用途 | ベアリング、コラム、ネジ接合部など |
機能 | 耐摩擦、耐熱、耐摩耗、潤滑 |
【フィニッシュライン】
プレミアムテフロングリス 457g(G00010301)
フィニッシュラインの高機能プレミアムテフロングリスを大容量で使いたい方は、こちらのボトルタイプがおすすめです。
大容量のため導入コストはかかりますが、一度購入すれば数年間は持つため、長期的に見ればコスパのいい商品です。
ベアリングの潤滑のみならず、ステアリングコラムやシートポスト、ペダルやネジ接合部にも使用いただけます。
内容量 | 457g |
---|---|
用途 | ベアリング、コラム、シートポスト、ネジ接合部など |
機能 | 耐摩擦、耐熱、耐摩耗、潤滑 |
【AZ】
BGR-006 自転車用 レーシンググリース 50g(BG093)
AZのこちらのグリスは、ロードバイクのボトムブラケットやハブ、ヘッド部分にあるベアリングや接続部の潤滑グリスです。
安定性が高く品質のいいベース油を使用することで、極圧剤と防錆剤を有効に配合しました。
摩擦面に膜が形成されることで摩擦抵抗を抑え、レースやロングライドなどの過酷な環境でも、滑らかな走行が長時間持続します。
内容量 | 50g |
---|---|
用途 | ベアリング、ボトムブラケット、ハブ、ヘッドなど |
機能 | 潤滑、防錆、低摩擦 |
【MORGAN BLUE】
コンペティションカンパグリス(MB-CCG)
ヨーロッパのプロチームも使うこちらのグリスは、ハブやボトムブラケットなど、高速回転するベアリングに適したモデルです。
厳選された添加剤を加えたポリマーにより、回転部分の摩擦を低減し性能を高めてくれます。
耐錆性や耐摩耗性も高く、粘着性も高いことから塗布部に長く留まります。
カンパニョーロ製のホイールやコンポをお使いの方におすすめです。
内容量 | 200ml |
---|---|
用途 | ベアリング、ボトムブラケット、ハブ、ホイールなど |
機能 | 潤滑、耐錆、耐摩耗 |
【PARKTOOL】
ロードバイクメンテナンス用グリス (PPL-1)
ロードバイクをはじめ、自転車全般のメンテナンス用として開発された、ポリウレアベースの耐摩耗性に優れるグリスです。
耐水性や耐熱性が高く、グリスを水に流されたくない部品への塗布に最適です。
カーボンにも使用できる安心素材で、ベアリングはもちろんネジ山などロードバイク全般に使える万能さが好評を得ています。
チューブタイプで目的の部品に塗布しやすく、使い勝手にも配慮されています。
内容量 | 113g |
---|---|
用途 | 万能タイプ |
機能 | 耐熱性、耐水性、耐摩耗性 |
【スズキ機工】
LSベルハンマーグリースNo.2ボトル50ml(Lsbh16)
LSベルハンマーグリースNo.2は、高速回転するベアリングに最適な、超極圧潤滑グリスです。
ロードバイク用グリスは半固形状のものが多い中、こちらのグリスはハンドクリームのような柔らかさで、扱いやすさに定評があります。
内容量も50gと比較的手軽に使い切れる量ですので、お試しでも購入しやすい商品となっています。
内容量 | 50g |
---|---|
用途 | ベアリング |
機能 | 潤滑性、防湿、防錆、浸透 |
まとめ
ロードバイク用グリスは、部品内部の外から見えない部分に塗布するため、メンテナンスが疎かになりがちです。
定期的にグリスアップすることで、部品の性能が回復するだけでなく寿命も延び、経済的にもお得になります。
この記事をご覧になり、メンテナンスに便利なグリスが見つかれば幸いです。
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