ロングボードとは9フィート(274cm)より大きい長さのボードのことをいいます。
長さの短いショートボードはアグレッシブな動きですが、ロングボードはボードの上を歩くウォーキングなど優雅なライディングが魅力です。
ボードの選び方次第では、ターンなどの技を豊富に入れるマニューバーを楽しむこともできます。
この記事ではロングボードのメリットとデメリット、スタイル別ロングボードの選び方やおすすめのロングボードを紹介します。
ロングボードを使うメリット
初心者でも楽しめる
ロングボードは長さと浮力があるため安定感があり、初心者でも安心して波に乗ることができます。
ショートボードのように短くて浮力のないボードの場合、安定感がないためにボードの上に立ってもすぐに転んでしまいます。
ロングボードの場合は長さと浮力があり、多少風や波の影響があったとしても安定したライディングが出来ます。
そのため、初心者でも初日からサーフボードの上に立ち進むことができるのです。
波が小さい時も楽しめる
ロングボードは推進力がつきやすく、波のウネリから乗ることができ、一度動き出すと自然とスピードがついて進んでくれます。
また、ロングボードは小さい波の時でも波をキャッチできれば、安定感のあるボードが進んでくれてあまり転びません。
例えば、四輪の車は一度走り出すと安定して走れますが、二輪の自転車はスピードがついていないとフラフラしてしまいます。
このようにロングボードは安定感があるので波が小さい時でも転ばずに楽しめるのです。
バドリングが安定しやすい
沖に向かう際や波に乗る時に、板の上に腹ばいの体制になって両手を使い水をかくパドリングと呼ばれる動作をします。
短いボードや浮力のないボードの場合、パドリングをするとボードがふらつき、水の抵抗ができるので進みにくいのです。
ロングボードは長さや浮力があることから、比較的安定するので、パドリングでボードがふらつくことが少なく、短いボードよりも進みやすくなります。
そのため、パドリングをした際に安定感のない短い板に比べると、安定して進むことができるのです。
ロングライディングが出来る
ロングボードは波のウネリから乗ることができ、ロングライディングを楽しめます。
ショートボードは波の崩れるパワーのあるところから乗り、技をつなぎながらスピードをつけてライディングをします。
ロングボードは、ショートボードが乗る位置よりさらに沖のウネリから乗ることができるのです。
そして、一度波に乗るとボードの長さや浮力があることで、自然とスピードがついてきます。
まだ技量のない初心者でも、ボードの上に立っているだけでウネリから長くライディングを楽しめる魅力があります。
ロングボードを使うデメリット
持ち運びと保管が大変
ロングボードは長さが9フィート(274cm)以上、重さは7kg以上あり、なかには10kgを超えるものもあります。
たとえ海の目の前の駐車場に車を停めたとしても、この大きなボードを運ぶのは大変なのです。
3m近くあるロングボードはマンションのエレベーターにも入らず、階段で運ぶにも一苦労です。
一軒家でも専用のロッカーなどがあればいいですが、3m近いボードを家の中で保管するには工夫が必要になってきます。
持ち運びや保管も考えた上でボードのサイズを決めることも必要になってきます。
同じポイントに通う場合には、ボードを預かってもらえるボードロッカーを利用するのもいいでしょう。
取り回しが大変
ロングボードは陸での持ち運びが大変なことに加え、海の中での扱いも慣れていないと大変です。
沖で波待ちをする際、ボードにまたがる体勢をとります。
いざ波が来て方向を変えてパドリングをしようとした時、慣れていないと思うようにボードをコントロールできないことがあります。
方向転換する際に、座る位置を少し後ろにずらして、両足で水を同方向に弧を描くように回すと方向転換がしやすくなります。
波が大きいとアウト(沖)に出れないことがある
アウトに向かう際、押し寄せてくる波を超えて波の裏側に行く必要があります。
波が小さいときはボードの上に寝そべってパドリングをしたまま波を超える事ができますが、大きな波になると押し戻されてしまいます。
ロングボードはボードの面積が大きい為、ショートボードに比べると波の影響を受けやすいのです。
寝そべったまま波を超えられない場合、体ごとボードをひっくり返しボードのボトム(裏面)に波を滑らせるローリングスルーをします。
ローリングスルーは波に押し戻されるのを最小限にするテクニックなので、サイズがあるときにはぜひ試してみましょう。
ロングボードの選び方
サーフィンのスタイルから選ぶ
どのようなスタイルのサーフィンを目指しているかによって、ロングボードの選び方は変わってきます。
ロングボードのスタイルは大きく分けるとクラシック系とパフォーマンス系、オールラウンド系にわかれます。
サーフィンの動画を見たり実際に海に行ってサーフィンをしている人を見て、自分のしたいスタイルをみつけましょう。
身長や体重によっても選ぶロングボードは変わるため、サーフショップに行き自分のしてみたいスタイルのサーフィンに合うボードをアドバイスしてもらいましょう。
クラシック系ロングボード
クラシック系ロングボードは9フィート半ばから10フィート位の長さで、重さも9kg以上あるものが多いです。
クラシック系のロングボードはセンターフィン1本のため、水面への抵抗が少なく直進性に優れています。
ボードの上を歩くウォーキングはクラシック系ボードの最たる魅力です。
ボードの先端に片足をかけるハングファイブや、ボードの先端に立つハングテンという技は、ロングボーダーにとって憧れとも言えます。
パフォーマンス系ロングボード
パフォーマンス系ロングボードは9フィート代前半の長さで、重さは4~6kg位のボードです。
クラシック系ロングボードに比べるとやや長さも短く、幅も狭くなり、重量も軽くなるため操作性に優れます。
クイックなターンやダイナミックな技をするマニューバー系のサーフィンに向いています。
センターフィンの両サイドにやや小さなサイドフィンをつけるシングルスタビライザーが主流で、回転しやすく多彩な技を楽しみたい人に向いています。
オールラウンド系ロングボード
クラシック系とパフォーマンス系の良いところをとったのが、オールラウンド系と呼ばれるサーフボードです。
クラシックボードの安定性を持ちつつ、パフォーマンス系ボードのようなターンなどの技もしやすいことから、中間地点に位置づけされています。
パフォーマンス系ロングボードと同じく、サンターフィンの両側にサイドフィンを付けたシングルスタビライザーです。
サイドフィンを外してシングルフィンとして使用することもできます。
サーフポイントの波質に合わせて選ぶ
島国である日本は、海に囲まれているので多くのサーフポイントがあります。
波情報で同じサイズだったとしても、地形やビーチの向き、風向きなどにより波のパワーや波質は異なります。
良く行くポイントの波質に合わせてボードを選ぶ方法もあります。
例えば湘南は波の小さい時が多く、波にもパワーが無いので、浮力があり大きめのクラシック系のロングボードが向いています。
逆に同じサイズでも波のパワーのあるポイントであれば、パフォーマンス系のロングボードでマニューバーを楽しむこともおすすめです。
ロングボードおすすめ9選
【TYLER SURFBOARDS】
RIDDLER
長さ:9’6” (289.56cm) 幅:59cm 厚み:7.4cm
フィンシステム:シングルボックス
リドラーの特徴は、中心より下のあたりから切り込みを入れ、アウトラインに段差を持たせたデザインになっている点。
ボードのテール(後方部分)の幅が狭く、強めのテールロッカー(後方部分のボードの反り)で水面との接地面が少ないため、ターンなどの回転性を高めています。
【ドナルドタカヤマ】
HAWAIIAN PRO DESIGNS HPD DT2X
長さ:9’4"(284.5cm) 幅:57.4cm 厚み:7.62cm
フィンシステム:シングルボックス
世界一とも言われるオールラウンドモデルのシングルスタビライザーDT2を進化させ、シングルフィン向けに調整されたモデルです。
シングルフィンの中でも取り回しがしやすいため、体格やレベルを問わず扱いやすい1本です。
【ドナルドタカヤマ】
HAWAIIAN PRO DESIGNS IN THE PINK
長さ:9'3" (281cm)幅:58.42cm 厚み:7.87cm
フィンシステム:スタビライザー
HAWAIIAN PRO DESIGNS の代表作であり、もともとはライダーの為に作られたコンペモデルのボードです。
幅があるのでテイクオフの安定感もあり、ノーズライディングでも安定し、コントロールもしやすくなっています。
【DICK BREWER】
BBS-AR
長さ:9'2"(279cm) 幅:56.52m 厚み:6.99cm
フィンシステム:スタビライザー
オールラウンド系のロングボードで、ノーズライディングからマニューバー系まで幅広いサーフィンに向いています。
ビーチブレイクの波やパワーのあるリーフブレイクの波など、あらゆる波質にも対応し、初心者から中上級者までが楽しむことができるボードです。
テール(ボードの後端)がラウンドテールピンという丸みがあり尖っている形状で、水の抵抗が少ないため、パワーのある波でも安定感を得ることができます。
【DICK BREWER】
Da Dog
長さ:9'1"(277cm) 幅 :57.7cm 厚み:7.30cm
フィンシステム:シングルボックス
波を選ばず楽しめるようにデザインされたオールラウンド系のロングボードです。
白にブラウンのラインが入ったシンプルなデザインは、大人サーファーにも人気があります。
長さは9’1”フィートとロングボードの中では比較的短いので、持ち運びや取り回しもしやすいボードになります。
【TYLER SURFBOARDS 】
TRIMULUX
長さ:9'2"(279cm) 幅 :57.46cm 厚み:7.30cm
フィンシステム:シングルボックス
ロッカー(ボードの反り)が比較的緩やかなため、水面との接地面が大きく直進性に優れています。
そのため、長さは伝統的なシングルフィンより少し短めになっていますが、厚みを持たせることで回転性をもちつつノーズライディングにも適しています。
【ドナルドタカヤマ】
HAWAIIAN PRO DESIGNS BEACH BREAK
長さ:9'0"(274.32cm) 幅 :56.13cm 厚み:6.8cm
フィンシステム:シングルスタビライザー
ノーズ(先端)周りが比較的シャープに作られており、ロッカー(ボードの反り)もある為、マニューバー性に優れています。
オールラウンドモデルとして、初心者中級者が楽しむことのできるモデルとなっています。
【DICK BREWER】
JOKER
長さ:9'0"(274.32cm) 幅 :57.15cm 厚み:7.3cm
フィンシステム:シングルスタビライザー
長さの割に厚みがしっかりあるため、パドリングが楽に進みテイクオフも早いボードです。
テール(ボードの後端)の形状が尖っている形状で、パワーのある波でも水の抵抗が少なくなり回転性や加速性を求めるマニューバーに向いています。
【torq surfboard 】
ACT DON HP
長さ:9'1"(276.8cm) 幅 :55.5cm 厚み:7.14cm
フィンシステム: 5フィン(センターボックス、フロント、サイド)
マニューバーを重視したボードで、軽量な仕上がりになっています。
フィンセッティングはセンターフィンとサイドフィンの計3本をつけるシングルスタビライザーまたはフィンをフロントとサイドに計4本付けるクワッドが楽しめます。
クワッドはセンターフィンが無いので回転性が良く、小波やパワーが十分にない波でも板を動かしやすいです。
まとめ
ロングボードと一言に言っても、どのようなスタイルをしたいかによって選ぶボードは変わってきます。
ロングボードは安定感があり、初心者や波が小さい時でも楽しめるといった魅力があります。
自分の目標とするスタイルに適したボード選びをして楽しみましょう。
ロングボードの購入で失敗しないために、各ショッピングサイトのレビューもしっかり確認して自分にピッタリなモノを見つけましょう。
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