キャンプ、車中泊ブームの到来とともに需要が高まり、かつ災害時の備えとしても注目が集まっているポータブル電源。
年々進化を遂げ、最近ではたいていの電化製品が使えるほどの、2000Whを超える商品も珍しくなくなってきました。
また、高い安全性と長寿命を誇るリン酸鉄リチウムポータブル電源の需要も高まり、多くの製品がラインナップされています。
そこで今回は、主流となりつつあるリン酸鉄リチウムポータブル電源の、なかでも大容量のタイプをご紹介します。
目次
- 1 大容量のリン酸鉄リチウムポータブル電源を使うメリット
- 2 大容量のリン酸鉄リチウムポータブル電源を使うデメリット
- 3 大容量のリン酸鉄リチウムポータブル電源の選び方
- 4 大容量のリン酸鉄リチウムポータブル電源おすすめ10選
- 4.1 【BLUETTI】ポータブル電源 AC200MAX
- 4.2 【EcoFlow】DELTA Pro
- 4.3 【EcoFlow】DELTA 2
- 4.4 【Anker】767 Portable Power Station(A1780)
- 4.5 【EENOUR】P2001(P2001-JP)
- 4.6 【Coleman】ポータブル電源 1400W(CLM-TL119K)
- 4.7 【MATECH】PowerZ Pro 2000(ST2000)
- 4.8 【Smart Tap】PowerArQ Max(PA200)
- 4.9 【Victor】ポータブル電源(BN-RF1500)
- 4.10 【ASAGAO】ポータブル電源(AS2K-JP)
- 5 まとめ
大容量のリン酸鉄リチウムポータブル電源を使うメリット
バッテリーの寿命が長い
リン酸鉄リチウムイオン電池を使用しているため、従来の三元系リチウムイオン電池と比べて2〜6倍の長寿命です。
例えばEcoFlowのEF DELTAの充電回数が800回に対し、DELTA Proの充電回数は3,000回と大幅にアップしています。
加えて大容量のため、バッテリーが0%になるまで使用することがあまりなく、使い方によってはさらに寿命を延ばすことができます。
安全性が高い
リン酸鉄リチウムイオンは、他のリチウムイオンと比較すると、発火の原因となる酸素が発生しないため安全性が高いと言われています。
リン酸鉄以外のリチウムイオンも、使い方さえ間違わなければ発火する心配はありませんが、そのリスクが減るという点でも安心です。
自己放電しにくい
冬キャンプにポータブル電源を持っていくと、あまり電源を使っていないのに残量が減っていた、という経験はありませんか?
その点、リン酸鉄リチウムイオンは熱や寒さに強いため、気温に影響されて極端に放電するようなことがありません。
大容量のリン酸鉄リチウムポータブル電源を使うデメリット
価格が高い
リン酸鉄リチウムイオンは、原材料こそ高くないものの、加工費用がかかるためコストがかかり、価格も割高になります。
さらに2,000Whクラスの大容量モデルになると、20万以上するものがほとんどなので、購入をためらってしまうかも知れません。
ただし、メリットの項目でお伝えしたとおり、長寿命で10年ほど使えることを考えたら、コスパのよい商品とも言えます。
サイズが大きく重量がある
リン酸鉄リチウムイオンは三元系と比べてエネルギー密度が低いため、大容量にするためにはサイズ、重量ともに大きくなる傾向にあります。
ただし、その欠点であったエネルギー密度も年々高くなってきていますので、いずれは三元系を超えるとも言われています。
大容量のリン酸鉄リチウムポータブル電源の選び方
容量で選ぶ
大容量のポタ電と言えば、最近では容量が1,500Wh以上のものを指すことが多く、3,000Whを超えるモンスター級の商品もあります。
長期間にわたる車中泊旅行や、防災目的を考えている方であれば、2,000Wh以上の商品を選んでおくと安心です。
また、オプションのバッテリーによりさらに大容量となる商品もあるので、そういった拡張性の高いモデルを選択するのもひとつの手です。
最大出力数で選ぶ
使用予定の電化製品の消費電力を確認して、その電力をカバーできる出力W数であるかどうかを確認する必要があります。
ECサイトやメーカーホームページには、1,600Wのドライヤーが0.5時間使用可能、といった表記がされているので参考にしてみてください。
サポート体制で選ぶ
大容量のポータブル電源は、安い買い物ではありませんので、サポート体制の充実したメーカーを選ぶのも重要なポイントです。
ポータブル電源は海外製のものが多いので、日本語サポートが存在するメーカーや、保証の延長ができるメーカーを選ぶと安心です。
メーカー
リン酸鉄リチウムイオンのポータブル電源を扱っているメーカーは、有名なところでBLUETTI 、EcoFlow、Ankerなどが挙げられます。
多くのメーカーがリン酸鉄リチウムイオンにシフトしていますが、Jackeryのような三元系にこだわるメーカーもなかには存在します。
価格帯
容量2,000Whクラスのリン酸鉄リチウムポータブル電源は、おおよそ20万〜30万の価格帯です。
お値段はしますが、10年近く使えて災害時の備えとしても使える安心材料として考えると、コスパはいいという見方もできます。
大容量のリン酸鉄リチウムポータブル電源おすすめ10選
メーカー・商品名 | 容量 | 出力 | 重量 |
---|---|---|---|
BLUETTI AC200MAX | 2048Wh | 2200W | 28.1kg |
EcoFlow DELTA Pro | 3600Wh | 3000W | 45kg |
EcoFlow DELTA 2 | 1024Wh | 1500W | 12kg |
Anker 767 | 2048Wh | 2000W | 30.5kg |
EENOUR P2001 | 2000Wh | 2000W | 22kg |
Coleman ポータブル電源 1400W | 1485Wh | 1400W | 16.5kg |
MATECH PowerZ Pro 2000 | 2073.6Wh | 2100W | 29.3kg |
Smart Tap PowerArQ Max | 2150Wh | 2000W | 28.2kg |
Victor BN-RF1500 | 1536Wh | 1500W | 21.6kg |
ASAGAO AS2K-JP | 2028Wh | 2000W | 25.2kg |
【BLUETTI】
ポータブル電源 AC200MAX
従来製品のAC200からさらに長寿命となり、充電サイクルが2500回→3500回へと大幅にアップしました。
オプションのバッテリーで最大8192Whの超大容量へと拡張させることが可能で、キャンピングカーでの使用にも最適。
これさえあればほとんどの電化製品が使用できるため、災害時の備えとして1台持っておくと安心な商品です。
容量 | 2048Wh |
---|---|
出力 | 2200W |
重量 | 28.1kg |
【EcoFlow】
DELTA Pro
EcoFlow社の最高峰モデルで、3600Whの容量を誇る、もはやポータブル電源ではなく蓄電池と呼ぶにふさわしい商品です。
45kgと重量はありますが、専用のキャスターが付いているため、段差のない場所での持ち運びには困ることがありません。
お値段はかなりしますが、工事費が不要なことから卒FIT(電気買取制度が満了すること)の蓄電池として検討する方も増えています。
容量 | 3600Wh |
---|---|
出力 | 3000W |
重量 | 45kg |
【EcoFlow】
DELTA 2
EcoFlowでもっとも売れたEF DELTAが3年ぶりにリニューアルし、三元系からリン酸鉄リチウムバッテリーに進化しました。
通常出力は1500Wですが、X-boost機能搭載で最大1900Wまで対応できるため、IH調理器も強火で使用することができます。
もちろん走行充電、ソーラーパネル充電も可能なため、長期で車中泊旅行をするようなユーザーにもおすすめです。
容量 | 1024Wh |
---|---|
出力 | 1500W |
重量 | 12kg |
【Anker】
767 Portable Power Station(A1780)
モバイルバッテリーで培った技術を詰め込んだAnkerのポータブル電源のなかで、いちばん容量の大きいモデルとなります。
Amazonのアカウントでログインできるアプリが便利で、本体充電モード(急速充電or静音充電)など細かい設定が可能。
サポート体制が充実しているのも安心材料のひとつで、機能面もサポートも充実した商品をお探しの方に最適です。
容量 | 2048Wh |
---|---|
出力 | 2000W |
重量 | 30.5kg |
【EENOUR】
P2001(P2001-JP)
EENOURはポータブル電源から車載冷蔵庫まで、アウトドアに特化した電力製品を販売している中国のメーカーです。
このP2001は2,000Whの大容量でありながら、AC充電のみで1.8時間、ソーラーパネルを使うと1.5時間でフル充電が可能。
ケーブル類が本体内臓のボックスに収納できるのが嬉しいポイントで、ケーブルを紛失することがなくとても便利です。
容量 | 2000Wh |
---|---|
出力 | 2000W |
重量 | 22kg |
【Coleman】
ポータブル電源 1400W(CLM-TL119K)
カー用品をはじめ、モバイルバッテリーやオーディオ製品などを手がける多摩電子工業とColemanがコラボしたポタ電です。
リン酸鉄リチウムイオン電池採用のため、充電回数が2000回とサイクルが長く、オプションにてソーラー充電も可能。
何と言ってもColemanのロゴがポイントで、ロゴ入りの専用バッグも付属していたりと、Colemanファンにはたまらない商品です。
容量 | 1485Wh |
---|---|
出力 | 1400W |
重量 | 16.5kg |
【MATECH】
PowerZ Pro 2000(ST2000)
京都発のベンチャー企業、マテックが手がけるポータブル電源のなかで、最大の蓄電量 2073.6Whを誇る商品です。
日本のメーカーで、製品保証もシリアル番号登録を行うことで3年となり、サポート体制が充実しているところもポイントです。
ただし、純正のソーラーパネルは開発中とのことで、MC4ソケット対応ソーラーパネルを別途探して購入する必要があります。
容量 | 2073.6Wh |
---|---|
出力 | 2100W |
重量 | 29.3kg |
【Smart Tap】
PowerArQ Max(PA200)
国内の代理店が手がけるポータブル電源で、最大4年の延長保証となるためサポート面でも安心してご購入いただけます。
あらゆるアウトドア用品とマッチするオリーブ、コヨーテタンのカラーもおしゃれで、部屋に置いてもインテリアの一部となります。
ただし、かなり重量があり持ち運びには不便なため、車中泊やオートサイトでのキャンプの使用に向いているでしょう。
容量 | 2150Wh |
---|---|
出力 | 2000W |
重量 | 28.2kg |
【Victor】
ポータブル電源(BN-RF1500)
かの有名なビクターの犬のマークに、国内メーカーとしての安心感を覚える方は少なからずいらっしゃることでしょう。
その兄弟ブランド、JVCでは既に多くのポータブル電源を販売しており、そのノウハウを生かしてリリースされたリン酸鉄モデルです。
淡いベージュの色味は部屋に置いてもインテリアに溶け込み、アウトドアだけでなく停電時の備えや節電対策にお使いいただけます。
容量 | 1536Wh |
---|---|
出力 | 1500W |
重量 | 21.6kg |
【ASAGAO】
ポータブル電源(AS2K-JP)
本製品は、本体がフル充電されるとバッテリーを経由せずにダイレクトに他の電化製品に給電するという、パススルー出力機能を搭載。
従来のパススルー充電は、バッテリーを経由するため熱を持ち、バッテリーの寿命を縮めると言われていましたが、その心配は不要です。
その他にも、ACアダプタ不要であったり、ACコンセントにカバーが付いていたりと、かゆいところに手が届くような商品です。
容量 | 2028Wh |
---|---|
出力 | 2000W |
重量 | 25.2kg |
まとめ
ポータブル電源のデメリットでもあった製品サイクルが長くなり、安全性も高いことで従来の三元系に取って代わる存在となったリン酸鉄。
もちろんよいことばかりでもありませんので、デメリットを理解したうえで、あなたにとってベストな商品を選ぶようにしましょう。
大容量のリン酸鉄リチウムポータブル電源の購入で失敗しないために、各ショッピングサイトのレビューもしっかり確認して自分にピッタリなモノを見つけましょう。
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