パイロットは誰もが憧れるような職業ですが、何時間も操縦席に座り続ける過酷な業務です。
管制塔や副操縦士と連携を取るためにヘッドセットが用いられますが、当然一般的なヘッドセットでは役割を果たせません。
とはいえ、選択時の基準や一般的なメーカー製品の有無など、気になる事項も多いでしょう。
そこで、本記事ではパイロット用ヘッドセット製品を紹介し、メリットデメリット・選び方を解説します。
目次
- 1 パイロット用ヘッドセットを使うメリット
- 2 パイロット用ヘッドセットを使うデメリット
- 3 パイロット用ヘッドセットの選び方
- 4 パイロット用ヘッドセットおすすめ10選
- 4.1 【Pomya】General Aviation
- 4.2 【KORE AVIATION】P1
- 4.3 【PILOT USA】PA-2010A
- 4.4 【R SPIDER WIRELESS】PJ-55(100AY)
- 4.5 【Tosuny】ダイナミック ヘッドセット
- 4.6 【Telex】Echelon Pilot(PRD12000)
- 4.7 【Telex】Airman 750-SS
- 4.8 【Telex】Airman ANR 850(91-01880)
- 4.9 【David Clark】H10-13.4
- 4.10 【Bose】Proflight Series 2 Aviation(789812-5020)
- 5 まとめ
パイロット用ヘッドセットを使うメリット
マイクノイズをカットできる
パイロットは離着陸をはじめ、上空をフライトしている際、日常には無い自然的なノイズが多く発生します。
パイロットは2人で登場するのが基本であり、管制塔との連絡も通信で行いますが、この際に正確な情報を伝える必要があります。
一般的なヘッドセットだとノイズで情報を伝えにくいですが、パイロット用ヘッドセットは無駄なノイズを極限までカット可能です。
快適な装着感を維持できる
パイロットは飛行機の操縦が業務ですが、基本的に乗客を乗せて運ぶため、命を預かるといっても過言ではありません。
パイロット向けに設計されたヘッドセットは操縦者に負担が掛からないよう、工夫が施されて設計されています。
海を横断するようなロングフライトでも疲労を感じにくく、集中状態を維持しながらコミュニケーションや操縦が行えます。
操作性に優れている
飛行機の操縦はレバーやハンドル操作だけでなく、音声ラインの切り替えなど様々なスイッチを操作します。
近年はオートフライト技術も進化していますが、手が離せない状況も多く、状況によっては立つ時間さえも確保が難しいです。
ですが、パイロット向けヘッドセットは調節ノブやコントローラーが配置されており、状況に合わせて瞬時にコントロールできます。
パイロット用ヘッドセットを使うデメリット
とにかくコストが掛かる
パイロットは乗客の命を預かるという性質上、状況把握やコミュニケーションを左右するヘッドセットもハイグレードです。
品質に優れているということは相応のコストが掛かるという意味でもあり、最低でも3万円前後はコストが掛かります。
中には10万円以上の製品も存在しており、気軽に買い替えたりはできない点に注意しましょう。
その多用途には不向き
パイロット用ヘッドセットは離着陸やフライトを前提に設計されており、正確なコミュニケーションが取りやすいのが特徴です。
ノイズを極限までカットしてくれるため、集中状態を維持しやすいですが、楽曲制作等への適性があるわけではありません。
サウンド品質よりも装着感やノイズ抑制が重視されているため、音楽や配信で使用するなら一般的な製品がおすすめです。
重たい製品が多い
パイロット用ヘッドセットはフライト中の騒音カットに力を入れており、重厚感のあるデザインで設計されています。
装着時は不必要なノイズを極限までカットできますが、サイズの大きさに比例して重量も重たくなる傾向にあります。
中には1kgに迫る製品もあり、短時間の着用でも負担が掛かりやすく、疲労が溜まってしまう可能性には要注意です。
パイロット用ヘッドセットの選び方
重量で選ぶ
パイロットのフライトは短時間から長時間まで幅広いですが、フライト中にヘッドセットを外すことは基本的にありません。
離陸から着陸を完了させるまで装着するにあたり、気になってくるのが耳や頭に掛かる負担です。
負担に影響してくる部分が重量であり、適していない重量だと短時間でも痛みを伴う恐れがあります。
必ず重量を事前にチェックし、ご自身に適した重量のヘッドセットを選択しましょう。
タイプで選ぶ
パイロット用ヘッドセットは年々進化を遂げており、両耳タイプをはじめ、イヤホンタイプ等が登場しています。
両耳タイプは頭に覆いかぶさるように装着するオーソドックスなタイプですが、サイズによっては負担を感じやすいのが欠点です。
イヤホンタイプはサイズを気にする必要が無く運用可能であり、密着感も強いですが、耳に負担が掛かってしまう恐れがあります。
タイプに関しては一長一短となるため、ご自身が長時間装着しやすいタイプを選択しましょう。
メーカーで選ぶ
パイロット用ヘッドセットは一般的なヘッドセットとは違い、航空機向けメーカーから製品化されています。
パイロットならご存じのメーカーも多いですが、メーカーによって性能に対する価格差が大きく、メーカー選びは非常に重要です。
メーカー選びで失敗しないポイントですが、メーカーの知名度やユーザー人気の高さを参考にしましょう。
TelexやDavidClarkは知名度はもちろんですが、多くのパイロットから愛用されているおすすめメーカーです。
価格帯で選ぶ
パイロット用ヘッドセットはハイグレードな製品が多く、価格帯も3万円台~10万円以上と基本的に高額です。
しかし、一般的な製品と同様に価格=品質の結び付きが強いため、低価格帯だと満足度に欠けてしまう可能性があります。
ノイズキャンセリングをはじめ、快適な装着感を重視する場合、最低でも5万円前後は予算が必須です。
コストに応じて品質が向上するため、高品質を求める場合は事前に予算を確保し、10万円前後の製品を狙うのがおすすめです。
パイロット用ヘッドセットおすすめ10選
メーカー・製品名 | タイプ | 重量 | ケース |
---|---|---|---|
pomya General Aviation | 両耳 | 680g | 無 |
KORE AVIATION P1 | 両耳 | 939g | 有 |
PILOT USA PA-2010A | 片耳 | 20g | 無 |
R SPIDER WIRELESS PJ-55 | 両耳 | 520g | 有 |
Tosumy ダイナミック ヘッドセット | 両耳 | 572g | 無 |
Telex Echelon Pilot | 両耳 | 439g | 無 |
Telex Airman 750-SS | 片耳 | 68g | 無 |
Telex Airman ANR 850 | 両耳 | 110g | 無 |
DavidClark H10-13.4 | 両耳 | 467g | 無 |
Bose Proflight Series 2 Aviation | イヤホン | 128g | 有 |
【Pomya】
General Aviation
柔軟に調節できるステンレススチールヘッドバンドにより、長時間快適に装着できるヘッドセットです。
24dbノイズリダクション機能でノイズを効果的にカットし、必要な情報だけを正確に捉えてくれます。
マイクポップガードでノイズキャンセリングも可能にしつつ、低コストで導入できる点もおすすめです。
タイプ | 両耳 |
---|---|
重量 | 680g |
ケース | 無 |
【KORE AVIATION】
P1
プレミアムノイズリダクションに対応しており、フライト中の不要なノイズをカットできるヘッドセットです。
調節可能なワイヤーマイクで任意の位置に配置しやすく、ノイズキャンセリングでクリアな音声を届けられます。
重厚感のある見た目と重量で設計されていますが、ヘッドバンドの極厚クッションで快適な装着感を実現しています。
タイプ | 両耳 |
---|---|
重量 | 939g |
ケース | 有 |
【PILOT USA】
PA-2010A
片耳タイプで開放的な装着感を実現しつつ、わずか20gで装着時の負担を極限まで抑えられるヘッドセットです。
フレキシブルマイクアームで自在な位置に調節しやすく、必要な情報だけを正確に伝えられます。
無線で管制塔と連絡を取りつつ、周囲の状況の正確な把握が可能であり、使用者も増えつつあるおすすめモデルです。
タイプ | 片耳 |
---|---|
重量 | 20g |
ケース | 無 |
【R SPIDER WIRELESS】
PJ-55(100AY)
高密度アコースティックイヤーパッドを採用し、無駄な雑音を極限まで抑えてくれるヘッドセットです。
重厚感のある見た目ながらも軽量化が施されており、クッション性の高いヘッドバンドで快適な装着感を維持できます。
ノイズキャンセリングマイクにより、フライト時の環境音を排除してくれるため、クリアなコミュニケーションが可能です。
タイプ | 両耳 |
---|---|
重量 | 520g |
ケース | 有 |
【Tosuny】
ダイナミック ヘッドセット
ステンレススチールを使用したヘッドバンドを採用し、開放的な装着感を実現したヘッドセットです。
耳当て部分に調節ダイヤルが配置されており、急な状況でも直感的な音量調節が行えます。
ノイズキャンセリングマイクで通信時にノイズが混じる心配が無く、ジェルイヤーシールで負担も抑えてくれます。
タイプ | 両耳 |
---|---|
重量 | 572g |
ケース | 無 |
【Telex】
Echelon Pilot(PRD12000)
特許を取得したComfortCamシステムを採用し、快適な装着感を実現したヘッドセットです。
耐久性と柔軟性に優れたスチールヘッドバンドにより、頭の形にフィットしやすく、軽量で負担も軽減できます。
左右どちらにも配置できるブームマイクを搭載しており、ノイズキャンセリングでノイズだけを確実にカットしてくれます。
タイプ | 両耳 |
---|---|
重量 | 439g |
ケース | 無 |
【Telex】
Airman 750-SS
航空パイロット用に設計しつつ、片耳タイプを採用しており、開放的な装着感を実現したヘッドセットです。
重量も100g以下に抑えられているため、海を跨ぐようなロングフライトでも安定して使用できます。
フレキシブルマイクで自在に調節しやすく、国内外でも使用者が多い信頼性のあるモデルです。
タイプ | 片耳 |
---|---|
重量 | 68g |
ケース | 無 |
【Telex】
Airman ANR 850(91-01880)
両耳タイプながらもスタイリッシュなデザインを採用し、軽量で負担軽減を可能にしたヘッドセットです。
320度回転可能なフレキシブルマイクを搭載し、任意の位置に調節することでノイズを抑えつつ、クリアな音声を届けられます。
柔軟性に優れたステンレスバンドにより、頭の形にフィットしやすく、ロングフライトも快適に行えます。
タイプ | 両耳 |
---|---|
重量 | 110g |
ケース | 無 |
【David Clark】
H10-13.4
20年以上の信頼と実績を獲得しており、国内外のパイロットから選ばれ続けているヘッドセットです。
重厚感のある見た目ながらもソフトなヘッドパッドを採用しており、長時間快適に装着できます。
フレックスブームマイクで任意の位置に調節しやすく、ノイズキャンセリングで雑音を確実にカットできる一台です。
タイプ | 両耳 |
---|---|
重量 | 467g |
ケース | 無 |
【Bose】
Proflight Series 2 Aviation(789812-5020)
パイロット用モデルには珍しいイヤホンタイプを採用しており、軽量化も施されたヘッドセットです。
長時間のフライトでも負担が掛かりにくく、確かな密着感とノイズキャンセリングで不要な雑音をカットしてくれます。
安定性に優れたBluetooth接続を採用しつつ、専用ケースで携帯性も考慮されたハイスペックな一台です。
タイプ | イヤホン |
---|---|
重量 | 128g |
ケース | 有 |
まとめ
ヘッドセットはパイロットにとって切り離せない必須アイテムであり、ご自身に適した製品選択が必須になってきます。
ラインナップが多いため、迷うこともあると思いますが、本記事を参考に選んでいただければ幸いです。
パイロット用ヘッドセットの購入で失敗しないために、各ショッピングサイトのレビューもしっかり確認して自分にピッタリなモノを見つけましょう。
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