ボーカルレコーディングやナレーションに欠かせないコンデンサーマイクですが、特性や聞こえ方はメーカーやグレードによって様々です。
ただ音の入口となるマイクは、音声録音や配信にとって最も重要なアイテムであることは間違いありません。
この記事では、ボーカル用に特化したおすすめのコンデンサーマイクを紹介しています。
どのコンデンサーマイクにすれば良いのか迷われている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
- 1 ボーカル用コンデンサーマイクを使うメリット
- 2 ボーカル用コンデンサーマイクを使うデメリット
- 3 ボーカル用コンデンサーマイクの選び方
- 4 ボーカル用コンデンサーマイクおすすめ10選
- 4.1 【マランツプロ】888M(M4U)
- 4.2 【audio-technica】コンデンサーマイクロフォン(AT2020)
- 4.3 【AKG】Project Studio Line(P120)
- 4.4 【MXL】ラージカプセルコンデンサーマイクロフォン(V67G)
- 4.5 【マランツプロ】スタジオクオリティー・コンデンサマイク(MPM-1000)
- 4.6 【Logicool G】 Blue Yeti USBゲーミングマイク(BM400BK)
- 4.7 【SHURE】MV51(MV51-DIG-A)
- 4.8 【audio-technica】サイドアドレスマイクロフォン 40シリーズ(AT4040)
- 4.9 【Neumann】ラージダイアフラム コンデンサーマイク(TLM102)
- 4.10 【AKG】コンデンサー型マイクロフォン(C414 XLⅡ-Y4)
- 5 まとめ
ボーカル用コンデンサーマイクを使うメリット
音質が良い
コンデンサーマイクは、薄くて軽いダイヤフラムが使われ小さな音でも振動しやすく、音の変化や高低を拾いやすい特性があります。
そのため、原音を忠実に繊細に表現できるので、ボーカルレコーディングや宅録に向いています。
感度が高く周波数帯域も広いため、楽器の集音にも優れ、弾き語りレコーディングでも音の違いを実感できるでしょう。
感度が高い
コンデンサーマイクは、ダイナミックマイクに比べ音への感度が高く、細かな音や繊細な音もクリアに録音できます。
マイクの感度は、拾った音をどのくらいの大きさの電気信号に変換するかを数値化したもの。
コンデンサーマイクは、ボーカルの息遣いやギターの弦の擦れる音も録れるほど感度が高いため、プロ並みの録音が可能です。
周波数帯域が広い
コンデンサーマイクは周波数帯域が広くなめらかで、とくに中高音域の特性に優れています。
中高音域の特性が優れていると、ボーカルの歌声が抜け良く聞こえるため、ほかの音にかき消されることはありません。
さらに周波数帯域が広ければ、低音域から高音域まで余すことなく集音できるため、リアルな情景を表現するのに向いています。
ボーカル用コンデンサーマイクを使うデメリット
ノイズや雑音を拾いやすい
コンデンサーマイクは、小さな音まで集音してしまう特性上、ノイズや雑音も拾いやすくなってしまいます。
宅録していても、外を走る車の音やエアコンの作動音など、ノイズを拾ったらせっかくの録音も台無しです。
スタジオなど雑音対策された場所や、ポップガードなどノイズ対策用の備品を追加して、ノイズや雑音の対策をしましょう。
電源供給が必要
コンデンサーマイクは、ダイアフラムが音に反応して振動し、振動による電圧の変化で音を拾っています。
そのため、ダイアフラムに電源供給する必要があり、電源を搭載したオーディオインターフェースやミキサーなどが必要不可欠です。
コンデンサーマイクを使うためには、電源供給できる機材を買い揃えなければいけません。
取り扱いに神経をつかう
コンデンサーマイクのダイアフラムは、薄い金属板で形成されているため、振動や湿気に弱い特徴があります。
マイクを転倒させたり落下させるのはご法度で、保管も緩衝材付きのケースなどを用意する必要があります。
また金属の振動膜を使っているため、湿気で錆びる可能性もあり、乾燥剤を使って保管するなどの対策がかかせません。
ボーカル用コンデンサーマイクの選び方
音質で選ぶ
マイクを選ぶ基準には「感度」と「周波数特性」があり、高音質なマイクを選ぶ指標となります。
感度はdb(デシベル)で表され、どれだけの音をマイクが拾うか数値化したもので、0に近いほど感度が高くボーカル向き。
周波数特性はHz(ヘルツ)で表され、拾える音域を示していて、数値が低ければ低音域、高ければ高音域の録音に向いています。
ただ感度や周波数特性の数字だけではなく、楽曲の音域や楽器の特性など、相性の良いマイクを選ばなければなりません。
指向性で選ぶ
指向性は、マイクがどの方向からの音をよく拾えるかを示す特性のことで、単一指向性・双指向性・全指向性の3種類に分けられます。
ボーカルレコーディングやナレーション用なら単一指向性が最適で、雑音やノイズが入りにくく、ハウリングも起こりにくい特徴があります。
さらにカーディオイドやスーパーカーディオイドなど、マイク正面からの感度が高い特性のものを選ぶと良いでしょう。
ダイヤフラムのサイズで選ぶ
ダイヤフラムは大別すると「スモールダイアフラム」と「ラージダイアフラム」の2種類があります。
スモールダイアフラムは、高い音圧でも歪みなく高音域まで拾うことができるため、ピアノやギターなど楽器の収録に向いています。
ラージダイアフラムは、周波数帯域が広く繊細で感度も高い特性があり、ボーカルレコーディング向き。
音の強弱を表現したいボーカル用には、感度が高くノイズの少ないラージダイアフラムが最適です。
端子で選ぶ
マイクにはUSB端子とXLR端子があり、パソコンに繋いですぐに配信したいならUSB端子マイクがおすすめです。
ただ、USB端子はノイズの発生が懸念されるため、ノイズの影響を受けにくいXLR端子が音質の面で優れています。
ただし、XLR端子をパソコンなどに接続するためにはオーディオインターフェースなどの機材が必要。
USB端子とXLR端子の両方が使えるマイクもあるため、使用環境に合わせて選んでみましょう。
ボーカル用コンデンサーマイクおすすめ10選
【マランツプロ】
888M(M4U)
単一指向性で高い感度・幅広い周波数特性が特徴で、しかも低価格でコスパに優れたコンデンサーマイクです。
USB接続もできるため電源を用意する必要がなく、パソコンに繋いですぐに録音することが可能です。
音質は可もなく不可もなくといったところですが、比較的ノイズも少くボーカル入門用にピッタリ。
【audio-technica】
コンデンサーマイクロフォン(AT2020)
日本の大手メーカであるオーディオテクニカの入門機で、長年愛され続けているロングセラーモデル。
ノイズが少なく幅広い周波数特性と高い感度で、癖がなくクリアで聴きやすい録音が可能です。
原音に近いフラットな特性はボーカル録音だけに限らず、配信やゲーム実況でも活躍してくれるコスパに優れたマイクです。
【AKG】
Project Studio Line(P120)
プロユースの老舗マイクメーカーであるAKGの、音質・品質に優れたエントリーモデル。
マイク本体にローカットフィルターとPAD機能が内蔵されているため、低ノイズで繊細でクリアな音が録れます。
この価格帯でローカットフィルターやPADが内蔵されている製品はなく、ライブ配信やWeb会議などでも重宝してくれます。
【MXL】
ラージカプセルコンデンサーマイクロフォン(V67G)
ひときわ目を引くヴィンテージスタイルが特徴的な、人気の高いボーカル用コンデンサーマイクです。
ボーカル録音はもちろん、アコースティックギターやピアノなど、透明感あるクリアな録音にも最適です。
中高音域が強めなので、女性ボーカルに相性が良いのも特徴。
コスパも良く、初めてのコンデンサーマイクとしてもおすすめの1本といえます。
【マランツプロ】
スタジオクオリティー・コンデンサマイク(MPM-1000)
音質や付属品の豊富さなどコスパに優れていて、入門用として最強です。
癖がなくクリアな音質はお値段以上ですが、音の抜けがやや弱いため物足りなさを感じるかもしれません。
ウインドスクリーン・ショックマウント・マイクスタンド・XLRケーブルが同包されているため、購入後すぐに始めることができます。
【Logicool G】
Blue Yeti USBゲーミングマイク(BM400BK)
オーディオインターフェイスなどが要らず、USB接続するだけですぐ利用できるコンデンサーマイクです。
指向性の変更・ゲイン調整・ミュートがマイク本体で操作できるため、調節しながらレコーディングすることも可能。
ボーカルレコーディングでも低音から高音までバランス良く、USBマイクとしてはかなり高得点な1本です。
【SHURE】
MV51(MV51-DIG-A)
アメリカの老舗マイクメーカーであるSHUREの、iPhone対応コンデンサーマイクです。
ボーカルや楽器など5種類のプリセットモードから、ノイズを抑えクリーンで最適な音質を集音することができます。
オールメタル製で衝撃に強いことに加え、ビンテージスタイルのデザインも相まって歌う気持ちを高揚させてくれます。
【audio-technica】
サイドアドレスマイクロフォン 40シリーズ(AT4040)
特性がフラットでバランスが良いため、誰が使っても原音に近い音が録れる万人向けのマイクです。
ショックマウントやローカットフィルター搭載でノイズ対策もしっかりしていて、ホワイトノイズなど気になることはありません。
AT2020の上位機で音質特性は同じようにフラットですが、中高音の抜けが良くなっている印象です。
【Neumann】
ラージダイアフラム コンデンサーマイク(TLM102)
プロユースのコンデンサーマイクで有名なNeumannが、一般ユーザー向けに販売したマイクがこのTLM102です。
高音が少し立ち上がるようにチューニングされているため、ボーカルやアコースティックギターを自然な音で録ることができます。
ビギナーを卒業して、本格的にボーカル活動を始めたい方におすすめの1本。
【AKG】
コンデンサー型マイクロフォン(C414 XLⅡ-Y4)
9種類の指向性を選択できるため、ボーカル録音はもちろん楽器やセッションなど、様々なシチュエーションに対応できます。
メタル製のボディは温度や湿度、衝撃に強く耐久性に優れているため、取り扱い
を過度に気にする必要がありません。
音の特徴は、中音域から立ち上がる特性があり、原音を忠実に再現し魅力ある音質で録音ができます。
まとめ
コンデンサーマイクは繊細な構造上取り扱いに気を使いますが、質の高い音質を求めるなら欠かせないアイテムです。
ただ、自分に合ったマイク選びをするのは難しいもの。
いろんなマイクを試してお気に入りを見つけてみましょう。
ボーカル用コンデンサーマイクの購入で失敗しないために、各ショッピングサイトのレビューもしっかり確認して自分にピッタリなモノを見つけましょう。
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