近年はPC・タブレット端末に対応した音楽制作ソフトが登場し、端末だけでも楽曲が制作できる環境が整っています。
しかし、楽器等が接続できず、制作クオリティが落ちてしまうため、オーディオインターフェイスを検討される方も多いでしょう。
楽曲制作の手間を省きつつ、ライブ配信等でもパフォーマンスを発揮できるループバック対応製品を求める方もいると思います。
そこで本記事では、ループバック搭載オーディオインターフェイスを紹介し、メリットデメリット・選び方を解説します。
目次
ループバック搭載オーディオインターフェイスとは
オーディオインターフェイスはPC・タブレット端末に対し、本格的なマイク・楽器の入出力を可能にできるのが強みです。
しかし、楽曲を完成させるためにはボーカル・ギター・ドラムなど、各パートの音源を作成し、ミックスさせる編集が必要になります。
そこで活躍するのが、既存音源等を再生しつつマイク等の録音が行えるループバック対応インターフェイスです。
ミックス編集の手間や時間を省けますし、ライブ配信等でも好みの音楽を流せるため、配信空間をおしゃれに彩れます。
ループバック搭載オーディオインターフェイスを使うメリット
ミキシング編集が不要になる
オーディオインターフェイスはマイク・楽器を同時に入力できますが、音源と組み合わせるには編集作業が必要です。
ですが、ループバック機能は音源データを再生しつつ、マイク・楽器を入力できるため、後々の編集が不要になります。
音源を流しつつ、ボイス・メロディを入力することでファイルとして完成するため、無駄な時間を省略できます。
楽曲制作のハードルを下げられる
オーディオインターフェイスはマイクをはじめ、様々な楽器を入力し、PCにデータとして保存できるのが強みです。
しかし、楽曲を製作するとなるとパート別に音源を作成する必要があり、初心者が楽曲制作で躓いてしまう要因の一つでした。
ですが、ループバック機能はアレンジこそ必要ですが、既存音源で代用できるため、初心者でも気軽に楽曲制作に取り組めます。
拡張性を強化できる
PC・タブレット端末にも音楽アプリはリリースされているため、単体でも音楽制作は行えます。
しかし、端末と楽器を直接接続することができないため、必然的に制作できる楽曲のクオリティも落ちてしまいます。
ですが、オーディオインターフェイスは複数の楽器をPCと接続できるため、クオリティの高い楽曲制作が可能になります。
音をカスタマイズできる
PCに内蔵されたサウンドカードでもイコライザー等を調節できますが、カスタマイズの幅が狭く、深くはこだわれません。
ですが、オーディオインターフェイスは楽器別の音量調節をはじめ、細かいイコライザー調節が行えます。
中にはエフェクトを追加できる製品もあり、自分好みの音を追求し、楽曲制作やライブ配信を行えるのが魅力です。
ループバック搭載オーディオインターフェイスを使うデメリット
コストが掛かる
ループバック搭載オーディオインターフェイスは楽曲制作における工程を削減し、スムーズな楽曲制作を可能にします。
ライブ配信等にも活用できるため、非常に便利な機能ですが、性能に比例して高額なコストが掛かるのが欠点です。
最低でも1万円以上のコストが掛かりますし、その他機能・拡張性にこだわるなら3万円以上の予算が必要になります。
配線が複雑で迷いやすい
オーディオインターフェイスはUSB端子で端末と接続し、マイクだけでなく、楽器音も入力できるのが強みです。
しかし、知識があれば問題は無いですが、初心者の方から見ればXLR・フォーンと聞きなれないケーブル端子が頻出します。
どこに何を繋げば良いのか、必要な端子はどれなのか、迷わないために事前の調査が必須です。
ループバック搭載オーディオインターフェイスの選び方
コンボジャック数で選ぶ
コンボジャックはマイク・楽器の両方を接続できる端子であり、接続できる楽器数を左右するジャックです。
ライブ配信程度なら無くても問題は無いですが、複数人でレコーディングをするなら複数個のジャックが必要になります。
使用する楽器数や人数を考慮し、ジャック数に余裕がある製品の選択が必須ですが、コストが跳ね上がる点には注意です。
ご自身の予算を加味しつつ、ジャック数が不足しない製品を選びましょう。
音質で選ぶ
ループバック機能に対応したオーディオインターフェイスは利便性に優れていますが、実現できる音質は製品で違ってきます。
音質で注視すべきポイントはサンプリングレート・ビット数であり、96khz・16ビット以上が推奨されています。
サンプリングレート・ビット値は高いに越したことはありませんが、価格も比例する点には注意です。
予算を加味しつつ、サンプリングレート=96khz~192khz・ビット=16~32ビットで選択しましょう。
互換性で選ぶ
近年はPCだけでなく、タブレット・スマホでもライブ配信が可能であり、ループバック機能で配信に彩りを持たせることが可能です。
PCでライブ配信をするなら気にする必要はありませんが、タブレット・スマホを用いる場合、互換性のチェックが必須です。
タブレット・スマホでループバックを活用するにあたり、オーディオインターフェイスが互換性を持っているのが前提条件になります。
携帯端末を使用するのであれば、必ずiOS/Android等への互換性を持つ製品を選択しましょう。
メーカーで選ぶ
ループバック機能搭載オーディオインターフェイスは製品数が多く、音楽メーカーから展開されています。
これから初めて導入するにあたり、参考にするべきポイントはレビュー評価・ユーザー人気の高さになります。
日本で聞き馴染みが無いメーカーも多いため、初心者の方はレビュー評価が多い「Roland・Steinberg」がベストです。
メーカー・機材に精通した知識があり、高性能を求めるなら「Arturia・MUTU」がおすすめです。
価格帯で選ぶ
ループバック機能搭載オーディオインターフェイスは1万円以下~5万円越えと価格幅は広めです。
ループバック機能だけを優先し、コストを抑えるなら1万円以下~前後での選択になりますが、価格=性能に比例する点に注意です。
ループバック機能だけでなく、ジャック数・機能性を追求する場合、最低でも2万円程度の予算確保が必須になります。
高度な機能を搭載した製品は7万円前後に迫るため、予算を加味しつつ、理想の製品を選択しましょう。
ループバック搭載オーディオインターフェイスおすすめ10選
メーカー・製品名 | サイズ/重量 | サンプリングレート | 互換性 | コンボジャック数 |
---|---|---|---|---|
BOMGE BMG22 | 19×12.5×5cm/590g | 192khz | Windows/Mac | 2 |
TASCAM US-1X2HR | 14.6×12×5.5cm/623g | 192khz | Windows/Mac/ iOS | 0 |
ZOOM U-44 | 19.8×9.2×4.3cm/310g | 96khz | Windows/Mac/ iOS | 2 |
Steinberg UR12 | 15.9×14.4×4.7cm/850g | 192khz | Windows/Mac/ iOS | 0 |
Roland Rubix24 | 18.3×16.4×4.6cm/1.2kg | 192khz | Windows/Mac/ iOS | 2 |
PreSonus Revelator io44 | 13.6×7.7×5.8cm/350g | 96khz | Windows/Mac/ iOS/Android | 1 |
Steinberg UR242 | 19.8×15.9×4.7cm/1.3kℊ | 192khz | Windows/Mac/ iOS | 2 |
Steinberg UR-RT4 | 26.7×20.8×4.7cm/2.4kg | 192khz | Windows/Mac/ iOS | 4 |
Arturia MiniFuse 4 | 25×8.5×4.3cm/570g | 192khz | Windows/Mac | 2 |
MUTU M6 | 23.4×12×4.6cm/975g | 192khz | Windows/Mac/ iOS | 4 |
【BOMGE】
BMG22
Windows/MacOSへの互換性を持ち、2つのコンボジャックを搭載したオーディオインターフェイスです。
24ビット/192khzの高音質を実現しつつ、ループバック機能により、初心者にも扱いやすく設計されています。
コンデンサーマイク用のファンタム電源も確保されており、ローレイテンシーで遅延の無いモニタリングも魅力です。
サイズ/重量 | 19×12.5×5cm/590g |
---|---|
サンプリングレート | 192khz |
互換性 | Windows/Mac |
コンボジャック数 | 2 |
【TASCAM】
US-1X2HR
高品質マイクプリアンプを採用し、ブラッシュアップで原音の追求性を高めたオーディオインターフェイスです。
DAWをはじめ、世界的に愛用されている音楽制作ソフトウェアが付属されており、すぐに音楽制作が楽しめます。
コンボジャックは搭載されていませんが、PC端末だけでなく、iPadと幅広い互換性を持つ点が好評です。
サイズ/重量 | 14.6×12×5.5cm/623g |
---|---|
サンプリングレート | 192khz |
互換性 | Windows/Mac/iOS |
コンボジャック数 | 0 |
【ZOOM】
U-44
ポータブルサイズ+軽量で持ち運びやすく、4イン4アウトでジャック数も充実させたオーディオインターフェイスです。
低ノイズ設計のマイクプリアンプで快適な録音が可能であり、表面のコントロールパネルで直感的に操作できます。
無償のDAWソフトが2種類用意されており、購入後から即座に本格的な音楽制作に取り組める点も好評です。
サイズ/重量 | 19.8×9.2×4.3cm/310g |
---|---|
サンプリングレート | 96khz |
互換性 | Windows/Mac/iOS |
コンボジャック数 | 2 |
【Steinberg】
UR12
コンパクトながらもXLR端子をはじめ、ギター/ベース用フォーン端子を1基ずつ採用したオーディオインターフェイスです。
Windows/Mac/iOSへの互換性を持ち、ループバック機能を活用し、楽曲制作の手間を大幅に削減できます。
付属されたCubase AIソフトをはじめ、各種ソフトウェアを併用し、こだわりの制作環境が構築できます。
サイズ/重量 | 15.9×14.4×4.7cm/850g |
---|---|
サンプリングレート | 192khz |
互換性 | Windows/Mac/iOS |
コンボジャック数 | 0 |
【Roland】
Rubix24
最高水準DA/ADコンバーターに加えて、低遅延+高音質マイクアンプを2基搭載したオーディオインターフェイスです。
リミッター機能を活用し、設定レベル以上の過剰出力を抑えられるため、スムーズな録音が行えます。
モバイル端末にも使用できる音楽制作アプリをはじめ、20,000以上のサウンド音源を購入後から使用できる点も魅力です。
サイズ/重量 | 18.3×16.4×4.6cm/1.2kg |
---|---|
サンプリングレート | 192khz |
互換性 | Windows/Mac/iOS |
コンボジャック数 | 2 |
【PreSonus】
Revelator io44
ポケットサイズながらも様々な機能を搭載し、あらゆるシーンへの適応力を高めたオーディオインターフェイスです。
ファンタム電源を確保しつつ、低遅延+高音質で録音できるマイクプリアンプを搭載し、クリーンな音声を録音できます。
ループバック機能をはじめ、スタジオクオリティの調節機能を活用し、こだわりの制作空間を構築できます。
サイズ/重量 | 13.6×7.7×5.8cm/350g |
---|---|
サンプリングレート | 96khz |
互換性 | Windows/Mac/iOS/Android |
コンボジャック数 | 1 |
【Steinberg】
UR242
コンボジャック・MIDI端子を搭載し、DSPミキサー・エフェクトで音楽制作の幅を拡大できるオーディオインターフェイスです。
コンパクトサイズで持ち運びやすく、頑丈なメタルボディで設計されており、故障する心配もありません。
PC端末をはじめ、iPadへの互換性も持ち、幅広く活躍できる音楽制作ソフトウェアが付属されている点もおすすめです。
サイズ/重量 | 19.8×15.9×4.7cm/1.3kℊ |
---|---|
サンプリングレート | 192khz |
互換性 | Windows/Mac/iOS |
コンボジャック数 | 2 |
【Steinberg】
UR-RT4
Class-Aマイクプリアンプで高音質な録音を可能にしつつ、ジャック数も充実させたオーディオインターフェイスです。
付属されたCubaseで自分好みにカスタマイズし、音楽制作アプリを最適化して運用できます。
低遅延で編集時のモニタリングもしやすく、端末・楽器に合わせたプラグインが付属されている点も魅力です。
サイズ/重量 | 26.7×20.8×4.7cm/2.4kg |
---|---|
サンプリングレート | 192khz |
互換性 | Windows/Mac/iOS |
コンボジャック数 | 4 |
【Arturia】
MiniFuse 4
ローノイズマイクアンプをはじめ、MIDI端子を搭載し、メロディ機材との動機も可能にしたオーディオインターフェイスです。
2つのコンボジャックを活用し、マイク・楽器を自在に組み合わせた音楽制作が楽しめます。
個別コントロールが可能なヘッドフォン端子を搭載しており、精密なモニタリングが行える点も魅力です。
サイズ/重量 | 25×8.5×4.3cm/570g |
---|---|
サンプリングレート | 192khz |
互換性 | Windows/Mac |
コンボジャック数 | 2 |
【MUTU】
M6
2系統の出力を可能にするヘッドフォン端子を搭載し、シーンに合わせて切り替え運用できるオーディオインターフェイスです。
4つのコンボジャックをはじめ、MIDI端子も備えており、こだわりの機材を同時に使用し、プロ品質の音楽制作が行えます。
2.5msレイテンシーでPCとの遅延が起きにくく、付属DAWソフトウェア音源を自在に使用できる点も好評です。
サイズ/重量 | 23.4×12×4.6cm/975g |
---|---|
サンプリングレート | 192khz |
互換性 | Windows/Mac/iOS |
コンボジャック数 | 4 |
まとめ
ループバック機能を搭載したインターフェイスは楽曲制作の手間を省けますし、ライブ配信でも活躍できる魅力があります。
拡張性・機能次第では高額なコストが掛かる点には注意し、本記事で紹介した内容を参考に選んでいただければ幸いです。
オーディオインターフェイス ループバックの購入で失敗しないために、各ショッピングサイトのレビューもしっかり確認して自分にピッタリなモノを見つけましょう。
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