イップス対策に効果的な中尺パターは、アンカリングの規制によって使用者が激減、ところが最近なって見直されてきています。
身体にグリップエンドを接触しない構え方アームロックスタイルによって、復活の兆しが見えてきています。
有名プロがトーナメントで使用し、大手メーカーはニューモデルを発表し、注目度が高まっているパターです。
そこで今回は、おすすめの中尺パター10選と、選び方やメリット・デメリットをご紹介します。
目次
- 1 中尺パターを使うメリット
- 2 中尺パターを使うデメリット
- 3 中尺パターの選び方
- 4 中尺パターおすすめ10選
- 4.1 【オデッセイ】 2ボールTEN アームロック(73022O173900)
- 4.2 【コブラ】 キング 3Dプリント グランドスポーツ35(91461209)
- 4.3 【ベティナルディ】 BB28 アームロック (23015443)
- 4.4 【ピン】 DS72アームロック(2023 PT STD PP58 ST)
- 4.5 【テーラーメイド】 ダディ ロング レッグス
- 4.6 【プロファウンド】アンビション プロ37 アームロック
- 4.7 【コブラ】3Dプリント アームロック (91461209)
- 4.8 【ピン】スコッツデール トゥルーロール ZB S
- 4.9 【シック】プロ MB マットブラック アームロック
- 4.10 【シーモア】ミニジャイアント FGP ブラックブレード
- 5 まとめ
中尺パターを使うメリット
安定性が向上する
通常のパターよりも長めシャフトを装着しているため、無駄な動きを抑制することができる機能が備えたパターです。
ヘッドの重量を感じながら、長めのシャフトを活かして、振り子をイメージしたストロークをすると、安定した軌道が得られます。
ヘッドの重みを活かすことで揺れやブレが減り、直線的なストロークが実現できます。
ショートパットの精度が向上する
長めのシャフトの効果で、揺れることなく真っ直ぐ引けるテークバック、迷うことなく打ち出せるストロークが可能なパターです。
特に、ヘッドの可動域の少ないショートパットにおいて、効果的なストロークができます。
左腕と一対とするアームロックタイプで構えるのであれば、さらに精度の高いショートパットが可能となります。
スコアアップにつながる
シャフトの長さを利用したオートマチックな操作性は、緊張する場面ほどスコアメイクに効果が実感できます。
普段通りにストロークをすれば問題のない距離でも、緊張を強いられることで外してしまうことがあります。
しっかりした構え方さえできれば、システマチックにパッティングによって、結果を出せるのが中尺パターの利点です。
イップス対策になる
いつイップスの症状が出るかは誰にもわかりませんが、症状が出ると回復できる手立ては限られています。
もっとも効果的と言われたアンカリングはルールよって排除され、現在有効なのは左腕でリードするストローク法です。
長めのシャフトを左腕に密着させ、腕と一対のパターを振り子のようにストロークすることで解消できます。
好不調の波が少なくなる
振り子を担うヘッドは重めに設定されているため、振り子の支点となる左肩さえブレなければ安定したストロークができます。
パッティングラインさえ決まれば、距離と振り幅を合わせるだけなので、タッチの強さによる好不調はありません。
日によって変わる「調子」とは無縁のストローク法なので、安定したパッティイングができます。
中尺パターを使うデメリット
適応するまでに時間がかかる
普通のパターから中尺パターに移行する場合、構え方や打ち方が違うため、慣れるまでに時間がかかる場合もあります。
右の手のひらで押すようなストロークから、左腕がリードし右手は添えるだけのメカニズムに慣れることが必要です。
右手リードの期間によって違いはありますが、焦らずに練習を重ねることが習得する一番の早道です。
オートマチックな操作性が低下する
左腕にシャフトを密着させるアームロックは、左肩を支点に左腕を動かすスタイルです。
フラットなグリーンでは効果的ですが、アンジュレーションの強いグリーンでは上半身の角度を変える対応が必要です。
変化を好まないパッティング法で、上半身の傾斜角度を変えることは、オートマチック性を失う可能性を考慮する必要があります。
距離感が出しづらくなる
アームロックスタイルのパターは、長めのグリップラバーの先端を握り、グリップエンドは肘に近い状態で構えます。
パターを動かす上での利き手が、シャフトの中間部に近い位置を握ることで、操作性が抑制できるため、安定した軌道が可能です。
一方で、ヒットの加減が求められる場面では、距離調整が難しいパターとも言えます。
練習量が必要
ヘッドの重さでストローク軌道が安定するため、しっかり打って入れる、ショートパットに向いているパターと言われています。
一方で、ソフトタッチの場面で難さが感じられるのは、重いヘッドのパターです。
重すぎるとコントロールが難しくなるため、納得できる打感を習得するまでには、一定の練習が必要なパターでもあります。
他のクラブを傷つける可能性がある
ウッドタイプのシャフトと同等の長さなので、乗用カートで移動中に、ほかのクラブを傷つけてしまう可能性があります。
ヘッドカバーの付け忘れや移動中に外れなどで、自分だけではなく同伴者のクラブにもダメージを与える恐れがあります。
特に、特殊形状で大きなヘッドは、トランクルームに積み込むときにも注意が必要です。
中尺パターの選び方
シャフトの長さで選ぶ
中尺パターには明確な定義がないため、メーカーによって長さに違いがあります。
一般的なパターの長さは34インチ以下、長尺パターが48インチ前後なので、その中間が中尺パターと言えます。
個々の体形に合わせて選ぶことになりますが、35インチから47インチでは、幅が広すぎて選びにくいかもしれません。
お腹にグリップエンドを付ける打ち方は規制されているので、現況では40インチ前後の長さのアームロックタイプが多くなってます。
ヘッドの形状で選ぶ
ヘッドの形状はブレード型とマレット型があります。
ブレード型は、変化のあるパッティングラインで、あえて芯を外して距離や転がりを調整できる、操作性に優れたモデルです。
マレット型は、フェース面をスクエアに保つことで、ターゲットに向けて正確なストロークができる、安定性に優れたモデルです。
中尺パターは、長いシャフトを活かして、振り子のようにストロークするので、安定性に優れたマレット型が人気となっています。
パターの重量で選ぶ
中尺パターに限らず、重量の軽いゴルフクラブほど操作がしやすく、重たいクラブほどヘッドの軌道は安定します。
中尺モデルの多くは、ヘッドを重めに設計していて、ヘッドの重さを利用したペンデュラムストロークをイメージした造りです。
ただし、ストロークの安定性が向上する反面で、デリケートなタッチが必要な場面ではコントロールできない可能性もあります。
さまざまな場面を想定して、自分に合った重さを選ぶことが重要です。
メーカーで選ぶ
2016年のアンカリング規制で、メーカーの多くは中尺パターから撤退しますが、新たなパッティング法によって現在は再注目されています。
復活したと言っても、いまだにアイテム数は少なく、新たなモデルを開発するメーカーが増えてくることが期待されています。
現況では、見直しに伴って普及した打ち方にちなんで付けられた、「アームロックパター」を名称としているメーカーが多いようです。
価格帯で選ぶ
中尺モデルは、その特殊性から専門ショップでも受注発注することが多く、在庫していることの少ない商品です。
それだけにメーカー価格とほぼ変わることのない定価販売になるため、リーズナブルな価格帯とは言えません。
ただし、規制前に販売されたユーズド品も、中古市場に流れているので、グリップを交換すれば十分に使うことができます。
選ぶ際にはネットの価格情報を比較し、さらにショップの個別情報も確認することをおすすめします。
中尺パターおすすめ10選
メーカー名・商品名 | ヘッド形状 | 長さ(インチ) | ロフト角(°) | ライ角(°) |
---|---|---|---|---|
オデッセイ 2ボールTEN アームロック | ネオマレット | 39 ~ 43 | 7 | 72 |
コブラ キング3Dプリント グランドスポーツ35 アームロック | ネオマレット | 41 | 1 ~ 4 | 70 |
ベティナルディBB 28 アームロック | ブレード | 40 ~ 42 | 3 ~ 7 | 68 ~ 72 |
ピン DS 72 アームロック | マレット | 38 ~ 45 | 6 | 70 |
テーラーメイド ダディ ロング レッグス | マレット | 35 / 38 | 2.5 | 70 |
プロファウンド アンビション プロ37 アームロック | ネオマレット | 37 | 2.5 | 70 |
コブラ 3Dプリント アームロック | ブレード | 41 | 4 ~ 7 | 72 |
ピン スコッツデール トゥルーロール ZB S | ブレード | 31 ~ 38 | – | 70 |
シック プロ MB マットブラック アームロック | ブレード | 41 ~ 43.5 | 4 ~ 9 | 78 ~ 80 |
シーモア ミニジャイアント FGP ブラックブレード | ブレード | 30 ~ 39 | 2.5 | 68 ~ 72 |
【オデッセイ】
2ボールTEN アームロック(73022O173900)
パターメーカーの第1人者であるオデッセイは、2016年規制以降も2019年に2アイテム、2021年に1アイテムの中尺パターを発売しています。
そして2023年には、19年版に引き続き伝統の2ボールタイプを装着した、アームロックパターを発表しています。
最新の高慣性モーメントと、ホワイト・ホットインサートが特徴的な、39インチモデルです。
ヘッド形状 | ネオマレット |
---|---|
長さ(インチ) | 39 |
ロフト角(°) | 7 |
ライ角(°) | 72 |
【コブラ】
キング 3Dプリント グランドスポーツ35(91461209)
幾何学的な格子構造を備えたデザインの3Dプリントヘッドは、最適な重量配分によってスムーズなストロークが可能なモデルです。
大型のネオマレットヘッドに、41インチのシャフトを装着したことで高い慣性モーメントが得られ、真っ直ぐに打ち出すことができます。
ロフト角のバリエーションも豊富に用意され、選んで決めることのできるモデルです。
ヘッド形状 | ネオマレット |
---|---|
長さ(インチ) | 41 |
ロフト角(°) | 1 ~ 4 |
ライ角(°) | 70 |
【ベティナルディ】
BB28 アームロック (23015443)
400グラムもある303ステンレス製のヘッドに、アームロックスタイルk能なシャフトを装着したモデルです。
高慣性モーメントによるストローク軌道の安定、多彩なロフト角で順回転による直進性を備えたパターです。
マット・クーチャー、フレッド・カプルスなど、世界で活躍してきたトッププロ愛用の人気モデルを継承しています。
ヘッド形状 | ブレード |
---|---|
長さ(インチ) | 40 ~ 42 |
ロフト角(°) | 3 ~ 7 |
ライ角(°) | 68 ~ 72 |
【ピン】
DS72アームロック(2023 PT STD PP58 ST)
304ステンレス製のフェースには、小さな溝を施したミーリング加工で、ボールをしっかりとらえて打ち出すことができます。
厚めのフェースによって、心地よい打音と信頼性の高い打感が得られ、自信を持ってカップを狙うことができます。
長めのグリップを左腕に添わせることで、アンカリングに匹敵する安定感が得られるモデルです。
ヘッド形状 | マレット |
---|---|
長さ(インチ) | 38 ~ 45 |
ロフト角(°) | 6 |
ライ角(°) | 70 |
【テーラーメイド】
ダディ ロング レッグス
8つの素材と16 個のパーツによって造られたヘッドは、8500超えの慣性モーメントを備えています。
高い慣性モーメントによって、たとえミスヒットでも、思い通りのラインにボールを打ち出すことができます。
さらに、通常の2倍ともいわれる130グラムのグリップ重量によって、カウンターバランスの優れた扱いやすいモデルです。
ヘッド形状 | マレット |
---|---|
長さ(インチ) | 35 / 38 |
ロフト角(°) | 2.5 |
ライ角(°) | 70 |
【プロファウンド】
アンビション プロ37 アームロック
バックブレードにオレンジ色の線を隠し、ヘッド上部には白線をガイドラインとすることで、スクエアなインパクトが可能です。
この3Dアライメント機能によって、テークバックからフォローまでの、安定したストロークの軌道が可能となります。
「オレンジを隠す」というメカニズムで、不安が一掃でき再現性を高められるモデルです。
ヘッド形状 | ネオマレット |
---|---|
長さ(インチ) | 37 |
ロフト角(°) | 2.5 |
ライ角(°) | 70 |
【コブラ】
3Dプリント アームロック (91461209)
41インチでセットアップして設計したため、アームロックスタイルでグリップしても、まったく違和感のないモデルです。
パターを左腕に添えて握っても、フェースの角度、シャフトの傾き、すべてが完全な形となって安定したストロークができます。
またマルチマテリアル設計によって、慣性モーメントの高い安定性も備えたモデルです。
ヘッド形状 | ブレード |
---|---|
長さ(インチ) | 41 |
ロフト角(°) | 4 ~ 7 |
ライ角(°) | 72 |
【ピン】
スコッツデール トゥルーロール ZB S
シンプルでスマートなヘッドデザインと、マットブラック仕上げの美しいカラーに特徴のあるクラシカルな中尺パターです。
2014年モデルでありながら、現在も販売されているのは、老舗ならではのネームバリュと、確かな品質にほかなりません。
ソールには「PINGS Scottsdale」と刻印された、名実ともにブランドを代表する中尺パターと言えます。
ヘッド形状 | ブレード |
---|---|
長さ(インチ) | 31 ~ 38 |
ロフト角(°) | – |
ライ角(°) | 70 |
【シック】
プロ MB マットブラック アームロック
シャフトがフェース面よりも前に出ている、クランクネックタイプの中尺パターです。
ボールをシャフトの先端にセットすることで、長いシャフトでも迷うことなくアドレスをとることができます。
さらにシャフトの傾きに関係なく、安定した打ち出し角が得られるように開発したDLTを搭載、常に順回転の良い転がりが実感できます。
ヘッド形状 | ブレード |
---|---|
長さ(インチ) | 41 ~ 43.5 |
ロフト角(°) | 4 ~ 9 |
ライ角(°) | 78 ~ 80 |
【シーモア】
ミニジャイアント FGP ブラックブレード
数々の戦歴をあげてきたFGPデザインのヘッドは、トゥとヒールに非調整タイプのウェイトを装着したパターです。
ヘッドの中心で両端のバランスがとられているので、スムーズにヘッドを動かすことができます。
37インチモデルは、ヘッドの重さにグリップ側も応分の重さが感じられるカウンターバランスを施した扱いやすいパターです。
ヘッド形状 | ブレード |
---|---|
長さ(インチ) | 30 ~ 39 |
ロフト角(°) | 2.5 |
ライ角(°) | 68 ~ 72 |
まとめ
注目が集まっているとは言え、まだまだ試打用パターが置かれている状況ではありません。
中尺パターを選ぶときには、ネットの評価や口コミなども参考にしながら、自分にとって扱いやすい品を見つけることが大切です。
中尺パターの購入で失敗しないために、各ショッピングサイトのレビューもしっかり確認して自分にピッタリなモノを見つけましょう。
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