巻物と言えば「クランクベイト」というように、バスフィッシングには欠かせないルアーとなっています。
クランキングゲームはただ巻きでも「ブルブル」と手元に伝わってくる振動と、バスがバイトした瞬間に体感する強烈な引きがとてもエキサイティングな釣りです。
今回はクランキングベイトの種類や、使い方を中心に解説をしていきたいと思います。
きっと記事を読み終えるころにはクランクベイトの虜になっていることでしょう。
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目次
クランクベイトとは?
リップの抵抗によって潜りながら力強いアクションを生み出すのがクランクベイトの最大の特徴です。
丸みを帯びたボディーが持つ「浮力」によって、バスに強烈にアピールします。
この高い浮力によって根掛かり回避性能にも優れますので、カバー周りを果敢に攻め込むことができます。
リップの長さによってレンジを変えることができますので、シャローエリアからディープエリアまで幅広く対応することができます。
クランクベイトの種類
一口にクランクベイトと言ってもリップの長さで攻略するレンジが変わってきます。
またボディーの形状の違いでもアクションが変わってきますので、バスの居場所など状況に応じて使い分けをしていきましょう。
リップの種類
ラウンドリップ
クランクベイトのリップで最も主流なタイプがラウンドリップです。
ストラクチャーなどをタイトに攻めやすい、先端が丸みを帯びた形状が特徴的です。
リップの先端が丸い分、コツコツとボトムをなめるように引くことができます。
ディープエリアや、ゴロタが点在しているフィールドで活躍します。
スクエアリップ
丸みを帯びたラウンドリップとは対照的に、四角く角張っているのがスクエアリップです。
主な特徴としては、岩などのストラクチャーに当たって弾かれると、ヒラ打ちアクションを誘発してリアクションバイトを誘うことがでることです。
さらにルアーが弾かれることで根掛かりしづらいという利点がありますので、カバーでのクランキングゲームに適したリップとなります。
また、リップが四角いスクエア型ということもあり、アクションは比較的大振りでシャロークランクに採用されることが多いリップタイプとなります。
コフィンリップ
ラウンドリップとスクエアリップの中間に位置づけられるのがコフィンリップです。
形状は6角形のものが多く、ストラクチャーの回避性能と、弾かれすぎない滑らかな動きを兼ね備えています。
フィールドを選ばずオールラウンドに使えますので、迷ったらコフィンリップを使用してみましょう。
ボディーの種類
ラウンドタイプ
クランクベイトの代表的な形がラウンドタイプになります。市販されているほとんどはこの丸みを帯びたタイプになります。水の抵抗を受けながら力強く泳ぐのが特徴的です。
フラットサイドタイプ
側面が平らになっているクランクベイトをフラットサイドタイプと呼びます。ラウンドタイプよりも大振りな水押しアクションとフラッシングを効かせることができます。
水深の違い
サーフェスクランクベイト
主に表層をユラユラと波立てながら使うクランクベイトです。
トップウォーターに近い使い方ができますので、バスが浮いているシチュエーションなどで有効的です。
引き波の効果でアピール力がありますので、濁りが強いフィールドなどで活躍します。
シャロークランク
シャローエリアを攻略するのに最適なクランクベイトです。
主に表層から水深1.5mくらいまで潜るタイプのことを指しますので、おかっぱりでは欠かせないルアーとなります。
ミドルクランク
潜行深度が1.5~3mくらいの中層を泳がせるタイプがミドルクランクになります。
リザーバーなど足元から水深のあるフィールドや、ボートフィッシングでよく使われるタイプになります。
ディープクランク
クランクベイトの中ではもっとも潜行深度の深いクランクベイトで、主に3m以上のディープエリアを探る際に使用します。
水深が深いリザーバーや、冬場のディープエリア攻略に欠かせないクランクベイトです。
クランクベイトが活躍するシチュエーション
「どんな時にクランクベイトが活躍するのか?」を解説していきたいと思います。
使いどころを外してしまうと、バスのいないレンジをひたすら通してしまうのがクランクベイトのデメリットでもあります。
状況に応じた使い分けをしていきましょう。
マッディーウォーター
クランクベイトの特徴でもある、「ブルブル」と手元にまで伝わってくる力強いアクションがマッディーウォーターで大活躍します。
ルアーを視覚で確認しづらい状況下でも、波動でバスに強くアピールをします。
ワームやミノーなどでアピール力不足を感じたらクランクベイトを投げてみてください。
カバーエリア
頭(リップ)を下げた状態で泳ぐこと、リーリングをやめれば浮き上がる性質から、根掛かり回避能力が優れたルアーとなっています。
立ち木や岩場などを積極的に攻め込むことができますので、ラバージグやテキサスリグより効率的に釣ることができます。
中層~ボトムにバスがいる場合
バスが中層からボトムにいることが分かっていれば、バスのレンジに合わせた潜行深度のクランクベイトで効率よく釣ることができます。
特にボートフィッシングでは魚探でベイトのレンジを確認できますので、クランクベイトの特徴が遺憾なく発揮できます。
クランクベイトの使い方
クランクベイトの良い点として、基本的に巻いているだけでアクションをしてくれるので簡単に扱えるということです。
巻くだけで自発的に動いてくれることから、初心者でも扱いやすいルアーなのです。
ここでは代表的なクランクベイトの使い方をご紹介したいと思います。
ただ巻き
クランクベイトの基本中の基本となるのが「ただ巻き」です。
一定の速度でリトリーブして引いてきます。
その際、バスの反応を確認するためにも早巻きをしてみたり、スローリトリーブしてみたりと変化をつけてみましょう。
とにかくキャストして色々なコースをトレースしていくことがポイントになります。
ストップ&ゴー
ただ巻きに反応しないようであれば、動きに強弱をつけた「ストップ&ゴー」が効果的です。
ただ巻きのスピードについていけない状況や、食い気が低い時などはポーズ中にバイトしてきたりします。
リーリングを止めるとクランクベイトの浮力によってルアーが浮いてきますので、止めておく時間によっても変化をつけることができます。
ウェイキング
トップウォーターに反応しないときに有効なのが、水面直下を引いてこれる「ウェイキング」になります。
水面に波紋を立てながら巻いてくるのでアピール力が強く、バスがバイトしやすいポジションでリーリングできるというメリットもあります。
ウェイキングのコツとしては、潜らせすぎないことと、水面から飛び出さないようロッドの角度をうまく調整しながら巻いてくることです。
クランクベイトに最適なタックル
巻き抵抗の大きいクランクベイトですので、ルアーとタックルのバランスが重要になってきます。
ここでは、おかっぱりやボートフィッシングでよく使われるシャロークランク~ミドルクランクに最適なタックルをご紹介していきたいと思います。
おすすめのロッド
長さは6f~7fでML~Mアクションのものが扱いやすく、おかっぱりやボートフィッシングで重宝します。
素材はグラスロッドかグラスコンポジットロッドのものがアクションを出しやすく、バイトも弾かれにくいという特徴があります。
おすすめのリール
一定の速度でリーリングすることが多いクランクベイトですので、ルアーを安定させやすいローギア~ノーマルギアのベイトリールがおすすめです。
おすすめのライン
ラインに関しては、ナイロンラインかフロロカーボンラインが巻物には扱いやすいラインになります。
太さは強度と飛距離のバランスを考えて10~12lbがベストマッチです。
クランクベイトのチューニングについて
ノーマルの状態でも十分に使えるクランクベイトですが、自分の好みにカスタマイズする面白さも醍醐味です。
ここでは代表的なチューニング方法を2つほどご紹介したいと思います。
フェザーフック化
腹部や、テールのフックをフェザーフック化することで、ユラユラと艶めかしいアクションを生み出すことができます。
クランクベイト本来のキレのある動きを殺すことで、スレたバスに効果的な場合があるので試してみてください。
リップの加工
リップの厚みを薄くすることで、よりタイトなピッチで泳がせることができます。
削る量で動きを調整することができますので、少しずつ泳ぎをみながら削りましょう。
ピッチを早くすることで、バスが見切りづらくなるという効果があります。
クランクベイトはシーバス(ソルトウォーター)で使える?
あまりソルトウォーターフィッシングでは馴染みのないクランクベイトですが、まったく使えないということはありません。
例えば河口域のようなバス釣りと似たようなフィールドであれば、クランクベイトのボトムノックが効果的な場面があります。
釣れる魚種はシーバス以外に、クロダイやマゴチといった大物が狙えるのもソルトウォータークランキングの醍醐味です。
最近流行りのハゼクランクという釣り方もありますので、海に生息する魚も十分に対象魚となります。
ただし、波や潮の影響を受けやすい場所などでは、綺麗に泳がせづらかったりしますので状況に応じて使いましょう。
おすすめのクランクベイト10選
ここからは、筆者の長年のバス釣り経験から是非ともおすすめしたいと思うクランクベイトを10個ご紹介したいと思います。
なお、筆者は主におかっぱりが主戦場なため、シャロークランクが中心となっていますのでご承知おきください。
①ダイワ ピーナッツII
バス釣りの王道クランクベイトと言えば、ダイワのピーナッツではないでしょうか。今回ご紹介するのは、時代の流れと共に進化し続けているピーナッツIIです。安くて、しかも釣れるというコストパフォーマンスに優れた名作です。種類も「スーパーシャローランナー」「シャローランナー」「ディープランナー」と3種類ありますので、フィールドの状況に応じて使い分けましょう。
②O.S.P ブリッツ
ブリッツの特徴としては、薄いサーキットボードリップによって得られるキビキビとしたピッチの早いアクションです。
また、ボディーの下部にセットされた「ワンウエイトアンダーバランスシステム」によって、低重心で安定した高速アクションを生み出しています。
この素早いアクションは障害物の回避性能も高めていますので、根掛かりがしやすいストラクチャー周りでも果敢に攻めることが可能です。
③O.S.P HPFクランク SPEC2
HPFクランク SPEC2は数少ない、フラットサイドタイプのクランクベイトで、バルサ以上の超ハイピッチアクションを生み出します。
固定重心にしたことでストラクチャーにコンタクトした際に大きなヒラ打ちはせず、安定してリーリングし続けることができます。
また、SPEC2はサイレント仕様になっているため、ラトル音を嫌うナーバスなバスに効果的です。
バスの反応を見ながら、ラウンドタイプのクランクベイトとローテーションしてみましょう。
④O.S.P バジンクランク ヘビーヒッター
バジンクランク ヘビーヒッターは水面直下を引いてくることに特化したサーフェスタイプのクランクベイトです。
ひざ下ほどしかない超シャローエリアや、活性の高いバスを効率良く釣るのに適しています。
サイズは50mmとコンパクトサイズながら、高いキャスタビリティーが魅力的です。
おかっぱりには欠かせない唯一無二の存在と言えるでしょう。
⑤エバーグリーン ワイルドハンチ
ワイルドハンチの一番のメリットと感じるのは、ストラクチャーなどをタイトに攻めても根掛かりがしづらい回避能力の高さです。
立木エリア、ゴロタ場などハードルアーでは攻めづらいようなポイントでもガンガン巻いてこれます。
また、太いラインや高速リトリーブ時でもしっかり泳ぐことを大前提に作り込んでいますので、クランクベイトの基本中の基本を抑えた極めてシンプルな仕上がりになっています。
⑥O.S.P ブリッツMAX-DR
先ほどご紹介したブリッツのディープクランクバージョンです。
世間一般的には巻き抵抗の大きいディープクランクですが、このブリッツMAX-DRは1日中投げても疲れにくい、巻き抵抗が軽やかなクランクベイトです。
固定重心のウエイトにより、ディープエリアでもレンジをキープしながら安定して泳いでくれます。
⑦デプス コリガン-SR
シャロークランクには珍しい、水平リップを採用しているのがデプスのコリガン-SRです。
意図的にリップを水平にすることで、クランクベイトの弱点でもある「スタック」を回避しやすくしています。
重心はやや後方に持ってきているため、ロングキャスト性能と独自のワープアクションを可能にしました。
ゴロタ場、リップラップやハードボトムのフィールドにおすすめです。
⑧メガバス グリフォン ベイトフィネス SR-X
小型クランクベイトの王道とも言えるのがメガバスのグリフォンではないでしょうか。
その小さなボディーからは想像もできない「アピール力」「ストラクチャーの回避性能」「ロングキャスト性能」の三拍子揃った魅力的なルアーです。
ボトムの岩などに接触する際に起きる「ピンボールアクション」でデカバスを狙いましょう。
⑨エバーグリーン クラッチヒッター
清水盛三プロが監修しているクラッチヒッターは、クランクベイトを知り尽くしているからこそ生み出された渾身の一作です。
キレのあるハイピッチアクションで、水面直下から水深30cmまでのシャローレンジを攻略します。
ロッドワークを駆使しながら、トップウォーターには出てこないよなシチュエーションで是非とも使っていただきたいルアーです。
⑩メガバス ディープX 300
メガバスのグリフォンと同じく、長年愛され続けているディープクランクと言えばディープX 300ではないでしょうか。
多目的重心移動システムを採用することで遠投性能を上げ、より深いレンジまで潜らせることができます。
ディープエリアでもジャーキングやトゥイッチを可能にするセッティングが施されていますので、深場に潜むデカバスに強くアピールします。
主に3mラインを攻略するときに使用しますので、急深なリザーバーやボートからのバス釣りにおすすめです。
まとめ
今回の記事では、クランクベイトの特徴や使い方にクローズアップして解説してきました。
ルアーフィッシングの醍醐味でもある「巻いて釣る」を地で行くルアーとなっていますので、クランクベイトが好きな方も、苦手な方も是非とも解説を参考に使ってみてください。
今以上にエキサイティングなルアーゲームを楽しめること間違いなしです。