小屋泊やテント泊での登山を考えるとき、どんなリュックを使うかは、登山者の大きなテーマのひとつです。
特に、日帰り登山からステップアップする方は、今まで使っていた登山リュックでは容量が不足しがちです。
小屋泊から1泊2日くらいのテント泊であれば、50L程度の容量の登山用リュックが必要になってきます。
今回は50Lの登山用リュックのメリットやデメリット、選びかたを交えてご紹介します。
目次
- 1 50Lの登山リュックを使うメリット
- 2 50Lの登山リュックを使うデメリット
- 3 50Lの登山リュックの選び方
- 4 50Lの登山リュックおすすめ10選
- 4.1 【GREGORY】カトマイ55(47J*09003)
- 4.2 【OSPREY】イーサー55(OS50084003004)
- 4.3 【Black Diamond】ミッション55(BD54048001004)
- 4.4 【MAMMUT】Trion Spine 50(2520-00870)
- 4.5 【アライテント】クロワールスパイダロン(0111811)
- 4.6 【The 3rd Eye Chakra】The Back Pack #002 V2(bp002v2-55)
- 4.7 【PAAGO WORKS】CARGO55(HP204)
- 4.8 【MYSTERY RANCH】BRIDGER 55(19761470)
- 4.9 【HYPERLITE MOUNTAIN GEAR】JUNCTION 55(3-10655-1)
- 4.10 【GOSSAMER GEAR】GORILLA 50 Ultralight(GSCU0021)
- 5 まとめ
50Lの登山リュックを使うメリット
宿泊用の装備が入る
小屋泊では2日分以上の着替えや食料、テント泊ではそれらに加えてテントやマット、シュラフ等、持たなければならない装備が増えます。
こうした、宿泊用の装備を入れるためには、50L以上の登山用リュックが必要となります。
また、50L以上のリュックは登山に限らず、旅行に持ってく際も重宝する大きさです。
用途に合わせて容量を調節して使える
50L以上の登山用リュックはコンプレッションバンドやロールアップ、モンスターゾーンが搭載されているモデルがあります。
これらを活用することで、容量を大きく調整することが可能です。
容量が50Lの登山用リュックのメリットの1つは、これらを活用し、小屋泊からテント泊まで、広い用途に使用出来る事です。
特徴がはっきりしている
50L以上のリュックになると、リュックの特徴がはっきりと分かれてきます。
例えば、スピードハイク用の軽量の物、縦走用にギミックが詰め込まれた物、クライミング用のギアループやポケットが備わった物などです。
自分の登山スタイルに合わせてリュックを選ぶ幅が広がるのが、メリットのひとつです。
50Lの登山リュックを使うデメリット
パッキングが上達しない
泊りの登山では、大きな登山用リュックを使うことで、大容量の荷物を持ち歩くことが可能です。
登山における重要なスキルのひとつにパッキングがあり、荷物を上手にリュックにしまう技術があります。
日帰りでも大きなリュックを使う事が癖になると、簡単に荷物が入ってしまう反面、パッキングが上達しません。
持ち歩くのに体力が必要
大きな登山用リュックを適切に使うためには、リュックの中身をある程度満たしておく必要があります。
50Lの登山用リュックが、標準的なテント泊装備で満たされている状態であれば、重さは10kg程度になります。
日帰り登山のリュックの重さが2-3kg程度ですので、50Lの登山用リュックを背負って山を登るためには体力が必要です。
容量が中途半端となる事がある
登山用リュックで50Lという大きさは、小屋泊では容量過多、テント泊では容量不足となる可能性があります。
解決方法は持っていく装備を厳選したり、パッキングの技術を磨くことです。
これにより、小屋泊では一回り小さいリュックを使用できますし、テント泊でも50Lで十分対応出来るようになります。
50Lの登山リュックの選び方
身体に合っているか
日帰りのリュックに比べて、50L以上の大型サイズの登山リュックは身体に合ったものを選ぶ事が非常に重要です。
大型リュックを使う主な目的は小屋泊やテント泊であり、必然的に荷物の重量が増え、行動時間も長くなります。
大型リュックでは僅かなズレや身体への擦れが、重量や長時間行動によって、身体へダメージを与えます。
お気に入りの大型登山リュックを見つけたら、実際に背負って自分の身体に合っているか確かめて下さい。
重量
大型の登山リュックになると、リュック自体の重量も増します。
小屋泊やテント泊山行の装備重量に、購入する登山リュックの重さを加算し、自分が背負える重さであるか確かめて下さい。
一方、重量が増すものの、フレームが入っていたりウェストベルトがしっかりしているリュックは、背負った際に軽く感じます。
この点においても、実際に背負って確かめる事をおすすめします。
構造とギミック
50L以上の登山用リュックになると、リュックの構造とギミックが豊富になります。
まずは、フレームが入っているか、ウェストベルトはしっかりしいるか、荷物へのアクセスは良いか等、リュックの構造を把握して下さい。
その上で、ボトルやサングラスホルダーの位置、バックルの構造などのギミックに注目すると、自分に合ったリュックを選びやすくなります。
メーカー
50L程度の登山用リュックは、様々なメーカーがラインナップしています。
GREGOLYやOSPLAYなどは、堅牢で長時間背負える登山用リュックを作る大手専門のメーカーです。
多用途に使える登山用リュックを作っているメーカーとしてはアライテントやThe 3rd Eye Chakraが挙げられます。
また、HYPERLITE MOUNTAIN GEAR、GOSSAMER GEARは軽量化に特化したメーカーです。
価格帯
価格はザックの機能をどこまで追い求めるかで変わります。
ギミックにこだわっていたり、軽量化に特化しているリュックはその分価格が上がります。
また、海外ガレージブランドは代理店が付いていないことや外国為替の影響など、場合により価格が高くなる事がある点に注意が必要です。
50Lの登山リュックおすすめ10選
メーカー名・製品名 | 容量 | 生地 | 重量 | フレーム |
---|---|---|---|---|
GREGORY カトマイ55 | 50L | オリジナル耐久軽量素材 | 2091g | 合金外周フレーム+ファイバーグラス |
OSPREY イーサー55 | 55L | 420HDナイロンパッククロス、PFC-freeDWR | 2.19kg | ワイヤーフレーム |
Black Diamond ミッション55 | 53L | 420d Xリップナイロン+UTS(Ultra Tear Strength)コーティング | 1.8kg | フレームシート |
MAMMUT Trion Spine 50 | 50 L | 420D Nylon Cross Ripstop | 2200 g | 有り |
アライテント クロワールスパイダロン | 45L+10L | スパイダロン®リップ | 1560g | 無し |
The 3rd Eye Chakra The Back Pack #002 V2 | 55L+ | X-PAC X21 / BEATTEX 1000D | 1650g | U断面アルミニウム・スパイン |
PAAGO WORKS CARGO55 | 55L | ナイロンPCコーティング | 1770g | 軽量アルミフレーム |
MYSTERY RANCH BRIDGER 55 | 55L | 100Dロービックリサイクルナイロン リップストップ | 2.4kg | スプリングスチールワイヤーフレーム |
HYPERLITE MOUNTAIN GEAR JUNCTION 55 | 55L | 白:DCH50 (Main Body) & DCH150 (Bottom) 黒:DCH150 (Main Body & Bottom) | 白:904 g 黒:975 g有り | アルミニウム |
GOSSAMER GEAR GORILLA 50 Ultralight | 50L | 70D Robic ナイロン | 846g | 有り |
【GREGORY】
カトマイ55(47J*09003)
背面が前面メッシュパネルとなっているので、汗抜けが非常によく、夏山の長時間の山行でも快適に歩き続けられます。
リュック側面と底面が大きく開口するため、テントやシュラフなど大物の出し入れが容易です。
出し入れが容易なサイドワインダー・ボトルホルスターや、スマホも入るウェストベルトポケットなど、ギミックが多数盛り込まれた登山リュックです。
容量 | 50L |
---|---|
生地 | オリジナル耐久軽量素材 |
重量 | 2091g |
フレーム | 合金外周フレーム+ファイバーグラス |
【OSPREY】
イーサー55(OS50084003004)
リュック前面には全周開くジッパーが付いているので、大型の荷物も素早く取り出し、収納が可能です。
側面に配置されたメッシュポケットは、上側からと下側の両方からアクセス出来るので、行動中も荷物の出仕入れが可能となっています。
50L台の容量で、価格と性能のバランスを取った登山用リュックを探している方は検討してみてください。
容量 | 55L |
---|---|
生地 | 420HDナイロンパッククロス、PFC-freeDWR |
重量 | 2.19kg |
フレーム | ワイヤーフレーム |
【Black Diamond】
ミッション55(BD54048001004)
生地は420デニールのナイロンで、耐摩耗性、引き裂き強度が高くなっています。
また、アウターにアイゼンポケットが採用されており、アイゼンの出し入れ時間を短縮できます。
スイングアームショルダーベルトにより、複雑な動きにリュックが追従する為、冬山やクライミングで使いたい方にお勧めのリュックです。
容量 | 53L |
---|---|
生地 | 420d Xリップナイロン+UTS(Ultra Tear Strength)コーティング |
重量 | 1.8kg |
フレーム | フレームシート |
【MAMMUT】
Trion Spine 50(2520-00870)
Active Spine Technologyにより、リュックが常に身体の中心に位置し、楽に歩き続けられます。
また、背面長をS~Lの範囲で変えられ、重量によっても背面長を調整できます。
420デニールの生地、アバランチギアを収納できるフ前面ポケットを備えており、クライミングや山岳スキーでも活躍するリュックです。
容量 | 50 L |
---|---|
生地 | 420D Nylon Cross Ripstop |
重量 | 2200 g |
フレーム | 有り |
【アライテント】
クロワールスパイダロン(0111811)
余計なギミックは不要でとにかくシンプルで頑丈な物が欲しい方に、おすすめのの登山用リュックです。
生地にスパイダロンリップを採用し、岩、ピッケルやアイゼン、スキーのエッジとの擦れに強く、リュックが傷つき難くなっています。
背面長に合わせて、背面長48cmのレギュラーと、42cmのショートから選択可能です。
容量 | 45L+10L |
---|---|
生地 | スパイダロン®リップ |
重量 | 1560g |
フレーム | 無し |
【The 3rd Eye Chakra】
The Back Pack #002 V2(bp002v2-55)
デザイン性、高い耐久性、動作の追従性を追求した登山リュックです。
構造にこだわっており、U断面アルミニウム・スパインと、立体フレームで、最良の背負い心地を実現しています。
その他、ギアラックやメイン・サブのテンションストラップなどギミックも充実しており、撮影からクライミング、山岳滑走まで幅広く対応可能です。
容量 | 55L+ |
---|---|
生地 | X-PAC X21 / BEATTEX 1000D |
重量 | 1650g |
フレーム | U断面アルミニウム・スパイン |
【PAAGO WORKS】
CARGO55(HP204)
非常に拡張性が高い登山リュックです。
トップリッド、サイドポケット、ヒップパッドは脱着が可能となっており、サイドベルトを調整すれば0〜55リットルまで、大きな容量変更が可能となっています。
「ちょっと容量が足りない」や、「ちょっと容量が余っている」を解決してくれる点や、より軽量化したい要望に応えてくれるリュックです。
容量 | 55L |
---|---|
生地 | ナイロンPCコーティング |
重量 | 1770g |
フレーム | 軽量アルミフレーム |
【MYSTERY RANCH】
BRIDGER 55(19761470)
見た目が厳ついバックパックを探している方に、おすすめのリュックです。
背面パネルの腰部と背骨部は空間が設けられており、背中との接触面も貫通穴が開いているため、通気性が高く設計されています。
メインフレームは、柔軟性に優れるスプリングスチールで出来ており、リュックが身体に追従するため、重量を腰にしっかり伝えられます。
容量 | 55L |
---|---|
生地 | 100Dロービックリサイクルナイロン リップストップ |
重量 | 2.4kg |
フレーム | スプリングスチールワイヤーフレーム |
【HYPERLITE MOUNTAIN GEAR】
JUNCTION 55(3-10655-1)
装備を軽量化したい方におすすめです。
完全防水となっており、余計な防水スタッフバックやザックカバーを省けます。
色は2色展開で白の方が約70g軽いですが、黒は全面150デニールのダイニーマ生地で、白に比べ耐久性に優れているのが特徴です。
前面のポケットはメッシュ、側面はファブリックとなっています。
容量 | 55L |
---|---|
生地 | 白:DCH50 (Main Body) & DCH150 (Bottom) 黒:DCH150 (Main Body & Bottom) |
重量 | 白:904 g 黒:975 g |
フレーム | アルミニウム |
【GOSSAMER GEAR】
GORILLA 50 Ultralight(GSCU0021)
今回紹介するリュックの中で最軽量のモデルです。
一方で、拡張性も高く、オプションでショルダーストラップポケット、ハンズフリーアンブレラクランプ等をカスタマイズできます。
前面は大容量メッシュポケットとなっているので、アウターを借り入れしたり、行動食を出し入れするのに便利です。
容量 | 50L |
---|---|
生地 | 70D Robic ナイロン |
重量 | 846g |
フレーム | 有り |
まとめ
50Lの登山用リュックを選ぶ際は、重量や構造、ギミックを把握し、自分の登山スタイルや身体に合う物を選ぶ事が重要です。
ここで紹介しきれなかった特徴もあるので、気になるリュックが見つかったら、ぜひ調べてみて下さい。
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