渓流釣りの熊よけ対策!クマ鈴だけでは不十分?対策グッズも紹介!

渓流釣りは、自然の中で美しい渓流魚たちに出会える素晴らしい趣味です。

しかし日本の多くの地域で意識しなければいけないのが、クマとの遭遇でしょう。

近年クマと人間の軋轢は増加しており、渓流釣りはクマの生息地に入ることから、とくに注意が必要です。

クマ鈴を装備するのは当たり前になっていますが、それだけでは十分とは言えない現状が見えてきました。

今回は渓流釣りで意識したいクマ対策と、用意しておきたいおすすめグッズをご紹介します。

塩谷純一郎
執筆者
  • 釣り歴15年
  • 釣り具の販売経験あり
  • 全国10都道府県へ遠征

北国生まれのアマチュア釣り師。前職では量販店で釣り具の販売、企画も担当。釣った魚を調理して食べるのも大好きで、美味しい魚のためならフィールド問わずアクティブに挑戦します。

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近年増加するクマによる事故

近年クマと人間の事故は増加傾向で、北海道では2021年7月現在、ヒグマによる死傷者が9人と過去最多に上っています。

今後もクマと人間の軋轢は続くと考えられており、渓流釣りを楽しむ場合にもそのリスクは否定できません。

まずは昨今ここまでクマと人間の事故が増える原因から、釣行時の対策の必要性を考えてみましょう。

クマの個体数増加

クマはハンターが減ったなどの影響により、近年個体数は増加傾向にあります。

個体数増加により、山林での密度が増えた結果、強い個体に追いやられた個体が、活動エリアを広げる傾向にあるのです。

クマが活動範囲を広げるた結果、人が入るエリアへ出入りするようになったことが、クマの目撃や事故増加の一因です。

このため渓流釣りでも、よく人が入るポイントや、これまでクマの出没がなかったエリアでも、クマ対策が必要になると言えるでしょう。

緩衝地帯の消失

クマは元々は里、つまりいま人が暮らしているエリアまで生活圏にしていた生き物です。

ではなぜ人里に降りないかというと、人を恐れているからで、人の生活圏に近付くのを警戒しています。

しかし、昨今人とクマの生息域の境界線があいまいになり、クマからすれば気付いたら人のエリアに降りてしまったということ増えました。

もともとクマのエリアである渓流において、そのリスクはより高く、とくに人身事故のリスクが高くなる「突発的な遭遇」を避ける対策が必須です。

コロナ禍による人出の減少

今年に入ってクマによる事故の大きな要因となっているのが、コロナ禍での人出の減少でしょう。

外出自粛などの影響から、クマが人への警戒心を弱めたことや、草刈など緩衝地帯を作るための対策が遅れたことも原因として挙げられています。

クマが個体数増加の影響から活動範囲を広げたいところに、人からのプレッシャーが落ちたことで、出没件数が増えたと考えられます。

渓流釣りにおいても、釣り人が少なくなればクマも警戒心を弱めてしまうため、人から積極的に存在をアピールしていく対策が必要になるでしょう。

渓流釣りでのクマ対策で重要になる3つのポイント

では、クマと出会わないために、釣り人としてどのようなポイントに注意すればいいのでしょうか。

国や自治体、研究機関のデータを元に、重要な対策方法を解説します。

自分の存在をアピールできるものを身に着ける

クマ鈴に代表されるように、まずはクマが人を警戒する行動を利用して、自分の存在をクマに知らせる対策が基本になります。

存在を知らせることで、事故のリスクの高い「突発的な遭遇」を避けるのが狙いです。

ただし注意したいのが、クマ鈴の有効性と、クマ鈴を携帯することによる慢心です。

クマ鈴は釣りをしている最中、ほぼ音が鳴らないため、それでは意味がありません。

また、クマ鈴を付けていればクマが逃げると思ってほかの対策をしないと、リスクはむしろ上がってしまう可能性すらあります。

クマのエリアに入渓するなら、クマ鈴だけを過信せず、万全の対策が必須になります。

クマ出没エリアの情報を確認する

クマが目撃されたエリアは、確実にクマの行動範囲なので、より一層の注意が必要です。

また、目撃地点やその周囲のエリアで何度も目撃されている場合、餌場などクマにとって大切なものがそこにある可能性が高いです。

そういった場所の周囲には、またクマが現れる可能性が非常に高いため、入渓は避けた方がいいでしょう。

自治体はクマとの事故を減らすために、積極的にクマの出没情報を公開しているので、入渓地点のクマ出没情報は確認しておくと安心です。

また、自らももしクマを目撃した場合は、自治体や警察などへの情報提供に協力しましょう。

クマの存在に人から気付く

昨今よく言われているのが、「人からクマの存在に気付いてあげること」の重要性です。

警戒心の強いクマは人の気配を察知すると隠れ、さらに接近されると唸り声や地面を叩くなど、威嚇行動を取ります。

人がそれに気付けずさらに接近してしまうと、クマは脅威を排除するために、人に襲い掛かる結果となってしまいます。

クマに人の存在を知らせて避けてもらうだけでなく、人からクマの存在に気付いて、入渓をやめるなどの対応も必要です。

同行者と会話しながら入渓するのもクマ対策の一つですが、少し周囲にも神経を張り巡らして、クマの存在に気付いてあげるようにしましょう。

遭遇しないために!クマ対策におすすめのグッズ

上記したポイントを元に、筆者も使用しているクマ対策グッズをご紹介します。

簡単な使い方や期待できる効果も解説しますので、ぜひクマ対策に役立ててください。

クマ鈴

遠くまで聞こえる音を発することで、クマに人間の存在を伝え、クマが警戒して逃げてくれる効果が期待できます。

注意したいのが、クマ鈴を付けていても襲われる事例も多く、万全の対策ではないということです。

クマに避けてもらうと同時に、人もクマを避けて行動できるよう周囲に神経を張り巡らせる必要があります。

また、常に鳴っているとクマの存在に気付けなくなるので、必要に応じて鳴らせる商品も有効です。

防犯ブザー

クマ鈴に代わって近年利用者が多いのが、防犯ブザーです。

鈴よりも音が大きく、クマ鈴に比べてクマが聞き慣れていない音なので、よりクマが警戒して逃げてくれる効果が期待できます。

また、鈴のように常に鳴っているわけではないので、近くにいるクマの存在に気付きやすいというのもメリットでしょう。

デメリットとしては防水性にやや劣ることで、ウェーディングする場合は濡れない場所に収納しなければいけないよう注意が必要です。

ラジオ

ラジオもクマに人の存在を伝えるためのアイテムで、クマが人を警戒して逃げてくれる効果が期待できます。

音量調節でき、人が大勢居るように思わせられるのが、クマ鈴などとの違いです。

鈴と同じく、常に音が鳴ってしまうとクマの存在に気付けなくなってしまうので、入渓ポイントに着いたときなどに使用するといいでしょう。

メインはクマ鈴や防犯ブザーを、予備的なアイテムとしてラジオを使用するのがおすすめです。

爆竹・火薬銃

爆竹や火薬銃など、火薬の破裂音で人間の存在を知らせるアイテムも、昔からよく使われているアイテムです。

ただしこれはクマからしても大きなストレスを受けるので、突発的に襲い掛かってくる原因にもなりかねません。

不用意に鳴らすとそういったリスクも上がるため、開けた場所でクマが付近にいない場所など、使用できるエリアは限られるでしょう。

興味本位で近付いてくる若いクマなどにも効果的なので、持ち歩いて損はないアイテムです。

蚊取り線香・獣除け線香

クマは非常に鼻がいい生き物で、環境によっては目視よりも広い範囲を臭いで探れます。

蚊取り線香や獣除け線香といったアイテムがあれば、お互いに目視できていない状況でも、クマに対して存在をアピールできます。

問題は雨に弱いことと、山火事の原因になりかねないという点です。

線香は火の粉が飛びにくい設計にはなっていますが、山火事を警戒する乾燥した時期や、火が付きやすいものがあるエリアでの使用は控えましょう。

チャック付き保存袋

匂いはクマを避けることもありますが、逆に誘引してしまうこともあります。

下処理で内臓を取る場合にも、置いていくとクマを誘引してしまうので、持ち帰るのがマナーですが、持ち帰るときの臭いにも注意が必要です。

食べ物の臭いがするとクマが寄ってくることもあるので、魚やアラを持ち帰る場合などは、チャック付き保存袋などに入れるといいでしょう。

魚以外にも、甘い臭いはクマからしても魅力的なので、遭難時用の非常食などはチャック付き保存袋に入れておくと安心です。

それでもクマに遭ってしまったら

万全の対策をしていても、クマに遭ってしまう可能性はゼロにはできません。

筆者自身、上記した対策をしている中でも、何度か山中でヒグマに遭遇したことがあります。

クマに遭った時はまず気持ちを落ち着かせて、冷静に対応することが何より重要です。

焦って対応すると、クマからしてもプレッシャーになるので、どういう状況でクマが何をしたいのか観察しましょう。

その中で、静かに後退したほうがいいのか、声を出してこちらの存在を伝えるべきなのか判断します。

至近距離で遭遇し、クマが襲ってきそうなら、クマ撃退スプレーなどの使用も判断しますが、むやみな使用は逆に襲われるリスクを高めます。

最悪襲われてしまったときは、頭や首を守って伏せる姿勢が推奨されますが、過去のデータからナタなどでの反撃で生還した例も多くあります。

いずれも取るべき対応はその時々で変わり、その判断は自分でしなければいけません。

そういった事態にならないよう、まずは危険な状況でクマに遭わないための対策を最大限に講じましょう。

まとめ

渓流釣りは素晴らしい趣味ですが、クマとのトラブルリスクは避けられません。

命の危険もありますし、最悪の場合釣り禁止になってしまう可能性もあるので、今後のためにもクマ対策を万全に釣りを楽しみましょう。