パターを短くに握って、グリップを腕に添えてシャフトの動きを固めるアームロックパターは、米国ツアーで注目されているモデルです。
パッティングの安定性が高まる性能を備えているため、一部には禁止を主張する声も出ているほど結果を出しているパターです。
そこで今回は、腕で固定をするアームロックタイプのパター10選と、メリット・デメリット、選び方についてご紹介します。
最後までご覧いただき、選ぶときの参考としてください。
目次
- 1 アームロックパターとは
- 2 アームロックパターを使うメリット
- 3 アームロックパターを使うデメリット
- 4 アームロックパターの選び方
- 5 アームロックパターおすすめ10選
- 5.1 【オデッセイ】2023年 2ボール TEN (73022O173900)
- 5.2 【ピン】DS 72
- 5.3 【テーラーメイド】TPコレクション ハイドロブラスト デルモンテ
- 5.4 【シック】プロ・マットブラック
- 5.5 【オデッセイ】2021年 2-BALL TEN (73013N3900)
- 5.6 【コブラ】2021年 キング 3Dグランスポーツ
- 5.7 【ピン】2021パター HARWOOD
- 5.8 【オデッセイ】2019年 ダブルワイド (73092242539000)
- 5.9 【オデッセイ】2019年 V-ライン (73092352539000)
- 5.10 【プロファウンド】2019年 アンビション プロ 37
- 6 まとめ
アームロックパターとは
左腕にグリップを添わせて、パターを固定させた状態にすることをアームロックと言い、このモデルの名称がアームロックパターです。
通常のパターよりもシャフトの下部を握ることになるため、グリップは長めのタイプを装着し、シャフトも長めのものを使用します。
左腕とパターが一体になることで、手首の動きが制限されるため、より正確なストロークができるのがアームロックの特徴です。
また、ヘッドの軌道とボールの方向性が安定することから、プレッシャーのかかった場面でもスムーズにアドレスに入ることができます。
なお、2016年に定められたルール違反に抵触しないよう、使用するときにはアンカリングに対する細心の注意が必要なモデルと言えます。
アームロックパターを使うメリット
安定したストローク
左腕をグリップに固定することで、手首の動きが制限され、ストロークのブレや揺れを最小限に抑えることができます。
ストロークの軌道が安定することで、再現性の高い正確なパティングが可能となります。
オートマチックなストロークができるため、プレッシャーのかかるシチュエーションでも安心してアドレスに入れるパターです。
直線的なパティング
パターによって固定されている左腕は、パッティングラインに対して直線的な動きでストロークをします。
ボールの後ろにフェースをセットして、そのまま真っ直ぐにテークバックし、同じ軌道でボールをヒットするのが直線的な動きです。
上半身を起点に左腕を振り子のイメージで動かすと、ストレートのシンプルなストロークできます。
効果的な練習クラブ
テークバックで、ヘッドをブレずに動かすことは、意外に難しいものです。
意識するほどヘッドは揺れてしまい、真っ直ぐに引けない、ストロークのきっかけがつかめないイップス現象に見舞われます。
このような状況に陥ったときには真っ直ぐにしか引けないアームロックが有効、また、
通常のパターの練習用としても活用できます。
スイングスタイルでストローク
アームロックパターは、アイアンのスイングのように、上半身を回転させてパターを動かすため、シンプルなストロークができます。
一般的なパッティングスタイルが難しいのは、スタンスを取ったら両肩・両肘・両腰を動かすことなくストロークをするからです。
上半身を腰から折るように構えて、背筋を軸に捻るストロークをします。
ルール規制をクリア
アンカリング規制で振り子をイメージした打ち方はできなくなりましたが、アームロック打法が考案され復活したパターです。
グリップエンドを固定しないよう、左腕前方に添わせるとクリアできます。
パッティングに悩みを抱える人にとっては、安定したストロークができるため、他のモデルに代えがたい特別なパターと言えます。
アームロックパターを使うデメリット
慣れるまでに時間がかかる
アームロックパターは、一般的なパターと比べて、握り方やストロークの仕方が異なるため、慣れるまでには時間を要します。
両手を中央で合わせて握るスタイルとは違い、ほぼ左手主導でストロークをすることから、距離感を養うには経験値も必要です。
激変するスタイルに違和感があると、マイナスに作用することも考えられます。
すべての人に合うとは限らない
イップス対策として有効視されているアームロックパターですが、その効果がすべての人に効くとは限りません。
左腕にシャフトを添わせるフォームは、グリップエンドが身体に密着しないよう構えるため、不安定さを感じる人もいます。
スタンダードタイプではないため、自分にとって合うのか実際に試打をしてみることが必要です。
制約を受ける場合がある
一度はゴルフルールによって実質排除されたモデルなので、特定の効果が続くと再規制を受ける可能性があります。
アンカリング法が規制対象ではありましたが、一定の長さがなければできない打法であり、実質は中尺パター排除となったわけです。
将来的なルール変更で追加規制された場合、新たなパターを使用するリスクが生じます。
ロングパットの距離感が難しい
左腕がパターに固定されるアームロックは、上半身を回転させてストローク幅を決めることになります。
上半身を大きく回転するほど距離は長くなりますが、丁度よい距離感で打ち出すには、習熟度が求められます。
パッティングスタイルはシンプルではありますが、長い距離を狙うロングパットでは難しさが感じられるパターです。
一定のスキルが必要
一定のレベルに達したゴルファーのなかで、テークバックや切り返しに違和感が生じたとき、役に立つのがアームロックパターです。
アドレスを固めてオートマチックに操作をするだけで、ラインに向けて打ち出すことができます。
ただしラインを読み切るスキルが必要なので、誰でもスコアアップに繋がると言うわけではありません。
アームロックパターの選び方
ロフト角で選ぶ
一般的なパターのロフト角は3度程度で設定されていますが、アームロックパターは7度や8度のタイプが多くなっています。
もちろん1度や2度のタイプもありますが、これらの違いはパッティングフォームによるものです。
左手主導だとハンドフェースとになるため、フェース面が下方に傾くので大きなロフト角が必要になります。
一方で、マット・クーチャーにように右腕に固定する新たな打ち方では、ノーマルと同じロフト角が合っています。
シャフトの長さとバランスで選ぶ
中尺サイズのアームロックパターは、自分の体形に合う長さが必要です。
腰から前掲姿勢をとって構えることから、自ずとシャフトの長さは限定されます。
仮に、短すぎるとアームロックの役割がなくなり、長すぎるとグリップエンドが密着してルールに抵触する恐れがあります。
また、ストロークの安定性に影響を与える、バランスも考慮が必要です。
一般的にヘッド寄りのバランスをとなってますが、好みに合うタイプを選ぶことが大切です。
グリップサイズと形状で選ぶ
自分に合うグリップのサイズと形状を選ぶことで、構えやすさが感じられます。
アームロックパターの場合、グリップの側面を左腕に固定しなければならないことから、しっかりフィットすることが重要です。
左足体重でハンドファーストに構えるケースでは、自身の腕のサイズや手のひらのサイズに合ったグリップを選ぶことが必要です。
メーカーで選ぶ
メジャーでは、オデッセイとピンのアームロックパターが有名です。
オデッセイは、アームロックに限らず品質の高さで評価を受けているメーカーで、数多くのモデルを製造・販売しています。
ピンは、アームロックに多く使われているトゥ・ヒール型が、別名ピン型と呼ばれるほどパターに精通したメーカーです。
メジャー以外では、地クラブ系から飛躍したシックやプロファウンドなど、品質の高い優れたモデルを出しているメーカーもあります。
価格帯で選ぶ
アームロックパターの価格帯は、各メーカーのノーマルパターの価格に準拠しています。
ノーマルヘッドのロフト角を変更したパターは、、専用のシャフトとグリップを装着しただけなので、共有タイプに価格差はありません。
一方でアームロック専用に設計されたモデルの場合は、出荷数が少ないことから高めの価格帯で設定されています。
また、プロゴルファーとのコラボモデルなども、設定価格を高めにしていることが多くなっています。
アームロックパターおすすめ10選
メーカー名・商品名 | ロフト角(°) | ライ角(°) | 長さ(インチ) | ヘッド形状 |
---|---|---|---|---|
オデッセイ 23年 2ボールTEN | 7 | 72 | 39 | ネオマレット型 |
ピン DS 72 | 6 | 70 | 38 | マレット型 |
テーラーメイド TPコレクション ハイドロブラスト デルモンテ | 5 | 70 | 40 | トゥ・ヒール型 |
シック プロ MB | DLT(1~4) | 72 | 40 / 41 | トゥ・ヒール型 |
オデッセイ 21年 2ボールTEN | 7 | 72 | 39 | ネオマレット型 |
コブラ キング 3Dグランスポーツ | 1 ~ 4 | 70 | 41 | トゥ・ヒール型 |
ピン 2021パター HARWOOD | 6 | 70 | 38 ~ 45 | ネオマレット型 |
オデッセイ ダブルワイド | 7 | 72 | 39 | トゥ・ヒール型 |
オデッセイ V-ライン | 7 | 72 | 39 | ネオマレット型 |
プロファウンド アンビション プロ 37 | 2.5 | 70 | 37 | ネオマレット型 |
【オデッセイ】
2023年 2ボール TEN (73022O173900)
オデッセイの代表的なヘッドデザインである2ボールタイプ、残像効果によって迷いなく打ち出すことができるパターです。
左腕に添えたパターを、グリーン上のボールにヘッドに描かれた2個のボールをぶつけるようにヒットするようにストロークします。
高慣性モーメントのネオマレットヘッドなので、迷うことなく打ち出せます。
ロフト角(°) | 7 |
---|---|
ライ角(°) | 72 |
長さ(インチ) | 39 |
ヘッド形状 | ネオマレット型 |
【ピン】
DS 72
真っ直ぐ引いて真っ直ぐに打ち出す、ストレートストロークに向いているマレット型のパターです。
アームロックは左腕に添えたフォームなので、ハンドファーストでフェースが立ってしまうため、ロフト角は6度に設定されています。
ソリッドな打感を重視し、心地よい打音が実感できる、インサートを装着していないモデルです。
ロフト角(°) | 6 |
---|---|
ライ角(°) | 70 |
長さ(インチ) | 38 |
ヘッド形状 | マレット型 |
【テーラーメイド】
TPコレクション ハイドロブラスト デルモンテ
スタイルの違うパッティングに対応するため、TPコレクションには11種類のヘッド形状が用意されています。
そのなかで伝統的なフォルムを持つヘッドデザインに、ハイドロブラスト加工で高級感を備えたのがトゥ・ヒール型のパターです。
「アイオノマー+アルミニウム」をインサートしたことで、心地よい打感が得られるパターです。
ロフト角(°) | 5 |
---|---|
ライ角(°) | 70 |
長さ(インチ) | 40 |
ヘッド形状 | トゥ・ヒール型 |
【シック】
プロ・マットブラック
独自開発した画期的なフェース面によって、状況に合わせてパティングができるトゥ・ヒール型パターです。
一般的にフェースはフラットですが、シックのパターは1面に1度・2度・3度・4度と、4段階のロフト角を備えています。
左腕に密着させて行うパッティングでは、ボールの位置によってフェースの角度を変ることができます。
ロフト角(°) | DLT(1~4) |
---|---|
ライ角(°) | 72 |
長さ(インチ) | 40 / 41 |
ヘッド形状 | トゥ・ヒール型 |
【オデッセイ】
2021年 2-BALL TEN (73013N3900)
迷わずにスムーズなストロークで打ち出せる、高慣性モーメントを備えたネオマレット型パターです。
ヘッドデザインには、オートマチックに真っ直ぐ引いて打ち出すスタイルにピッタリの2ボールタイプを採用しています。
左腕に添えるアームロックに最適なフェースは、ロフト角7度にインサート搭載で確実に打ち切ることができます。
ロフト角(°) | 7 |
---|---|
ライ角(°) | 72 |
長さ(インチ) | 39 |
ヘッド形状 | ネオマレット型 |
【コブラ】
2021年 キング 3Dグランスポーツ
3Dモデルは、ゴルフメーカーとパソコンメーカーとプリンター3社が、共同で開発したパターです。
ゴルフメーカーのコブラ、3Dに強いパソコンメーカーのヒューレットパッカード、3Dプリンター技術を持つファーマテックの3社です。
マレット型を思わせる高慣性モーメントを備えたトゥ・ヒール型は、安定感を感じさせてくれます。
ロフト角(°) | 1 ~ 4 |
---|---|
ライ角(°) | 70 |
長さ(インチ) | 41 |
ヘッド形状 | トゥ・ヒール型 |
【ピン】
2021パター HARWOOD
大きな慣性モーメントを備えたネオマレット型パターは、「真っ直ぐにしか動かない」と称されるほどのストレート軌道に特徴があります。
手首を使わずに左腕でリードするアームロックでは、スムーズにストロークのできるタイプのパターです。
特に、ショートパットの方向性が安定せず悩みを抱えている方に、おすすめのモデルです。
ロフト角(°) | 6 |
---|---|
ライ角(°) | 70 |
長さ(インチ) | 38 ~ 45 |
ヘッド形状 | ネオマレット型 |
【オデッセイ】
2019年 ダブルワイド (73092242539000)
構えやすくセットしやすいトゥ・ヒール型ヘッドには、ホワイト・ホットをインサートしたオデッセイらしさのあるモデルです。
フェース面がシャフト半分後方にあるハーフオフセットタイプなので、中心よりも左側でセットするアームロックに適しています。
迷わず打ち出せる、ストレート軌道に適したフェースバランスを備えています。
ロフト角(°) | 7 |
---|---|
ライ角(°) | 72 |
長さ(インチ) | 39 |
ヘッド形状 | トゥ・ヒール型 |
【オデッセイ】
2019年 V-ライン (73092352539000)
安心感のある大きめのヘッドに、赤と青の3本線トリプル・トラック・アライメントが入ったネオマレット型パターです。
ボールのカバーと同じ素材を使用したホワイト・ホット・インサートによって、心地良い打球感と安定した転がりを感じることができます。
Vラインは、ストロークの長さや速さ、リズムなどの改善にも役立ちます。
ロフト角(°) | 7 |
---|---|
ライ角(°) | 72 |
長さ(インチ) | 39 |
ヘッド形状 | ネオマレット型 |
【プロファウンド】
2019年 アンビション プロ 37
アームロックパターを、パティングラインに対してスクエアにセットしたら、バックフェースのオレンジラインを消すように構えます。
安定性が高まることで、不安なくアドレスに入ることができます。
このシンプルなテクノロジーに加えて、ガイドラインとなる2本の白線に合わせて真っ直ぐ引くと、真っ直ぐに打ち出せるパターです。
ロフト角(°) | 2.5 |
---|---|
ライ角(°) | 70 |
長さ(インチ) | 37 |
ヘッド形状 | ネオマレット型 |
まとめ
軌道の安定性に効果のあるアームロックですが、結果が良すぎて新たな規制対象にならないか心配している方も多いようです。
ツアープロの活躍次第ですが、すぐ規制されることはないので効果を享受し役立てることが大切です。
アームロックパターの購入で失敗しないために、各ショッピングサイトのレビューもしっかり確認して自分にピッタリなモノを見つけましょう。
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