ボールを転がすために使うパターですが、緊張が高まるグリーン上では、体が固まって動けなくなることがあります。
動けないほどではなくても、スムーズにテークバックができない、ヒットの強弱がイメージと合わないことは良くあることです。
シャフトがロングタイプのパターであれば、オートマチックな操作で、リズム感の良いストロークが可能です。
そこで今回は、見直されてきている長尺パターについてと、おすすめ5選をご紹介します。
長尺パターとは
長尺パターは男性用が45インチ以上、女性用は42インチ以上を長さの目安にしているパターのことです。
背筋を伸ばした姿勢でアドレスがとれることから、パティイングラインに対してスクエアに構えやすいと言う特徴があります。
また、両手を離した状態でグリップを握るため、手首の動きを抑えることができ、安定したストロークができます。
なお、振り子をイメージしたペンデュラムストロークで、グリップエンドを体に固定するアンカリングは違反となるので注意が必要です。
2016年のルール改正とともに長尺パターは激減しますが、固定せずとも有効なパターであることが確認され、再注目されているモデルです。
長尺パターを使うメリット
リズム感の良いストロークができる
振り子のようなストロークによって、リズム感の良いパティングが可能です。
リズムが良くなると、迷うことなくテークバックに入ることができます。
距離に見合うだけヘッドを引き上げたら、脱力するだけでヘッドは同じ軌跡を通り、ボールにヒットします。
このリズムを確保することで、安定したストロークを続けることが可能です。
フェースの向きが安定する
一般的に長尺パターは、左手をグリップエンド側、右手はシャフトの中間にあるグリップを握ります。
両手の甲が外側を向いているため、ストロークでも手首を使うことがなくなり、フェースのブレを抑えることができます。
アンカリングは規制されていますが、それでもノーマルサイズのパターのような手首をこねる動きはありません。
ストロークが安定する
シャフトの長さを利用したペンデュラムストロークは、振り子の原理によって一定のスピードとリズムでストロークができます。
グリップエンドに振り子の支点を定めていれば、ストロークに乱れが生じることもありません。
また、ヘッドが引きにくい、真っ直ぐに引くことができない、打ち過ぎてしまうなどの症状も解消してくれます。
ロングパットが安定する
ストローク幅の大きなロングパットで、方向性を安定させるには、真っ直ぐにヘッドを動かすことが重要です。
長尺パターは、ライ角を78度前後に設定しているので、直立のイメージで構えることができます。
前掲することなく構えられることから、体が揺れることなく、振り幅の大きなロングパットでも安定したストロークが可能です。
フォームの硬直化に陥らない
長尺パターが流行した背景には、高度化したグリーンのセッティングによって、思うように操作できなくなるイップスの多発があります。
リズム感が良く途中で止まることがない、オートマチックにストロークができるパターです。
さらにヘッドをセットしやすいボディ形状、残像効果でテークバックがしやすいモデルなどがあります。
長尺パターを使うデメリット
ロングパットの距離感がつかみ難い
振り子の原理を利用してパッティングを行う長尺パターは、ストロークの幅と距離を一致させることが必要です。
ストローク幅が大きくなるロングパットは、どれだけ引き上げるかを迷うことがあります。
右手で押し出すと長尺を使う意味がなくなるので、距離だけではなく傾斜や芝目に合わせたストローク幅を習得する必要があります。
長めの距離感が難しい
シンプルでオートマチックに操作ができる長尺パターですが、繊細なタッチを必要とするストロークは苦手です。
グリップエンドを支点にヘッドの重みでストロークするため、ボールをヒットするときに力をコントロールすることが難しいパターです。
ロングパットができる環境下で、練習を重ねて振り子打法に慣れる必要があります。
ルールに抵触しないよう注意が必要
2016年のルール改正で「アンカリングの禁止」が盛り込まれているので、長尺パターを使うときには違反に注意が必要です。
パター自体に違反となる要素はありませんが、打ち方がルールに抵触すると違反となります。
支点(アンカー)となるグリップエンド、またはグリップエンドを握った手を、体に固定すると2打罰となります。
携帯に不向きな長さ
乗用カートを利用するとき、パターケースに挿しても、不安定な状態になるので注意が必要です。
斜め積みのカートでは、長いシャフトがヘッドの重さで揺れ、他のクラブのヘッドでシャフトに傷がつくことがあります。
またキャッディバックに入れるとトランクルームに収納できず、別途車内に入れなければならない面倒さもあります。
長尺クラブの特異性
セルプレーでグリーンオンしたときは、カートの近くにいる人が前進させ、全員のパターを持ってくることになります。
収納場所が違うとスムーズに持ち出すことができず、運ぶ方も受け取る方も、気まずいことがあります。
気を遣う人とのラウンドではキャディ付コースか、常に自分が操作できる2人用カートのコースを選ぶことです。
長尺パターの選び方
長さの確認
最適な長さを選ぶには、自分の体格とパッティングスタイルを確かめることが必要です。
特に身長は、操作がしやすいかを決める重要なポイントになるので、フォームの違いはあっても選ぶときに優先すべきポイントです。
身長170センチで46インチを目安にして、自分の身長を考慮して選ぶと、スムーズに見つけることができます。
ヘッドのデザイン
長尺パターのヘッドには、多くのモデルで採用しているマレットタイプと、ピン型とも呼ばれるブレードタイプがあります。
特に、スニーカー形状のマレットタイプは、重量があり振り子打法に最適なヘッドです。
また、四角を基本形状としたネオマレットタイプは、ヘッドのセットがしやすく、簡単にストロークできる特性を備えています。
バランスと重量
長尺モデルに限らず、クラブを選ぶときには、重量とバランスは考慮すべき要素です。
重量は、ヘッド・シャフト・グリップなどのクラブ全体の重さを表したもので、操作性や振りやすさに影響を与えます。
バランスは、重心位置を示していて、ヘッド側が重いと効きが感じられ、グリップ側を重くするとヘッドが軽く感じられます。
メーカー
従来はトップブランドの多くが長尺パターを販売していましたが、ルール規制にともなって新たな品を発表しているのはわずかです。
ただし、トッププロのなかでも見直され、再び使用されてきているので、新たな品は増えてくることが考えられます。
また以前の品が中古市場にもあるので、選択肢に入れておくと選ぶ幅が広がります。
価格帯
初めて使用するのであれば、長尺サイズが自分に合うかが分からないので、リーズナブルな入門タイプがおすすめです。
買い替えであれば、高品質な素材や技術を用いた、若干高めの価格帯も対象にすると好みの品が見つかります。
またルール改正によって、長尺パターを手放した方が大勢いるので、併せて中古市場もおすすめです。
長尺パターおすすめ5選
商品名 | ヘッド形状 | ロフト角(°) | 長さ(インチ) |
---|---|---|---|
キャロウェイ オデッセイ ブルームスティック 2ボール | マレット | 3 | 45 |
キャロウェイ オデッセイ 2ボール TEN | マレット | 3 | 45 |
ワールドイーグル WE-BSPT2-TD プレートA | ブレード | 3 | 45 ~ 47 |
ワールドイーグル WE BSPT-1-TD | マレット | 3 | 45 ~ 47 |
ワールドイーグル ユニワンヘッド | マレット | 3 | 45 ~ 47 |
【キャロウェイ】
オデッセイ 2 BALL TEN (73022N154500)
構えるときにヘッドのセットがしやすい、四角形のボディタイプを「TEN」と呼んでいます。
このTENモデルに、オデッセイの伝統的な2ボールタイプを組み込んだのが、長尺パターの2 BALL TENです。
ターゲットに対してスクエアに構えやすく、ペンデュラムストロークによってボールに順回転を与え、真っ直ぐに転がすことができます。
ヘッド形状 | マレット |
---|---|
ロフト角(°) | 3 |
長さ(インチ) | 45 |
【ワールドイーグル】
WE-BSPT2-TD プレートA (43054)
背筋を伸ばしてパターを構えることができるので、高い視線でパッティングラインを確認できます。
竹ボウキを掃くようにヘッドを動かすだけで、ボールはライン上を順回転で真っ直ぐに転がります。
このようにシンプルな動作をすることで、イップスの解消も含め、緊張感のあるショートパットを楽に沈めることができるパターです。
ヘッド形状 | ブレード |
---|---|
ロフト角(°) | 3 |
長さ(インチ) | 45 ~ 47 |
【ワールドイーグル】
WE BSPT-1-TD (43047)
ヘッドの四角いステータイプの枠を上から見下ろすと、左側にフェース面があり、中央にはボールサイズの穴が2個あります。
穴の中央にラインが引かれ、トゥ側とヒール側を上下対象に2分割しているので、構えやすいヘッドデザインになっています。
2つの穴を見ながらテークバックすると、残像効果で真っ直ぐ引けるパターです。
ヘッド形状 | マレット |
---|---|
ロフト角(°) | 3 |
長さ(インチ) | 45 ~ 47 |
【ワールドイーグル】
ユニワンヘッド (57209)
728グラムもあるヘッド重量によって、グリップエンドを固定しなくても、軌道が安定するペンデュラムストロークが可能です。
ルールで規制によって退潮傾向だった長尺パターですが、グリップエンドを体に密着させなくても同じ効果が得られたモデルです。
ヘッドを引き上げて、手の力を抜くだけで、シンプルにストロークがきます。
ヘッド形状 | マレット |
---|---|
ロフト角(°) | 3 |
長さ(インチ) | 45 ~ 47 |
まとめ
ルール改正によって減少していた長尺パターに、名だたるプロが使用しことで復活の兆しが見えてきています。
新しいモデルの登場も予想されますが、現況で購入できる長尺パターと、選び方や効用等を参考に、ピッタリなモデルを選んでみてください。
長尺パターの購入で失敗しないために、各ショッピングサイトのレビューもしっかり確認して自分にピッタリなモノを見つけましょう。
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