パラライザー銛を使用している方は少数派かもしれませんが、魅力の詰まったモリです。
銛先が魚に命中しやすい点や、頑丈なつくりで長期間愛用が可能な点からみると、初心者から上級者までおすすめできます。
Paralyzeという動詞で、麻痺させるという意味や無力化するという意味から名称が付いたモリです。
文字通り魚に刺さった際、神経系に当たることが多いため、そのまま魚がショックで動かなくなることが多いと言えるでしょう。
この記事では、スピアフィッシング用パラライザー銛を使うメリットやデメリット、選び方についてご紹介します。
目次
スピアフィッシング用パラライザー銛とは
パラライザー銛とは少し特殊な形状をした銛先のモリで、ニードル部分が斜めに製造されている点が一番の特徴です。
ニードルの数は3本から4本が主流ですが、なかには2本や5本のニードルも存在します。
ニードル部分が斜めに突き出ているため、魚に命中した際、体を貫通した銛先が広がり抜けにくい仕組みになっています。
返しが付いていないのも特徴で、魚の体を銛先から引き抜きやすいため、動作が緩慢になる海中では使い勝手が良いと言えるでしょう。
ニードルが複数あるため魚に命中しやすく、研磨がしやすいといった初心者の方にもおすすめできるモリの一つと言えます。
スピアフィッシング用パラライザー銛を使うメリット
研磨がしやすい
返しが付いていない製品が多く存在するパラライザー銛は、銛先の研磨が非常に楽です。
返しが付いていると、グラインダーを使用して研磨する際には、返しを潰さないように細心の注意を払う必要があります。
しかし、返しが付いていないパラライザー銛は、砥石の使用でも簡単に研磨することができる点がメリットと言えるでしょう。
魚に銛先が当たりやすい
パラライザー銛は少なくとも3本のニードルが付いているので、広範囲を突くことが可能です。
つまり、海中で魚を狙う際に多少狙いにズレが生じても、広範囲を突くことができる特性から魚に銛先が当たりやすいです。
魚に当たる確率が上がればそれに比例して漁獲量もアップしますが、魚を取り損ねた場合は傷つけてしまうことにもつながります。
魚を下手に傷つけてしまうことは海の生態系を崩しかねないので、常識の範囲内でスピアフィッシングは行いましょう。
手返しがスムーズ
パラライザー銛は返しが付いていない製品が多いので、海中で魚を突いた際に簡単に銛先から抜くことができます。
返しが付いていると、突いた魚をモリから抜く際に魚の身に引っかかって、抜くのが難しいという事態がしばしば起こります。
動きが緩慢になる海中ではその傾向が顕著に表れるので、手返しがスムーズな点は大きなメリットになるでしょう。
スピアフィッシング用パラライザー銛を使うデメリット
返しがないのでバラしやすい
返しが付いていないことは手返しがスムーズになる反面、魚を突いた際に刺さりが甘いとバラしやすくなってしまいます。
ニードルの奥まで突き刺せばよいのですが、スピアフィッシングではさまざまな場面に出くわすものです。
出会い頭に大物が目の前に現れた際、100%狙い通りに魚を突くことは困難を極めます。
よって、安定的に魚をホールドできるかという点においては、難しいといわざるを得ないでしょう。
ニードルが根元から折れる
パラライザー銛の銛先の構造上、ニードルの根元を溶接して、シャフトとの接続部分が製造されている製品が多いです。
溶接しているため、ある程度の頑丈さは備えているのですが、ニードル部分が根元から折れることがあります。
たとえば、岩礁を何度も誤って突いてしまうと溶接部分がもろくなり、金属腐食も相まって折れてしまうことなどが挙げられます。
スピアフィッシング用パラライザー銛の選び方
ニードルが長い製品を選択する
パラライザー銛は返しが付いていないため、魚に命中しても刺さりが甘いとすぐに抜けてしまいます。
一度銛先が体に刺さってバラした魚は、その傷からほかのフィッシュイーターに狙われることになります。
傷が原因で命を落とすことも十分に考えられますし、そのようなことは環境に配慮した場合避けるべきです。
しかし、ニードルが長い製品の場合は、貫通力のお陰で魚に命中した後なかなか抜けることはありません。
よって、スピアフィッシングを行っていて漁獲量が減ることもなくなるうえ、無駄に魚を傷つけることも減ります。
ただし、長すぎるニードルは魚を突いた時に中央部分で曲がってしまうこともよくあるため、扱いには注意しましょう。
銛先に使用されている素材で選択する
パラライザー銛のニードル部分は折れたり曲がったりすることが比較的多いため、銛先の素材が頑丈である必要があります。
銛先に使用される素材に関しては、さまざまな種類が存在します。
ステンレス系、カーボン系、アルミニウム系などがこれらに該当しますが、ステンレス系だけでも多くの種類があるのが特徴です。
例えば、析出硬化系であるSUS630や、マルテンサイト系のSUS440Cなどが挙げられます。
マルテンサイト系のSUS440Cは錆びに弱いデメリットはありますが、多くのモリに使用されている素材です。
そして、パラライザー銛にはピアノ線が使用されることが多いですが、焼き入りのピアノ線は硬度も高くおすすめです。
それだけでなく、粘りもあり折れにくく曲がりにくい特性を持つため、パラライザー銛に適しています。
スピアフィッシング用パラライザー銛おすすめ7選
【Ultimate Dive】
グラスファイバー製パラライザー
2016年にアメリカで生まれたスピアフィッシングメーカーのUltimate diveが製造元のパラライザー銛です。
グラスファイバー性のポールは重量が軽く、耐久性と耐水性に優れており、海中での取り回しも楽に行えます。
最大全長が210cmなので、短尺と長尺の中間くらいの長さです。
そのため、ストラクチャーが多い海底でも岩場の穴突きでも活躍できるモリと言えるでしょう。
【Salvimar】
アルミシャフトパラライザー
スピアフィッシングをする人から人気が高い、Slvimarが製造元のポールスピアセットです。
アルミ製のポールを2本継ぎで使用し、最大全長は160cmとなります。
その長さから、主にカサゴやメバルなど岩礁帯に生息する魚を狙った、穴突きの際に使用すると良いでしょう。
また、ラバースリングが付属しているので、魚を突いた際に抜けないように銛先を締める役割を担ってくれる点も魅力の一つです。
【Scuba Choice】
3又パラライザー銛先(SCPSS-02-07)
パラライザーの銛先が3又に分かれており、魚に対する命中率が高いモリです。
パラライザー銛には珍しく返しが付いているので、魚への刺さりが甘かった時でも返しのお陰でバラしません。
最大全長が152cmと短尺なので、穴突きや小魚をメインでスピアフィッシングを行う方に向いているモリと言えるでしょう。
ポールスピアの素材にグラスファイバーが使用されていて、軽くて丈夫なので海中での取り回しや使い勝手が良い製品です。
【SHANA PLANT】
ネジ式パラライザー銛先
接続部分にM6ネジを使用した、ネジ式パラライザーの銛先です。
3又構造となっており、魚への命中率が高い点が特徴と言えるでしょう。
銛先部分の長さは24cmで返しが付いていて、ステンレス系の素材を使用しているので丈夫で使い勝手が良いです。
チョッキ銛とは違い、仕掛けが不要なので、M6のねじ先が合うモリであればすぐに使用可能です。
【SPEAR SEALS】
クラスタースピア
日本で誕生したSPEAR SEALSは、日本製の特徴である繊細さと緻密さを併せ持ったモリを多数製造しています。
「スピアフィッシングをもっと身近に楽しんでもらいたい」を理念に運営している点が特徴です。
こちらのパラライザー銛先は、10cmから15cmほどのキジハタなどを突くことを目的に製造されています。
どちらかというと初心者の方向けに作られているので、これからスピアフィッシングを始める方にはちょうど良い製品と言えます。
【Ultimate Dive】
パラライザー
Ultimate diveのポールがあれば、ジョイント部分を変えるだけでさまざまな種類の銛先が使用可能です。
こちらのパラライザー銛先は、ニードル部分の先端が岩礁などを誤って突いて潰れたとしても、グラインダーで研ぐことができます。
強度が高いので、多少岩礁や魚の骨を突いたとしても、曲がりにくく折れにくい点が特徴です。
海水の塩分と金属は、金属腐食の面からみても相性が悪いので、銛先に関しては使用後に真水で洗うようにしましょう。
【DIVEWAYS】
ミニパラライザー(70-030)
コンパクトに分解ができ、持ち運びや収納に便利な組み立て式のパラライザー銛です。
アルミニウムを素材に採用しており、硬質アルマイトコーティングを施している点が大きな魅力の一つと言えるでしょう。
アルマイトコーティングの作用により、傷や金属腐食、錆にまで耐性を持っているので、メンテナンスが楽です。
バネの力で突いた魚を挟み込む形になるため、その特殊な構造から小魚から回遊魚に代表される大物まで対応したモリと言えます。
まとめ
この記事では、スピアフィッシング用パラライザー銛のメリットやデメリット、選び方について解説しました。
おすすめ製品もご紹介しているので、購入を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
スピアフィッシング用パラライザー銛の購入で失敗しないために、各ショッピングサイトのレビューもしっかり確認して自分にピッタリなモノを見つけましょう。
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