シンプルで無駄を一切排除したロードバイク、最も重要なパーツはどれでしょうか?
こう問われたら皆さん、どのパーツを挙げるでしょうか?
バイクの骨格を成していて、価格も高いフレームでしょうか?
空力性能にこだわったホイールでしょうか?
それともスムーズな回転の支えるベアリングでしょうか?
考え方は様々ですが、今回はタイヤの重要性に注目したいと思います。
なぜタイヤが重要なのでしょうか?
タイヤ選びによって、走りの何が変わってくるのでしょうか?
例え重要だと分かっても、私たちが投資できるお金は限られます。
そこでとにかく価格が安いロードバイクタイヤと、コスパが良いおすすめのロードバイクタイヤを、ご紹介します。
目次
ロードバイクのタイヤ選びの重要性
まず、タイヤ選びはなぜ重要なのでしょうか?
それは私たちと路面とを結ぶ唯一のパーツであり、その接地面積は各車輪ともに、親指の腹程度と言われています。
このわずかな面積で発生するグリップ力によって、私たちは発進し、加速し、減速し、そして急停止もします。
また場合によっては、時速100kmに達するスピードで山坂道を下ります。
カーブでは、コーナーリングフォースという遠心力に対して、私たちが飛び出さないように、支えてくれています。
この重要な役割を果たすためにタイヤは数千kmの走行、加えて紫外線などで劣化して2〜3年ほどすれば、その寿命を迎えます。
時には鋭利なものが突き刺さったり、サイドウォールと呼ばれる横っ腹を激しく擦られて、”突然死”する事もあります。
だからこそタイヤ選びは重要で、慎重に行わなくてはなりません。
ロードバイク用タイヤは高い安いで何が変わる?
ロードバイク用タイヤにはそれぞれ、商品開発の目的が異なります。
とにかく経済性を目指したものや、走りの良さを追求したものなど。
走りの良さとは、とにかく転がり抵抗が少なく、同じパワーでも速く走れたり、ヒルクライムであれば、踏み出しが軽くなるもの。
物体が回る際に必要なエネルギーの大きさは、慣性モーメントという物理量に応じて決まります。
慣性モーメントは、回転体の外周が重たいほど大きくなってしまいます。
ですので車輪の最外周にあるタイヤ重量は、慣性モーメントの大小に敏感に影響します。
軽いタイヤは、走り始めや加速、ヒルクライムでは、より少ないエネルギーで走ることができます。
ロングライドのサイクリングを楽しむことが目的であれば、長時間乗り続けても疲れにくい、クッション性能の良さが重視されます。
通勤用であれば、とにかくパンクなどのトラブルは起こさない、そしてランニングコストが安いことも重要ですね。
単純に高価だからどんな用途にも適している事はなく、安価だからといって、選択肢から除外すべきでもありません。
全ての性能を満たすオールマイティ商品は、残念ながらありません。
ロードバイク用タイヤの相場価格!安い・コスパが良いの基準は?
ロードバイク用タイヤは1本で千円台後半(クリンチャータイヤでチューブ無し)から、2万円近くするチューブラータイヤまであります。
主要な通販サイトを覗くと、1本3,000円〜5,000円程度の価格帯に、多くの商品が登録されています。
1本5,000円以下が、安いタイヤと呼ぶための必要条件になりそうです。
コスパについては、先にも述べた通り商品の開発目的は異なるので一概には言い切れません。
ですが最廉価品にコスパ向上分がプラスαされた製品、1本5,000円〜8,000円程度に、コスパが良い商品がありそうです。
ただしあくまでも目安なので、ここから詳しくご紹介いたします。
またロードバイクタイヤには現在、クリンチャー、チューブラー、チューブレス、チューブレスレディの4タイプが存在します。
今回はタイプ毎の紹介はしませんので、皆さんがお使いのホイールに合ったタイプであることをご確認下さい。
またクリンチャータイヤは、チューブ無しで販売されているのが一般的です。
これはタイヤが摩耗等で寿命を迎えても、チューブは使えるケースが多いからです。
ですのでクリンチャータイヤの場合、トータルでは2本のチューブ価格を加味してご判断下さい。
ロードバイク用タイヤの基本的な選び方
まずは最も重視する使用目的を明確にすること
ロードバイクの使用目的は、人それぞれかと思います。
毎日の通勤、休日のフィットネスやサイクリング、本格的なレースやそのためのトレーニングなど。
それぞれ求めるべき特性は違っており、よって選択すべきタイヤも変わってきます。
自分のロードバイクの使用目的は何なのでしょうか?
複数ある方もいらっしゃるかと思いますが、まず第一に挙げるならばどの目的になるのでしょうか?
最も重視する使用目的を、明確にしましょう。
ロングセラー製品を選ぶ
工業製品は日々進化しており、新製品が発売されます。
ロードバイクタイヤも複数メーカーから多数の種類が販売されています。
新しいものには惹かれますが、タイヤは大切な命を預けるものです。
長く売れ続けている製品には、それなりの理由があるはず、なので安心して購入できます。
またそういう製品は生産者も生産しやすく、結果的に生産品質も安定しています。
同等品で迷ったら、あえて高いものを選ぶのも一案
もし同じ特性、同じ価格帯の製品で迷った場合、あえて高価な方を選ぶというのはいかがでしょうか?
価格が高い分、少しでも良いものを選択したんだ、という安心感を得ることができるかもしれません。
これは考え方の違いですが、もしそう思える方でしたら、選択方法の一つとして覚えておいて頂ければと思います。
安いロードバイク用タイヤおすすめ3選
【ビットリア】
ZAFFIRO (ザフィーロ)
- クリンチャー :700x25c /x28c /x30c /x32c
- 税込み価格:¥2,200
ロードバイクの世界で長い実績を誇るビットリア。
そのビットリアのラインナップの中で、最も経済性を重視したタイヤです。
コスト低減を実現したのは以下の2点。
1. ビットリアの特徴となっている「グラフェンコンパウンド」を使用していないこと。(グラフェンコンパウンドについては後述します)
2. スチールビードを使用していること。
よって折り畳むことはできませんが、もちろん走行には関係ありません。
日常使い用としてとにかく出費を抑えるなら、最適の選択肢になるでしょう。
【パナレーサー】
Practice Dual(LP-27PTD-P-Y-RV42)
- チューブラー : 700C x 22.5mm
- 税抜参考価格:¥3,500
日本メーカーとして信頼性も高いパナレーサー。
チューブラー製品は現在4種類を販売していますが、その中でもコストを抑えた製品です。
廉価製品でありながら重量が270gと、上級モデルに近いレベルを達成しているのも魅力です。
バルブコアの脱着が可能な2ピースのフレンチバルブになっているので、さまざまなリム高さのホイールに使用できます。
【ミシュラン】
ダイナミックスポーツ
- クリンチャー:700x23C /x25C /x28C
- 税込:¥2,090~
自動車用タイヤでも、そして観光ガイドブックでもお馴染みの、ミシュランブランドのロードバイクタイヤです。
トレーニングや通勤用に、高寿命を実現したタイヤです。
ワイヤービードとケブラービードの2タイプ。
折り畳む必要がなければ、安いワイヤービードを選びましょう。
カラーバリエーションも4種類あるので、長く使い続けても交換時に色を変えれば、イメージチェンジもできます。
ミシュランブランドでありながら、定価2,090円〜 と、お財布に優しいのが何より嬉しいですね。
コスパが良いロードバイク用タイヤおすすめ7選
【ビットリア】
RUBINO PRO CONTROL(ルビノ プロ コントロール)
- クリンチャー:700x23C /x25C /x28C
- 税込:¥5,280
このタイヤの特徴は、サイドウォールまで強化されており、高い耐カット性能を誇ります。
またビットリアの売りである「グラフェン2.0」コンパウンドを使用しています。
「グラフェンは磁石のようにラバー分子を引き付けることでラバー構造全体を強化する」(ビットリアジャパンHPより)もの。
さらに2.0では「特定のパフォーマンスをピンポイントで向上させることに成功しており、特にスピード、ウェット時のグリップ、耐久性と耐パンク性能のパフォーマンスを押し上げるべくグラフェンを使っています」(同HPより)
誰もが安心して使える製品になっています。
【パナレーサー】
RACE EVO4シリーズ
- チューブラー、クリンチャー
- 税込:¥5,400~
パナレーサーが満を持してリリースしたRACE EVO4 シリーズ。
「ゼロ・スリップ・グリップ」から頭文字を取った「ZSG Advanced Compound」を採用。
転がり抵抗は低減しつつも、グリップ力の向上を実現。
また耐久性についてはJIS規格よりを上回る、パナレーサー社の独自規格を設定して開発しているとのこと。
さらにPro Tite(プロタイト)という特殊な生地で耐パンク性能を向上、安心してライドに集中できます。
【ミシュラン】
LITHION.3(リチオン3)
- クリンチャー : 700x23C /x25C
- 税込:¥3,300~
コストは抑えながらも、グリップ性能と耐久性を重視した製品です。
転がり抵抗の低減のためにセンターがスリック(溝無し)なので、摩耗でパターンが薄くなるのが気になる方も使いやすいでしょう。
またロードバイクタイヤのカタログで目にするTPI、これはタイヤの骨格を形成する部分の繊維の量を表すものです。
一般的にこの数値が高いと質の高いタイヤとされており、20TPI〜330TPIと言ったものがあります。
LITHION.3は60TPIですが、高グリップと耐久性、転がり抵抗の低さを考えれば、十分にコスパの良いタイヤと呼べるでしょう。
【ソーヨータイヤ】
スーパーリノ-290
- チューブラー: 28″x22mm 290g
- 税込:¥4,180
日本の競輪界を支えるソーヨータイヤ。
縫い目、つなぎ目のないシームレスタイヤが有名で、チューブラータイヤの製品が充実しています。
そのラインナップの中でスーパーリノ-290は、ツーリングやトレーニング用チューブラータイヤのロングセラー製品になっています。
安価なチューブラー製品には、バルブ周辺の真円度が悪かったり、クリンチャーに比べると太さの均一性が低いものもあります。
スーパーリノ-290は真円度も高く、ホイールにセットした際のセンター出しも容易、扱いやすい製品に仕上がっています。
トレーニング用ですが、ブラックとレッドのツートンカラーも、ちょっとしたアクセントになっています。
【コンチネンタル】
GIRO
- チューブラー:28″x22mm (300g)
- 税込:¥4,620
コンチネンタルのラインナップで最安価ですが、160TPIのケーシングが魅力的。
少し控えめのように見えますが、コンチネンタルは上級製品でも180TPIです。
単に数値では表されないノウハウが、織り込まれているようにも思えます。
太さも22mmと一般的なので、上手く空気圧を調整できれば、乗り心地もある程度は期待できる製品です。
空気圧は高くすればタイヤの変形量が少なくなり、走行抵抗も減りますが、路面の凹凸によって跳ねやすくなってしまいます。
跳ねて仕舞えば動力伝達はできず、“前に進まない“、硬いから乗り心地も悪いものになってしまいます。
空気圧はやや高めの設定から、少しずつ空気を抜きながら、走りやすい空気圧を探して見て下さい。
【ブリヂストン】
エクステンザ RR2LL (23C:F301108BL(RR2LL723))
- クリンチャー:700x23C /x25C /x28C
- 税抜:¥4,571
タイヤといえばブリヂストン、多くの日本人が持っているイメージではないでしょうか?
ロードバイクタイヤとしては後発ですが、自動車用タイヤのイメージもあって、安心感があります。
センタースリックパターンにより、走行抵抗の低減と高いグリップ力が期待できます。
耐パンク性能として、ナイロン製耐パンクプロテクターが入っています。
【マキシス】
Re-Fuse(リフューズ)
- クリンチャー:700x23C /x25C /x28C /x32C
ロードバイクだけでなくさまざまなタイプの自転車用タイヤを手掛けるマキシス。
そのラインナップの中でも特に」耐パンク性能を重視したのがリフューズ。
マックスシールドという独自技術が採用されています。
とにかく日常使いをしたい方には、耐パンク性能の高さは、安心して使える製品です。
まとめ
ここまで安いタイヤ、コスパが高いタイヤをご紹介しました。
タイヤは走りを決定する上で大切なパーツ。
フレームが30g軽くなっても気付く人は、おそらくほぼいないかと思います。
ですがタイヤが30g軽くなれば、踏み出しが軽くなることを、きっと多くの方が体感するでしょう。
タイヤ選び一つで、同じロードバイクでも違った乗り味を体験することができます。
用途に応じて様々なタイヤを試して、乗り味の違いをお楽しみ下さい。
ロードバイクのタイヤの購入で失敗しないために、各ショッピングサイトのレビューもしっかり確認して自分にピッタリなモノを見つけましょう。
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