短尺や長尺など、パターにはさまざまな長さがありますが、一般的には33~34インチを使う人が多いのではないでしょうか。
長さは身長で選ぶと思われがちですが、身長の低い女子プロでも36インチのパターを使っている人が存在します。
では、36インチのパターを使うことで、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
今回は、36インチのパターを使うメリットやデメリットと、おすすめの36インチのパターを多く紹介していきます。
36インチのパターを使うメリット
ストロークが安定する
36インチのパターは通常のパターよりも2~3インチ程度長いので、その分パター全体の重量も増します。
重みがある分、ショートパットで振り急いでしまうのを防ぎ、どの距離でもゆったりとスイングすることが可能です。
特に、距離によってスイングがブレやすい人はどの距離でもスイングが一定になり、安定したボールを打ち出せます。
手打ちを防ぐ
シャフトは、長くなればなるほど手首の動きが制限されて、オートマチックなストロークになります。
そうすると、手首が固定されて身体全体を動かすストロークとなるため、手打ちになりにくくなるのです。
手打ちになりやすい人やボールがブレやすい人は、36インチのバターを使うことでブレを防げるでしょう。
視野が広くなる
構えにもよりますが、パターのシャフトが長くなると、いつもよりも上半身を起こす姿勢になることが多いようです。
そうすると、目線も上がるので視野が広くなり、カップまでのラインや傾斜などが視野に入りやすくなります。
その結果、全体を見てパッティングできることで、距離感がつかみやすくなるのがメリットと言えます。
36インチのパターを使うデメリット
ボールの置き場所が変わるケースもある
パターは、正確な距離感や方向感覚、傾斜を判断するためにも、目線の真下にボールを置くことがベストとされています。
姿勢である程度の目線調整は可能ですが、36インチのシャフトを使うと、身長や構えによってはボールの置き場所が変わる場合も。
目線の真下にボールが置けない場合、目線とボールのラインに誤差が生じてしまう可能性があります。
相性が悪い構えもある
パターは、他のクラブより構え方の自由度が高いので、腕をまっすぐに構えたり、五角形のように構えたりとさまざまです。
どれが正解というのはありませんが、36インチのパターを使う場合、相性の良くないのが肘を伸ばす構え方です。
肘を伸ばした状態で長いシャフトを使うとヘッドを前方に構える必要があるため、ストロークが不安定になってしまいます。
数が少ない
33~34インチのパターが一番需要が高いこともあり、大手メーカーのラインナップも33~34インチが大半を占めています。
ですので、それより2~3インチ長い36インチのパターは、どうしても販売されている数が少ないのが現状です。
メーカーによっては36インチのパター自体を製造していないメーカーもあるので、メーカーが限られるのも難点と言えます。
36インチのパターの選び方
ヘッド形状
長方形のピン型は、操作性が高く打感がダイレクトに伝わるので、繊細なタッチで打てるのが魅力です。
半円型のマレット型はヘッドの重みでオートマチックなボールを打ちやすく、ミスに強い作りとなっています。
マレット型よりさらに大型のネオマレット型は、マレットよりさらに安定性が高く、ミスに強い作りになっています。
操作性重視ならピン型、安定性重視ならマレット型やネオマレット型がおすすめです。
ネック
パターのネックは、センターネック、クランクネック、ベントネックなどがあります。
フェースの真ん中にシャフトが付いているセンターネックは、フェースの開閉がしやすく、感覚でボールを打てるのが利点です。
カギ状のクランクネックは、ネックよりフェースが少し後ろにあるので、フェースを返してまっすぐ打ち出すことができます。
ネック部分がなく、シャフトが曲がっているベントネックは、フェースのどこに当たっても安定した転がりを出せるのが特徴です。
操作性重視ならセンターネック、フェースが開きやすい人やクランクネック、安定性重視ならベントネックがおすすめです。
メーカー
36インチのパターを販売している大手メーカーは、ピン、オデッセイ、ヨネックスなどです。
ピンは、シャフトのカスタム範囲が広いモデルが多いので、多くのヘッド形状から好みのヘッドを選ぶことができます。
オデッセイは、選べるシャフト範囲は狭いものの、ヘビーウェイトタイプなどは36インチのラインナップが豊富なモデルです。
ヨネックスは、全体的に36インチのラインナップが豊富なので、選べる幅が広がります。
価格帯
パターの価格帯は、大手メーカーでもかなりの開きがあり、現行モデルの場合、2万円台〜10万円を超えるものまであります。
ものによってはドライバー並みの価格となるので、少しでも価格を抑えたい場合は中古パターがおすすめです。
パターの場合、他のクラブとは違ってフルスイングすることがないので、ヘッドの劣化が少ない傾向にあります。
状態の良いパターに出会えるケースもあるので、探していくうちに掘り出し物を見るけられるかもしれません。
36インチのパターおすすめ10選
メーカー・製品名 | ヘッド形状 | ヘッド素材 | ヘッド重量 | ロフト角 | ライ角 |
---|---|---|---|---|---|
オデッセイ TANK #1V | ピン型 | ステンレススチール | 不明 | 3.0度 | 70度 |
オデッセイ TANK#7 | ネオマレット型 | ステンレススチール | 不明 | 3.0度 | 70度 |
オデッセイ ワークスクルーザー#7 | ネオマレット型 | ステンレススチール | 365~385g | 3.0度 | 70度 |
ピン シグマ G キンロックCB | ピン型 | ステンレススチール | 400g | 3度 | 70度 |
ピン シグマ G ドゥーン | マレット型 | ステンレススチール | 400g | 3度 | 70度 |
ピン オスロH 2021 | マレット型 | アルミニウム、ステンレススチール | 365g | 3度 | 70度 |
ヨネックス EZONE TP-01+ | ネオマレット型 | アルミ合金 | 349g | 3度 | 68 |
ヨネックス EZONE TP-GR2 | ネオマレット型 | ステンレス | 347g | 3度 | 68度 |
ヨネックス EZONE TP-S600 | ネオマレット型 | アルミ合金 | 345g | 3度 | 68度 |
広田ゴルフ センターシャフトパター | ピン型 | 軟鉄 | 360g | 4度 | 72度 |
【オデッセイ】
TANK#1V(730547425360)
ヘッド、シャフト共にヘビーウェイトな作りが特徴の、タンクシリーズのピン型パターです。
グリップエンド部分に40gの重りを入れることで、重いヘッドとシャフトとのバランスを取り、振り心地の良さも実現しました。
ヘッドの安定性と操作性を兼ね備えた、いいとこどりのパターとなっています。
ヘッド形状 | ピン型 |
---|---|
ヘッド素材 | ステンレススチール |
ヘッド重量 | 不明 |
ロフト角 | 3.0度 |
ライ角 | 70度 |
【オデッセイ】
TANK#7(730493525340)
こちらはタンクシリーズのネオマレット型で、#1Vよりさらに安定したスイングができるパターです。
シリーズの特徴であるヘビーウェイトと、ホワイトホットインサートによる柔らかな打感で、オートマチックなスイングができます。
さらに後方部のツノにより、ミスしてもフェースがブレにくい作りとなっているので、初心者におすすめの1本です。
ヘッド形状 | ネオマレット型 |
---|---|
ヘッド素材 | ステンレススチール |
ヘッド重量 | 不明 |
ロフト角 | 3.0度 |
ライ角 | 70度 |
【オデッセイ】
ワークスクルーザー#7(730623525340)
ソールのトゥとヒール部分にある調整可能のウェイトにより、ヘッドの重さやストロークに合わせたバランス調整が可能です。
また、それに合わせてグリップエンド部分のウェイトも変えられるので、カウンターバランスを作ることができます。
ウェイトの組み合わせでバランスが大きく変わるので、自分好みに細かくカスタマイズしたい人に最適のパターです。
ヘッド形状 | ネオマレット型 |
---|---|
ヘッド素材 | ステンレススチール |
ヘッド重量 | 365~385g |
ロフト角 | 3.0度 |
ライ角 | 70度 |
【ピン】
シグマ G キンロックCB
トゥとヒールに厚みを持たせたピン型ヘッドで、操作性と安定性を両立させた作りとなっています。
シグマGの特徴である、アルミニウムとぺパックスの複合フェースにより、インパクト時の振動を抑えて柔らかい打感を実現。
フェース面全体がインサートとなっているので、ミスに強く、どこに当たっても安定したボールが打ち出せます。
ヘッド形状 | ピン型 |
---|---|
ヘッド素材 | ステンレススチール |
ヘッド重量 | 400g |
ロフト角 | 3度 |
ライ角 | 70度 |
【ピン】
シグマ G ドゥーン
こちらはシグマGのネオマレット型パターで、キンロックCBと同様に重さを持たせたカウンターバランスのパターです。
フェースが常に進行方向を向く作りとなっているので、振り幅の調整のみで思ったボールを打つことができます。
オートマチックなスイングがしたい人や、距離感を掴みにくい人におすすめの1本です。
ヘッド形状 | ネオマレット型 |
---|---|
ヘッド素材 | ステンレススチール |
ヘッド重量 | 400g |
ロフト角 | 3度 |
ライ角 | 70度 |
【ピン】
オスロH 2021
フェース面に異なる2種類の素材を使うことで、ショートでは柔らかく、ロングではしっかりと打ち切れる打感が魅力です。
また、高比重のソールプレートと両端のタングステンウエイトにより、低重心で転がりの良いボールを打ち出せます。
クランクネックの大型マレットなので、フェースが開きやすい人にもおすすめのパターです。
ヘッド形状 | マレット型 |
---|---|
ヘッド素材 | アルミニウム、ステンレススチール |
ヘッド重量 | 365g |
ロフト角 | 3度 |
ライ角 | 70度 |
【ヨネックス】
EZONE TP-01+(TP-01+)
「1mのパットが90%以上の確率で入る」のキャッチコピーで話題となった、イーゾーンパターの2019年モデルです。
ヘッド後方にかけて厚みを持たせたことで、スイングの許容角度が従来の2倍になりました。
縦のミーリングにより直線性の高いボールを打ち出し、さらにショートパットに強いパターとなっています。
ヘッド形状 | ネオマレット型 |
---|---|
ヘッド素材 | アルミ合金 |
ヘッド重量 | 349g |
ロフト角 | 3度 |
ライ角 | 68度 |
【ヨネックス】
EZONE TP-GR2(TP-GR2)
「トライプリンシプル理論」に基づいた許容角度を、溝と赤のガイドラインで示すことにより、より打ちやすい作りになりました。
慣性モーメントも従来より15%アップしており、スイングの安定性を高めて確実にカップインする手助けをします。
特殊なヘッド形状やカーボンとスチールの複合シャフト、フェースの縦溝など随所にこだわりを見せたパターとなっています。
ヘッド形状 | ネオマレット型 |
---|---|
ヘッド素材 | ステンレス |
ヘッド重量 | 347g |
ロフト角 | 3度 |
ライ角 | 68度 |
【ヨネックス】
EZONE TP-S600(TP-S600)
TP-GR2と同時期に発売されたモデルで、カップインがイメージしやすいヘッド上部の半円のグレーラインが特徴です。
さらに5.61度以内にストロークできればカップインするという「トライプリンシプル理論」により、赤のガイドラインを表示。
形状はTP-01+と似ていますが、四隅に調整可能のウェイトが配置されているので、自分の好みに合わせて調整できます。
ヘッド形状 | ネオマレット型 |
---|---|
ヘッド素材 | アルミ合金 |
ヘッド重量 | 345g |
ロフト角 | 3度 |
ライ角 | 68度 |
【広田ゴルフ】
センターシャフトパター
職人が1本1本手作りで作り上げている幅広タイプのピン型パターで、シンプルながら高品質なパターです。
フェース全体にミーリング加工を施すことで、柔らかい打感と心地よい打音を実現しました。
ソール部分に名前を刻印できるので、自分用にはもちろん、プレゼントにも最適です。
ヘッド形状 | ピン型 |
---|---|
ヘッド素材 | 軟鉄 |
ヘッド重量 | 360g |
ロフト角 | 4度 |
ライ角 | 72度 |
まとめ
安定したストロークや視野を広げる点で、36インチのパターには多くのメリットがあります。
今まで標準の長さのパターを使ってしっくりこなかった人は、36インチのパターを使うことで、新たな発見があるかもしれません。
36インチのパターの購入で失敗しないために、各ショッピングサイトのレビューもしっかり確認して自分にピッタリなモノを見つけましょう。
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